こんにちは、石橋です。
今回は太陽光発電や環境ビジネスの未来に大きく関わりがある、ESG投資の話をしたいと思います。
最初に、ESG投資って何?という方もおられると思いますので、簡単な説明から。
ESG投資とはE(Envirnment=環境)、S(Social=社会)、G(Governane=企業統治)という今後特に重要になる企業の社会的責任からそれぞれ頭文字をとったものです。このESGに「投資」という言葉が付いているのがひとつのミソで、ESG投資はこの3つの社会的責任を果たしている企業にこそ投資するべきという考え方のことです。
これまで企業は、利益を追求するのが最大の使命でした。それは株主に対しても同様で、しっかり利益を上げている企業に株主は投資をするので、株価も上昇します。しかし、これからの時代は違います。ESGそれぞれの社会的責任にしっかりと取り組んでいることが新たな価値となり、単に利益を出しているだけでは企業が評価されない時代となっているのです。
私たち和上ホールディングスとしてもこのESGに積極的に取り組んでいますが、対外的にも特にEの部分、つまり環境分野でその社会的責任を果たすお手伝いをしています。今や再生可能エネルギーによる電力を使ったものでなければ、「電力の質が悪い」と見なされ、その会社の製品を買ってくれないという価値観が浸透しつつあります。これからの企業にとってESGは重要な生き残り戦略であり、特にその中でも環境への貢献は欠かせないものとなるでしょう。
今回は、そんなひとつの事例をご紹介しましょう。この事例は東京のTBSラジオと新電力の「みんな電力」のコラボレーションによるで、人気漫才コンビ「ナイツ」がレギュラー出演している「ナイツのちゃきちゃき大放送」というラジオ番組が舞台となっています。
この番組は土曜の朝に放送されているものですが、放送に使用される電力の100%が再生可能エネルギーです。埼玉県戸田市にあるTBSの戸田送信所から放送されているこの番組は、再生可能エネルギーを供給する新電力である「みんな電力」を100%を使用することとなり、「再生可能エネルギー100%ラジオ番組」を達成しました。これは同局による画期的なESGの一環であり、この番組の使用電力が再生可能エネルギーに切り替える記念セレモニーにはナイツの2人やアナウンサーも登場し、華々しく行われました。
これが何を意味するか、もうお分かりでしょう。大手放送局であるTBSにとってこの事業は、きわめて重要なESGの一環と位置付けられています。放送局は大量の電力を消費するので、こうした取り組みにいち早く乗り出すことは企業の生き残りにおいても重要な戦略です。
かくして同局の人気番組でこれを実施することにより、TBSはESG投資時代に向けた企業価値の向上を目指していることが鮮明になりました。
もし今後、ESG投資への流れがさらに加速したときに、TBS以外の放送局が依然として化石燃料由来の電力にばかり依存したとすると、多くの投資家はESGに積極的なTBSを優先的な投資先と見なすようになります。これが、ESG投資です。
これは単なる一例にすぎませんが、同様のことが企業レベルで一斉に動き始めています。今や環境ビジネスへの取り組みは「企業イメージが良くなるから」という単純なものではなく、ESG投資の時代に向けた企業の存亡をかけた取り組みなのです。