環境経営を目指している企業にとってRE100は、自社の環境価値を高める上で重要な枠組みです。しかし、申請すれば加入できるというものではなく、指定条件を満たさなければ参加できません。自家消費型太陽光発電は、RE100との相性が良く、検討する価値があります。
そこで今回は、RE100の要件と自家消費型太陽光発電の関係性について詳しくご紹介します。環境経営のためにRE100を目指している方やRE100の要件が分からず悩んでいる方は、参考にしてみてください。
RE100とは?
「RE100(あーるいーひゃく)」という言葉を目にする機会が増えてきました。
これは、「Renewable Energy 100%」の略で、太陽光・水力・風力などの再生可能エネルギーを100%使用することを意味します。
事業で使用する電力を再生可能エネルギーで賄うためのプロジェクト
RE100は、企業が事業活動で使用するエネルギーを100%再生可能エネルギーで賄うことを宣言し、実現までの期限を設けた目標達成計画を立て、具体的に実行に移すプロジェクトです。
国際環境NGO「The Climate Group(TCG)」が主催し、日本では「日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)」が、TCGの地域パートナーとして日本企業の加盟窓口となっています。
RE100に加盟するためには、再生可能エネルギー100%達成までのプロセスと期限を策定し、TCG事務局の承認を受ける必要があります。
参加条件は事業規模と消費電力がポイント
RE100へ参加するためには、下記の条件が定められています。
- 年間の消費電力量が100GWh(100,000,000kWh)以上であること(※日本企業は半分の50GWh以上に緩和されています)
- 自社事業で使用する電力(スコープ2及び1の電力消費)の100%再生可能エネルギー化を達成する期限目標を設定し、対外に公表すること。
- 企業グループ全体で参加し、再エネ化にコミットすること(※親企業の資本比率50%以上の子会社全てがRE100の参加対象となります。)
RE100達成には非FIT電力が必須
RE100では、FIT電力は再生可能エネルギーとしてカウントされません。FIT電力の環境価値は、再エネ賦課金という形で全ての国民へ支払われています。そのため、電力会社で買い取っているFIT電力は、環境価値のない電力とみなされています。
RE100で求めている電力は、再エネ由来の電力+環境価値です。これから太陽光発電で企業価値アップを目指すには、非FIT電力を調達する必要がありますし、自家消費による電力供給をベースに考えるのも大切です。
RE100を達成するための手段とは?
RE100を達成するためには、主に3つの手法があります。
自社の敷地内に自家消費型太陽光発電を設置
太陽光発電設備を自社建物の屋根や敷地内の空地に設置し、発電した電力を自社で使用します。(発電設備の設置場所と、発電電力の需要場所が同じことを「オンサイト」と言います。)
既に多くの実績があり、再生可能エネルギーの導入に向けては現在もっとも現実的で手堅い手法と言えます。
自己託送方式で太陽光発電の自家消費
自己託送とは、自家消費用発電設備を設置した企業が、発電した電気を既存の送電網に乗せて別の場所にある自社の他の事業所での使用電力として送電する仕組みです。
この仕組みを利用することにより、自家消費型発電設備の設置場所と需要場所を一致させず(「オフサイト」と言います)とも再生可能エネルギーを導入することができるようになり、可能性が広がります。
ただし、送配電ネットワーク会社へ託送料金を支払う必要があるため、オンサイトに比べてコストが掛かることに注意です。
非FIT電力を小売電気事業者から購入
発電事業者・小売電気事業者と、再生可能エネルギーに紐づけされた電力購入契約を結ぶ方法もあります。
再生可能エネルギー由来の電力は、火力発電等の化石燃料を使用した電力に比較して発電コストが高額になるため、その分電気料金が高く設定されます。
また、100%再生可能エネルギーに紐づけされた電力供給量には限りがあるため、今後の需要増により価格高騰も予想されます。
環境価値証書を購入する
企業の省エネ設備の導入や森林組合の植林などによって削減あるいは吸収したCO2量を証券化し、他の企業が取引により購入することができるようにしたものを環境価値証書と言います。
現在、国内では下記の3種類の環境価値証書が購入可能となっています。
- グリーン電力証書…一般財団法人日本品質保証機構(JQA)
- 非化石証書…日本卸電力取引所(JEPX)
- J-クレジット…国(経済産業省・環境省・農林水産省)
環境価値証書を購入することにより、自社が排出したCO2量を他社の排出量に割り当てる「カーボンオフセット」の効果が得られます。
ただし、RE100の本来の趣旨は再生可能エネルギー発電設備を拡大していくことにありますので、環境価値証書の購入は目標達成のための過渡的な手段とされています。
自家消費型太陽光発電と自己託送方式の違いとは?
