こんにちは、石橋です。
今回は、最近よく言われる「太陽光発電の意外な環境負荷」について語ってみたいと思います。
自分には不要のものと思っても、ほかの人にとっては大きな価値がある場合があります。最近は「もったいない」という言葉を合言葉にしてリサイクルが盛んに行われていますが、太陽光発電システムのリサイクルについては、残念ながら進んでいない状態です。
太陽光発電パネルは掃除機などの家電製品のように可動部分がないことから故障が少なく、メーカーによっては10年保証をしているところもあるくらいです。
日本では1959年にシャープが太陽光発電の研究を開始し、1963年に量産を始めましたが、住宅用や産業用の太陽光発電システムが普及し始めたのは、1990?1992年の間に、余剰電力の売電が可能となる法律が整備されてからです。そのため、太陽光発電パネルのリニューアルについては、まだ深刻な問題となっていない状態です。
しかし、太陽光発電システムも年月による経年劣化を避けることはできず、経年劣化によって発電量も下がってくるため、大体20?30年が寿命といわれています。
普及が進んだ現在では、太陽光発電パネルを設置した建物の建て替えなどによって、経年劣化を迎える前の太陽光発電パネルの廃棄も増えると予想され、ますます太陽光発電パネルの処分方法、リサイクルについて考える必要があるでしょう。太陽光発電パネルの寿命を25年として考えた場合、2035年ごろから廃棄される太陽光発電パネルが増加し、2040年には約77万tの廃棄量になると予想されています。
リサイクルでは、古い太陽光発電パネルをどのように処理するのか、そしてリサイクルで収益を上げる方法を考えていく必要があります。太陽光発電パネルには銀やテルル、インジウムといったレアメタルが使われていることから、それらを回収し再利用することが課題です。
太陽光発電システムのリサイクルについては国も無策ではなく、すでに環境省が太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドラインを定めており、太陽光発電システムの撤去と運搬、処分、そして適切なリサイクルが行われるよう、働きかけを行っています。