【2024年最新】脱炭素関連の補助金で負担軽減!非FIT型太陽光発電関連も!

【2024年最新】脱炭素関連の補助金で負担軽減!非FIT型太陽光発電関連も!

非FIT型太陽光発電は、脱炭素経営にメリットの多い設備です。しかし、費用の関係で導入を悩んでいる方も多いかと思います。脱炭素関連の補助金制度の中には太陽光発電を対象にしたものもあるので、費用を抑えられる可能性があります。本記事では、太陽光発電を中心に脱炭素補助金の概要について詳しくご紹介します。太陽光発電の導入費用を抑えたい方や、脱炭素補助金の種類が多すぎてよくわからない方などは参考にしてみてください。

目次

脱炭素に関する補助金制度とは?

脱炭素に関する補助金制度とは、再生可能エネルギーや省エネ設備の導入・運用などに対して費用を支援してもらえる制度のことです。

日本政府は、2050年にカーボンニュートラル達成という目標を掲げ、環境に関するさまざまな支援策や政策を実行しています。また環境省や経済産業省、国土交通省などの省庁が、脱炭素政策に合わせて補助金制度を実施しています。

2024年の補助金の公募はすでに終了しているものが多いため、公募期間をチェックして翌年以降の動きの参考にしましょう。申請受付時期や予算、補助対象設備・金額については、制度によって異なります。そのため、早めに各補助金制度の内容や実施時期を確認しておくのが大切です。

太陽光発電導入に関する主な脱炭素補助金

脱炭素関連の補助金制度は複数あり、どれが太陽光発電向けなのかわからない方も多いかと思います。

国の脱炭素系補助金制度で太陽光発電に関係しているのは、主に以下7種類です。2024年の公募は終了しているものもあるので、次の公募を逃さないようにチェックしておきましょう。

補助金制度 概要
ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業
※2024年3次公募終了
・自家消費型太陽光発電と蓄電池の導入にかかる費用を補助
・補助率:補助対象経費の3分の1
・補助対象経費:太陽光発電、蓄電池
新たな手法による再エネ導入・価格低減促進事業
※2024年2次公募終了
・ソーラーカーポート、建材一体型太陽光発電、ソーラーシェアリング、ため池太陽光発電の導入にかかる費用を補助
・補助率:補助対象経費の3分の1、2分の1、5分の3(補助対象経費によって変わる)
・補助対象経費:太陽光発電と関連設備
再エネ主力化に向けた需要側の運転制御設備等導入促進事業
※公募終了・2次公募の予定なし
・太陽光発電や風力発電など、発電量の不安定な再生可能エネルギーの普及に必要なデマンド・サイド・フレキシビリティ(DSF)の創出につながる設備の導入費用などを助
・補助率:補助対象経費の2分の1、3分の1 、4分の3、3分の1、4分の1(補助対象経費によって変わる)
・補助対象経費:各項目によって異なるものの、オフサイトから制御可能な発電システム、蓄電池など
離島等における再エネ主力化に向けた設備導入等支援事業 ・離島全体の電力供給量に対する再生可能エネルギーの割合を高めて、かつCO2削減につながる取り組み(計画策定や設備の導入)を対象とした補助金制度
・補助率:計画策定に対して4分の3(上限1,000万円)、設備に対して3分の2
・補助対象経費:計画策定、再生可能エネルギー設備、蓄電池など
平時の省CO2と災害時避難施設を両立する新手法による建物間融通モデル創出事業 ・蓄電池や太陽光発電の電力を建物間で融通(直流給電システム、TPOモデル)し、避難施設で電力を活用できるようにするための取り組みに対する補助金制度
・補助率:計画策定に対して4分の3(上限1,000万円)、設備に対して3分の2、2分の1
・補助対象経費:計画策定、再生可能エネルギー設備、蓄電池など
データセンターのゼロエミッション化・レジリエンス強化促進事業 ・データセンターへの再生可能エネルギー導入をはじめとした取り組みに対する補助金制度
・補助率: 太陽光発電設備2分の1、省エネ設備3分の1
・補助対象経費:再生可能エネルギー設備、蓄電池、データセンターの移転、集約など
需要家主導による太陽光発電導入促進補助金 ・小売電気事業者に電力を供給している発電事業者で、2MW以上のメガソーラー、蓄電池を導入する際に補助を受けられる
・補助率:2分の1以内、 自治体連携型の場合は3分の2 以内、蓄電池の設置に関する経費は、3分の1以内
・補助対象経費:太陽光発電、蓄電池

