産業用太陽光発電に関するトラブルを解説

産業用太陽光発電に関するトラブルを解説

産業用太陽光発電は、売電収益や電気代削減効果といったメリットの一方、稼働中にさまざまなトラブルに見舞われる可能性もあります。
そこで今回は、産業用太陽光発電で想定されるトラブルや対処法について詳しくご紹介します。太陽光発電のトラブルについてよく知らない場合は、参考にしてみてください。

自然災害を原因としたトラブル

まずは、自然災害を原因としたトラブルを解説していきます。

地震による設備破損

日本列島の下は、太平洋プレートやフィリピン海プレート、ユーラシアプレート、北米プレートが複雑に動いています。そのため、沖合や内陸で地震が多発しており、マグニチュードや震源の深さなどによって被害を受ける場合もあります。
大規模な地震もしくは産業用太陽光発電の設置場所に近い震源の地震では、以下のような被害が考えられます。

  • 地面の隆起や亀裂、液状化によって基礎や架台の破損
  • 大きな揺れによって基盤や接続部分の破損、配線の切断
  • 揺れによって太陽光パネル損傷

さらに大規模な地震ですと、送電網が停止してしまう可能性もあります。このような事態では、産業用太陽光発電に影響のない状態でも売電できません。

台風による太陽光パネルの破損など

台風でも産業用太陽光発電は、破損してしまう可能性があります。
具体的には以下のトラブルが考えられます。

  • 強風によって太陽光パネルが飛ぶ
  • 強風によって架台から歪み・破損
  • 雨で周辺地域が冠水した場合、パネルを含む各種機器の破損
  • 強風によって飛ばされた石などが設備に直撃

また、雨や強風などで漏電してしまうと、感電事故のリスクも生じます。台風の被害を受けた場合は安易に設備に触れず、太陽光発電施工業者へ調査を依頼するのが大切です。

浸水トラブル

近年では線状降水帯にも注意が必要です。線状降水帯とは、局地的に豪雨が続く現象のことです。2021年8月には、九州地方や広島県などを中心に線状降水帯が発生しました。24時間で200mmや300mmといった猛烈な雨が長時間ふるため、河川の氾濫や土砂災害などの被害も発生しています。
線状降水帯の発生している地域に産業用太陽光発電を設置していた場合、河川の氾濫などによる被害を受けて、システム機器の故障・水没へつながります。
線状降水帯の発生地域を事前に予測することは難しいため、土のうの準備や想定される浸水深さよりも高い場所に設置するなど、さまざまな浸水対策を施しておきます。

土砂災害による破損や第三者への被害

台風や大雨、線状降水帯による豪雨が発生すると、土砂災害の危険性も高まります。さらに産業用太陽光発電の設置場所によっては、土砂災害に巻き込まれてしまう点に注意が必要です。
たとえば、以下のような場合に土砂災害の被害を受ける可能性があります。

  • 傾斜地に設置しており地盤のゆるみで土砂崩れ
  • 産業用太陽光発電の近くに山林や傾斜地があり、土砂崩れに巻き込まれる
  • 山を切り開いて設置したものの地盤の弱い地域のため、雨で土砂崩れ

産業太陽光発電は、平地だけでなく傾斜地や山に設置することも可能です。その一方で、土砂崩れによる被害リスクもあるため、設置前に地盤調査や災害リスクの確認を行っておくのが大切です。

積雪による太陽光パネルの破損

産業太陽光発電の太陽光パネルは、角度をつけて設置するのが基本です。雪が積もった場合は、太陽光パネルから滑り落ちます。
しかし、太陽光パネルから雪が滑り落ちる前に積もってしまうと、パネルや架台が耐え切れず折れたり割れたりしてしまいます。また、太陽光パネルを支える支柱がくの字に折れ曲がったり、太陽光パネルの中央部分がへこんだりといったケースもあります。
積雪量の多い地域や雪の吹き溜まりになりやすい場所に産業太陽光発電を設置すると、雪の重みで太陽光パネルや支柱が折れ曲がるため、設置場所の環境を調べるのも大切です。

設備に関するトラブル

産業太陽光発電の設備に関するトラブルは、以下の通りです。

太陽光パネルのひびや設置角度のずれ

太陽光パネルの表面には、ガラスが用いられています。そのため、さまざまな要因からひびもしく割れにつながる可能性もあります。
たとえば、以下のようなケースでパネルのヒビにつながります。

