太陽光発電のセカンダリー市場は、以前より注目されている市場の1つで、太陽光発電で収益を確保したい方や売電収入を伸ばしたい方にとってメリットがあります。さらに2022年のセカンダリー市場は、低圧区分の余剰買取などFIT認定の変更や規制によって、買い手や売り手増加なども期待できます。
そこで今回は、太陽光発電のセカンダリー市場に参入するメリットや注意点について分かりやすくご紹介します。固定買取価格の下落傾向に悩む太陽光発電投資家やセカンダリー市場について知りたい方などは、参考にしてみてください。
太陽光発電のセカンダリー市場とは何?
太陽光発電のセカンダリー市場とは、中古太陽光発電市場のことです。
中古太陽光発電は、新規の太陽光発電設備と違い、既にFIT認定を受けていてなおかつ過去に1回以上稼働されているのが特徴です。また、土地と設備をセットで購入できること、既に設備が設置されていてなおかつすぐに稼働できることなど、新規設置よりスムーズに導入できるのも強みの1つです。
セカンダリー市場での売却相場については、1MWあたり4億円前後の場合もあるようです。弊社とくとくファームで掲載している物件には、出力約1.3MWで約5.6億円、54kWで約1,100万円など、相場と同程度もしくは高い水準の物件もあります。
また、物件によっては、ID付き太陽光発電用地が掲載されていることもあります。(ID:売電権利)
すぐに太陽光発電を稼働させたい、固定買取価格の下落傾向でも売電収入を伸ばしたい方は、セカンダリー市場に注目です。
太陽光発電のセカンダリー市場が盛り上がっている理由
太陽光発電のセカンダリー市場規模は拡大傾向で、近年盛り上がりを見せています。しかし、なぜ盛り上がっているのか、把握しにくいところでもあります。
そこでここからは、セカンダリー市場が盛り上がっている主な理由を確認していきます。
中古太陽光発電であれば低圧区分でも全量買取可能
セカンダリー市場で売買されている中古太陽光発電は、新規設置の太陽光発電と異なり低圧区分でも全量買取に対応しています。
FIT制度の全量買取および余剰買取に関する区分は2020年に大きく変わり、出力10kW以上50kW未満も住宅用太陽光発電と同じく余剰買取のみ適用可能な状況です。
しかし、2020年以前にFIT認定および設置された中古太陽光発電は、余剰買取と全量買取どちらも選択可能です。
全量買取は売電収入を増やす上で重要なポイントなので、セカンダリー市場の盛り上がりにつながる要因の1つです。
過去の発電や売電実績を確認および分析できる
セカンダリー市場で取引されている中古太陽光発電は、過去の発電量や売電収入の実績、設備の稼働状況、利回りなどといった各種データを確認できます。
太陽光発電を新規設置した場合は、稼働させるまで発電量や売電収入などの実測値を確認できません。一方、中古太陽発電の場合は一定期間の発電実績などを確認できるため、より正確な収支計算を行ったうえで購入検討できます。
太陽光発電投資家や企業にとって中古太陽光発電は、新規設置より収益の予測を立てやすくメリットの多い設備です。
中古市場ならではの運用方式により高い利回りを期待できる
中古太陽光発電は新規設備より高い利回りを期待できるため、多くの太陽光発電関連企業や投資家などに注目されています。中古太陽光発電物件は、土地の選定から造成工事、設置工事、連系工事などの工事及び手続きなどが済んでいます。
状況によっては新規設備よりも安く、高い固定買取価格で運用を始められます。そのため、太陽光発電の新規設置より高い利回りを期待できます。高利回りの物件は、太陽光発電事業を進めたい企業や投資家にとって重要なポイントであり注目される要素の1つです。
太陽光発電のセカンダリー市場を活用するメリット
ここからは、太陽光発電のセカンダリー市場で設備を購入する主なメリットについて確認していきます。
高い固定買取価格の物件を購入できる
