アップルとはりんごのことですが、この名前とイラストをコンピューターに付けるのは何ともユニークな発想です。
今では、中年以下の人はアップルと聞けばコンピューターを連想するでしょう。
そのアップル社の創始者であり、現会長のスティーブ・ジョブス氏が日本時間で2011年10月6日午前、亡くなったと発表されました。
このニュースは瞬時に世界中を駆け巡り、多くの人に衝撃を与えました。
それほど年配でもないジョブス氏はまだまだ元気だと誰もが思っていたからです。
そして、ジョブス氏に関する記事を読んだのですが、それは生前のジョブス氏が語っていたことについてです。
ジョブス氏は実に明確なビジョンを持ち、創造性豊かな天才として知られていますが、大学など各所の講演会などで数多くの明言を残していることでも知られています。
その記事はジョブス氏が残した名言の中のいくつかを紹介しています。
ここで引用させていただきますと、その一つは「海軍に入隊するのなら海賊になったほうがいい」と言うものです。
これはマックとして親しまれているマッキントッシュを開発している時の言葉だそうですが、何とも皮肉な言葉です。
つまり、海軍のような画一的な発想を捨てて、海賊のように自由自在な発想を持て、と言うことではないでしょうか。
つまり、独創性を大切にしろと、ジョブス氏は言いたかったのでしょう。
別の言葉には「我々は常に大きなアイデアを平気で盗んできた」と言うようなものがあります。
つまり、いいものはどんどん取り入れようと言う心の広さを示しているのです。
言い方を変えれば、いいものはいいものだと言うことになります。
一番有名だとされる言葉に、「ずっとこのまま砂糖水を売るのか、それとも世界を変えるようなチャンスをつかむ気はないのか」があります。
これはヘッドハンティングの時の言葉だとのことですが、砂糖水とはペプシコーラのことです。
つまり、ジョブス氏は相手の能力を見ぬく力があったことを証明しています。
まだあります。
「時間は有限だ。だから他人の人生を生きようとしたりすることは無駄なことだ」と言うような意味の言葉です。
これもジョブス氏の独創性が言わせた言葉でしょうが、自分の能力を信じて、他人の真似はするなと言うことでしょう。
そして、面白いのは「こんな国には二度と来るもんか!」です。
この言葉はアップル社では否定しているそうですが、何でも2010年に日本へ来た時に自家用ジェット機に手裏剣を持ち込もうとして日本の税関で止められた時に言ったらしいのです。
ということは、「こんな国」は日本のことです。
しかし、実際にはジョブス氏はかなりの親日家であったようですから、この言葉は仮にそうであったとしても、いわゆるジョークだと考えられます。
そして、テレビなどで放映されましたが、最も意味深な言葉が”Stay hungry, stay foolish”ではないでしようか。
直訳すれば、例えば「貪欲であれ、愚か者であれ」ですが、実に含蓄のある言葉です。
この言葉はいろいろな意味に解釈できそうですが、常に現状に満足しないで、利口ぶって慢心するなと言う私たちへの率直な警告の言葉でもあるような気がします。
とかく、人間は少し生活環境や職場環境が良くなると、それを守ろうとします。
そして、少し他人より抜きんでると利口ぶって満足してしまいます。
ジョブス氏は、それでは未来へのさらなる開発や改良、独創的な発想は生まれてこない、と言いたかったのではないでしょうか。
もちろん、この言葉は良い意味でのハングリーであり、フーリッシュで、貪欲に金もうけをしろとか、バカのままでいいと言うことではありません。
私たちは真摯にこの言葉を受け止めたいと思います。
そして、他人を傷つけることなく貪欲にいい意味でのハングリー精神で、奢ることなく仕事に生活にこの言葉を生かしていきたいと思います。
ジョブス氏のご冥福を祈りましょう。