こんにちは、石橋です。
いよいよ秋も深まり、朝晩は寒い日が増えてきました。
インフルエンザがまたぞろ流行しているので、皆さんくれぐれもご自愛ください。
今回は、私の地元である大阪・関西万博の話です。
「今からでもやめるべき」なんていうナンセンスな意見も飛び出していますが、こんなノイズほどいざ万博が始まったら何もなかったかのようにダンマリになってしまうことは明白なので、ノイズに振り回されることなく着々と準備を進めてほしいものです。
かつて大阪で開催された万博もそうですが、万博は万国博覧会の略です。世界中から珍しいもの、面白いものを持ち寄ってそれを見せ合いっこする場だと考えると分かりやすいと思います。それぞれの国は自国の自慢できるものを持ち寄り、世界にそれをアピールします。科学技術を披露したり、伝統文化を紹介したりと、地球規模の見せ合いっこは今からとても楽しみですね。
2025年に開催される大阪・関西万博には世界各国が最新の技術を持ち寄るわけですが、その中でも重要テーマとして環境技術に注目が集まっています。現在、世界では環境技術の開発競争が激しくなっており、環境技術で主導権を握った国が次の時代の覇権を握るのではないかとまで言われています。それほどまで重要視されている環境技術だけに、万博の機会に世界各国がしのぎを削ろうとしているのは言うまでもありません、
そもそも、万博の会場全体が二酸化炭素の排出を実質ゼロにする、カーボンニュートラルを目指しています。フードロスをなくしてゴミも実質ゼロにすることも計画に盛り込まれているので、これらは壮大な実験となるでしょう。
二酸化炭素を排出しない燃料として太陽光発電はもちろん、アンモニア発電など、日本が得意としている技術がふんだんに盛り込まれています。私のブログで先日紹介したペロブスカイト太陽電池による太陽光発電を導入するパビリオンもあるので、これも次世代の太陽光発電の覇権争いをする上でとても重要です。新聞報道によると、この技術で先行している積水化学が交通ターミナルにあるバスシェルターに250メートルにも及ぶペロブスカイト太陽電池を設置するそうです。出力は、50kW。事業用規模としては決して大きなものではありませんが、公共交通と太陽電池の親和性を実験する意味でとても興味深いところです。
脱炭素系の技術としては、川崎重工のCO2捕獲システムが面白いです。現在世界中で排出されている二酸化炭素の大半は工場や発電所から排出されています。それならこうした大量排出施設から出る二酸化炭素を捕獲して分離しようというのが、この技術です。
この技術も大阪・関西万博で披露されることになっています。かねてから画期的な技術として注目されていただけに、万博を契機に世界各国から受注が入れば、この技術が地球環境保護に貢献します。
脱炭素系の技術を、もうひとつ。こちらは日立造船が開発した二酸化炭素の資源利用技術です。二酸化炭素は温室効果ガスとして厄介者と見なされてきましたが、それを全く逆転させる発想です。なんと、排出された二酸化炭素を燃料として利用できるメタンに転換します。有力なGX(グリーントランスフォーメーション)技術として注目されており、これも大阪・関西万博に出展されます。
このように、大阪・関西万博は次世代の環境技術が目白押しです。日本勢だけでもこれだけたくさんの出展があるのですから、世界の主要国がプライドをかけて斬新な技術を持ち寄ってくるのは間違いありません。
万博のことを叩くばかりが能ではありません。大阪に世界の環境技術が集まり、そこから世界を変えていく大きな力が生まれることに期待しようではありませんか。