高齢化社会において需要が高まる介護施設ですが、施設規模を拡大させたり人手を増やしたりすれば、その分毎月の維持費の負担も大きくなります。月々にかかる固定費を減らすには、電気代の見直しを図るのがおすすめです。しかし事業者の多くは、電気代の削減方法について分からず悩んでいるのではないでしょうか?
そこで今回は、介護施設の電気代を抑えるための方法やポイントについて詳しくご紹介します。介護施設を運営していて毎月の維持管理費用に悩む方や、介護施設の電気代負担を見直している方は、参考にしてみてください。
介護施設の電気代を抑える方法
介護施設の運営にかかる固定費は、人件費・消耗品費・賃料などさまざまあります。その中でも、24時間365日照明や空調設備などで電気を使用している介護施設の電気代は高くなりやすく、負担となっています。
まずは、介護施設の電気代を抑えるための具体的な方法を紹介します。
照明の明るさを見直す
明るさの調整が可能な照明器具を利用している場合、明るさを抑えることで節電効果が得られます。通常作業は照度が500ルクスあれば十分と言われているため、高齢の利用者が作業に不自由を感じないよう注意しながら明るさを調整しましょう。
また、照明器具の数を削減することでも簡単に明るさの調整をおこなえます。
利用頻度の少ない場所の照明の数を間引くなど、不要な照明の数を削減し、明るさを抑えることで電気使用量を削減できます。
人感センサーライトを導入
介護施設では、使われる頻度の高い場所と低い場所があります。人の出入りが少ない場所などは、人感センサー機能が付いているライトの導入で無駄な使用や消し忘れを防止することができ、電気使用量の削減に繋がります。
白熱電球を使用している場合はLED電球へ交換
白熱電球を使用しているならば、消費電力の少ないLED電球に交換することで電気代を抑えることができます。また、LED電球の寿命が長いことも、使用するメリットの一つです。
白熱電球の寿命が約1,000〜2,000時間なのに対し、LED電球は約4万時間となっています。LED電球は白熱電球に比べると購入時の価格は高めですが、寿命が長いことで買い替え頻度を抑えることができ、結果的に利用コストの削減に繋がるのです。
スタッフはエレベーターの使用頻度を抑える
介護施設の利用者の方は高齢のため、エレベーターの使用頻度も高くなりがちです。職員のみの移動時には階段を利用するなどエレベーターの使用ルールを作り、使う回数を減らすことで電気代を抑えられます。
職員の意識と行動を変えることで節電効果が得られるため、すぐに実施を検討してみましょう。
グリーンカーテンで室内温度の上昇を抑える
グリーンカーテンは、太陽光の熱エネルギーを約80%カットする効果があると言われています。窓の外にグリーンカーテンを設置することで、窓から入る夏の強い日差しを遮り、室内温度の上昇を抑えることができます。
介護施設では、利用者の方の体調管理のため夏場はエアコン使用により電気代が高くなりがちですが、グリーンカーテンで室内温度を下げることで節電が可能です。
種まきや水やりを利用者の方と一緒におこなうなど、レクリエーションの一環として取り入れてみてはいかがでしょうか。
空調の温度設定を見直す
介護施設では、電気消費量が大きい冷暖房を使用する夏場と冬場の電気代が高くなります。夏場は空調の設定温度を1℃上げ、冬場は1℃下げるだけで空調消費エネルギーを約10%削減することができます。
設定温度の目安としては、冷房時は28℃・暖房時20℃と言われていますが、高齢の利用者の方の体調を考慮しながら設定温度の見直しをおこないましょう。
電気料金プランを見直す
契約している電気料金プランや、契約している電力会社自体を見直すことで、電気料金を削減することもできます。
2016年4月よりスタートした電気の小売自由化により、多くの企業がエネルギー事業に参入しています。
民間会社が運営する新電力は、料金プランも含めさまざまなサービスが提供されているため、施設にあった最適なプランへの見直しを検討してみましょう。
介護施設内の節電において注意すべき点
介護施設の運営において、固定費である電気代削減のための節電は大切ですが、注意すべき点もあるため詳しく解説します。
過度な節電活動で入居者やスタッフの体調に影響を及ぼすリスク
