コーポレートPPAとは何?仕組みや補助金制度について解説

コーポレートPPAとは何?仕組みや補助金制度について解説

太陽光発電の導入を検討している企業の中には、コーポレートPPAという仕組みについて気になっている企業もいるのではないでしょうか?コーポレートPPAとは、FIT制度に頼らない発電および売電方法で、既存の送配電網を活用せず送電および売電可能な技術のことです。

そこで今回は、コーポレートPPAの仕組みや特徴、導入メリットや補助金制度について分かりやすくご紹介します。コーポレートPPAを用いて発電および売電を行いたい方やコーポレートPPAによる電力を購入した方などは、参考にしてみてください。

コーポレートPPAとは何?

コーポレートPPAとは、太陽光発電を含む再生可能エネルギーの運用および契約方式に関する専門用語です。まずは、コーポレートPPAの契約方式や自己託送との違いについて確認していきます。

PPA事業者と企業の直接契約

コーポレートPPA(Corporate Power Purchase Agreement)とは、PPA事業者と太陽光発電を設置運用したい企業との間で取り交わされる直接契約のことです。

Aという企業は、まずPPA事業者へ太陽光発電の設置に関する相談を行います。PPA事業者は、企業Aの敷地内もしくは遠隔地に自社で用意した太陽光発電を設置し、一定期間企業Aへ貸し出します。

企業Aにとっては、PPA事業者から無償で太陽光発電の設置およびメンテナンスを行ってもらえるため、初期費用や維持費用の負担を抑えられるのもメリットの1つです。

ただし、PPA事業者所有の太陽光発電で発電した電気を自家消費した場合は、自家消費分もしくは毎月一定の固定料金をPPA事業者へ支払う必要があります。

自己託送との違いと経済産業省の解釈

自己託送とは、自社所有もしくはPPA事業者所有の太陽光発電所を遠隔地へ設置し、自家消費および電気料金削減を目指す運用方式のことです。

自己託送は2013年に制度化され、国内でも導入可能な状況です。

主な特徴は、計画値同時同量を守ること、自家消費目的であることなどが挙げられます。計画値同時同量とは、電力の需給を30分単位で計測し、計画値を送配電事業者(電力会社)へ報告しなければいけないルールのことです。また、発電した電力は、自家消費のみに活用することが可能です。

経済産業省では、電気事業法上の自己託送をコーポレートPPAの1つと認識しています。具体的には、コーポレートPPAのオフサイトPPAと契約方式や電力の供給方式など同一として認識されています。

つまり、自己託送とコーポレートPPAに違いはありません。オフサイトPPAについては、次の項目で詳しくご紹介します。

コーポレートPPAのスキーム

コーポレートPPAの基本的な意味を把握したあとは、フィジカルPPAとバーチャルPPAのスキーム(図式)について確認していきます。コーポレートPPAは、電力と環境価値、設置場所によって4種類に変わります。

フィジカルPPA

フィジカルPPAは、電力と環境価値の2点を企業(需要家)へ提供する契約方式を指します。

    電力:再生可能エネルギー 環境価値:CO2の排出量0であることを示す証書の発行

企業は、環境価値と同時に企業価値を高めることができますし、太陽光発電で発電した電気を自家消費し、電気料金削減効果を見込めます。なお、フィジカルPPAは、オンサイトPPAとオフサイトPPAの2種類に分かれているのが特徴です。

オンサイトPPA

オンサイトPPAは、自社の敷地や事業者の屋根にPPA事業者所有の太陽光発電を無償で設置してもらえる契約方式を指します。

PPA事業者の太陽光発電で発電した電気は、自社の照明設備やその他設備へ供給し、電気料金削減効果を見込めます。また、自社の敷地内で自家消費できるため、大手電力会社管理の送配電網を利用せずにすみます。

オフサイトPPA

オフサイトPPAとは、自社の敷地外にPPA事業者所有の太陽光発電を無償で設置してもらう契約方式のことです。

太陽光発電の運用企業は、小売電気事業者を経由し、PPA事業者から電力を購入します。また、既存の送配電網を利用しなければいけないため、自家消費分の電気料金に加えて送配電ネットワークの使用料を負担する必要があります。

バーチャルPPA

バーチャルPPAは、PPA事業者と企業の間で電力の送電および販売せず、環境価値の得られる契約方式です。

PPA事業者は、太陽光発電の電力を卸電力市場へ売却します。企業は、小売電気事業者を経由してPPA事業者で発電された電力の環境価値(証書)を受け取る流れです。

また、PPA事業者へ支払う固定料金と小売電気事業者との間で定められた電気料金の差額を精算してもらえるので、電気料金削減効果を期待できる場合があります。

コーポレートPPAの主なメリット

ここからは、コーポレートPPAの主な導入メリットを紹介します。

発電事業者はFITに頼らない売電を実現

PPA事業者にとってのメリットは、FITに頼らない売電収入を得られるところです。オンサイトPPAの場合は、需要家である企業へ電力を一定期間売電できます。また、オフサイトPPAであれば、遠隔地に設置した太陽光発電で発電した電気も売電できます。