セカンダリー市場を活用する主なメリットは、高い固定買取価格の物件を購入できる可能性があるためです。
FIT制度の固定買取価格は、太陽光発電の普及や設備の低価格化などの理由から年々下落傾向で更新されています。そのため、太陽光発電投資家にとっては、メリットの少ない状況です。
一方、中古太陽光発電は、2012年や2013年、2015年など高い固定買取価格の時期にFIT認定を受けた設備も存在します。たとえば、2022年度の固定買取価格は10kW以上50kW未満で1kWhにつき11円ですが、2012年は40円と2倍以上の単価です。
低圧区分でも全量買取で売電収入を得られる
中古太陽光発電を購入した場合は、低圧区分でも全量買取方式で売電することが可能です。2020年以前にFIT認定を受けた中古太陽光発電は、出力10kW以上50kW未満の低圧区分でも余剰買取と全量買取どちらにも対応しています。
2020年以降に新規設置した場合は、発電した電気のうち少なくとも30%分を自家消費用として残さなければいけません。そのため、売電収入を増やしにくい環境です。
一方、2020年以前にFIT認定を受けた中古太陽光発電を取得した場合は、全量買取を選択できますし、自家消費率を気にせず売電し続けることが可能です。
許可申請や設備設置などの手間がかからない
太陽光発電用地の選定や購入手続き、土地の造成工事や太陽光発電の設置工事、電力との連系工事といった作業を省略できるのが、セカンダリー市場および中古太陽光発電の導入メリットです。
住宅の屋根やビルなどの屋上以外で太陽光発電を始めるには、土地の選定や購入が必要です。地盤の状況によっては、土地の造成工事を行ったのち、設備の設置工事を行ってもらいます。このような手続きや工事によって設備の稼働までは、数か月程度かかる場合もあります。
セカンダリー市場へ参入した場合は、土地と設備をセットで購入することが可能です。すぐに太陽光発電を始めたい方、設置費用をかけずに売電を行いたい方にもおすすめです。
過去のデータに基づいて収支の計算を行える
セカンダリー市場で取引されている中古太陽光発電は、過去の発電実績や売電収入、設備状況など各種データを確認・分析した上で、購入の判断を行えます。
中古太陽光発電物件を比較する際は、現地の状況だけでなく実績に基づく利回りや過去の発電実績、売電収入を分析しながら、初期費用回収期間や年間収支の計算を進めることも可能です。また、新規設置と異なり既に設備が設置されているので、金融機関からの融資を受けやすい可能性もあります。
太陽光発電投資が初めての方は、セカンダリー市場から検討してみてみるのも大切です。
太陽光発電のセカンダリー市場へ設備を売却するメリット
続いては、太陽光発電のセカンダリー市場で設備を売却するメリットについて確認していきます。
維持管理負担から解放される
維持管理に関するあらゆる負担から解放されるのが、セカンダリー市場の売却メリットです。
太陽光発電の維持管理作業は、O&Mという維持管理や保守点検を専門とする事業者へ依頼するため、維持管理に関わる直接的な作業をオーナー側で負担しません。しかし、O&M業者との手続きや依頼費用の負担に加えて、固定資産税や所得税などの税負担などがかかります。
経年劣化などによる維持管理費用の負担増加で悩んでいる時は、セカンダリー市場で売却を検討してみてはいかがでしょうか。
一定の売却益を得られる
太陽光発電をセカンダリー市場で売却した場合は、数100万円以上の売却益を得られます。
太陽光発電設備を廃棄してしまうと、廃棄費用を負担しなければいけませんし、収益を得られません。一方、セカンダリー市場で太陽光発電を売却した場合は、廃棄費用の負担0ですし、土地と設備の売却に伴う収益を得られるのが特徴です。
土地や設備管理に悩んでいる時や特段の事情で資金調達が必要な時、別の資産運用もしくは太陽光発電投資へ資金を充てたい時は、セカンダリー市場の活用もおすすめです。
