こんにちは。
今回もエネルギー問題について語ってみたいと思います。
東日本大震災がなければ、ここまでエネルギー問題に多くの人が関心を持つことはなかったでしょう。私が思うに、まずここが問題だと思います。
毎日当たり前のように供給されている電気は、誰かが一生懸命作ったものです。
日本は世界有数の電力消費国なので、電気に足を向けては寝られないはずです。
それが、もしかするといつまでも続くものではないのではないか?
そんな転機を与えたのが、昨今の節電ムードです。
節電をすることは、とても良いことです。
さらに、危険な原子力発電の代わりに太陽光発電などの再生可能エネルギーに転換していく…これも良いでしょう。
太陽光発電が普及すれば、私たちの会社は成長します。
そういう意味でも、ありがたい話です。
でも、ちょっと待ってください。
そんな大事なことを、ここ最近のムードだけで決めて良いものでしょうか?
先日、G8サミットの際にドイツのメルケル首相が2022年までに脱原発を達成するという発言をしました。それに続いて、スイスも期限を決めて脱原発に向かうとのことです。
さぁ、これでいよいよ環境意識の高いヨーロッパ諸国がドミノ倒しのように脱原発に傾く…と思っている人が本当にいたとしたら、それはおめでたすぎると言わざるを得ません。
特に原発産業を外国に輸出しているフランスはもちろんのこと、他のヨーロッパ諸国でも拙速な脱原発ブームに警鐘を鳴らしている論調がほとんどです。
日本で報道されているものとは、まるで逆ですね。
アメリカのウォールストリートジャーナルは「脱原発が公益企業の反発を招いている」と報じ、イギリスのフィナンシャルタイムズは「ドイツの例に続く誘惑は回避すべき」という社説を発表しています。
日本の福島で原発事故が起きたから、今すぐ原発を止めよというのは、あまりにも拙速だということです。
私も、その通りだと思います。
あるメディアでは、「日本の大津波がベルリンに達した」と表現し、最後には「悪い知らせとなった」と締めくくっています。
最初に言っておきますが、私は原発賛成派でもなければ、どこかの政治家のように電力会社から多額のお金をもらってはいません(笑)
むしろ、太陽光発電がもっともっと普及すれば事業が伸びるという立場の人間です。
だからこそ、エネルギー問題をその時のムードで語るのではなく、将来を見据えたグランドデザインとして描きたいのです。
現在のスピードで太陽光発電が普及し、次世代の化石燃料と言われるメタンハイドレードの実用化が進んだとして、省エネ家電がもっと普及して…あらゆる努力が実を結んだとしても、これまで長年にわたって機能してきたエネルギーモデルが、一夜にして一変することは有り得ません。
現在、闇雲に脱原発を唱えている人であっても、そんな生活を受け入れるのは無理でしょう。
原発事故の悲惨さは、誰もが知るところです。
しかし、原発がないと日本人は文明的な生活を維持できません。
脱原発を実現しようとしているドイツですら、隣国から原発の電力を輸入しているのですから、単なる数字のマジックであることは明らかですね。
もっと現実味があって、次の世代の子供たちが安心して文化的な生活を送ることができるための、エネルギーモデル。
それを構築するチャンスが来ていることは間違いありません。
原発の是非というレベルではなく、もっと広く大きな議論が巻き起こって欲しいと願っています。
そんな問題提起をする意味で、私たち和上住電のサイトに<a title="エネルギー問題を考える" href="http://www.taiyoko-tokutoku.jp/tokushu_top/" target="_blank">「エネルギー問題を考える」</a>という特集ページを設けました。
あらゆる視点から、あらゆる意見を持った論者がエネルギー問題の本質を述べています。
ご一読の上、有意義な議論を巻き起こすことができればと願っています。