太陽光発電投資は、一般的に太陽光発電で発電した電気の売電もしくは自家消費といった運用方法です。さらに近年では、太陽光発電のクラウドファンディングという商品が出てきており、これまでの太陽光発電投資と異なる特長を持っています。
そこで今回は、クラウドファンディングや太陽光発電のクラウドファンディングについて分かりやすくご紹介します。太陽光発電のクラウドファンディングに関心を持っている方やさまざまな太陽光発電投資を理解した上で準備を進めたい方などは、参考にしてみてください。
クラウドファンディングとは何?
クラウドファンディングとは、インターネットを通じた資金調達方法のことです。
国内では、CAMPFIREやREADYFORなどといったクラウドファンディングサービスが代表的です。資金調達を行いたい起案者は、クラウドファンディングサービス内でプロジェクトを立ち上げます。さまざまなプロジェクトを応援した支援者や賛同者は、起案者のプロジェクトをチェックし、資金を提供します。
そして、クラウドファンディングは、いくつかの種類に分かれているのも大きな特徴です。
種類 | 内容 |
---|---|
株式投資型 |
起案者が株式会社 支援者は、投資額に対して未公開株式を受け取れる |
ファンド型 |
起案者は、支援者から調達した資金を用いてサービスを展開 支援者は、配当もしくは商品などを受け取る |
融資型 |
起案者は、支援者から調達した資金を利子付きで返済 支援者は資金を回収できるだけでなく、利息収入を得られる |
購入型 |
起案者は、資金調達によって完成した商品やサービスを支援者へ配布 支援者は、資金を提供する代わりにプロジェクトに記載されている商品やサービスを受け取れる |
寄付型 |
起案者は、支援者から受け取った資金をプロジェクトへ活用し、なおかつ返済義務なし 支援者は、資金提供後にリターンなし |
寄付型は、主に環境保全などの社会貢献関連プロジェクトで用いられています。起案者は、どのプロジェクトでも資金調達できます。また、起案者にとってリターンを得られるのは、購入型と融資型、ファンド型、株式会社型の4種類です。
太陽光発電のクラウドファンディングとは?
クラウドファンディングの基礎について理解したあとは、本題である太陽光発電のクラウドファンディングについて確認していきます。
太陽光発電のクラウドファンディングは、文字通りクラウドファンディング型のサービスで、一般的な太陽光発電投資とは異なる点に注目です。
融資型やファンド型による投資
太陽光発電の事業者が、支援者から運用資金を調達し、売電収入の一部を分配金という形で各支援者に分配しているサービスを、「太陽光発電のクラウドファンディング」と呼びます。つまり、起案者=太陽光発電事業者、支援者=太陽光発電投資家です。
太陽光発電のクラウドファンディングは、主に融資型やファンド型で運用されているケースが多いようです。融資型の場合は、一定の分配金を得られるのが特徴です。一方、ファンド型は、売電収入に応じて分配金の金額も変わります。
投資資金は1口1万円程度から受け付けている
一般的な太陽光発電のクラウドファンディングは、1口1万円程度の少額から受け付けています。一般的な太陽光発電投資とは異なり、少額から太陽光発電事業に携わることが可能です。
分配金の分配予定日は、1年間に1回、毎月などサービスによって変わります。また、運用期間に関しては、5年間などあらかじめ定められています。
そして、クラウドファンディングのサービスには、目標利回りという表示があります。目標利回りとは、太陽光発電のクラウドファンディングへ投資金額に対して、いくらのリターンを得られるか「%」で示されたものです。
たとえば、目標利回り10.0%の場合は、1万円の投資金額に対して1,000円の分配金を得られる可能性があります。
投資には専門サービスへの申込が必要
太陽光発電のクラウドファンディングを利用したい場合は、同サービスに関する専門サイトへアクセスおよび申込手続きを進める必要があります。
たとえば、SOLMINAという太陽光発電専門のクラウドファンディングは、1口1万円から太陽光発電へ投資可能なサービスで、運用利回り4〜6%を期待できるのが特徴です。
他にも太陽光発電専門のクラウドファンディングサービスは、インターネットで調べると出てきます。
なお、太陽光発電販売店や太陽光発電の施工管理業者、一般的なクラウドファンディングサービスでは取り扱われていないため、混同しないよう気を付けてください。
太陽光発電のクラウドファンディングに関するメリット