続いては、太陽光発電に関する脱炭素系補助金制度の内容についてわかりやすく紹介していきます。

ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業

導入方式 補助金額
自家消費型太陽光発電、産業用蓄電池を購入 出力1kWにつき4万円の補助金額を交付(設置場所は業務用施設、産業用施設、集合住宅に限る)
オンサイトPPA(※1)、もしくはリース(※2)で自家消費型太陽光発電、産業用蓄電池を導入 出力1kWにつき5万円の補助金を交付
戸建て住宅への設置は1kWにつき7万円

出典:「民間企業等による再エネ主力化・レジリエンス強化促進事業」(環境省)

環境省主導の「ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業」は、「民間企業等による再エネ主力化・レジリエンス強化促進事業」という補助金事業の1つです。自家消費型太陽光発電と蓄電池を自社の敷地内に導入したい方向けの補助金です。

主な目的は、ストレージパリティ(※3)の達成で、補助金額の上限は、補助対象経費の3分の1と定められています。補助対象経費は、各設備の導入費用を指しています。実施期間は、2025年度までの予定です。

蓄電池に加えて自家消費型太陽光発電を導入する場合に補助金が支給されます。また、電気自動車とV2Hのセット導入においては、蓄電容量に対して「1/2×4万円(上限あり)」の補助を受けられます。

(※1) オンサイトPPA:PPA方式の太陽光発電所を自社の敷地内に設置する運用方法のこと
(※2) リース:リース業者に太陽光発電設備を自社の敷地内や建物の屋根に設置してもらい、一定期間借りながら運用していく方式
(※3) ストレージパリティ:太陽光発電を運用する際に蓄電池を導入した方が経済的メリットを得られる状態のこと

新たな手法による再エネ導入・価格低減促進事業※2次公募終了

対象の設備 補助金額
ソーラーカーポート ・導入時にかかった費用を補助
・設備費用に対する補助金率は3分の1
・ソーラーシェリング
・ため池型太陽光発電
・廃棄物処分場を活用した太陽光発電
・導入時にかかった費用を補助
・設備費用に対する補助金率は2分の1
・窓、壁などと一体化した太陽光発電 ・導入時にかかった費用を補助
・窓と一体となった太陽光発電設備は5分の3(上限5,000万円)
・壁などと一体となった太陽光発電設備はまたは2分の1(上限3,000万円)

出典:「民間企業等による再エネ主力化・レジリエンス強化促進事業」(環境省)

「新たな手法による再エネ導入・価格低減促進事業」は、「民間企業等による再エネ主力化・レジリエンス強化促進事業」の一種で、この制度では、新しい手法を用いた太陽光発電所の導入を支援してもらえるものです。ソーラーカーポートやソーラーシェアリング、水上設置型太陽光発電を検討している場合に利用できる可能性があります。

上記の中で補助対象の太陽光発電は、ソーラーカーポート(※1)、ソーラーシェリング(※2)、ため池型太陽光発電(水上設置型太陽光発電)(※3)、廃棄物処分場を活用した太陽光発電、オフサイト型太陽光発電(※4)です。

(※1) ソーラーカーポート:カーポートの屋根部分に太陽光パネルを設置した発電設備
(※2) ソーラーシェアリング:農地に特殊な架台を設置し、太陽光発電と農業を両立させる運用方式
(※3) ため池型太陽光発電:水面で行う太陽光発電
(※4) オフサイト型太陽光発電:自社の敷地から離れた場所に太陽光発電所を設置し、自営線を引いて自家消費する方式

再エネ主力化に向けた需要側の運転制御設備等導入促進事業(※2次公募終了)

対象設備 補助金額
オフサイト(遠隔地)から運転制御可能な需要家側の設備およびシステムの導入を支援 補助対象経費に対して2分の1の補助率
出力抑制制御をオフライン制御からオンライン制御に転換するための設備を導入した場合に補助金対象 補助対象経費に対して3分の1の補助率(離島は2分の1)
スマート街路灯(通信ネットワークと連携したLED街路灯)、ソーラー街路灯に関する計画策定や設備費用が補助金対象 補助対象経費に対して4分の3、3分の1、4分の1の補助率で補助金を交付

出典:「再エネ主力化に向けた需要側の運転制御設備等導入促進事業」(環境省)

「再エネ主力化に向けた需要側の運転制御設備等導入促進事業」は、「民間企業等による再エネ主力化・レジリエンス強化促進事業」に含まれている補助金制度です。実施期間は2025年度までの予定です。

同補助金制度は、太陽光発電や風力発電といった発電量の不安定な再生可能エネルギーの普及に必要な需要側需給調整力(DSF)の創出につながる設備の導入支援が目的です。

主に遠隔地からの運転制御が可能なエネルギーマネジメント(エネルギーの管理制御システム)や二酸化炭素排出量削減を行える需要型設備の導入費用に対して、補助金が支払われます。

