こんにちは、石橋です。
昨今は世界情勢がきな臭くなってきていますが、そんな折に発生したのが、イスラエルによるイランへのミサイル攻撃です。もちろんイランも報復攻撃を行い、イスラエル国内に無人機攻撃を仕掛けました。
2025年6月15日時点で、イランからの報復攻撃があったというところまでですが、これにイスラエルが黙っているとは思えません。何らかの形で報復しなければ国内世論を抑えられないでしょうし、まだまだイスラエルには目的があります。

その目的とは、イランの核開発の阻止です。イランはイスラエル国民、つまりユダヤ人のことを「シオニスト」と呼び、敵とみなしています。シオニストとは「シオニズム」という思想の持ち主のことで、簡単に言ってしまうとパレスチナにユダヤ人の国を作るという思想がシオニズム、そしてその思想を持っている人がシオニストです。
しかしながら、パレスチナはもともとアラブです。アラブはイスラム教徒が大半で、そんな土地に異教徒であるユダヤ人が「ここは自分たちの聖地だ」という理由でイスラエルという国を作ったのですから、アラブ人は反発します。その急先鋒となっているのがイランで、イスラエル周辺にある反イスラエル組織(ハマス、ヒズボラなど)の後ろ盾にもなっています。
イスラエルやその周辺には、こうした対立の構図があります。そしてイスラエルはアメリカの支援も受けつつ軍事力を高めて、今やその周辺では最強の国家となっています。そんなイスラエルに対してハマスが音楽フェスの会場を襲撃して大量の殺人と誘拐をしました。これに激怒したイスラエルがハマスの本拠地であるガザに攻め込み、やり過ぎではないかという攻撃をするのに対抗して、イランが後方支援をしているわけです。
そしてイランでは核開発が進み、これまでに何度も行われてきた協議も不調に終わったり合意違反をしたりで、ウラン濃縮が最終段階に入っています。分かりやすく言えば、イランはイスラエルを一瞬で焼き尽くせる核兵器を手にする直前なのです。イスラエルは過去にもイランの核施設を空爆して、核開発を遅らせたことがあります。イスラエルの理論では、今回はその「続き」です。イランが核ミサイルを持つことが重大な脅威なので、それを防ぐのは自衛の一環、というわけです。
一方のイランは、またもや核開発を妨害された上に軍トップの司令官を殺害されました。当然激怒しますし、もとより国是である「シオニストを滅ぼす」という目的を行動に移そう、となるわけです。
・・・と、テレビの解説番組のごとく中東情勢を語ってきたわけですが、これは全くもって対岸の火事ではありません。もちろんイスラエルやイランのミサイルが日本に飛んでくることはありませんが、最も直接の影響があるのは原油価格です。
こちらは、イスラエルが攻撃を仕掛けた時のWTI(世界の原油価格の指標となるアメリカの原油先物価格)チャートです。どこで攻撃が起きたか、言うまでもありませんね。

このことが意味する事の重大さ、分かりますか?それまで中国の景気減速などで原油価格は下がり続けていて62ドルくらいだったものが、一気に77ドルまで上がったんです。石破政権がガソリン価格を下げるといって補助金を再開しましたが、その効果を一気に吹き飛ばして、さらにガソリン価格を押し上げるレベルです。しかも補助金は税金なので、自分たちの税金で必死になって5円、10円下げていたガソリン価格が、中東情勢のために20円以上上がったとしたら、どう思いますか?それもこれも、エネルギー源を原油に依存しすぎているからであり、中東という不安定な地域に依存しすぎているからです。
先ほどイスラエルとイランが対立している理由や経緯を解説しましたが、この対立が永久に解決しないことは、誰が見ても明らかです。今回の軍事的緊張が緩和されたとしても、またぞろどこかで似たようなことをやる両国なのです。そのたびに原油価格が跳ね上がり、私たちの生活が苦しくなる・・・こんなことでいいのでしょうか?
私はそのひとつの答えとして再生可能エネルギー、その中でも太陽光発電に期待しています。資源が乏しい日本ですが、太陽光は平等に降り注ぎます。それをエネルギーにできるかどうかは、太陽光発電の技術革新や投資の拡大次第です。日本にはその技術がありますし、近年ではペロブスカイト太陽電池の開発により、平地の少ない日本でもどんどん発電所を作れる時代が始まっています。これをいかして原油依存、中東依存を引き下げていくことができれば、中東の戦争で私たちの生活が脅かされるリスクは大きく下がります。
実は日本は古くから再生可能エネルギーを活用してきました。それは、水力発電です。今も主要な電源として機能していますが、巨大なダムを建設したりと投資コストが大きいため、簡単には拡大できない現実があります。その点、太陽光発電は小規模でも運用できるため、その積み重ねが大きな力になります。
日本がいくら平和であっても、いくら頑張っていても、世界ではどうしようもない問題が起き続けています。そんなリスクから日本を守るためにも、私は国産の潤沢な資源である太陽光をこれからも追っていきたいと思います。