先日、ちょっと気になるニュースがありました。
それは、「年収5000万円を得ている人気芸人の母親が生活保護を受けている」というものです。
最初は「何じゃコリャ?」という程度の印象だったのですが、よくよく記事を読んでみると、とても後味が悪いというか、人のモラルについて考えさせられるような内容でした。
この記事はネット上の至るところに掲載されているので、ご存知の方も多いと思います。
当初はこの芸人が誰なのかという憶測が飛び交っていましたが、今日ついにそれが誰であるかが分かりました。
お笑いコンビ次長課長の河本準一です。
彼が年収5000万円という所得なのも驚きでしたが、そんなお金持ちの彼が母親の生活保護需給をそのまま見過ごしていたというのですから、ネット上で大バッシングになっているのも無理はありません。
私が問題だと思ったのは、「なぜお金持ちなのに母親の面倒を見なかったのか」ということではありません。
これは私の想像で、ネット上でも同様の見方が多いようですが、彼は母親の生活困窮を利用して生活保護を受給するように仕向けたのではないかと思うのです。
生活保護というのは、身内や親族などに援助をしてくれる人がいなければ、いよいよ最終手段として受給が始まる仕組みになっています。
事実、報道によると彼は
「今、オカンが生活保護を受けていて、役所から“息子さんが力を貸してくれませんか?”って連絡があるんだけど、そんなん絶対聞いたらアカン! タダでもらえるんなら、もろとけばいいんや!」
という趣旨の発言をしているそうです。
このことを報道しようとした週刊誌に対しては「名前を出したら、訴えるで!」と強い口調で抗議したそうです。
つまり、彼には後ろめたいものがあるのでしょう。
こうした事例というのは、実はもっとあるのではないかと思うのです。
最近知ったことですが、最近の若い人の中には「働くより生活保護のほうが楽で儲かる」という認識があるそうで、生活保護のことを「生保(ナマポ)」と呼んで、申請が通りやすいように情報交換するサイトまであるとか。
ワーキングプアや就職難など、若い人の仕事をめぐる環境は決して良いとは言えません。
しかし、そんな中でも頑張っている人はたくさんいます。
ナマポと呼ばれて親しまれ(?)ている生活保護の実態が、こうしたヤル気のある人にはどう見えているのでしょうか。それを考えると懸念しか頭に浮かびません。
私が代表を務めている会社、和上住電もこんな経済状況の中でも何とか頑張っています。
それは私だけでなく、社員たちも同じです。
そんな人よりも働かない人のほうが良い思いが出来てしまうという仕組みは、あってはなりません。
私の住む大阪は、生活保護が全国でもっとも多い街です。
それは、西成あいりん地区など生活保護を前提とした地域があり、全国から生活保護を求めて人が集まってきているからです。
生活保護申請のために、マンションの一室に3500人もの人が住民登録していた事件や貧困ビジネスなど、聞いていて気分の良くないニュースだらけです。
本当に困っていて必要としている人にいき渡らず、このようにずるく立ち回っている人だけがいい思いをするような生活保護、このままでいいのでしょうか?
改革案が色々と示されていますが、いっそのこと現金支給をやめて生活に必要なものを全て物品で支給するということも考えて良いかも知れません。そうすれば、せめて生活保護の支給日を「役所の給料日」と呼んで遊び金にするような輩にとっては旨味がなくなるはずです。