離島等における再エネ主力化に向けた設備導入等支援事業(※2次公募終了)

補助対象経費 補助金額
計画策定にかかる費用 計画策定費用に対して4分の3(上限1,000万円)
設備導入費用 設備導入費用に対して3分の2

出典:「離島等における再エネ主力化に向けた設備導入等支援事業」(環境省)

「離島等における再エネ主力化に向けた設備導入等支援事業」は、再生可能エネルギー設備の割合が低い離島で、同設備の割合を高めるための補助金制度です。

太陽光発電や風力発電の発電量は天候に大きく左右されるため、エネルギーマネジメントシステムをはじめとした管理制御機器を導入の必要性が重要視されています。このため離島への再生可能エネルギー設備導入に重要な、調整力強化のねらいもあります。

補助対象経費に関しては、計画策定費用のほか、再生可能エネルギー設備・蓄電池・EMS・遠隔制御機器など幅広い傾向です。

平時の省CO2と災害時避難施設を両立する新手法による建物間融通モデル創出事業(※2次募集終了)

補助対象経費 補助金額
直流による建物間融通モデル創出事業 ・計画策定費用に対して4分の3(上限1,000万円)
・設備などの導入費用に対して3分の2もしくは2分の1
TPOモデルによる建物間融通モデル創出事業 ・計画策定費用に対して4分の3(上限1,000万円)
・設備などの導入費用に対して3分の2もしくは2分の1

出典:「平時の省CO2と災害時避難施設を両立する新手法による建物間融通モデル創出事業」(環境省)

「平時の省CO2と災害時避難施設を両立する新手法による建物間融通モデル創出事業」は、平時にCO2削減を図りつつ災害時に避難施設として機能できるよう、異なる建物間で電力を融通できる仕組みをつくるための取り組みが対象です。

「TPOモデルによる建物間融通モデル創出事業」は、PPA事業者などに無償で太陽光発電や蓄電池・自営線などを設置してもらいながらシステムを運用していく事業モデルで、初期費用や維持管理費用負担を抑えられる制度です。

建物の避難拠点化や非常用電源としての太陽光発電活用といった計画を進めている企業は、とくに検討しやすい補助金制度といえます。

データセンターのゼロエミッション化・レジリエンス強化促進事業(※公募終了)

補助対象の事業 補助金額、概要
地域再エネの活用によりゼロエミッション化を目指すデータセンター構築支援事業 地域の再生可能エネルギーを活用したデータセンターの新規建設を行う際、再生可能エネルギーや蓄電設備、省エネ設備などの導入費用を補助
・太陽光発電は補助率2分の1
・省エネ設備の補助率は3分の1
既存データセンターの再エネ導入等による省CO2改修促進事業 既存のデータセンターへ再生可能エネルギーや蓄電池設備、省エネ設備を導入したり改修したりする際に発生した費用を補助
・太陽光発電は補助率2分の1
・省エネ設備の補助率は3分の1
省CO2型データセンターへのサーバー等移設促進事業 省CO2性能の低いデータセンターに設置されているサーバーなどの設備を、省CO2性能の高いデータセンターへ集約、移転する際にかかる費用を補助
・補助率は一律3分の1
地域再エネの効率的活用に資するコンテナ・モジュール型データセンター導入促進事業 コンテナ・モジュール型データセンターの導入にかかる費用を補助
・補助率は一律3分の1

出典:「データセンターのゼロエミッション化・レジリエンス強化促進事業」(環境省)

「データセンターのゼロエミッション化・レジリエンス強化促進事業」は、電力消費量の多いデータセンターにおいて新設再生可能エネルギーや省CO2を目指した事業に対して、補助金を交付してもらえる支援制度です。

需要家主導型太陽光発電導入促進補助金(※令和6年度予算は公募開始待ち)

補助対象の事業 補助金額、概要
需要家主導型太陽光発電導入支援 地域共生を前提として、需要家が小売り電気事業者・発電事業者と取り組む太陽光発電設備の導入・蓄電池の併設を支援する
・補助対象経費の3分の1、2分の1、3分の2

出典:「令和6年度予算 需要家・再エネ補助事業公募事前説明会」(JPEA)

「需要家主導による太陽光発電導入促進補助金」は、令和5年度分は公募終了しています。2024年8月30日に令和6年度予算の公募事前説明会があり、詳細な情報は公募開始時に公開されます。

令和5年度予算の公募においては、補助金を受けるための要件は複数存在しており、少なくとも以下の内容を満たす必要がありました。6年度予算分においても同様の要件がある可能性があるため、よく確認してください。

