近年では、地震や大型台風などの自然災害に備える目的として、太陽光発電と共に家庭用蓄電池の注目度がどんどん高くなっています。家庭用蓄電池とは、その名称から分かるように「電気を蓄えておくことができる設備」で、太陽光発電と連携させることで、災害による停電が発生したとしても生活に必要になる電気を確保することができる非常に心強い住宅設備です。しかし、この家庭用蓄電池に関しては、「太陽光発電と組み合わせることで災害対策になる!」などと、太陽光発電と合わせて紹介されることが増えているため、太陽光発電を導入していないご家庭では蓄電池を購入しても意味がない…導入できない…なんて勘違いをしている人も多いようです。
家庭用蓄電池は、太陽光発電と組み合わせることによって、災害時以外でも『発電⇒蓄電⇒利用』などと言うサイクルを作ることがができるため、普段の生活の中であっても電気代を大幅に削減することが可能になるのですが、発電を担う太陽光発電を導入していないご家庭であれば、蓄電池を導入しても日々の生活には役に立たない…と考えてしまい、導入を諦めてしまう人が多いかもしれません。
最初に言っておきますが、家庭用蓄電池は太陽光発電設備を導入していないご家庭でも問題なく導入することが可能です。さらに、自家発電を担う設備を備えていないご家庭であっても、使い方次第で大きな電気代削減効果を生むことが可能になりますので、この記事では蓄電池導入によるメリットをご紹介したいと思います。
まずは実際の設置事例をご紹介!
それではまず、弊社が行った太陽光発電を導入していないご家庭への家庭用蓄電池導入事例をご紹介しておきましょう。このご家庭では、月々の電気代の高さにお悩みで、何とか電気代を削減しようと小まめな節電対策を行っていたものの、あまり効果が出なかったため、家庭用蓄電池を利用して節電対策に取り組んだという事例です。
以下に実際のお客様の声をご紹介しておきますので、ぜひ参考にしてみましょう。
青森県 H様邸
家の電気代が月々4万円近くかかるから家族全員で節電に取り組むようにしました。と言っても家族全員ばらばらの生活で基本どの時間でも誰かはいるという状態。家族全員で意識改革を行いこまめに節電に取り組んだのですが、結果それほど変わりませんでした。そこでインターネットで節電方法を検索したところ、で蓄電池がもっとも効率的ということが分かったのですが、だいたいの家が太陽光とセットでつけていたので、私の家は太陽光をつけていなかったので購入を諦めようかなと考えていた時に太陽光がなくても蓄電池はあると便利なものという記事を見つけました。内容は、深夜の安い電気を蓄電池にためて昼間に使って効率よく電気をお得に使うというもの。これなら我が家にもメリットがあると思い早速いろいろなところに問い合わせたのですが、太陽光とセットでしか取り付けたことがないからわからないと言われ、そんなことがある?と思ったくらいです。そんな中でとくとくショップに問合せし容量の大きい蓄電池を購入しました。初期投資は高いのですが、結果電気代を2万近く抑えることが出来たのと、もしもの時に安心して電気を確保できることが出来るので、今では買って満足しています。
この事例から分かるように、家庭用蓄電池は電力会社の料金プランを上手に活用することができるようになるため、太陽光発電などの自家発電設備がないご家庭でも日々の電気代を削減することができるのです。もちろん、万一災害などによる停電が発生した場合には、非常用電源としても活用できるメリットもあります。
なお、設置業者によっては、太陽光発電が無いご家庭での設置を断ってしまうケースも多いと言われています。もし、太陽光発電を設置していないことを理由に家庭用蓄電池の導入を断られてしまった…という方がいれば、お気軽に弊社までお問い合わせください。
家庭用蓄電池のみを導入した場合の使い方
それでは、太陽光発電を導入していないご家庭で、家庭用蓄電池を導入する場合、どういった使い方ができるのか?ということについてご紹介していきましょう。
自家発電設備がないご家庭で家庭用蓄電池のみを導入した場合には、電力会社が用意しているオール電化住宅用の料金プランなど、深夜帯の電気代が格安になるプランを活用するのがオススメです。例えば、関西電力管内で考えると『はぴeタイムR』という料金サービスがあるのですが、このサービスに加入した場合、以下の料金表のように日中の電気料金に比べ、深夜帯の電気料金が大幅に安く設定されています。
【平日の場合(月曜日~金曜日)】 | |
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7時~10時 | 22.47円/1kWh |
10時~17時 | 25.86円/1kWh |
17時~23時 | 22.47円/1kWh |
23時~7時 | 14.93円/1kWh |
【休日扱いの場合(土日祝日等)】 | |
7時~23時 | 22.47円/1kWh |
23時~7時 | 14.93円/1kWh |
※別途基本料金がかかります
こういった料金プランに加入すれば、電気代が安い時間帯の電気を蓄電池に溜めておき、それを電気代が割高になる日中に使用するというサイクルが可能になるため、大幅に電気代の節約ができるのです。
どれくらいの電気代削減効果がある?
家庭用蓄電池の導入を検討した場合、気になるのは「電気代削減効果は実際の所いくらぐらいなの?」ということでしょう。上の設置事例でご紹介したご家庭であれば、月々2万円程度の電気代削減効果が得られたという実績があり、年間にするとなんと『24万円』もの電気代削減効果があったということです。ただし、この事例は「月々の電気代が非常に高いことに悩んでいる」という事例ですので、当然すべての家庭でここまでの電気代削減効果があるわけではありません。
一般的な家庭で考えてみた場合は、蓄電池のない4人世帯の1ヶ月にかかる電気代は11,000円程度と言われています。こういったご家庭で家庭用蓄電池を導入し、深夜の電気代が安くなる料金プランを活用した場合、日中も格安の電気代で生活することができるようになるため、月々3,000~6,000円ほどの電気代削減効果があると言われています。つまりご家庭によっては、年間で72,000円もの電気代削減効果があるということで、10年以上利用することを考えた場合、電気代削減効果で蓄電池の導入コストをある程度回収することも可能になるのです。
さらに、万一の災害時でも家族の安全を守る最低限の電力確保ができるという大きなメリットも存在するため、太陽光発電が無いご家庭でも家庭用蓄電池は非常に役立つ設備になると言えるのです。
まとめ
今回は、災害対策目的などで年々その注目度が高くなっている家庭用蓄電池について、太陽光発電設備を導入していないご家庭でも導入する意味があるのかについて簡単にご紹介してきました。家庭用蓄電池は、太陽光発電設備との相性が非常に良いため、蓄電池のメーカーサイトなどでも太陽光発電を導入していることが前提として紹介されています。そのため、太陽光発電を導入していないご家庭であれば、「蓄電池は太陽光発電が無いと意味がない…」「太陽光発電が無いと導入できない…」などと考えてしまっている人がいるのです。
しかし、この記事でご紹介したように、太陽光発電などの自家発電設備を導入していないご家庭であっても、電力会社の料金プランを上手に活用し、日々の電気代削減を目指すことができるため、必ずしも太陽光発電とセットにしなければいけないわけではないのです。ただし、現在の電気の使用方法によっては大きな電気代削減効果が得られないため、導入にかかるコストを回収するのが難しい場合も少なくないでしょう。したがって、蓄電池単体で導入を検討している方は、地域の電力料金プランが上手に活用できるのか、どの程度の電気代削減効果が得られるのかを、慎重にシミュレーションしておくことをオススメします。