こんにちは、石橋です。
今更ですが、電気がいかに大切な社会・生活インフラであるかは、改めてここで申し上げるまでもないことです。
その電気は、現在のところその大半を9社の電力会社が供給しています。
戦後70年を振り返ると、昭和30年代までの電気供給はウナギのぼりに伸びてきて、戦後の高度成長で大きな役割を果たしてきました。
その後、さらに需要が増え続け、その電気需要に応えるために、原子力発電所が全国各地に建設され、その当時はまさか原発が故障したり損傷するなどと言うことは夢想だにしませんでした。
ところが、自然の力を甘く見たわけではないにしても、想定の根拠が不十分だったために東日本大震災で福島の原発が壊滅的な被害を受け、結果として原発の恐ろしさを如実に照明しました。
今なお多くの方が地元に戻れず、大きな社会問題になっています。
ここまで来ると、従来の「想定外」という言葉は、だから仕方がないのだという言い訳にはなりませんから、沖縄を除く各電力会社は、その原発の見直しに本腰を入れていると思われます。
「あなたの会社の原発は。絶対にリスクはないのですね!」と言われて「ハイ」と答えられる電力会社はありません。
そこで、経費的な面もあるようですが、ここにきて目立つのが、電力会社が所有する原発の廃炉計画が増えたことです。
その数は現時点で流動的なのでいくつとは申し上げませんが、問題は、これらの廃炉計画が、原発のリスクを考えるよりも先に、原発の廃炉費用が先だっていることでしょう。
つまり、どうせ廃炉にするのなら早く決めたほうが経済的なロスが少なくできる、というのが本音のようです。
これはフェアではありません。確かに電力会社はボランティアでは無く、営利企業ですから、その発言は分かりますが、欲しい言葉は「これらの原発を廃炉する代わりに、新エネルギーである太陽光発電や風力発電に力を入れていく」ということです。
つまり、大きな意味では、本当に環境や安全を考えるのであれば環境問題や安全性の問題を解決する手段として廃炉の理由にして欲しいと思います。
それでこそ社会的責任がある企業の姿勢ではないでしょうか。
そして、各電力会社は、さらに実際の太陽光発電事業に本腰を入れ、国もそれに呼応して太陽光発電のさらなる啓蒙運動に力を入れて欲しいものです。
残念なことに、現実はまさにこの正反対という感じがします。