  • 非FIT、非FIP型の太陽光発電を導入
  • 太陽光発電の合計出力が2MW以上
  • 太陽光発電の単価が1kWにつき23.6万円未満
  • 電力供給に関する契約が8年以上、かつ一定量以上の電力供給
  • 再エネ特措法の事業計画策定ガイドラインの遵守

太陽光発電も関連している脱炭素補助金

環境省で実施されている脱炭素関連の補助金には、太陽光発電事業に関連した内容も含まれている場合があります。

太陽光発電に関連した脱炭素補助金は、以下の通りです。

補助金制度 概要
地域脱炭素推進交付金 脱炭素製品や技術の需要創出、投資拡大による、地域やくらし分野の脱炭素化を推進するための補助金事業
(1)地域脱炭素移行・再エネ推進交付金
【脱炭素先行地域づくり事業】
・補助率:原則3分の2
【重点対策加速化事業】
・補助率:3分の2~3分の1、定額
(2)特定地域脱炭素移行加速化交付金【GX】
・補助率:原則3分の2
地域レジリエンス・脱炭素化を同時実現する公共施設への自立・分散型エネルギー設備等導入推進事業
※2次公募終了
災害および停電時に公共施設へエネルギーを供給できる再生可能エネルギーの導入に対して補助金が交付される
・指定事業に関して、地方公共団体と共同で実施している場合は企業も補助対象者
SHIFT事業 工場・事業場における脱炭素化の取り組みを対象にした補助金制度
・各補助事業の対象事業者は民間企業で、CO2削減計画策定や省CO2型設備更新、サプライヤーのCO2排出削減に向けた設備更新など、複数の補助事業にわかれているのが特徴

それでは、脱炭素補助金から太陽光発電事業に関連する補助金事業を紹介していきます。また原則地方公共団体を対象とした補助金や、PPAや

地域脱炭素推進交付金

補助対象の事業 補助金額、概要
脱炭素先行地域づくり事業 CO2排出削減に向けた設備、基盤インフラの導入、省CO2設備整備にかかる費用を補助
※脱炭素先行地域に選ばれている地域でなければいけない
・補助率:原則3分の2
・補助対象者:原則地方公共団体
民間事業者も事業を実施する場合は、地方公共団体経由で補助金が交付される
重点対策加速化事業 ビルや住宅の省エネ性能向上させたり自家消費型太陽光発電を導入したりする場合、設備更新や導入にかかる費用を補助
※再生可能エネルギー0.5MWもしくは1.0MW以上導入する必要がある
・補助率:3分の2~3分の1、定額
・補助対象者:原則地方公共団体
民間事業者も事業を実施する場合は、地方公共団体経由で補助金が交付される
特定地域脱炭素移行加速化交付金【GX】 自営線マイクログリッド(地域の小規模な面的エネルギーネットワーク)を構築する地域などで、温室効果ガス削減効果の高い再生可能エネルギーや省エネ、蓄電設備を導入する際にかかる費用を補助
※脱炭素先行地域に選ばれている地域でなければいけない
・補助率:3分の2
・補助対象者:原則地方公共団体
民間事業者も事業を実施する場合は、地方公共団体経由で補助金が交付される

出典:「地域脱炭素推進交付金」(環境省)

「地域脱炭素推進交付金」は、主に地方公共団体の脱炭素に関する取り組みを促進させる支援制度です。原則地方公共団体が対象ですが、民間事業者も地方公共団体の事業に関わる場合は、補助金が交付される可能性があります。

「脱炭素先行地域づくり事業」と「特定地域脱炭素移行加速化交付金【GX】」は、脱炭素先行地域に選ばれている地域という要件が定められた補助事業です。(脱炭素先行地域:2050年のカーボンニュートラル、温室効果ガス排出削減に関する2030年の目標についてモデルとなる地域)脱炭素先行地域に選ばれている市区町村は、環境省HPの脱炭素先行地域ページから確認できます。

「脱炭素先行地域づくり事業」は、太陽光発電をはじめとした再生可能エネルギー、自営線や蓄電設備など再生可能エネルギーの利用最大化につながる基盤インフラ、ZEBやZEHなどの省CO2設備などに関する導入費用を補助してもらえるものです。

「特定地域脱炭素移行加速化交付金【GX】」は、再生可能エネルギーと省エネ設備、蓄電設備などの導入費用に対して補助金が交付されます。

また、「重点対策加速化事業」は、ZEHやZEB、EVのほか、自家消費型太陽光発電の導入費用も補助対象経費です。ただし、再生可能エネルギーの容量1.0MWもしくは0.5MW以上の導入が要件のひとつで、メガソーラークラスの事業展開も必要とされています。

