水上太陽光発電とは?メリットやデメリットを解説!

水上太陽光発電とは?メリットやデメリットを解説!

再生可能エネルギーを活用した発電事業は、太陽光発電や風力発電、水力発電などが代表的です。最近では、太陽光発電を水上で稼働させる水上太陽光発電という設備を発電事業者が導入していて、設置技術などの改善や開発も進められています。

そこで今回は、水上太陽光発電の特徴やメリット・デメリットについて分かりやすくご紹介します。太陽光発電の運用方式について知りたい事業者や水上太陽光発電について詳しく知りたい方などは、参考にしてみてください。

水上太陽光発電とは?

水上太陽光発電とは?

水上太陽光発電とは、農業用のため池や一般の池、貯水池などに設置された太陽光発電設備のことです。別名、水上ソーラーやフロート式太陽光発電、浮体式太陽光発電などと呼ばれていて、太陽光パネルを水面に浮かせているのが特徴です。

太陽光パネルを水面に浮かせるためには、フロートと呼ばれる浮力を持った架台を設置する必要があります。設置方法に関しては、フロートと架台が一体となったタイプやフロートの上に架台を設置し、その上に太陽光パネルを固定させる方法など、いくつかの方法があります。また、フロートは池底に打ち込まれたアンカー(錨)とつなげられるため、風などで流されないよう対策が施されています。

水上太陽光発電で発電した電気は、野立て太陽光発電や住宅用太陽光発電と同じく電力会社へ売却することも可能です。売電以外には、自家消費や非常用電源としても活用できます。

水上太陽光発電のメリット

水上太陽光発電のメリット

水上太陽光発電の意味を理解したあとは、導入メリットについて確認していきます。水上太陽光発電は、地上設置型の太陽光発電より発電効率の良い設備です。

高温になりにくい環境で発電効率を維持しやすい

水上太陽光発電は、野立て太陽光発電や住宅用太陽光発電よりも温度面で強みを持っています。ため池や貯水池など水面の温度は地面よりも低いため、太陽光パネルの表面温度上昇を防ぎやすい環境です。

太陽光パネルの表面温度は、25度が適温とされています。特に30度や40度など温度が上昇していくと、発電効率の低下につながります。

水上太陽光発電は、水によって自然に冷却されるため、冷却システムなどの準備や費用負担なども避けられます。

障害物が少なく発電効率低下を避けやすい

水上太陽光発電の設置場所であるため池や貯水池などは、野立て太陽光発電や住宅用太陽光発電より、周辺に障害物の少ない環境です。

発電効率を維持しやすいという点は、水上太陽光発電ならではの強みです。

太陽光発電にとって障害物の有無は、発電効率および売電収入、電気代削減効果を伸ばす上で重要なポイントであり事前にチェックしておくべきところです。

山間部の場合は、多数の木々や斜面と太陽光の位置関係などといった点で、発電効率低下につながる場合もあります。都市部から離れた平地であれば障害物を避けられるものの、設置角度や方角を気にする必要があります。

水上の場合は、周囲に障害物がほとんどありませんし、水面から平行に太陽光パネルを設置することで太陽光との角度や向きにかかわらず一定の発電量を期待できます。さらに水面から反射された光を吸収することで、より多くの発電量を見込めるのが嬉しいポイントです。

発電効率を追及している企業は、水上太陽光発電を検討してみるのもおすすめです。

土地の造成工事不要

水上太陽光発電は、水面に設置および運用を進めていく設備なので、土地の造成工事は不要です。

土地の造成工事とは、空き地や畑、斜面などを用途に合わせて土地の状況を変えていく工事のことです。たとえば、山間部で太陽光発電を設置する場合、地盤の強化や斜面を平地にかけていくための整地、切り株や木々の伐採および除去といった作業が必要です。

一方、水上太陽光発電を始める時は、前述のような整地や伐採工事などが基本的に不要です。また、水面に浮かんでいるごみの除去といった作業で済むため、設置工事前の準備に関わる費用を大幅に抑えられます。

水上太陽光発電の設置可能な場所が多数存在

水上太陽光発電の設置に活用可能なため池は、国内に約20万ヵ所存在しています。これから太陽光発電投資を始めたい企業や個人事業主にとって参入しやすく、有効活用につながるのがメリットの1つです。

農業用ため池以外のため池は、未活用状態であったり釣り堀などに用いられていたりしています。このようなため池を所有している場合、維持管理コストで赤字につながってしまいます。水上太陽光発電を設置できれば、売電収入で維持管理コストをカバーできます。

また、水上太陽光発電の設置で太陽光を適度に遮断し、藻や水草の過度な発生を抑えることが可能です。

水上太陽光発電のデメリット

水上太陽光発電のデメリット

続いては、水上太陽光発電の導入デメリットを確認していきます。

施工対応可能な業者不足

水上太陽光発電は、住宅用太陽光発電や野立て太陽光発電、ソーラーカーポートなどと比較して、発展途上の設置運用方式です。

太陽光発電の施工管理業者の中で水上太陽光発電に対応している業者は少なく、一般的な設置方法より長い工期といったデメリットもあります。

水上太陽光発電を検討している場合は、水上太陽光発電に特化した施工管理業者へ相談するのが大切です。たとえば、キョーラク株式会社の水上太陽光発電.comは、水上太陽光発電の設置工事に特化しています。

