デマンドコントロールで電気代を抑えられる?仕組みやメリットを紹介

デマンドコントロールで電気代を抑えられる?仕組みやメリットを紹介

工場やオフィスの電気代負担に悩む企業の中には、デマンドコントロールというシステムについて気になっている企業もいるのではないでしょうか?デマンドコントロールは、消費電力量の監視や制御によって電気代の削減を行う方法や取り組みを指します。

そこで今回は、デマンドコントロールの特徴や導入方法、メリット・デメリットについて分かりやすくご紹介します。節電だけでは電気代を抑えられず悩んでいる方やデマンドコントロールについて気になっているもののよく分からないという方は、参考にしてみてください。

デマンド値とは、意味などおさらい

デマンドコントロールについて理解するには、デマンド値という用語について理解しておく必要があります。

そこでまずは、デマンド値の意味と電力契約におけるデマンドの特徴をおさらいしていきます。

30分ごとの平均電力消費量

デマンド値とは、30分間ごとの平均電力消費量のことです。

たとえば、10時~10時30分の間に使用した電力が1kW、2kWであれば、10時~10時30分のデマンド値1.5kWとして記録されます。30分間に1度消費電力量が記録されるため、1日の記録回数は48回です。

消費電力量の記録については、電力会社側で行っています。そのため、契約者側での記録やチェックなどは不要です。

高圧電力契約では最大デマンド値が基準となる

契約電力50kW以上の高圧電力契約では、一般家庭の低圧電力契約と異なる方法で電気料金の計算が行われています。

電気料金の計算式は、基本料金+電力量料金(消費した電力量)+消費税です。中でも基本料金がデマンド値と関係しています。

基本料金は、単価×契約電力×力率割引(割増)という計算式です。また、契約電力という項目は、基本的に1年間のデマンド値で最も数値の高い「最大デマンド値」を基準にされる仕組みです。なお、電気料金プランによっては、1月や11月など、指定月の最大デマンド値を基準にされる場合があります。

そのため、ある月の一瞬だけ平均の2倍や4倍の消費電力量を記録してしまった場合、翌年の電気料金が急激に高くなってしまいます。

さらに契約電力を超えて電気を使用し続けてしまうと、契約超過金という支払いを別途行わなくてはいけません。

高圧電力契約を交わしている事業者は、最大デマンド値を更新しないよう、日ごろから節電を意識した事業活動が大切です。

デマンドコントロールシステムの特徴

デマンド値の仕組みと電気料金との関係性を理解したあとは、本記事のテーマでもあるデマンドコントロールの特徴について確認していきます。

デマンドコントロールは、最大デマンド値を抑える上で重要です。

消費電力量の監視と制御を行ってくれるシステム

高圧電力契約を交わしている企業や事業者は、可能な限りデマンド値を更新させないよう節電を意識しておくのも大切です。しかし、人の手による節電にも限界があります。

デマンドコントロール装置やシステムは、事業活動で使用されている電力量を監視・制御し、消費電力量の増加や最大デマンド値の更新を防ぐシステムの総称です。また、デマンドコントロールそのものは、最大デマンド値を抑えるための取り組みなので、節電など人の手による消費電力の調整作業も含まれます。

デマンドコントロールに関する制御装置は、デマンドコントロールシステムとデマンド監視装置の2種類に分かれています。それぞれ機能や役割が異なるため、事前に違いを把握しておくのが大切です。

デマンドコントロールシステムとデマンド監視装置の特徴については、後半で詳しく紹介します。

価格は設置規模によって異なる

デマンドコントロールシステムやデマンド監視装置の価格は、メーカーや種類、装置の規模や設置台数によって大きく異なります。

小型のデマンド監視装置の本体価格は、20万円や30万円前後と比較的リーズナブルです。また、装置によっては、配線工事不要で電力量の監視やブザー付きライトの設置などを行えます。

一方、ビルや工場など大規模な施設の消費電力量および設備を監視および自動でコントロールするには、数100万円以上のデマンドコントロールシステムが必要です。

デマンドコントロール導入の流れ

デマンドコントロールシステムを導入したい場合は、管轄の電力会社や電気保安協会、デマンドコントロールシステムを取り扱っている専門会社へ相談する必要があります。

また、現地調査では、デマンドコントロールシステムやデマンド監視装置を設置できる環境かどうか確認されます。導入費用や工事の詳細は、見積もりの段階で行われます。見積もり内容に納得できた場合は、契約手続きののちに設置作業を行ってもらえます。

設置工事の内容はシステムの仕様や設置環境、配線工事の有無などによって大きく変わります。

デマンドコントロールの種類

ここからは、前半で触れていたデマンドコントロールシステムとデマンド監視装置の特徴について確認していきます。

デマンドコントロールシステム

デマンドコントロールシステムとは、建物内に設置されている各種設備の消費電力量を監視し、最大デマンドを超えないよう自動で設備の電源や消費電力量を調整してくれるシステムのことです。

デマンドコントロールシステムの主なメリットは、電力量の監視や分析だけでなく、自動で建物内の照明や空調設備などを制御してくれる点です。人の手で照明や空調設備などを調整しようとすると、タイミングがずれて最大デマンドを更新させてしまう可能性もあります。