地域レジリエンス・脱炭素化を同時実現する公共施設への自立・分散型エネルギー設備等導入推進事業

補助対象の事業 補助金額、概要
設備導入事業 再生可能エネルギー設備や未利用エネルギー活用設備、コージェネレーションシステムと付帯設備(蓄電池、充放電設備など)、省CO2設備(高機能換気設備、省エネ型浄化槽含む)などの導入にかかる費用を補助
※PPA、リース、エネルギーサービス事業で地方公共団体と共同申請する場合のみ、民間事業者や団体なども申請可能
補助率:
・都道府県、指定都市は3分の1
・市区町村(太陽光発電もしくはCGS)は2分の1
・市区町村(地中熱、バイオマス熱など)および離島は3分の2
詳細設計等事業 再生可能エネルギー設備などの導入にかかる調査、計画策定費用を補助
※PPA、リース、エネルギーサービス事業で地方公共団体と共同申請する場合のみ、民間事業者や団体なども申請可能
補助率:2分の1(上限500万円)

出典:「地域レジリエンス・脱炭素化を同時実現する公共施設への自立・分散型エネルギー設備等導入推進事業」(環境省)

「地域レジリエンス・脱炭素化を同時実現する公共施設への自立・分散型エネルギー設備等導入推進事業」は、公共施設への再生可能エネルギー導入を支援している補助金制度です。

地方公共団体と共同申請する場合であれば、民間事業者や団体なども申請を進めることが可能です。

事業の目的は地域の脱炭素化とレジリエンス向上(災害などに対する強靱性の向上)で、再生可能エネルギーや蓄電設備なども補助対象設備とされています。再生可能エネルギーの他には、高機能換気設備をはじめとした省CO2設備、自営線などの付帯設備なども含まれています。

SHIFT事業

補助対象の事業 補助金額、概要
CO2削減計画策定支援
※公募終了
工場・事業場でのCO2削減目標、計画の策定に対して費用を補助
・補助率:4分の3(上限100万円)
省CO2型設備更新支援
※3次公募・4次公募において単年事業のみ実施あり
CO2排出量の削減につながるシステムの導入や電化・燃料転換に関する費用を補助
【標準事業】
・補助率:3分の1(上限1億円)
【大規模電化・燃料転換事業】
・補助率:3分の1(上限5億円)
【中小企業事業】
・補助上限額:0.5億円
企業間連携先進モデル支援
※3次公募・4次公募において単年事業のみ実施あり
Scope3削減に取り組む企業が、サプライヤーなどの工場や事業場で排出されているCO2の削減に向けた設備更新にかかる費用を補助
補助率:3分の1、2分の1(上限5億円)

出典:「脱炭素経営によるバリューチェーン全体での脱炭素化の潮流に着実に対応するための工場・事業場における先導的な脱炭素化取組推進事業(SHIFT事業)」(環境省)

「工場・事業場における先導的な脱炭素化取組推進事業(SHIFT事業)」は、工場・事業場の脱炭素化に関する取り組みを支援および補助している補助金制度です。

省CO2型に該当する設備を工場内に設置したり運用改善を行ったりしながら、なおかつCO2削減量などの要件を満たせば補助金の交付を受けられます。【大規模電化・燃料転換事業】と【中小企業事業】の場合は、年間のCO2削減量を指定以上見込める場合にのみ補助対象経費をカバーしてくれる仕組みです。

「企業間連携先進モデル支援」の要件に定められているScope3は、自社と関連している企業から排出されている温室効果ガスを指しています。たとえば、リース資産や製品の配送、販売した製品の加工などが該当します。

サプライチェーンのCO2や温室効果ガス排出量削減に力を入れている企業は、「企業間連携先進モデル支援」を活用することで、設備更新にかかる費用負担を削減することが可能です。3次公募の締め切りは2024年9月24日、4次公募の締め切りは10月15日となっています。