コーポレートPPAはFIT制度に頼らない売電事業で、FIT制度の固定買取価格下落などといった影響を受けずに展開できるのが特長です。

需要家はコストを抑えながら環境価値の向上を見込める

太陽光発電の自家消費を行いたい企業(需要家)にとっては、初期費用や維持管理費用の負担0円で環境価値の高い電力を購入したり自家消費による電気代削減効果を目指したりできるのも導入メリットの1つです。

自家消費分の電気料金もしくは固定料金をPPA事業者へ支払う必要があるものの、再エネ賦課金の負担を避けられます。また、PPA事業者から提示される電気料金によっては、現在契約している電気料金より負担を抑えられる可能性があります。

コーポレートPPAの主なデメリット

続いては、コーポレートPPAの主な導入デメリットを紹介します。

オフサイトPPAは規制されている

国内においてオフサイトPPAは、小売電気事業者を介在させなければサービス提供できない状況です。そのため、太陽光発電で発電した電気は、直接需要家へ売電できないといったデメリットがあります。なお、需要家は、送配電ネットワークの使用料を負担しなければいけません。

規制緩和の動きはあるので、オンサイトPPAと同じくPPA事業者と需要家の間で直接契約可能な状況へ変わる可能性もあります。

オフサイトPPAを検討しているPPA事業者や需要家は、今後の規制緩和や法改正などといった動きに注目です。

需要家は契約期間中に廃棄や設備売却などを自由に選択できない

需要家は、契約期間中に太陽光発電の廃棄や部品交換、設備売却などといった選択を自由に検討できません。自由に太陽光発電を運用したい企業や状況に応じて部品交換や修理を迅速に検討したい企業は、デメリットの1つです。

ただし、コーポレートPPAは、初期費用や維持管理費用0円、修理や部品交換に関する検討なども含めてPPA事業者へ任せられます。コストを抑えて自家消費型太陽光発電を導入したい企業や維持管理の手間を省きたい企業には、導入しやすい契約方式です。

コーポレートPPAの事例を紹介

ここからは、コーポレートPPAの事例を2点紹介します。

三菱商事とAmazonがコーポレートPPAの契約

大手ECサイトのAmazonは、2021年9月8日に三菱商事の電力小売事業子会社「MCリテールエナジー」を経由し、オフサイトPPAによる電力の調達に関する契約締結を発表しました。

電力は、450カ所以上の太陽光発電設備から供給される予定で、2万3000MWhという発電量が見込まれています。2万3000MWhは、一般家庭5600世帯分以上の年間消費電力量をカバーできる発電量です。

設備の稼働は2022年〜2023年の間に開始される予定のようです。

みんな電力が複数社との電力供給契約

新電力の「みんな電力」は、2021年9月、コーポレートPPA方式による電力供給事業の展開について発表しました。電力の供給先は、アミタ株式会社、花王株式会社など複数の企業で、ブロックチェーン技術や独自の技術が用いられています。

コーポレートPPAにおいてブロックチェーン技術やP2P電力トラッキングシステムは、電力の購入先を発電所ごとに指定するために必要な技術です。

実際にコーポレートPPAで電力供給事業が行われるのは、2022年2月の予定とされています。

コーポレートPPAに関する補助金制度

国では、コーポレートPPA事業者やコーポレートPPAによる自家消費を目指す需要家に対して補助金制度を実施しています。

たとえば、「PPA活用など再エネ価格低減等を通じた地域の再エネ主力化・レジリエンス強化促進事業」という補助金事業は、オンサイトPPAなどを用いて太陽光発電や蓄電池の設置および運用を行う需要家やPPA事業者に一定の補助金が交付されます。

コーポレートPPA事業を導入したい事業者はもちろん、コーポレートPPAで無償設置を目指す企業も補助金制度について比較検討してみるのが大切です。

コーポレートPPAは企業や発電事業者にとって注目の運用方法!

コーポレートPPAは、太陽光発電事業を展開しているPPA事業者と電力の自家消費を検討している企業(需要家)の間で取り交わされる契約方式を指します。

コーポレートPPAは、卸電力市場を経由するバーチャルPPAと電力を直接購入できるフィジカルPPAに分かれているのが特徴です。

太陽光発電の初期費用負担を減らしたい企業やFIT制度を活用せずに売電を行いたい企業は、今回の記事を参考にコーポレートPPAを検討してみてはいかがでしょうか。

弊社とくとくファームは、中古太陽光発電所物件の売買仲介サービスを提供しています。過去にFIT認定を受けた設備なので、高単価の固定買取価格で売電できるのも主な強みです。さらに新規設備より安い価格で購入できる可能性があり、初期費用を抑えたい企業にもおすすめです。

売電収入を伸ばしたい方や初期費用に悩んでいる方は、ぜひ1度とくとくファームへお問い合わせください。

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