太陽光発電の過積載とは何?導入メリットや注意点を紹介!

太陽光発電の過積載とは何?導入メリットや注意点を紹介!

太陽光発電の過積載は、パワーコンディショナの出力を超える太陽光パネルの設置で、より多くの売電量を確保できます。しかし、太陽光発電未経験者や初心者の中には、メリットや仕組みについて分からない方もいるのではないでしょうか?

そこで今回は、太陽光発電の過積載に関するメリットとデメリット、注意点や導入方法について詳しくご紹介します。住宅用太陽光発電や産業用太陽光発電でより多くの利益を確保したい方は、参考にしてみてください。

太陽光発電の過積載とはどういうもの?

太陽光発電の過積載とはどういうもの?

太陽光発電の過積載は、売電収入を伸ばす上でメリットの多い設置方法です。

そこでまずは、太陽光発電の過積載とはどのような意味や特徴なのか、1つずつ確認していきます。

パワーコンディショナの出力を超える太陽光パネルの設置

太陽光発電の過積載は、パワーコンディショナの出力を超える太陽光パネルの設置状況を指します。

パワーコンディショナとは、太陽光パネルから発電された直流の電気を家庭内や工場、オフィスなどで利用可能な交流の電気へ変化してくれる設備のことです。

一般的に太陽光パネルの設置容量は、パワーコンディショナの容量を超えない範囲で設置されます。なぜなら、太陽光パネルの最大発電量に合わせて、パワーコンディショナの容量も定められるためです。

ただし、日射量の多い環境で太陽光パネルを設置したとしても、パワーコンディショナの最大容量と同程度の発電量を記録できる日は、比較的少ない傾向です。また、日射量の少ない朝や夕方の発電量は、パワーコンディショナの最大容量を下回ります。

パワーコンディショナの容量を超える太陽光パネルを設置した場合は、ピーク時の電力を取り出せないものの、最大容量と同程度の電力を確保できます。さらに比較的日射量の少ない午前中や夕方の発電量を増やすことが可能です。(ピーク時の電力:パワーコンディショナの容量を超える発電)

このように太陽光発電の過積載は、発電量の底上げおよび売電量をアップできるのが大きな特長です。

過積載自体に違法性はない

太陽光発電における過積載は、違法性のない設置方法です。これから太陽光発電投資を始める方も、過積載を含めた設計および運用を検討できます。

さらにFIT認定を受けることが可能なので、過積載分の発電量も売電できます。売電収入を増加させることができますし、自家消費分を増やしたい場合にも役立ちます。

ただし、FIT認定後に太陽光パネルを増やす場合は、再生可能エネルギー発電設備軽微変更届出書という変更書類を経済産業省へ提出しておく必要があります。

過積載のその他注意点は、後半で詳しく紹介していきます。

積載率200%のスーパー過積載も存在する

太陽光発電の過積載には、スーパー過積載と呼ばれるタイプもあります。

過積載の割合は、通常120%程度です。一方、スーパー過積載は、150%もしくは200%程度の積載率で、発電量の大幅な増加を見込めます。

150%のスーパー過積載は、100%の積載率と比較して25%程度の年間発電量増加を期待できます。200%の積載率では、100%に対して57%程度の年間発電量増加を期待できるのが強みです。

過積載に応じて太陽光パネルの費用負担が増えるため、初期費用と利益率の計算を行っておくのも大切です。

太陽光発電の過積載を行うメリット

太陽光発電の過積載を行うメリット

続いては、太陽光発電の過積載によって得られるメリットを4つ紹介します。

売電収入を増やすことができる

太陽光発電の過積載では、全体的な発電量の増加に伴う売電収入アップというメリットを得られます。

120%の積載率では、通常の積載に対して25%前後の発電量アップおよび売電量増加を期待できます。年間の売電収入100万円であれば、125万円程度まで増やせる可能性があります。さらにスーパー過積載は、年間の売電収入150万円程度まで期待できます。

ピーク時の日射量が想定を下回っていたり発電効率に問題が生じている時は、過積載を含めて検討してみてはいかがでしょうか。

早朝や雨の日でも発電量を確保できる

太陽光発電の過積載を行うと、ピーク時以外の早朝や夕方でも一定の発電量を確保できます。雨の日など日射量の少ない日も発電量の底上げを見込めるのが、過積載のメリットです。

日射量および発電量のピークは、晴れの日でなおかつ12時や13時などの限定された状況でのみ見込めます。雨の日や早朝および午前中、16時や日没直前では、発電量が減少してしまいます。

一方、過積載を行った場合は、日射量の少ない時間帯や状況でも発電ロスを抑えられます。その結果、積載率100%と比較して全体の発電量を一定に保ったり底上げしたりすることが可能です。

