こんにちは、石橋です。
今回はESG投資についてのお話をしたいと思います。

ESGとはE=Environment(環境)、S=Social(社会)、G=Governance(ガバナンス)の3つをまとめた造語で、SDGsが登場したのとほぼ同時期に重視されるようになった概念です。
企業は単に利益だけを追求するのではなく、環境や社会、ガバナンス(企業統治)などの質を高める必要があるという考え方です。ESGが提唱され始めた時期には世界の大手企業がこぞってESGの取り組みを強化し、こうした活動に積極的ではない企業については機関投資家が手を引く(つまり株価が下がる)という現象も起きました。
企業が利益を上げるのにあたって、その「質」が問われるようになったわけです。
私たち和上ホールディングスは環境ビジネス企業なので、ESGの取り組みを強化したいと考えている企業に向けて太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーの導入支援などを行っています。
さて、時は流れて2026年。最近、あまりESGという言葉を見聞きすることがなくなってきたように感じます。SDGsについてはまだ比較的目にすることもあるんですが、ESGについてはある時期を境に社会全体があまり関心を示さなくなったようにも感じます。
その「ある時期」とは、ロシアによるウクライナ侵略です。
それまでの世界は全体的に平和だったので、環境問題や人権問題などに関心を持ち、それを高めていこうという機運に満ちていました。しかし、戦争というもっと直接的なリスクが顕在化したことによって、特にヨーロッパでは背に腹は代えられないともいえるようなことが次々と起きました。
それまでは化石燃料のことを悪者呼ばわりしていたわけですが、ロシアからの天然ガスや石油の供給がストップ。これにより、ヨーロッパは石炭火力の再稼働や原子力の見直しなどが進みました。EUが公式見解で原子力のことをグリーンエネルギーに分類したことも印象的です。
エネルギーの質を高めよう、という以前にエネルギーを確保することのほうが重要になってしまったわけです。
そして、アメリカではトランプ政権が誕生。石油を「掘って掘って掘りまくる」と宣言していた人が大統領になったとあって、アメリカは完全にESGには背を向ける国となりました。元からあまり関心は高くなかったと思いますが、それがより顕著になったと見るべきでしょう。
GAFAMやテスラなどアメリカの経済を牽引するような大企業がESGへの言及をあまりしなくなったり、世界中の企業でESGウォッシュ問題も置きました。
ESGウォッシュ問題とは、「ESGに取り組んでいる」ことを大々的にアピールしている企業が、実は環境問題や人権問題、サプライチェーン問題などを引き起こしていたことが後から発覚することです。
ESGウォッシュについては、ドイツ銀行の誇張広告やバンク・オブ・ニューヨーク・メロンの虚偽情報開示などが有名ですが、日本でもメガバンクによる石炭火力発電所への融資や、トヨタの無根拠広告などなど、実に多くの事例があります。
あれだけ美辞麗句を並べておきながら、実は多くの企業が本気で取り組んでいるわけではなかった・・・という落胆が、そもそもESGなんて絵空事であるというロジックに転換していったのかもしれません。
では、ESG投資の今はどうなっているのでしょうか。
もちろん、完全に終わったわけではなく、より現実的な形で未来を模索しています。
これまでのESG、特に環境分野で進んでいた再生可能エネルギーへの本格シフトについては一部見直され、原子力や天然ガスといった化石燃料の中でも環境負荷が低いエネルギーの導入、そして再生可能エネルギーの弱点を克服するために導入が進んでいる蓄電池などを含めていくことで、より現実的な広がりを見せています。
脱炭素はもちろん究極の理想ですが、今すぐそれを達成するのではなく、段階的に減らしていくという現実的な路線にシフトしています。こうした動きは元より、私が提唱していたこととほぼ重なります。今すぐすべてを達成するのではなく、今できることを少しずつ進めていって、時間をかけて大きな目標を達成するべきだというのは、ESGの概念が登場した当時はインパクトが弱いと感じられたかもしれません。しかし、世界は常に不安定です。ウクライナ戦争やイラン戦争のようなことが今後起きない保証はありませんし、大規模な自然災害や気候変動など、人類が向き合っているリスクは数えきれません。そういったリスクや課題とうまく向き合いながら、できることを進めていくのがこれからのESGだと思います。
ESGは思想ではなく、持続可能な社会システムを構築するための現実的な方法論です。これまでの思想的側面が強かったESGだと、またぞろESGウォッシュの事例が続出する温床になってしまうでしょう。そうではなく、結果の見えるESG、現実味のあるESG。これを実現するためのお手伝いをしていくための和上ホールディングスなので、これからも結果を出すことで社会に貢献していきたいですね。