太陽光発電は改正FIT法により維持管理のためのメンテナンスが義務化されたというだけでなく、長期間に渡って安定した収入を得るためには、定期的な点検やメンテナンス、そして異常が発生した場合は修理などを早急に行って発電量の損失を最小限にすることが大事です。そのため注目されているのがO&Mサービスです。O&Mサービスは太陽光発電を維持管理するための遠隔監視、駆け付け対応、定期点検といったサービスを提供しており、利用する人が多くなっています。O&Mサービスの利用は、太陽光発電のオーナーの維持管理による負担を大幅に軽減するばかりか、太陽光発電の維持管理を丸投げすることができるため便利なサービスです。しかしO&Mサービスの利用には費用がかかります。サービスが充実していればそれだけ大きな費用がかかるため、O&Mサービスの利用にあたっては、運営する発電所の維持管理に適当なサービスを提供しているかどうかという点だけでなく、コストの面からも考える必要があります。
O&Mサービスの内容は業者によって異なり、費用についても業者ごと、サービスごとに異なります。2015年1月のデータを基に経済産業省の資源エネルギー庁がメンテナンス費用をまとめたところ、年間維持費の目安は「1kWあたり約3,600円」という金額を算出しています。この資源エネルギー庁が算出した金額で考えると、年間200KWの発電量の発電所では年間約72万円がメンテナンスにかかるということです。
資源エネルギー庁が目安を算出にあたっては、定期的にメンテナンスを行う場合、4年ごとに2万円くらいが目安として計算されています。この4年ごとというメンテナンス周期は太陽光発電パネルのメーカーや太陽光発電協会、そしてユーザーのヒアリングの結果、平均で4年に1回以上の点検を行っていることから計算に使用されています。また、太陽光発電では太陽光発電パネルのほかパワーコンディショナなどの機器も必要になりますが、パワーコンディショナは耐用年数の平均が20年となっており、20年に1回交換が必要になる計算です。
資源エネルギー庁ではこうした数値から目安を算出していますが、太陽光発電パネルは野外に設置されるため、飛来物によって破損してしまう場合もあります。そのような不測の事態が発生すればその都度、点検や修理等で費用がかかります。そのため「1kWあたり約3,600円」というのはあくまで目安で、実際にはそれ以上に費用がかかってしまう場合もあります。