出力50kWを超えても低圧に区分される可能性がある

太陽光発電の出力が50kWを超えていたとしても過積載であれば、低圧に区分される可能性があります。低圧に区分された場合は、さまざまな負担を軽減することが可能です。

  • 低圧:出力50kW未満
  • 高圧:出力50kW以上2,000kW未満
  • 特別高圧:出力2,000kW以上

太陽光発電の出力は、パワーコンディショナと太陽光パネルの出力いずれか小さいタイプを基準に区分および定められます。

たとえば、パワーコンディショナの容量49kW、太陽光パネルの出力60kWであれば、低圧として判断されます。

低圧に区分された場合は、高圧や特別高圧と異なり電気主任技術者の配置や各種届出の提出義務、キュービクルの設置などを避けられます。また、各種人件費や追加設備の設置費用といった負担を抑えられるのが、低圧区分の特徴です。

パワーコンディショナの容量50kW未満で運用できる時は、低圧区分に注目しながら過積載を検討してみてはいかがでしょうか。

ピークカット分は蓄電池でカバー可能

太陽光発電の過積載によってピークカットされた電力は、太陽光発電向けの蓄電池で蓄えることが可能です。

過積載によってカットされた電力は、太陽光発電単体で蓄えておくことができません。さらにパワーコンディショナで変換しきれないため、売電もできません。

太陽光発電向けの蓄電池を設置した場合は、パワーコンディショナの容量を超える電力を一時的に蓄えておけます。あとは、夕方や夜間などパワーコンディショナの容量に余裕のある時間帯に放電すれば、売電や自家消費に活用することが可能です。

蓄電池は、過積載にかぎらず活用場面の多い設備なので、太陽光発電とセットで設置を検討してみるのがおすすめです。

太陽光発電の過積載を行うデメリット

太陽光発電の過積載を行うデメリット

ここからは、太陽光発電の過積載に関するデメリットを1つずつ確認していきます。

メーカー保証を受けられない可能性がある

太陽光発電の過積載では、メーカー保証を受けられない可能性に注意が必要です。

パワーコンディショナのメーカーでは、パワーコンディショナの容量に対して1.3倍程度の過積載まで保証範囲内としています。1.5倍や2.0倍といった過積載は保証範囲外とされる可能性もあるので、万が一の故障時に対応してもらえません。

過積載を検討する時は、パワーコンディショナのメーカー保証を確認しておくのが大切です。

住宅用の場合は屋根の破損リスクが生じる

住宅用太陽光発電で過積載を行う時は、屋根の破損などといったリスクにも気を付ける必要があります。

住宅用太陽光発電は、住宅の屋根に架台と太陽光パネルを取り付けます。そのため、屋根や住宅の耐荷重を超える太陽光パネルの設置は、屋根の破損や雨漏り、その他部材への影響も考えられます。

特に住宅の屋根で過積載を行う時は、実績の豊富な施工業者へ相談したり耐荷重を事前に確認してもらったりしておくのが重要です。

FIT認定に関するペナルティを受ける可能性

FIT認定後に過積載を行うと、ペナルティを受ける可能性があります。

FITに関する法律は2017年に改正され、過積載に関する規制が設けられました。その内容は、過積載そのものを認めるとした一方、事後的な過積載について規制を実施するとのことです。

FIT認定後に過積載を行った場合は、固定買取価格の変更および低下措置を受けてしまいます。既に太陽光発電を設置している時は、新規FIT認定の設備で過積載を検討するのが大切です。

なお、故障による交換などを考慮し、3kW未満かつ3%未満の出力増加については、規制の対象外とされています。

蓄電池を事後増設するとペナルティを受ける

太陽光発電のFIT認定を受けたあとに蓄電池を増設してしまった場合は、ペナルティを受けます。

FIT認定後の過積載や蓄電池の増設は、国民負担の増大につながっていました。そこで国では、法改正を行い、蓄電池の増設に関する規制を行いました。

具体的には、FIT認定後に蓄電池を追加で設置し、なおかつ太陽光パネル側の回路に蓄電池の回路を接続してしまうと、増設分の価格を引き下げられます。(最新の固定買取価格へ変更)さらに電気主任技術者の配置義務も設けられるので、人件費などの負担が増えてしまいます。

蓄電池の増設を検討する時は、蓄電池と回路の接続位置に注意が必要です。

太陽光発電の過積載を行うには?

太陽光発電の過積載を行うには?

太陽光発電設備の設置工事は、太陽光発電専門の施工業者で全て対応してもらえます。また、施工業者と連携している太陽光発電の販売店では、FIT認定を含めた各種手続きのサポート対応を行ってくれます。

過積載による費用負担は、一般的に1kWあたり15万円前後かかります。

なお、FIT認定取得後に過積載すると、過積載分の売電単価を引き下げられてしまう可能性があります。さらに増設分の蓄電池も規制対象なので、FIT認定取得前の過積載を検討するのがおすすめです。

太陽光発電の過積載で売電収益を増やせる!

太陽光発電の過積載で売電収益を増やせる!

太陽光発電の過積載は、パワーコンディショナの容量を超える太陽光パネルの設置および運用方法を指します。過積載ではピーク時の電力損失を被るものの、早朝や夕方など日射量の少ない時間帯に発電量を確保できます。

さらに蓄電池を増設しておけば、ピークカット分の電力を蓄えておけます。

太陽光発電の売電収入を伸ばしたい方や発電効率の伸び悩みを改善したい方は、今回の記事を参考に太陽光発電の過積載を検討してみてはいかがでしょうか。

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