パソコンの世界では、今やアプリケーションやサービスがクラウド化されて、以前のようにアプリケーションを利用する場合、パッケージを購入してパソコンにインストールするといったことがなくなりました。
実はこのクラウド化の波が、太陽光発電システムにもやってきています。
今まで太陽光発電システムにおけるクラウドの利用というと、スマートフォンを利用して発電量をチェックしたりといったことでした。
外出先でも発電量をチェックすることができるため、太陽光発電システムの故障を家にいなくても確認できますし、よく晴れた日など、どのくらい発電されたのかといったことが確認することができて便利です。
しかし、太陽光発電システムのクラウドの利用に、もうひとつ便利な技術がNECによって開発されたのです。
太陽光発電システムでは太陽光発電パネル、パワーコンディショナー、蓄電池から構成されます。そして今回NECが開発した技術は蓄電池に関するものです。
太陽光発電システムが持つ最大の弱点は、天候によって発電量が異なるところです。十分な電力が創出することができれば、その電力を使うことができますが、雨の日など十分な発電が行えない場合は、電力会社から電力の供給を受けることになります。電力会社から電力の供給を受けるかどうかを正確に制御するには、充放電などの時間を完全に把握する必要があります。
NECが開発したのは複数の家庭に設置された蓄電池を同期して、電力の需給バランスの調整システムです。
このシステムは電力需要をリアルタイムにコントロールすることからリアルタイムデマンドレスポンスと呼ばれます。このシステムによって蓄電池の満充電や枯渇の状況を把握して、蓄電池の満充電と枯渇をコントロールすることができるのです。また、このシステムによって最適なタイミングで充放電を行うことができますし、電力網の安全性を確保することができます。
パソコンだけでなく、太陽光発電システムにおいてもクラウド化による様々な技術が生まれてきているのです。ITが環境問題に活用されているのは良くあることですが、太陽光発電の場合は経済性にも深く関わってくるので、一層の活用が期待できます。
限りなくIT企業に近い施工会社として、私も注目している技術です。