こんにちは、石橋です。
関西に拠点を構える者として、避けては通れない話題に触れたいと思います。そうです、このブログ記事の執筆段階では昨日に行われた兵庫県知事選挙の投開票結果についてです。
結果は皆さんご存じのとおり、前知事であった斎藤元彦さんが再選を果たしました。「前知事が再選」とだけ書くと無風選挙のように感じますが、この選挙は前代未聞づくしで今後の選挙のあり方を変えるのではないかとすら言われる画期的な選挙でした。
対抗馬となったのは、実質的に各党相乗りの稲村候補と、斎藤前知事の出身母体である維新の会が支援する清水候補。実質的に「候補」といえるのは、この3人でした。
結果は前知事の斎藤さんが見事再選を果たしたわけですが、そもそもこの選挙は前知事の失職による出直し選挙でした。関西にお住まいの方であれば、連日のように「パワハラ問題」が関西の情報番組やワイドショーを賑わせていたので、斎藤さんは悪の権化のように扱われていました。パワハラというのは主観的な概念なので実際にあったのかどうかは私も評価できませんが、マスコミ報道は明らかにその域を超えていたものでした。百条委員会が設置されてそのパワハラがあったのかどうかを審査していた途中で不信任決議が可決されてしまったので有耶無耶になったまま選挙戦に突入、この結果になったのでした。本当にパワハラを追及するのであれば百条委員会を最後までやって結論を出してからでも良かったと思いますが、それを県議会もマスコミも許さず、「とにかく斎藤を辞めさせろ!」の一点張りで始まった選挙でした。
こうした経緯に、やはり違和感は大いにあります。そのモヤモヤを晴らすべく登場したのが、NHK党の立花孝志さんでした。彼も候補者の1人として出馬したにもかかわらず、「自分には投票しないで」と言いながら斎藤候補を支援する異例の選挙運動を続けました。それはネットやSNSでどんどん拡散され、日に日に斎藤候補の演説会場に多くの人が集まるようになり、「斎藤コール」も起きるまでに。それを妨害したい「何らかの勢力」が登場して小競り合いが起きたりと、さながらアメリカの大統領選挙を見るような風景もありました。
斎藤憎しで袋叩きを展開していたマスコミの開票速報は、どれもお通夜でした。稲村候補の万歳風景を中継するための番組だったでしょうから、当然でしょう。このこともネットでは問題視されていますが、視聴者は情報源を選べるのですから、嫌なら観なければ良いだけの話です。実際、斎藤候補の演説会場に集まった延べ数十万人、数百万人とも思える人たちはすでにマスコミを信じていないからこそ自分で演説を聴きに来たのでしょう。
この選挙戦を「マスコミvsネットの闘い」と評する声もありますが、私はこれこそ短絡的かつワイドショー的な分析だと思います。そのどちらか1つしか選ばない人は少ないのですから。私はネットからもテレビからも情報を得ていますし、その中から自分なりに考えて判断をしています。おそらくほとんどの人もそうだと思います。マスコミなのかネットなのかという二元論は短絡的で、まっとうな判断力を失ってしまう恐れがあります。
とはいえ、今回の選挙でますますマスコミが特に若い人たちからの信用を失ったのは間違いないでしょう。その少し前に、アメリカ大統領選挙でもマスコミは民主党のハリス候補に入れ込んで「史上まれに見える接戦」と報じていたにもかかわらず、結果はトランプ候補の圧勝でした。スイングステート(接戦州)で勝敗が決まる、なんて言っていましたが、スイングステートでもトランプ候補が全勝。有権者の心とマスコミとの距離が広がっていることを示す象徴的な出来事でした。それが今回の兵庫県知事選挙でも表れたということでしょう。
私はどちらの味方をする気もありません。どちらにも信用できる部分と信用できない部分がありますから。しかし、真実を得る手段でもあります。あふれかえる情報の中から自分の信用に足る情報を選び、そこから最適解を出していく情報リテラシーの重要性が、以前よりも高まっていると感じました。
個人的には、私も斎藤候補を応援していました。維新スピリットともいえる改革を学び、それを兵庫県で実行して多くの結果を残してきた人だからです。大阪は維新によって大きく変わりました。それを兵庫県でも実現しようとしている斎藤さんに頑張ってほしいと願っています。