こんにちは、石橋です。
ゴールデンウィークを前に、ようやく初夏らしい気候になってきましたね。
行動制限のない連休、今年は盛り上がりそうです。
日本は連休のことを考えられるほど平和な国なので、その余裕もあって環境問題やエネルギー問題を論じる余地もあるわけですが、世界にはそんなことを言っていられない国がたくさんあります。
そのひとつが、スーダンです。つい先日、内戦が勃発して急に世界から注目を集めることとなった国ですが、それまでは私たち日本人にとってはなじみの薄い国でした。事実、私もあまり詳しいことは知りませんでした。
今回の内戦は、起こるべくして起こったと言われています。というのも、スーダンに限らずアフリカには民族や宗教などの対立が根深く残っており、平和的解決ができるほど生易しいことではありません。事実、今回もずっとにらみ合いになっていたものが内戦へと発展してしまいました。
こうした問題は私にできることがほとんどないので論評はしませんが、こうした内戦が起きている国、起きそうな国ではもうひとつの問題があります。それが、私の専門でもある環境問題です。
スーダンに限らず、アフリカでは貧困ゆえの環境破壊が進んでいます。
日銭を稼ぐために自然を破壊する⇒破壊された自然が牙をむいて災害を引き起こす⇒さらに貧しくなって環境破壊が加速する、といった悪循環から抜け出せない地域は本当にたくさんあります。
スーダンもそうですが、スーダンの南側にある南スーダン共和国もその典型です。
最大の原因は内戦と貧困です。内戦によって自然が破壊され、それによって生活が苦しくなった人が自然由来の資源を過剰に取ってしまうため、自然が細ってしまいます。
南スーダンの主要なエネルギーは今も木炭ですが、木炭は比較的安全な地域での生産が盛んです。しかしこの「盛ん」というのが曲者で、木炭をたくさん製造するために森林が伐採され、森林が減少しています。森林が減少することで大雨が降ると洪水が起きやすいですし、水を貯える機能が弱くなるため干ばつも増えるという・・・まさにスパイラルです。
こうした国に向けて「これからはSDGsの時代」「環境を守ろう」といっても、全く響きません。日々の生活に必死で、そのためには目の前にある資源を奪取せざるを得ないのです。
こうした問題は南米でも起きており、世界的なアマゾンのジャングルが焼き畑農業でどんどん減少していることはご存じの方も多いと思います。「森を焼くな」といったところで、「それならどうやって生活するんだ」と返されるのは目に見えています。人間にとって、目の前の生活は何よりも大切な問題です。
日々の生活にそれほど困ることない先進国の人々はSDGsや環境問題を論じることができますが、それは目の前の生活に困っていないからです。
SDGsには貧困をなくす目標も含まれています。貧困や飢餓の問題は環境問題と別物ではなく、すべてリンクしています。だからこそ、SDGsは異なる問題を17の目標に整理して、すべてを目指すと謳っているわけです。
SDGsの精神を理解するには、こうした現実があることからも目を背けてはいけないと思います。