最近、と言っても昨年ですが、ある記事を目にしました。
それは、某週刊誌の記事で、端的に言いますと、「産業経財省は、再生可能エネルギーの固定買取価格制度(FIT)の現状(中止!?)を、2年前から知っていた!」というのです。
このところ、九州電力をはじめとする電力5社が太陽光発電でお売電の新規買い取り手続の中断を表明しています。問題は、この動きに産経省が呼応して、FITの抜本的な見直しに動き出したことです。
FITがスタートしたのは、わずか2年前で、ここに来てその見直しが加速されたということは、多くの潜在的な太陽光発電導入を検討しているユーザーは、大きな圧力に騙された、という気になるでしょう。
そればかりではなく、CO2削減をはじめとして、原発の放射能汚染など、深刻な地球環境の悪化を食い止めようと、太陽光発電の普及拡大に努めてきたメーカー、販売・施工関係者一同にも、この報道は大ショックです。
産経省は、2年前にFITをスタートした時は、反原発・脱原発の声が強く、そのような時に、太陽光発電を増やすな、などと言えば、反原発派から、原発を再稼働させたいのか!と批判され、脱原発の考えを加速させる、ということで産経省は口を閉ざしましたが、内心は再生可能エネルギーの増大を望んでいなかった、とその報道は論じています。
電力会社が口にする大義名分は、太陽光発電は自然・天候により発電量にばらつきがある。これは電力の需給バランスを崩し、大規模停電や発送電設備の故障につながる。それを防ぐためには太陽光発電の電気の受入を中止することだ、ということです。
これは実際にはまやかしの論理ですが、産経省は2年前に、既にこういう意見がでることを予測していたはず、と、この報道では断言しています。
しかし、おかしなことに、産経省はFITの認可をしつづけて、認定量が増えすぎたから買取りを中止したというのが、電力会社側の言い分でもあることです。
今の流れを見ていますと、間違いなく原発は再稼働するでしょう。原発ムラ(村)の人たちは、電気は太陽光発電ではなく、原発に限るとしています。
実は、日本の電力を再生可能エネルギーに転換させることは、机上の空論ではありません。実際にやる気さえあれば、できるのです。
そして、福島の原発事故でかけがえのない土地に住めなくなったというようなリスクを、日本の各所で起こさなくても済むのです。
産経省は再生可能エネルギーを継子扱いにして、親分の原発ムラにすり寄っている、と、その報道は鋭く批判しています。
ヨーロッパではそのようなことはなく、着実に再生可能エネルギーでの電力を増やしつつあります。
このような世界の動きに逆行するようなことを是とするのは理解に苦しみます。
予期せぬ大災害、大事故は、想定外のさらに想定外の事実として発生するのです。
そして、そうなった時には、打つ手が無くなるかも知れないのです。
自然の恵みである太陽を軽んじるようなことを、自然が果たして黙認するかどうか。それこそ神のみぞ知る未知の世界です。