専門業者へ依頼すれば手続きを代行してもらえる
中古太陽光発電の専門業者へ依頼する場合は、買い手とのすり合わせや契約手続き、名義変更手続きなど、あらゆる手続きを代行してもらえます。
セカンダリー市場で中古太陽光発電の売買仲介サービスを提供している専門業者は、中古太陽光発電のあらゆる手続きや疑問に対応しています。売却手続きは、個人で対応可能な内容ではありませんので、セカンダリー市場に精通したプロへ相談するのがおすすめです。
弊社とくとくファームの場合は、土地売却や土地+太陽光発電の売却査定、物件の無料Web掲載、プロによる売却手続きの準備、売却後の無料税務サポートなどまで一括サポートします。
太陽光発電のセカンダリー市場を活用する際の注意点
最後は、太陽光発電のセカンダリー市場で物件を購入する際の注意点について確認します。
購入前に設備状態や劣化状況を確認
セカンダリー市場で売却されている中古太陽光発電をチェックする時は、利回りだけでなく設備の状況についても注目するのが大切です。
中古太陽光発電物件の設備状況は、前オーナーの管理状況や設置場所の環境、稼働年数などによって変わります。他にも管理状況の悪い中古太陽光発電物件は、雑草が伸びっぱなしだったりパネルなどが汚れたりしていることもあります。
そのため、よく確認せずに購入してしまうと、稼働直後に故障したりあとから故障箇所を発見したりする場合もあるため、慎重に見極めるのが重要です。
売電収入を伸ばしやすい反面固定買取期間は短い
中古太陽光発電は、売電収入を効率よく得られる反面、新規FIT認定設備と比べて固定買取期間の短い状況です。
たとえば、産業用太陽光発電設備の前オーナーが5年間稼働させていた場合、残りの固定買取期間は15年間です。このように中古太陽光発電の固定買取期間は、前オーナーの稼働期間に応じて短縮されてしまいます。
初期費用回収期間の計算は、中古太陽光発電物件ごとの固定買取期間を基準に求めるのが重要です。
売却時は実績豊富な仲介会社へ相談するのが大切
太陽光発電をセカンダリー市場で売却する時は、仲介実績豊富な専門業者へ相談するのが特に重要です。
実績の少ない仲介業者は、売却前後のサポートや査定基準などに課題を抱えている可能性もあります。一方、実績豊富な業者へ相談した場合は、過去の売却実績や相場を確認できますし、評判や口コミを確認しながら査定および売却を検討できます。
弊社とくとくファームは、15,000件もの売買仲介実績を持っています。また、太陽光発電サービス満足度No.1を記録しているので、実績およびサービス品質どちらにも強みがあります。
2022年も太陽光発電のセカンダリー市場に注目!
太陽光発電のセカンダリー市場とは、中古太陽光発電が取引されている市場のことです。
2020年以降に設置した出力10kW以上50kW未満の太陽光発電は、発電した電気のうち少なくとも30%を自家消費用として残さなければいけません。さらにどの出力でも固定買取価格は、下落傾向です。
2020年以前に設置された中古太陽光発電は、低圧区分でも全量買取可能ですし、高い固定買取価格を期待できます。そのため、近年セカンダリー市場に注目が集まっています。
太陽光発電の運用を検討している方や太陽光発電を手放したい方は、今回の記事を参考に太陽光発電のセカンダリー市場を確認してみてはいかがでしょうか。
弊社とくとくファームは、中古太陽光発電所物件の購入および売却サポートを行っております。購入時は、弊社サイトに掲載されている物件や非公開物件から選定を行うことが可能です。また、購入時の売買契約や名義変更手続き、購入後の保証や点検サービスなどにも対応しています。
売却を希望している時は、30秒で完結できる簡単査定でスピーディに売却価格を確認できます。また、売却の際は、査定額アップを目指しパネル洗浄や除草作業などといったサービスを提供いたします。
実績豊富な仲介業者をお探しの方は、ぜひ1度お問い合わせください。