こんにちは、石橋です。
いよいよ始まったパリ五輪、早くも感動のシーンの連続で盛り上がっていますね。
こういう国際的なスポーツイベントになるとよく思うことがあるので、今回はそれを綴ってみたいと思います。
まず、思うことは一流である人たちのすごさ。オリンピックに出場するレベルのアスリートは才能、努力ともにその時点で一流なんですが、一流のアスリートはその立ち振る舞いにも一流感があふれています。
特にそれが顕著に表れるのは、負けた時。阿部詩選手は残念ながら2回戦で敗退してしまいましたが、負けた時の号泣やそのあとの「ウタ」コール。もちろん優勝を期待されて乗り込んできたスター選手なので人気もあるわけですが、その負けた姿に会場がひとつになり、自然に「ウタ」コールが起きました。
その後、優勝を託された兄が念願の金メダルに輝くという、まるで漫画のような展開でした。この時も試合中に「ヒフミ」コールが起きていて、こういう声援を浴びる人ってそれにふさわしい人なんだなぁと感じます。考えたくはありませんが、もし阿部一二三選手が負けてしまったとしても、会場はひとつになっていたことでしょう。これぞ一流というものです。
そして、スケートボードでも日本勢が躍動しました。わずか14歳や15歳の選手が世界を相手に堂々と戦い、むしろ楽しそうにしているようにも見えました。実際、本人たちは「楽しかった」と語っていて、かつて日本人アスリートが克服できなかったメンタルの壁をあっさりと超えていることに驚きます。他のスポーツでも思いますが、今の若い日本人アスリートたちは大舞台をむしろ楽しいもの、自分にとってオイシイことと感じているところが、一流なんですよね。勝っても負けても国際舞台で堂々と戦っている姿は、勇気をもたらしてくれます。
それともうひとつ、とても清々しいのが観客や選手たちの「スポーツを楽しむ」文化性です。フェンシングではフランスの英雄を、ダークホースと見られていた日本の加納虹輝選手が破って金メダルに輝きました。フランスの観客が埋め尽くす会場内は、まさに完全アウェイ。その状況で堂々と勝利し、観客は総立ちのスタンディングオベーション。加納選手の金メダルも当然嬉しいんですが、それをフランスの観客がスタンディングオベーションで祝福している姿に、強く感動しました。フランスは、オリンピックを開催するのにふさわしい国のひとつなんだなと実感します。
スケートボードの選手たちは、お互いのプレーを本気で喜び合っているように見えました。皆でこのスポーツを楽しもう、盛り上げようという気持ちが表れていました。会場の観客もそれに応えて、とても素晴らしい空間だったように思います。スポーツは本来楽しむもの、国際大会はお祭りなんですから、これが正しいのだと思います。
メダル、メダルと選手にプレッシャーをかけるのではなく、「思いっきり楽しんできてね」と送り出すのが、スポーツを楽しむ文化性ではないでしょうか。日本の一流アスリートたちが楽しそうにプレーをしている姿をまだまだ楽しませてもらおうと思います。
頑張れ、ニッポン!