自家消費型太陽光発電は、太陽光パネルが設置可能な自社所有の建物の屋根や敷地内に空地をお持ちの企業に適しています。発電した再生可能エネルギーを直接その場で使用します。
自己託送方式での太陽光発電は、電力を使用したい場所に自社所有の建物屋根や土地が無くても可能です。送電ネットワークを介して、離れた施設間で電力を融通することができます。
RE100と自家消費型太陽光発電の導入によるコストはいくら?
自家消費型太陽光発電の導入には、どれくらいコストが掛かるでしょうか?
自家消費型太陽光発電は少なくとも数100万円以上
規模にもよりますが、自家消費型の太陽光発電設備の設置には数100万円以上の導入コストが掛かります。原則として減価償却期間は17年です。ただし、中小企業経営強化税制により即時償却できる会計優遇措置もありますので、まずは和上ホールディングスへお問い合わせください。
初期費用を抑えるためには、FIT期間が終了した既存の太陽光発電施設を購入し、自己託送により再生可能エネルギーを導入するという方法もあります。
自社所有の建物の屋根が広く電力需要の大きい企業は、初期投資や管理コストがゼロで自家消費型太陽光発電を導入が可能な、屋根貸しによるPPAスキームも検討が可能です。
和上ホールディングスは、再生可能エネルギーの導入にあたってお客様と綿密に打ち合わせし、これらのプランの中から最適なサービスをご提案いたします。
RE100には3,500ドル以上の会費が必要
RE100の加盟費用はゴールド会員が15,000ドル、ベーシック会員が3,500ドルになります。
加盟すると、再生可能エネルギー100%の達成のために大きな労力とコストが掛かりますが、RE100への参加は環境経営のアピールになり、ESG投資を呼び込み企業価値を高めるという考え方で、世界的な企業が続々とRE100への参加を表明しています。
※2022年8月現在で23カ国から376社の参加があり、国別参加企業数では、⽇本はアメリカ97社に次ぐ72社が参加。
RE100の達成を目指すなら自家消費型太陽光発電がおすすめ!
ここまで、RE100の概要と参加方法、再生可能エネルギーの利用にあたっての自家消費型太陽光発電設備の導入方法について解説してきました。
RE100への取り組みは環境経営の最先端となり、投資家のESG投資を呼び込むだけではなく、企業イメージの向上で一般消費者からの指示も得られます。
和上ホールディングスは創業から30年、太陽光発電の黎明期から15,000件以上の実績を積み重ねてきました。その豊富な経験から学んだ知見を生かし、お客様の自家消費型太陽光発電設備の導入を徹底サポートいたします!
和上ホールディングスの自家消費型太陽光発電企画施工保守サービスでは、20年の工事保証をお付けしております。
さらに、導入後のメンテナンスに関しても万全です。発電設備のパネル洗浄・除草・サーモグラフィチェック等を行い、フルメンテナンスしています。
トラブル発生時にも、緊急受付窓口に電話をかけていただければ、全国1600箇所に配置されている施工拠点からすぐに駆け付け調査いたします。
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自家消費型太陽光発電設備の導入を検討されている方は、和上ホールディングスへメールや電話でお気軽にお問い合わせください。