こんにちは、石橋です。
北国に甚大な被害をもたらした寒波もようやく収まり、春の足音が聞こえてくるようになりました。
大阪城の梅林では梅が見ごろを迎えているとのことで、自然の営みの正確性に改めて感服する今日この頃です。
さて、今回は太陽光発電関連で大きなニュースが飛び込んできたので、それについて論評したいと思います。そのニュースとは、成田空港に大規模な太陽光発電設備を設置してメガソーラー化するというものです。NAA(成田空港の運営会社)と東京ガスが半々の出資で会社を設立、最大180MWの発電能力を実現するそうです。
これまでにも空港に太陽光発電を設置するという事例はありましたが、この成田空港の事例は世界最大です。
私は、以前から空港と太陽光発電の親和性について注目していました。空港は飛行機の安全を確保するために、地平線が見えるような広大な敷地に滑走路を設けています。
あれって無駄なスペースが多いなと思ったものですが、飛行機の安全を確保するために必要であることも理解できるので、何か別のことに活用して一石二鳥にすることはできないかとも考えていました。
特に使い道のない、広大な敷地。しかも空港の周りには高い建物がないので、その広大な敷地に日光が当たるのを遮るものもありません。飛行機が上空から安全に離発着するためなのですから、当然ですね。
広大な敷地があって日光を遮るものがないとなれば、それはもう太陽光発電の好適地です。私が今のように太陽光発電や再生可能エネルギーの専門家になる前から、空港の「無駄なスペース」は気になっていました。
飛行機に乗って上空から空港を見ると、本当にゆったりと作られていることが分かります。以前でも気になっていたのですから、今その光景を見ると「太陽光パネルを敷き詰めた風景」しか思い浮かびません(笑)
そんな私と同じようなことを考えていた人がいたようです。
成田空港のメガソーラー化計画では、「滑走路近傍や建物屋上に200haの太陽光パネル設置ポテンシャルがある」とアナウンスされています。やはり、あれだけ広大なスペースがあることに目を付ける人がいたということです。
成田空港の発電所で発電された電力は全量が自家消費に回される予定です。近隣の一般家庭7万世帯分の電力量になるそうです。すごいですね。
かつて、成田空港は過激派が活動するほど公害問題がクローズアップされ、闘争事件まで起きた歴史があります。
いくら地元対策をしたからとはいえ、地元には今も成田空港の存在を良く思っていない人はいるでしょう。
飛行機の騒音問題が解決したわけではありませんが、これまで忌み嫌われていた成田空港が近隣の電力源になって貢献するというのは、面白い話ではありませんか。
あくまでも計画段階ですが、成田空港には大規模な蓄電設備も検討されているようです。これが実現すれば万が一の災害発生時には巨大な発電所と蓄電設備が成田空港の機能を維持して、災害救援や復旧に貢献することは間違いありません。
さらに蓄電設備から近隣に電力供給をすれば、災害のダメージを抑えることも期待できます。
これからの成田空港がどう変貌するのか、どんな貢献をするのか、と手も楽しみです。