  • カラスによる小石の投石
  • 強風で小石やその他固いものがパネルに直撃
  • 積雪によるヒビ
  • 不良品

不良品とは、太陽光パネルの製造過程で発生した小さなヒビのことです。太陽光パネルの生産工場では、まれにマイクロクラックという小さなヒビが発生することもあります。
その他太陽光パネルのトラブルとしては、設置角度のミスも考えられます。効率的に発電を行うためには、設置地域に適した角度で太陽光パネルの設置が必要です。
しかし、設置業者の技術力不足などによって適正な設置角度から外れると、発電効率が低下してしまい売電収入にも影響を与えてしまいます。

パワーコンディショナの不良

パワーコンディショナの交換時期は、一般的に10年程度です。太陽光パネルの交換時期は30年程度なので、短いことが分かります。
さらにパワーコンディショナは精密機器ということもあり、早い段階で故障しやすい側面に注意が必要です。具体的には、基盤不良リスクがあります。

  • 経年劣化によって故障
  • 排熱処理の不良で機器全体が故障
  • ねずみや災害を原因とした故障

産業太陽光発電の運用を検討する際は、パワーコンディショナの修理・交換用の予算を確保しておくのも大切です。また、遠隔監視システムを用いて早期に異常を発見することが、修理費用の抑制につながります。

ホットスポットによる破損や火災

太陽光パネルの一部分が、ごみや落ち葉、その他原因で影に覆われてしまうと、パネル全体へ電気を流れません。また、影となっている部分が抵抗および発熱し、故障・火災につながります。
このような現象をホットスポットと呼びます。ホットスポットは、設置場所にかかわらず発生の可能性があります。さらに大きな被害へつながってしまいます。
そのため、目視によるパネルのチェックや定期的な清掃、遠隔監視システムによる発電量のチェックなど、対策を施しておくのが重要です。

産業用太陽光発電の設置業者に関するトラブル

ここからは、太陽光発電の施工業者に関するトラブルを紹介します。

技術力不足による機器破損

太陽光発電施工業者の中には、施工実績の少ない業者や技術力不足の業者なども存在します。施工技術に問題のある業者へ産業用太陽光発電の設置を依頼した場合、以下のようなトラブルも想定できます。

  • 基礎工事不良
  • 機器の接続不良
  • 太陽光パネルの設置角度ミス
  • 見積よりで提示された予測発電量に達しない

太陽光発電施工業者を探す際は、口コミや評判をチェックしたり一括見積りサービスを利用したりするのがおすすめです。

高額な費用を請求される

一部の悪質な太陽光発電施工業者は、契約後に追加工事と称して高額な費用を請求しているケースもあります。産業用太陽光発電を始める際は、初期費用や維持費用の内訳を確認したり、太陽光発電投資の仕組みを事前に調べたりしておくのが大切です。
なお弊社サービスでは、無料個別セミナーにて太陽光発電の基礎についてご説明しています。太陽光発電に興味を持っているものの詳しく知らない方は、とくとくファームの申込ページより利用してみだください。

不当な契約条件の提示や嘘

悪質な施工業者の中には、水増しした発電量や売電収入のシミュレーションを提示する業者があります。たとえば、虚偽の予想発電量で売電収入を計算したり固定買取期間終了後も固定買取価格で収支計算したりといったケースが考えられます。
他にも蓄電池とのセットでなければ設置・運用できないと説明、仮契約と説明しながら実際は本契約手続きだった、業者都合でメーカー選定・推奨などの悪質な手続きや行動を行う業者が存在します。

近隣住民とのトラブル

産業用太陽光発電を設置する際は、設備だけでなく近隣住民とのトラブルにも配慮する必要があります。

反射光による光害

産業用太陽光発電の設置場所によっては、太陽光パネルからの反射光を原因としたトラブルに発展する可能性もあります。たとえば、近隣に住宅が立ち並んでいる場合は、反射光による光害リスクもあり、注意が必要です。
過去には裁判に発展した事例もあるため、実績豊富な施工業者へ反射光について相談しておくのがおすすめです。また、近隣の住民へ挨拶などコミュニケーションを積極的に行い、信頼関係の構築に力を入れるのが大切です。

