太陽光発電は投資商品のひとつとして人気があります。しかし、なかには購入したことを後悔する人が一定数いるのも否めません。どのような理由で後悔を感じているのでしょうか?そこで今回は太陽光発電で後悔してしまう理由や損しないための対策方法を解説していきます。購入を検討しているなら、ぜひ一度記事をご覧頂き、参考にしてみてください。
太陽光発電で後悔した人が多いといわれる理由とは?
太陽光発電で後悔した人が多いと言われていることには、どのような理由があるのでしょうか。結論から言うと、実はその多くが誤解、勘違いなのです。では、実際にどのような理由があるのかについて解説していきます。
利用者の7割が損をしたと週刊誌で取り上げられた
太陽光発電で後悔した人が多いと言われる理由のひとつが、週刊誌による記事です。
2012年に「太陽光発電利用者の7割が損をする」という主旨の記事が掲載されました。そのため、損をしてしまうというイメージが広がったのです。またインターネット上で「太陽光発電 7割 損」といったキーワードの検索数も上昇しています。マスメディアの影響は強いため、イメージが先行したものといえます。
記事の内容は、太陽光発電利用者のうち、メンテナンスや発電量のチェックをしている人は3割未満。7割以上の利用者が点検を怠っているもしくは損をするかもしれない、という憶測で書かれたものなのです。そのため、「太陽光発電は7割の人が損をする」という誤解が生まれてしまいました。
メンテナンスをしなければ損をするのは当たり前
週刊誌に取り上げられた内容がすべて間違っているというわけではありません。メンテナンスをしなければ損をするのは当たり前です。
どんな設備でも点検やメンテナンスは必要です。メンテナンスを怠れば設備故障の可能性が高くなります。修理費用も安くありません。故障での対応は専門業者への依頼やそれにともなう出張費や部品代金などさまざまな費用が発生します。そのため初期投資分の金額に修理費用が上積みされて回収に時間がかかってしまう可能性が高くなります。
経済産業省では、メンテナンスや点検の義務化が設定されています。主に出力50kW以上の太陽光発電が対象です。メンテナンス不足による修理費用の発生を防ぐための対策は必須と言えます。
太陽光発電で後悔する可能性のあるシチュエーション
ここでは、太陽光発電で後悔してしまう可能性のあるシチュエーションをご紹介します。太陽光発電で後悔しないために、これからご紹介するシチュエーションに当てはまっていないかをご自身に照らし合わせてみましょう。
太陽光発電へのリテラシーが低い
シチュエーションの一つ目が「太陽光発電へのリテラシー」です。リテラシーとは、理解度や知識のことを指しますが、ここでは太陽光発電への理解度についてです。
インターネット上にある耳あたりの良いフレーズだけではなく、デメリットやリスクも事前に確認しておきましょう。太陽光発電業者の提示するポジティブな側面のみで購入した場合、「こんなはずではなかった」と後悔する可能性もあります。
また情報収集することで、補助金精度などを利用して太陽光発電購入の負担を軽くできるケースもあります。ぜひリテラシーを高めていきましょう。
家庭用蓄電池への理解度
太陽光発電を購入する場合、電気を蓄電することができる家庭用蓄電池とセットで購入する利用者が多いです。ただし、そもそも家庭用蓄電池がどのようなものなのかを理解して購入しなければ、後悔の一因となってしまう可能性があります。例えば、以下のような情報を把握しておくと良いです。
- 適正価格はどのくらいか?
- 利用プランなどはあるのか?
- どんな使い方があるのか?
現在では多くのメーカーで販売しているため、機能や適性もさまざま。どこのメーカーを選ぶか迷うかもしれませんが、一方的な情報に流されて選んでしまうと損をする可能性が高いと考えられますので事前に調べておきましょう。
太陽光発電の設置に関する知識不足
太陽光発電の設置に関する知識がないのも後悔してしまうシチュエーションのひとつです。理由としては設置コストや環境などの条件への知識不足が挙げられます。
太陽光発電は初期費用が高額です。そのため、売電などの収益で初期費用を回収するのは時間が必要です。また、太陽光発電のメンテナンスでもコストがかかります。費用面把握を事前にしておかなければ、損をしたと感じてしまい、後悔してしまうでしょう。
また、太陽光発電はその設置場所の環境や条件により、想定よりも発電できずに収入を得られないケースもあります。太陽光発電の設置について知識が不足している場合、想定していたような投資効果が得られず、太陽光発電で後悔してしまう可能性が高くなるでしょう。
太陽光発電で後悔しないための注意点
ここでは前項までの解説をもとに、太陽光発電の購入で後悔しないための注意点をご紹介していきます。ぜひ参考にしてください。
住宅の形状や屋根の大きさ
住宅の形状や屋根の大きさによっては、設置する太陽光パネルのサイズが予定よりも小さくなってしまう可能性があります。また複雑な形状をしている場合などでは、施工時に工程や費用がかさんでしまうケースもあるでしょう。
具体的な費用を算出する場合には、現地調査によって金額を見積もることが必要となりすます。ですので、業者の訪問時にすぐ契約するのは避けるべきです。必ず現地調査を行い、そこで提示された見積もり金額を踏まえて、太陽光発電の購入を判断することが必要です。
売電価格の推移を把握しておく