脱炭素に関する主な補助金制度

脱炭素全体に関する主な補助金制度は、以下の通りです。

補助金制度 概要
建築物等のZEB化・省CO2化普及加速事業 ZEB・建物の省CO2化をはじめとした設備の導入費用や調査費用を補助
建物に関する補助事業は以下の通り
(1)ZEB普及促進に向けた省エネルギー建築物支援事業
・補助率:3分2~4分の1(上限3~5億円)
※面積の制限あり
※公募終了
(2)LCCO2削減型の先導的な新築ZEB支援事業
・補助率:5分の3~3分の1(上限5億円)
※面積の制限あり
脱炭素社会の構築に向けたESGリース促進事業 リース機器を導入する中小企業を支援する補助金制度
中小企業がリース機器を導入する際、以下2つのうちいずれかの条件を満たした場合、補助金が交付される
・リース会社がESGを考慮した取り組みを行う場合
・補助率:総リース料の1~4%もしくは前述に1%を上乗せした金額
・バリューチェーン全体の脱炭素化を目指す取り組みを行う場合
・補助率:補助率:総リース料の1~4%もしくは前述に1%を上乗せした金額
家庭・業務産業用蓄電システム導入支援事業 DR(ディマンドリスポンス)に活用可能な業務用、家庭用蓄電システムを導入する場合に補助を受けられる
・業務産業用蓄電システムの補助金額:1kWhあたり4.8万円(補助率3分の1以内:上限3億円)
省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事
※3次公募終了
※4次公募の募集情報待ち
省エネ対策を進めている法人、個人事業主を対象にした補助金制度
【工場・事業場型】
・補助率:中小企業等3分の2以内、大企業やその他2分の1以内
【電化・脱炭素燃転型】
補助率:2分の1以内
【エネルギー需要最適化型】
補助率:中小企業等2分の1以内、大企業やその他3分の1以内

とくに自社の建物をZEB・省エネ化させたい場合や太陽光発電の導入に伴い蓄電システムも購入する場合は、上記の補助金制度についても調べてみるのがおすすめです。

それでは、脱炭素に関する主な補助金制度4つについて紹介します。

建築物等のZEB化・省CO2化普及加速事業

補助対象の事業/th> 補助金額、概要
ZEB普及促進に向けた省エネルギー建築物支援事業
※公募終了
建築物のZEB化を支援し、2050年のカーボンニュートラル達成を目指すための補助事業、ZEBにかかる費用を補助
・補助率:3分の2~4分の1(上限3~5億円)
LCCO2削減型の先導的な新築ZEB支援事業 ライフサイクルCO2(LCCO2)の削減およびZEBの取り組みに対して、設備費用を補助
・補助率:5分の3~3分の1(上限5億円)

出典:「建築物等のZEB化・省CO2化普及加速事業」(環境省)

「建築物等のZEB化・省CO2化普及加速事業」は、主に建築物のZEBや省エネ化の普及拡大を支援し、2050年のカーボンニュートラル達成を目指す補助事業です。また、同制度の事業目的には、建築物の付加価値向上などによる、快適で健康な社会を目指すといった内容も盛り込まれています。

「LCCO2削減型の先導的な新築ZEB支援事業」に関しては、ZEBの基準を満たすほか、LCCO2の算出と削減に関するデータも必要とされている点に注意が必要です。

LCCO2は、製品の製造から廃棄に排出されたCO2を評価するためのものです。具体的には建築物の寿命1年あたりに排出されるCO2を算出する仕組みで、資材の調達や物資の輸送、照明や冷暖房などのエネルギー消費なども評価対象とされています。

脱炭素社会の構築に向けたESGリース促進事業

補助対象の事業 補助金額、概要
リース会社がESGを考慮した取組を実施 中小企業がリース機器を導入する際、リース会社でESGに関する取り組みを実施している場合に補助金を受けられる
補助率:総リース料の1~4%、とくに優良な取り組みであれば前述に1%分の補助金を上乗せ
バリューチェーン上の脱炭素化に資する取組 中小企業がリース機器を導入する際、バリューチェーン上の脱炭素化に資する取り組みを実施している場合に補助金を受けられる
補助率:総リース料の1~4%、とくに優良な取り組みであれば前述に1%分の補助金を上乗せ

出典:「脱炭素社会の構築に向けたESGリース促進事業」(環境省)

「脱炭素社会の構築に向けたESGリース促進事業」は、リース機器の導入を進めている中小企業に向けた補助金制度です。

補助事業は2種類あり、補助要件に違いがあります。

1つ目の補助事業は、リース会社のESGに関連した要件です。リース会社側がESGに取り組んでいれば補助事業の申請を行えます。具体的には、ESGに関する専門部署の配置、方針設定や戦略決定などといった要件が定められています。

2つ目の補助事業は、リース機器を導入する中小企業に関する要件を中心とした内容です。具体的には、バリューチェーン全体でパリ協定の達成に向けた脱炭素化の目標を設定し、かつ達成に向けて取り組んでいるといった要件が定められています。

