こんにちは、石橋です。
いよいよ始まりました、大阪・関西万博。日本では20年ぶり、大阪では55年ぶりとなる国際万博の開催です。私は当ブログを通じても、幾度となく万博ネタを取り上げてきました。なぜなら、万博はキャッチコピーのとおり未来をデザインするためのイベントであり、世界各国や企業、団体などが未来につながるテクノロジーや技術、ノウハウ、強みなどを「自慢」しあうのが本質だからです。

万博に出展する国や企業のなかには高いレベルの環境技術を誇る出典をしていることも少なくないので、それをことあるごとに取り上げてきたつもりです。ちょっと誤解されている部分が多いので補足しますが、万博というのは「万国」つまり世界中の国々が、それぞれの技術や自慢できるものを「博覧」しあうためのものです。よく幕張メッセやインテックス大阪などで「●●博」「●●展」というのをやっていますね、出展企業が自社の新しい技術や商品をブース出展して、それを見に来た人とのビジネスマッチングを目指すイベントです。実は大阪・関西万博にも、それと同じ目的があります。これだけ世界中から最新のテクノロジーが一堂に集まるのですから、そのなかには「これをうちの国、会社でもやってみたい」と商談機会を持ちたいと考える人もいて当然です。事実、各パビリオンには商談スペースが用意されています。名刺交換をするもよし、商談もするもよし、です。万博に出展することで新たなマーケット開拓を期待している国や企業が、実はたくさんいるということです。
つまり、何かを世界に向けて売り込みたいと考えている人たちにとっては、万博はとても重要なビジネス交流チャンスなのです。どうも万博というとネガティブな意見が目立ちますし、そうでなくても単なる期間限定のテーマパークのように思っている人も多いように感じます。もちろん楽しみ方はそれぞれなので、食べ物を楽しむもよし、パビリオンで没入体験を楽しむのもよし、です。多くの人がイベントとしての万博を楽しんでいる一方で、ビジネスチャンスを虎視眈々と狙っている人たちもいるという事実を知っておいてほしいと思います。
そう考えると、万博は税金の無駄遣いだの何だのと難癖をつける根拠も薄れてくるんじゃないでしょうか。メタンガスが出ていて危険、修学旅行先が万博になった子供たちが可哀そう、ついには子供用のトイレにまで「中国式だ」と難癖をつける人までいるそうです。気に入らないのであれば行かなければいい、見たくないのであれば見なければいいだけのことです。行こうとしている人を馬鹿だ、真実を知らない、と言うまでに各々の人がすることがあるのでは、と思います。
もちろん、完璧なイベントなんてありません。すでに色々と問題が指摘されているようですが、それらは時間とともに改善されていくでしょう。運営主体もそのようにコメントしていますし、移動基地局を設置するなど、できることからスピード感をもって対応しているようにも見えます。
どれだけ悪口を言っても、もう始まったんです。ここからは成功を願うのが日本人、ひいては大阪人としての筋ではないかと思うんです。「大赤字確定」という意見も見かけますが、そもそも万博はイベントの収入だけでそろばんを弾いているわけではありません。万博の相乗効果で外国人観光客が大阪で消費をする、そして日本で見聞きしたことをどんどん拡散することによって、中長期的な観光産業への経済効果が生まれます。すでに大阪のホテルは稼働率が80%を超えているというではありませんか。ホテル業界の常識では、稼働率80%超えはほぼ満室という認識だそうです。かつての大阪で、こんなにホテルが活況になる未来を想像した人がいたでしょうか。
万博の目的でもあるビジネスマッチングで、多くのビジネスが夢洲から誕生するかもしれません。それが日本経済に資するものであれば手放しで歓迎すべきですが、たとえそれが日本とは関係のないビジネスであっても、経済や未来への貢献であることは変わりません。
さらに、これは吉村知事がよく強調していることですが、万博を体験した子供たちに与える刺激がとても有意義で、何か自分の将来を重ねる機会になる可能性があります。iPS細胞でできた動く心臓を見て再生医療の道に進みたいと思う子供が1人でもいれば、それはプライスレスの価値だと思います。単なるお金の損得勘定だけでなく、これだけのイベントが大阪で開催され、本気で成功を願う人たちがたくさんいる事実が何よりも大切です。
今回の大阪・関西万博のような国際万博は、地球上で5年に1回しか開催されません。しかも選挙に立候補して当選しなければ開催できないビッグイベントです。せっかく誘致に成功して、ここまで来たのです。ここからは成功への道を歩むのみ!です。
世界から面白い環境技術が集うイベントでもあるので、私の専門分野も含めて大阪・関西万博を存分に楽しみたいと思います。