太陽光発電の売電価格は、日々変動しています。つまり太陽光発電を購入しても、売電価格が減少していれば収入が減ってしまう可能性があるのです。完全に予想することは不可能ですが、価格の推移を把握しておくことで、最低限のリスクを回避しておくことが必要です。
悪質業者が存在する
悪質業者には注意しましょう。手抜き工事や高額な費用請求をしてくる業者はどの業界にも存在します。太陽発電も例外ではありません。専門知識や技術がある業者であれば、屋根の形状に応じた放水工事で雨漏りを防ぐ対策を講じてくれますが、専門知識や技術がない業者が作業する場合に、こうした対策を講じず、ずさんな工事となってしまう可能性があるでしょう。
また、都合の良いデータのみを使ってシミュレーションを算出・提示し、購入をすすめてくるケースがあります。太陽光発電は専門性が高いこともあり、一般の方ではなかなか見破ることは難しいことが多いです。そのため「このデータは信頼できるものであるのか」を後日他社と比較をしてみるなど、情報を鵜呑みにしないよう心がけることが必要です。
設置コストやメンテナンス費用
太陽光発電でのコストやメンテナンス費用には注意が必要です。
設置時にかかる費用はもちろん、設置後の運用している時にもメンテナンス費用がかかります。もちろん、太陽光発電が普及してきたことによって初期投資のコストは年々安くなってきていますが、それでも高額なものであることに変わりはありません。まずどのぐらいの費用がかかるのか留意して、ある程度の金額を把握しておく必要があるでしょう。
隣人とのトラブルというケースも
多い事例ではありませんが、太陽光発電の設置場所において、隣人とトラブルになるケースもあります。太陽光発電では、反射光や稼働する機器の騒音が出ます。そのため、ご近所からクレームが入り、トラブルとなる可能性があるのです。
太陽光発電で後悔しないための対策
ここでは、太陽子発電で後悔しないための対策をご紹介します。前項で解説した注意点も含めて解説していきます。
依頼業者の見極め
依頼業者の見極めは大切なポイントのひとつです。悪質な業者を回避するためには、最低でも3社以上から見積もりを取ることが有効でしょう。太陽光発電で後悔することの多くは、業者の説明不足や、専門知識・技術の不足であるケースが多いのです。
しっかり太陽光発電の購入にかかるコストやリスクを説明してくれる業者などの話を聞いたうえで、複数の業者を比較して選択していくことが重要です。
収支や発電量のシミュレーション
太陽光発電へ投資する際にかかるコストや、売電収入から、あらかじめ収支をシミュレーションしておくことも有効です。また、自分が設置する太陽光発電の機器でどれくらいの発電量が見込めるのかについてもシミレーションしておきましょう。
一般的な目安として、太陽光発電の初期投資を回収できるのは、8~12年かかるとされています。ご自身で収支をシミュレーションしたものと比較しながら設置するかどうかを判断していきましょう。また他の設置場所を検討する、抑えても問題のないコストを抑える、といった判断にも役立ちます。
補助金制度を利用する
太陽光発電の設置について、国や自治体から補助金が出ることが多々あります。こうした補助金制度を活用することによって、太陽光発電の購入時にかかるコストを軽減できる可能性があります。要件や実施時期などがあるため全ての人が利用できるとは断言できませんが、利用できる条件を満たしている人は、積極的に利用していくことをお勧めします。
自治体による補助金制度については、各地方自治体によって独自の補助金制度が設けられているケースもありますので、まずは最寄りの自治体で補助金制度があるのか、利用できるのかを自身で調べておきましょう。
設置予定地の環境確認
太陽光発電の設置予定地は必ず周りの環境を確認しておきましょう。設置予定地の周辺環境の確認は、以下のような点が挙げられます。
- 影ができる原因となる建物や設備の有無
- 地盤の強さ
- 湿度
- 冬場の積雪量
- 塩害リスクの有無
- 日照時間
- 平地であるか
新築なら住宅ローンに組み込む
新築での太陽光発電の購入である場合は、購入費用を住宅ローンに組み込むことが可能です。また住宅ローンを利用することで、太陽光発電の購入費用を低金利で借りることができます。15年返済で金利2.3%のソーラーローンなどもありますが金利が高く、月々の負担は大きくなるケースがほとんどです。一方の住宅ローンでは、35年返済の金利1%ほどであり、月々の負担額が比較的軽くなります。
ただし、新築時に居住部分での費用がかさんでしまい、住宅ローン限度額を超えてしまう可能性がある点には注意が必要です。こうした点も踏まえながら、活用できる場合にはぜひ活用しましょう。
まとめ:太陽光発電で後悔しないための対策を!
太陽光発電で後悔しないための解説をしてきました。
今回の内容のおさらいをしていきましょう。
- 「利用者の7割が損をする」というのは誤解
- 太陽光発電のリテラシーを高めることが大切
- 依頼業者は複数社に見積もりをかける
- 設置場所の環境認識をしておく
- 利用できる補助金があれば申請
- 事前に念入りなシミュレーションをする
太陽光発電利用者の7割が損をすると言うのは誤解からうまれたものです。
注意点を意識して対策すれば、ある程度の収入を得ることができます。インターネット上の根拠の薄い情報や、業者から提示されるデータや提案をそのまま受けることはせず、ご自身でも情報を調べて対策していくことが大切です。