また、各補助事業の要件を満たしている場合は、補助率に2%の金額が上乗せされます。

家庭・業務産業用蓄電システム導入支援事業

補助対象の事業 補助金額、概要
家庭・業務産業用蓄電システム導入支援事業 DR(ディマンドレスポンス)に活用可能な業務用、家庭用蓄電システムを導入する場合に補助金が交付される
業務産業用蓄電池システムの補助金額
・補助金額:1kWhにつき4.8万円
・補助率:3分の1以内
・補助上限額:1申請あたり3億円
レジリエンスに関する要件を満たしている場合、1kWhにつき0.25万円の補助金額を上乗せ
廃棄物処理法上の広域認定取得という要件を満たしている場合、1kWhにつき0.25万円の補助金額を上乗せ

出典:「家庭・業務産業用蓄電システム導入支援事業」(sii 一般社団法人環境共創イニシアチブ)

「家庭・業務産業用蓄電システム導入支援事業」は、DR(※1)に活用可能な蓄電システムを導入し、かつ指定のパターンで申請した場合に補助金を受けられる支援制度です。

(※1) DR:電力不足や供給過多といった事象を解決するため、需要家側の設備で電力需要を調整するもの

省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業 ※3次公募終了 4次公募待ち

補助対象の事業 補助金額、概要
工場・事業場型 工場・事業場において、機械設計や設備購入費用、施工費用を補助
また、原油換算量を基準に要件を満たす必要があります。
【先進設備・システムの導入】
・補助率:中小企業など3分の2以内、大企業やその他2分の1以内
【オーダーメイド型設備の導入】
・補助率:中小企業など2分の1以内、大企業やその他3分の1以内
※他条件あり
電化・脱炭素燃転型 指定された設備を更新する際、化石燃料から電化させたり脱炭素目的で燃料の転換を行ったりする場合に補助金を受けられる
・補助対象経費は設備費用のみ
・補助率:2分の1以内
エネルギー需要最適化型 SII(一般社団法人環境共創イニシアチブ)に登録されたEMS(エネルギーマネジメントシステム)を活用し、省エネやエネルギー需要の最適化を図る場合に補助金を受けられる
・補助率:中小企業など2分の1以内、大企業やその他3分の1以内

出典:「省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業」(sii 一般社団法人環境共創イニシアチブ)

「省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業」は、設備等から省エネの推進を図る法人や個人事業主向けに実施されている補助金制度です。

同制度は3種類の補助事業にわかれており、それぞれ補助率や対象の設備、要件に違いがあります。「工場・事業場型」の場合は、個別に設計が必要なケースや、指定の先進設備を導入するケースで利用できます。

一方「電化・脱炭素燃転型」は、低炭素な燃料を活用した設備への更新もしくは電気で稼働させる設備への切り替えの際に活用可能な補助金です。ヒートポンプや高性能ボイラなどを導入する場合などに活用できるでしょう。

対象の設備が幅広く、中小企業や個人事業主も申請可能な点はメリットのひとつです。太陽光発電のほかにも省エネ設備を導入する際は、「省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業」も確認してみましょう。

太陽光発電導入に関する自治体の脱炭素補助金

自治体独自の脱炭素および太陽光発電に関する補助金制度は、個人向けに実施されているものから法人・個人事業主向けのものまでさまざまです。

補助金制度 概要
練馬区カーボンニュートラル化設備設置等補助制度 練馬区内の既存住宅などに省エネ設備や再生可能エネルギー設備を設置および改修した費用の一部を補助してもらえる
※同制度と国、東京都、その他団体などの補助金と併用可能
補助対象者:区民、事業者、管理組合
・太陽光発電設備:以下いずれか低い金額が適用される
・1kWにつき5万円
・補助対象経費
・補助上限額:上限20万円
※太陽光発電のほかには蓄電システムやエネファーム、エコキュートなども補助対象設備とされている
神奈川県自家消費型再生可能エネルギー導入費補助金 法人と個人事業主を対象にした補助金制度で、自家消費型太陽光発電を含む再生可能エネルギーと蓄電システムの導入にかかる費用を補助
・自家消費型再生可能エネルギー:1kWにつき6万円(補助対象経費の金額が補助上限額)
・蓄電システム:1台につき15万円(補助対象経費の金額が補助上限額)

ここでは、太陽光発電に関する自治体の補助金制度を2例紹介します。

練馬区カーボンニュートラル化設備設置等補助制度

補助対象の主な設備 補助金額、概要
太陽光発電 太陽光発電など補助対象設備の購入費用と施工費用が補助される
太陽光発電の場合、次のいずれかで低い金額が補助金額になる
・1kWにつき5万円
・補助対象経費
・補助上限額:上限20万円
蓄電システム 蓄電システムの場合、次のいずれかで低い金額が補助金額になる
・補助対象経費に対して2分の1相当額
・補助上限額:区民や事業者は6万円、管理組合は20万円