デマンドコントロールシステムの場合は、最大デマンドを超えないよう常時建物内の消費電力量や各種設備の使用状況を監視・自動調整してくれます。

ただし、導入費用が高く、状況によって業務に支障が出る可能性もあるといった点は、デマンドコントロールシステムのデメリットでもあります。

導入費用は、デマンド監視装置より高い傾向です。業務への支障に関しては、設定に沿った暖房や冷房の設定温度調整による作業員の体調不良リスク、電源停止や自動調整による電気機器への負担や劣化といったリスクを指しています。

日々の業務が忙しい場合、複数の工場や建物の電力制御を行わなくてはならない場合は、デマンドコントロールシステムがおすすめです。

デマンド監視装置

デマンド監視装置は、事前に設定しておいたデマンド値を超えそうな場合にブザー付き警報機やメールなどで知らせてくれるのが特徴です。

主なメリットは、デマンドコントロールシステムより導入費用が安いこと、現場の作業状況に応じて調整の判断を行えるといった点です。

導入費用は、安いタイプで20万円や30万円といった価格帯です。

デマンドコントロールシステムは、照明や空調、その他電気機器類の電源を停止したり稼働を抑えたりするため、作業に支障がでる可能性もあります。一方、デマンド監視装置は、人の手で電気機器を制御できるため、予期せぬ電源停止などを防止しやすい状況です。

デメリットは、装置の監視やデマンドの記録、空調や電気機器類の調整要員が必要なことです。また、最大デマンドの通知から調整までにタイムラグが発生してしまうため、人的ミスのリスクもあります。

小規模な施設で人の手による制御も可能な状況であれば、デマンド監視装置を検討してみるのもおすすめです。

デマンドコントロールシステムとデマンド監視装置どちらが利用しやすい?

デマンドコントロールシステムとデマンド監視装置を比較する場合は、設置予定施設の規模を基準に判断してみるのが大切です。

デマンド監視装置は、装置から通知を受けたのちに人の手による調整が必要なので、小規模なオフィスや工場、店舗などで適しています。

一方、デマンドコントロールシステムは、従業員数100名以上在籍している企業や大規模な工場、複数の建屋を管理している企業に適しています。

デマンドコントロールと太陽光発電・蓄電池の併用がおすすめ

デマンドコントロールを行う時は、デマンドコントロールシステムやデマンド監視装置に加えて、太陽光発電と蓄電池の併用がおすすめです。

それでは、太陽光発電と蓄電池の併用によるメリットについて紹介します。

ピークカットによる最大デマンド値の抑制

太陽光発電と蓄電池を併用する大きなメリットは、ピークカットによる最大デマンド値の抑制を期待できるためです。

ピークカットとは、消費電力量の多い時間帯に電力消費を抑える取り組みのことです。

太陽光発電で発電した電気は、売電せず蓄電池へ蓄えておきます。蓄電池に蓄えておいた電気は、消費電力の多い時間帯に自家消費することで、最大デマンド値の抑制を実現できます。

照明や冷暖房の調整、業務に必要な電気機器類の電源停止などには限度があるため、必ずしもデマンド監視装置やデマンドコントロールシステムでピークカットできる訳ではありません。

そこで太陽光発電や蓄電池を設置しておけば、無理な節電をせずにピークカットを実現することが可能です。

蓄電池でピークシフトによる最大デマンド値の抑制

太陽光発電と蓄電池を併用した場合はピークシフトを実現できるため、通常通り事業活動を継続しながら最大デマンド値を抑制できます。

ピークシフトとは、消費電力の少ない時間帯に蓄えておいた電気を消費電力の多い時間帯で利用する方法のことです。

デマンドコントロールシステムやデマンド監視装置、太陽光発電単体では、電力需要に合わせた蓄電や放電を行えません。

しかし、太陽光発電と蓄電池を併用した場合は、太陽光発電で発電した電気を蓄電池で蓄えておき、消費電力の多い時間帯に自家消費することが可能です。

時間帯によって消費電力量の差が激しい企業や特定の時間帯に最大デマンド値を超過してしまう企業は、太陽光発電と蓄電池の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

デマンドコントロールと太陽光発電の活用で電気代削減!

デマンドコントロールとは、事業で使用している設備や照明・空調設備などの消費電力量を監視し、必要に応じて調整や電源停止を行っていく取り組みや考え方のことです。

また、デマンド監視装置は、消費電力量の常時監視と最大デマンドの超過リスクがある場合に警告音やメール通知を行ってもらえます。デマンドコントロールシステムは、消費電力量の監視だけでなく、社内設備の使用状況に合わせた電源コントロールを自動で行ってもらえるのが特徴です。

最大デマンドの超過に悩んでいる方や自社の電気料金削減へ向けた取り組みを始めている方は、今回の記事を参考にデマンドコントロールシステムの導入や太陽光発電・蓄電池の併用を検討してみてはいかがでしょうか。

弊社とくとくファームは、中古太陽光発電所の売買仲介から購入者向けの保守点検サービス、売買後の税務処理に関するサポートまで一括対応しています。

また、無料の個別セミナーでは、太陽光発電の基礎知識に関するご相談から中古太陽光発電の物件情報まで丁寧にお応えいたします。

中古太陽光発電所は、大きな売電収入を期待できるだけでなく自己託送(送配電網を使用し、自社へ送電)による自家消費も可能です。太陽光発電の自家消費や売電に関心を持っている事業者は、この機会に1度ご相談ください。

太陽光発電所の購入・ご相談はこちら

太陽光投資 専門サイト

太陽光投資 専門サイトまずはお気軽にご相談ください。

お急ぎの方はお電話ください。

産業用メガソーラーカテゴリの最新記事