こんにちは、石橋です。
いつもは太陽光発電を中心に最新事情を語ることが多い当ブログですが、今回はちょっと概念めいたお話をしたいと思います。
2012年に「固定価格買取制度」が導入されて以来、日本では民間での太陽光発電が飛躍的に拡大してきました。家庭用太陽光発電だけではなく、最近では発電事業としての産業用太陽光発電が爆発的に成長してきました。日々変わる制度の中で、産業用太陽光発電は今後どうなっていくのでしょうか。そして、それは有望なものなのでしょうか。
ここで一度、改めて未来を考えてみたいと思います。
太陽光発電において、利益を出すことができるかどうかは「固定価格買取制度」にかかっています。「固定価格買取制度」が導入された当初、2012年の買取価格は、1kWhあたり40円+税(家庭用ではなく、産業用の価格)でした。
この価格は、先にこの制度を取り入れていたドイツと比べると圧倒的に高い価格です。しかし、その翌年には36円+税になり、現在では27円+税まで下がりました。そして、これからも買取価格はどんどんと下がっていくでしょう。
このまま買取価格が下がっていくと、もう有望ではなくなっていくのでしょうか。
しかしながら、太陽光発電で利益を上げることが不可能になるかといえば、決してそうではありません。確かに買取価格は下がっていますが、それに伴い、技術は進歩し、初期投資のコストは下がっています。
さらに、発電効率も上がっているので今の買取価格でも十分に利益を出すことができます。また、単に価格的な利益だけでなく太陽光発電を事業として導入することで、環境貢献することができ、企業のイメージアップとしても利用することができます。
「固定買取価格制度」自体が途中で中断されてしまうかもしれない、という心配もあるかもしれませんが、制度の期間である20年間はその価格が下がることも、中断されることもないでしょう。
なぜならその負荷が税金で補われているのではなく、再エネ賦課金として電気代に上乗せされる代金で補われているからです。ただそのために、今後太陽光発電が、成長すれば成長するほどに月々の電気代は上がってしまうことにはなるのですが。ドイツでは、現にそのことが大きな問題となっています。
以上のことを踏まえると、産業用太陽光発電は、「固定価格買取制度」が導入された当初ほど爆発的に成長することはないものの、初期投資コストの下落や発電率の上昇により、緩やかに幅広く成長していくことが予測できます。
また産業用太陽光発電は技術の促進により、十分に安定した利益を上げることができる有望なものだと言えるでしょう。