出典:「練馬区カーボンニュートラル化設備設置等補助制度」(練馬区公式ホームページ)

「練馬区カーボンニュートラル化設備設置等補助制度」は、練馬区民や練馬区で事業を営んでいる事業者、区内のマンションを管理している組合を対象にした補助金制度です。

補助対象の設備や工事には、太陽光発電と蓄電システムのほか、エコキュートやエネファーム、V2H、LED化への改修、窓の断熱改修も含まれています。

太陽光発電の導入に加えて蓄電池、断熱工事なども検討している企業や管理組合などは、メリットの多い制度です。

補助上限額については、区民・事業者と管理組合で異なっている場合があるため、それぞれの項目を混同しないよう注意しましょう。たとえば、蓄電システムの補助上限額は、区民や事業者6万円に対して、管理組合20万円とされています。他にもLED化への改修工事については、管理組合のみ補助対象です。

申請書類の提出期間は、2024年4月15日~2025年3月17日までもしくは予算額に達した日とされています。

申請書類については、練馬区HPの「練馬区カーボンニュートラル化設備設置等補助制度」ページにまとめられており、それぞれダウンロード・印刷することが可能です。

神奈川県自家消費型再生可能エネルギー導入費補助金

補助対象の主な設備 補助金額、概要
自家消費型再生可能エネルギー発電設備 自家消費型再生可能エネルギー発電設備の導入にかかる費用を補助
・自家消費型再生可能エネルギー発電設備:1kWにつき6万円(補助対象経費の金額が補助上限額)
蓄電システム 蓄電システムの導入にかかる費用を補助
・蓄電システム:1台につき15万円(補助対象経費の金額が補助上限額)

出典:「神奈川県自家消費型再生可能エネルギー導入費補助金」(神奈川県ホームページ)

「神奈川県自家消費型再生可能エネルギー導入費補助金」は、神奈川県にある特定の施設へ電力を供給できる、自家消費型再生可能エネルギー発電設備と蓄電システムが対象となります。

補助対象者は補助対象設備を導入する法人と個人事業主のみで、個人は補助対象外とされています。申請期限は2025年年2月28日です。

補助対象設備は、自家消費型の再生可能エネルギー発電設備と蓄電システムの2種類です。自家消費型再生可能エネルギー発電設備は、風力発電や水力発電、地熱発電、バイオマス発電、太陽光発電の5種類を指しています。

これから神奈川県内に自家消費型太陽光発電を導入する企業は、チェックしておきましょう。

脱炭素関連の補助金を検討する際に注意すべきポイント

最後に補助金制度を検討する際は、注意したいポイントについて解説します。

各補助金制度の実施・受付先を混同しないよう注意

脱炭素関連の補助金制度を調べる際は、申請・受付先をしっかり確認しましょう。補助金制度の実施団体や管理している省庁は、各制度によって異なります。そのため、申請方法や対応している部署、実施期間なども違います。

申請を検討する際は、まず補助金制度の申請受付を行っている省庁や委託されている企業・団体を把握しておく必要があります。

補助金の申請期限に間に合うよう準備を進める

脱炭素に限った話ではありませんが、補助金を受けたい場合は申請期限に間に合うよう準備を進めましょう。また応募数が多いと、追加公募がないこともあるので、なるべく1回目の公募で申請できるようにすると安心です。

実施団体や省庁のHPには、補助金制度の申請書類に関するデータや概要、申請期限が記載されています。準備を始める際は、早めに申請期限と流れを確認しておきましょう。

なお、弊社とくとくファーム0では、非FIT型太陽光発電の導入支援だけでなく、補助金制度の調査やサポートまで対応しています。気になる方は、ぜひお電話やWebフォームよりご相談ください。

脱炭素関連の補助金で太陽光発電の費用負担を軽減しよう!

2024年における脱炭素関連の補助金制度は多くが公募期間を終えていますが、下半期に2次公募・3次公募を追加するケースもあるので、気になる補助金は定期的に情報を確認してみましょう。

脱炭素経営のために太陽光発電を検討している方や、太陽光発電の電力を事業に活かしたい方は、今回の記事を参考にしながら非FIT型太陽光発電を検討してみてはいかがでしょうか。

多くの脱炭素系補助金制度は、非FIT型太陽光発電を前提にした内容です。弊社とくとくファーム0では、太陽光発電用地の選定やご提案の他、非FIT型太陽光発電の設計・土地造成・施工、非FIT太陽光発電で発電された電力の調達など、さまざまな方向性で導入サポートを行っています。

無料の個別セミナーでは、太陽光発電の基礎や脱炭素経営についても説明しています。興味や関心が少しでもある方は、ぜひお気軽にご予約ください。

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