先日、中国は自らが提唱している金融機関であるAIIB(アジアインフラ投資銀行)に参加を表明した国が57ヵ国になり、各国の批准を経て年内にも設立の運びになるという発表がありました。
日本やアメリカはAIIBへの参加を見送っていますが、それにはさまざまな思惑があるようです。
これは太陽光発電に従事するひとりとして、特に私見を述べることはいたしませんが、このような国際的な組織や機関が太陽光発電の分野にあるかどうかを考えました。
太陽光発電はそれぞれの国には独自の研究機関などがありますが、AIIBのような各国が参加している組織や機関はありません。
その理由はいろいろ考えることができますが、例えば日本は太陽光発電協会 (JPEA)、アメリカはSolar Energy Industries Association (SEIA)、欧州はEuropean Photovoltaic Industry Association (EPIA)、ドイツはドイツ:German Solar Industry Association (BSW)、スペインはAssociation de la Industria Fotovoltaica (ASIF)、そして、一応世界的な組織としてはPVGroup などです。
つまり、世界中の国が一堂に会するような組織はないのです。
そこで、話を戻しますが、どうしてこのように各国・各地域に分かれているかと考えてみました。
ひとつは、特許などの利権が絡むためではないかという考えです。別の言い方をすれば、新薬と同じで、画期的な太陽電池を発明し、製品化ができれば、市場でのシェアを独占できる可能性があるからではないでしょうか。
つまり、太陽光発電の分野はまさに市場経済の論理の範疇にあり、各国が歩調を合わせて研究・開発・製品化をするようなものではないのです。
地球環境を守るために地球温暖化を防止すると言う点ですら、アメリカや中国がCOPへの参加を見送っているのですから、太陽光発電に関する国際機関が存在しないのは無理もないことなのでしょう。
しかし、私たちが絶対に阻止しなければならないのは、地球温暖化であり、そのためにはささやかな一戸一戸の太陽光発電が大切なことを認識する必要があります。
太陽光発電を推進する経済産業省もさらに周知を図るような施策と同時に、潜在的なニーズを掘り起こすための太陽光発電設置のPRをどんどん推進して欲しいと思います。