なお、野立て太陽光発電を検討している場合は、中古太陽光発電の販売業者や産業用太陽光発電の施工管理業者などへ相談するのが大切です。

弊社とくとくファームは、低圧の中古太陽光発電からメガソーラーに関する売却や購入、購入後のメンテナンスサービスなどに対応しています。野立て太陽光発電を検討している方は、ぜひ1度お問い合わせください。

野立て太陽光発電とは異なる災害対策が必要

水上太陽光発電は、住宅用太陽光発電や野立て太陽光発電とは異なるトラブルや災害対策について検討および進めておく必要があります。

配線類やパワーコンディショナなど各種機器類は、ため池の水によるショートおよび故障につながらないよう防水対策工事も重要です。また、腐食しやすい環境のため、腐食や耐食処理などを施す必要があります。

水上太陽光発電を検討している時は、感電事故などを防ぐために防水や漏電対策についても設置業者と慎重に進めていくのが大切です。

保守点検が難しい

水上に設置された太陽光発電は、人による保守点検の難しい不安定な設置環境ですし、潜水によるアンカーや固定用ケーブルなどの点検作業も必要です。また、ボートに乗って水上太陽光発電設備へ向かうため、天候によって保守点検できない日が発生します。

保守点検のコストがかさみやすい点は、水上太陽光発電のデメリットでもあります。しかし、保守点検の頻度やコストを過度に抑えると、設備やアンカーやフロートの異変に気付かず放置してしまいます。

水上太陽光発電を運用する場合は、保守点検方法や点検費用などについて専門業者とよく確認しておくのが大切です。

水位の変動に関する対策が必要

水面は、地面と異なり上下したり波打ったりします。住宅用太陽光発電や野立て太陽光発電と比較した場合、安定性という点でデメリットがあります。

  • 池底からアンカーが外れる
  • アンカーとフロートが外れる
  • フロートが大きく上下し、配線や架台の破損
  • フロート同士が外れ、太陽光パネルの破損や水面への落下

ため池や貯水池の水位は、常に変動しています。また、台風や強風の時は、大きく変動してしまいます。

水上太陽光発電が流されたり破損したりしないようにするには、耐久性の高いアンカーとフロート架台を設置するのも大切です。また、アンカーとフロート間に余裕を持たせたケーブルをつなげておけば、多少の水位変動でケーブル切断やフロートの転覆といったトラブルを避けられます。

水上太陽光発電の事例

水上太陽光発電の事例

国内の発電事業者は、水上太陽光発電の設置運用を進めています。

たとえば、再生可能エネルギー関連事業を手掛ける株式会社スマートエナジーは、埼玉県川島町に「川島太陽と自然のめぐみソーラーパーク」という水上太陽光発電を設置運用しています。出力は7.5MWとメガソーラークラスで、2,000世帯以上の電力をまかなえる規模です。

大手電機メーカーの三菱電機株式会社は、香川県木田郡三木町に「平木尾池水上太陽光発電所」という出力2.6MWのメガソーラーを2017年に設置しました。

このように各企業では、水上太陽光発電にも力を入れていることが分かります。出力1,000kW以上のメガソーラー設備が導入されているのも、水上太陽光発電事業の特徴です。

水上太陽光発電の事故に注意

水上太陽光発電の事故に注意

水上太陽光発電事業を検討する時は、事故のリスクについて把握しておくのも大切なポイントです。

京セラTCLソーラーの水上太陽光発電は、2019年の台風によって破損し、火災事故も発生しました。火災の主な原因は、アンカーの抜けと太陽光パネルの破損です。設計風速を超える風速によってアンカーが抜け、太陽光パネルの巻き上がりにつながりました。

特に火災事故は二次被害につながる可能性もあり、事前に対策を施しておきます。

水上太陽光発電のフロートには、注水可能なタイプがあります。フロートへの注水は、浮力低下の反面、重量増加による安定性向上につながります。フロートへの注水は、台風や暴風によるアンカーの抜けやフロートの移動を抑えられるため、要検討すべきポイントです。

水上太陽光発電は日本の土地や環境に適している

水上太陽光発電は日本の土地や環境に適している

水上太陽光発電とは、ため池や貯水池などに設置されている太陽光発電のことです。池底にアンカーを打ち込んだのち、フロートという土台とケーブルでつなぐことで、架台および太陽光パネルの設置場所を確保できます。

水上太陽光発電の主なメリットは、池の管理コストを売電収入でカバーできること、発電効率の高い環境という点です。

ため池を所有している企業や売電収入を伸ばしたい方は、今回の記事を参考に水上太陽光発電などを比較検討してみてはいかがでしょうか。

弊社とくとくファームは、中古太陽光発電所の売買仲介サポート業務に対応しています。中古太陽光発電所の中には、2012年や2013年などの高い固定買取価格の時期にFIT認定を受けた設備もあります。

さらに弊社サービスでは、中古太陽光発電物件の立地状況や実質利回り、過去の発電量や売電収入など詳細な情報をチェックした上で、購入の判断を進められます。

太陽光発電について1から知りたい、中古太陽光発電についてもっと深く知りたいという場合は、無料の個人セミナーにて基礎から疑問点まで気軽に質問できます。また、オンラインでセミナーを受けられるので、気軽に予約いただけます。

太陽光発電について気になる方や売電収入を伸ばしたいという方も、是非1度お問い合わせください。

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