続いては、太陽光発電のクラウドファンディングを利用する主なメリットについて紹介します。
少額から太陽光発電投資を始められる
少額から太陽光発電投資を始められる点は、利用メリットの1つです。太陽光発電の中で小規模な住宅用太陽光発電を設置するには、少なくとも100万円〜200万円程度の資金が必要です。100万円単位の資金を用意するのが難しい方や融資に悩んでいる方には、ハードルの高い資金量です。
一方、太陽光発電のクラウドファンディングは、1口1万円など10万円以下で始められます。
維持管理費用や手間がかからない
維持管理費用や保守点検の依頼などさまざまな手間を省けるのが、クラウドファンディングの強みです。
通常、産業用太陽光発電の運用時には、施工管理業者との契約、維持管理費用の負担、遠隔監視モニタによる発電量や異常のチェックなど、手続きや管理などを進める必要があります。また、売電収入に対する所得税や固定資産税の確定申告、維持管理費用の負担などといった手間がかかります。
一方、太陽光発電のクラウドファンディングは、設備を購入する訳ではありません。そのため、維持管理費用の負担や施工管理業者への連絡などといった負担を避けられます。
分配金という形で収益を得られる
太陽光発電のクラウドファンディングは、売電収入の一部を分配金という形で得られます。利益を得られるのが、主な利用メリットです。
分配金の金額は、投資金額と売電収入によって変わります。たとえば、目標利回り5.0%のプロジェクトへ10万円投資した場合、1年間に5,000円の利益を得られます。
また、ファンド型の場合は、売電収入の状況に応じて利回りが変動します。
少額投資では利益も比較的小さいものの、クラウドファンディングを理解したい方、太陽光発電投資について知りたい方にとって仕組みの理解という点でメリットもあります。
太陽光発電のクラウドファンディングに関するデメリット
ここからは、太陽光発電のクラウドファンディングに関するデメリットを紹介します。
全ての売電収入を得られない
一般的な太陽光発電投資と異なり全ての売電収入を得られないのが、クラウドファンディング型のデメリットでもあります。
太陽光発電のクラウドファンディング運営者は、投資家から小口の資金を集め、売電収入の一部を各投資家へ分配をします。まとまった売電収入を得たい方にとっては、物足りないサービスと感じる可能性があります。
一定の資金を用意できる方、融資の準備を進めて太陽光発電投資を始めたい方は、中古太陽光発電がおすすめです。
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元本割れのリスクがある
太陽光発電のクラウドファンディングを始める前は、元本割れのリスクについて理解しておく必要があります。
太陽光発電のクラウドファンディングでは、売電収入を原資とされています。そのため、発電量の減少に伴い売電収入も減ってしまい、各投資家への元本返済が難しい状況へ陥る場合もあります。
また、プロジェクトの運営元企業が倒産した場合は、元本と分配金の受取りが停止してしまう可能性もあります。
クラウドファンディングを比較検討する際は、運営元企業の事業内容や過去の実績、口コミなどから総合的かつ慎重に判断するのも大切です。
太陽光発電設備を取得できない
クラウドファンディング型の太陽光発電プロジェクトでは、太陽光発電設備を取得できません。
売電収入だけでなく自家消費や非常用電源としても太陽光発電設備を必要としている方には、デメリットがあります。
太陽光発電設備を取得したい時は、太陽光発電販売店や施工業者へ設備の購入について相談、もしくは中古太陽光発電の売買仲介サービスへ問い合わせるのが基本です。
太陽光発電のクラウドファンディングは、投資信託と同様に分配金のみを求めている方に利用しやすいサービスです。
太陽光発電のクラウドファンディングは少額から始められるサービス!
太陽光発電のクラウドファンディングは、太陽光発電事業者運営のプロジェクトへ小口の資金を投資し、毎年もしくは毎月1回分配金を受け取れます。また、元本は返還してもらえます。
中長期的かつ少額投資を検討している方には、メリットがあります。ただし、元本割れリスクや太陽光発電設備の取得不可といったデメリットもあるので、注意が必要です。
太陽光発電に関心を持っている方や太陽光発電で収入を得たい方は、今回の記事を参考に中古太陽光発電を含め比較検討してみてはいかがでしょうか。
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