こんにちは、石橋です。
朝晩が過ごしやすくなってきて、いよいよ秋本番です。
まだまだ台風が襲ってきそうな気配なので秋本番を喜んでもいられませんが、少なくとも暑さで亡くなる人はいなくなると思うので、ひと安心です。
さて、今回は政治経済界の台風ともいうべき事件について、思いを語ってみたいと思います。最近の大きな出来事といえば菅総理大臣の誕生と言いたいところですが、これは既定路線であり安倍内閣の政策を継承すると公言しているので、それほど大きな出来事だとは思いません。国民の期待も高いと思うので、ぜひとも頑張っていただきたいと思います。私が注目したのは、その直後に起きたジャパンライフ事件です。
ジャパンライフ事件自体は今に始まったことではなく、巨額詐欺事件または悪徳商法として以前から問題になってきていました。100万円を優に超えるような磁気ネックレスを顧客に買わせて、それを預けると配当がもらえるというオーナー商法で多くの人たちを加入させ、その配当が支払えなくなったり行政処分を食らったりしたことで、ジャパンライフは倒産しました。その代表だった山口氏が先日、ついに逮捕されたのでした。私の個人的な意見ですが、なかなか悪そうな顔してますよね(笑)
それにしても、この手の商法や手口は古典的なものなのに、なくなることはありません。古くは「国利民福の会」のねずみ講事件や豊田商事事件、平成小判なる謎の高額商品を売りつけたKKC事件、GOグループの詐欺事件などなど、挙げればきりがありません。大きな事件になっていませんが、大して価値のないアクセサリーや腕時計を買わせる商法に引っ掛かったしまった人も周りにいたりします。
いずれも言葉巧みに儲かると持ち掛けて、それに騙される人がいるわけですが、このこと自体は人間の本質的な部分なので今後もなくなることはないでしょう。気になるのは、こうした事件が起きるたびに出てくる被害者救済せよ!という声です。特にマスコミが被害者にインタビューをしてかわいそうな人を演出して、そんな感情を煽っているようにも見えます。
認知症など判断能力を失った人に売りつけたのなら、それは大きな問題です。かんぽ生命がやっていたのはそれに近いことだったので、これについては最も極悪な事件だと思っています。しかし、ここで挙げたような悪徳商法や詐欺については、そのほとんどが欲にかられた人たちが騙されたのであり、大の大人が自分の判断で自分のお金を投じただけです。それに対して尻馬に乗るかのように「被害者を救済せよ」というのは、筋違いです。それなら私が若いころにパチンコ屋で負けた分を、「絶対勝てると思ったから打ったのに勝てなかった。金返せ!」と言えるのでしょうか。この手の事件で被害者として登場する人、それを紹介する論調はこれと同じことを言っているのにすぎません。
さらにジャパンライフの場合はもっとひどいことに、安倍前総理が「桜を見る会」に山口氏を招待していたことが問題になり、「総理大臣のお墨付きがあったから騙された」と言っている人までいます。万年野党の皆さんはこの事件を菅内閣に徹底追及する!と息巻いていますが、そんなことをして何の国益になるのか聞いてみたいです。
某宗教団体は、名誉会長の人物像に箔をつけるために各国の元首脳たちと会談をしたり、並んで写真に収まったりしてそれが機関誌の表紙を飾ったりしています。それと同じことを詐欺師が企てたわけで、その事実だけでジャパンライフを信じ込んだとしたら、その人はこれまでに詐欺被害に遭い続けてきたのではないかと、そっちが心配になります。
この夏は、日本中でビーチが営業を自粛しました。しかし海がなくなってしまうわけではないので、勝手に海遊びをしている人も多くいました。その人たちにマイクを向けると、多くの人が「自己責任で」といいます。なるほど、便利な言葉です。自己責任といえば特にとがめられることはないのですから。しかし、もしこの人たちが海の事故に遭ってしまったら救助を要請するはずです。自己責任なら、自分で費用を支払って救助隊を呼べばいいのですが、それをしません。
こういったところに、自己責任論の中途半端さを感じます。自己責任で怪しげな投資話に乗っかったのに、いざそれが嘘だと気づくと「救済しろ」というのですから。本当に自己責任なら、自分でお金を取り戻しにいくか、泣き寝入りするかのどちらかです。
自己責任は英語でオウンリスクといいます。この英語にあるような概念がイマイチ浸透していない日本では、今後も中途半端な自己責任論が跋扈することでしょう。少なくとも自分はそうならないようでありたいと思いますが、マスコミのミスリードも程々にしてほしいと思います。