最近の太陽光発電関連の動きを見ていますと、発電規模の大型化、メガソーラー化が活発な様相を呈しています。
太陽光発電はパネルが小型化し、性能も高くなったとは言え、メガソーラークラスの大出力を得ようとするとどうしてもそれに見合う広いスペースが必要になります。
和上ホールディングスでは、従来からの住宅用太陽光発電の普及に力を入れる一方で、野立ての方式も積極的に取り組んでいるところで、そのひとつがカーポート(駐車場)型の太陽光発電設備です。
この分野で、最近、興味深いニュースがありました。
それは、千葉県にある工場の従業員用駐車場でカーポート型メガソーラーが稼働し始めたという報道です。
このメガソーラーは、2.6ヘクタール(約2600平米)の面積を有する駐車場をカーポートにしたもので、最大出力は約1.7MW、年間発電量が約170万kWhに達します。この発電量は一般住宅460戸が年間に消費する電力に匹敵し、このスペースは約1100台の自動車が駐車可能とのことです。
発電事業者は、駐車場を所有する企業ではなく、このスペースを借り受ける形での別会社ですから、これはいわば屋根貸し事業で、この設備で発電された電力はすべて固定価格買取制度(FIT)で電力会社に売電されます。
通常の野立て太陽光発電設備であればメガソーラーは珍しいことではありませんが、この場合はカーポート型という点が注目に値します。
具体的には、それまでは露天駐車場であった場所をカーポートにして、その上に太陽光パネルを敷き詰めた太陽光発電設備で、まさに限られた土地の有効利用の見本であると同時に環境改善に大きく寄与するというメリットがあります。
また、屋根上のパネルの遮熱効果で、真夏でも駐車している自動車の車内温度上昇が防げると言う副次的なメリットも見逃せません。
最近は環境汚染の元凶とされている石炭火力発電所新設計画が話題になっていますが、CO2削減で苦境に立たされている日本で、このような太陽光発電施設が稼働しはじめたのは、当たり前とも言えます。
なお、このニュースに付帯した動きとして、2014年に発表された「東京都長期ビジョン」での駐車場の上部空間を有効的に活用するソーラーカーポートの普及促進があります。
カーポート型太陽光発電システムは、パネルの設置方法次第では小さなスペースでも大きな発電量が期待できますから、民間の住宅でも前向きに検討する価値が十分ある、新しい土地活用のアイデアと言えます。