騒音を原因としたご近所トラブル

産業用太陽光発電にも用いるパワーコンディショナは、高音の金属音(モスキート音)や排熱用のファンなどの稼働音が発生します。また、モーター音などが発生しています。
産業用太陽光発電の近隣に住宅やオフィスなどがあると、パワーコンディショナの稼働音で騒音トラブルに発展する可能性もあります。
近くに住宅や人通りのある道路などがある場合は、防音壁を設置したり静音性能の高いパワーコンディショナを購入したりといった方法で対策できます。また、パワーコンディショナから異音が発生している時は、早めに施工業者へ相談するのが大切です。

産業用太陽光発電のトラブルを少しでも回避するには

最後に、産業用太陽光発電の設備や設置業者選びに関するトラブルを回避するためのポイントを紹介します。

メーカー保証だけでなく動産総合保険を活用

太陽光発電設備には、メーカー保証があります。メーカー保証は、 システム保証と出力保証の2種類で構成されており、以下の補償内容です。

  • システム保証 パネルやパワーコンディショナなど各種機器が、製造時に不良を起こしていたり正しい利用方法でも故障したりした場合に修理
  • メーカー保証 発電量がメーカーの示す規定値を下回った際に修理してくれる

メーカー保証は、最低10年と定められています。またメーカーによっては、保証期間を延長したり独自の保証を追加したりしています。しかし、メーカー保証は、災害による故障などに対応していません。災害の場合は、施工業者で加入している災害補償もしくは動産総合保険への加入などで補償を受けられます。
動産総合保険は、台風や地震、積雪、落雷、飛来物、設備のエラーによる故障などを補償対象としているのが特徴です。土砂災害やパネルの飛来で第三者へ被害を与えてしまった場合の賠償責任は、施設所有(管理)者賠償責任保険でカバーできます。

定期的なメンテナンスを欠かさない

産業用太陽光発電の太陽光パネルやパワーコンディショナ、接続箱、配線など、各種機器・部品は、経年劣化していきます。また、太陽光パネルなどにごみや鳥のフン、泥などが付着すると、発電量低下や故障リスクの上昇などといったデメリットもあります。
そこで太陽光発電施工業者へメンテナンスを依頼します。

  • メンテナンスのメリットは、以下の通りです。
  • パネル清掃や部品交換などによって発電量低下を抑えられる
  • パネル清掃でホットスポット発生防止
  • 早期の部品交換や修理によって売電収入減少、設備全体の交換といったリスクを避けられる
  • ボルトの締め直しなどによって設備破損や事故防止

メンテナンス費用は、出力に応じて変わります。経済産業省の「令和3年度以降の調達価格等に関する意見」では、1kWあたりの目安5,000円としています。出力50kWの産業用太陽光発電では、年間25万円の維持費用と計算することが可能です。
なお、FIT制度を活用している太陽光発電や出力50kW以上の産業用太陽光発電は、メンテナンス義務の対象です。

施工業者や仲介業者の選定は慎重に行う

太陽光発電施工業者や仲介業者の中には、一部悪質な対応を行う業者も存在します。悪質な業者との契約を避けるためには、以下のような点も意識しながら検討するのが大切です。

  • 業者HPやチラシなどで施工実績をチェック
  • 見積りを作成してもらった場合は、総額だけでなく各作業に対する費用項目を明記しているかチェック
  • 太陽光発電に関する専門店知識が豊富か
  • 設計、施工プランが丁寧に行われているか
  • 発電や売電のシミュレーションまで行ってもらえるか
  • 必ず儲かるといった虚偽の説明をしていないか

また、相見積もりも重要なポイントです。相見積もりとは、複数の業者へ同時に見積作成を依頼することです。
相見積もりは、各業者のサービス対応や費用、施工プランなどを比較しながら確認できるため、雑な対応・高すぎる見積もり・安すぎる見積など、おかしいポイントを見つけやすいメリットもあります。

産業用太陽光発電のトラブルを理解した上で設置を検討

産業用太陽光発電には、自然災害による破損、設備の劣化や不良、施工業者や近隣住民とのトラブルなど、さまざまなトラブルおよびリスクがあります。
災害や経年劣化、不良トラブルは、定期的なメンテナンスや遠隔監視システムの導入、防災対策などで抑えることが可能です。また、近隣住民とのトラブルは、信頼関係の構築をはじめ反射光対策、防音壁の設置などでリスクを軽減できます。
悪質施工業者とのトラブルに関しては、相見積もりによる比較や施工実績のチェックなどで避けられます。
これから産業用太陽光発電を設置予定のある方や太陽光発電投資に関心を持っている個人投資家などは、今回の記事も参考に太陽光発電を検討してみてください。
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