節電のために照明の明るさを下げすぎると、高齢で視覚機能が低下している利用者の方は不自由を感じたり、スタッフの作業効率が下がったりする可能性があります。
高齢者は温度に対する感覚機能の低下・発汗能力の低下・身体の水分量の減少により、若者に比べ脱水症状や熱中症、ヒートショックが起こりやすいと言われています。
そのため、空調の温度調節を過度におこなうことは、高齢の利用者の方の体調不良に繋がる可能性もあるため、注意が必要です。
また、節電のためのエレベーター利用の制限についても、過度におこなうことで利用者の対応に忙しく追われているスタッフの体調に影響を及ぼす可能性もあります。
電気代削減のための節電は大切ですが、介護施設では高齢の利用者やスタッフの体調を優先した上で節電をおこなうことが重要と言えます。
2022年は電気料金の切り替えメリットが少ない
2016年4月よりスタートした電気の小売自由化ですが、2022年は切り替えのメリットが少ないと言われています。
主な原因は、ウクライナ情勢や円安による化石燃料の高騰が続いているからです。
エネルギー事業に参入した新電力会社の民間企業の多くは、自社の発電所を持っておらず、日本で唯一の卸電力取引所であるJEPXから電力を購入しています。
日本における発電の割合は、東日本大震災以降に原子力発電の割合が低下したことにより、化石燃料を使った火力発電が全体の76%を占めています。
しかし、火力発電に対する日本の燃料自給率は11.8%と低く、海外から輸入することで賄っているため、燃料費の高騰が直接電気料金の値上げへと繋がっています。
2022年度現在、卸電力価格の高騰により、新電力会社は新規受付の停止や料金プランの変更をおこなっている会社が多数あり、中にはエネルギー事業から撤退をした新電力会社もあります。
そのため、2022年度は契約変更による電気料金の切り替えメリットが非常に少なくなっているのです。
介護施設の電気代を大幅に削減するには太陽光発電がおすすめ!
燃料費の高騰により電気代が上がる中、今後は原発事故に関する負担金などでさらに電気料金が高くなっていくとされています。これでは、節電対策をいくらおこなっても電気代を大きく下げることは難しいのが現状です。
電気代を大幅に削減するには、太陽光発電の導入など抜本的な対策がおすすめです。
自家消費型太陽光発電なら発電した電気をすべて使用可能
今後も上がり続けることが予想される電気代を抑えるには、電力会社から購入する電力量を下げることが最も重要です。しかし、介護施設の運営において、高齢の利用者や働くスタッフのことを考えると電気使用量を大きく削減することはできません。
電力会社から購入する電力量を下げるためには、自家発電した電力を自家消費できる「自家消費型太陽光発電」の導入が最も効果的です。
「自家消費型太陽光発電」ならば、自家発電した電力をすべて使用することが可能となり、電力会社から購入する電力量を大幅に低減することができます。
蓄電池との併用で夜間や発電量の少ない時も電気代を削減できる
自家消費型太陽光発電と併せて蓄電池を導入すると、太陽光発電の発電量が下がる曇りや雨の日・発電できない夜間でも、貯めておいた電気を使うことで電力会社からの購入電力量を削減することができます。
また電気料金のプランによっては、電気料金が安い夜間に蓄電池に電気を貯め、電気料金が高い・電力消費量が増える日中に夜間貯めておいた電気を使用するなど、蓄電池の活用方法を工夫することで電気代の削減が可能です。
災害時の停電対策としても役立つ
高齢者が利用する介護施設では、災害時などの緊急事態でも空調や医療設備を動かすことのできる非常用電源を確保しておく必要があります。
自家消費型太陽光発電であれば災害時に停電した場合にも、日中であれば太陽光で発電した電力を利用することが可能です。
また、太陽光発電と併せて蓄電池を設置しておくことで、天候により太陽光発電の発電量が下がった場合や発電できない夜間でも貯めておいた電気を活用できるため、非常時でも役立ちます。
介護施設の電気代削減および災害対策に太陽光発電はぴったり!
介護施設において今後も高騰が続くことが予想される電気代を削減するには、自家消費型太陽光発電と蓄電池を併用して導入することが効果的と言えます。
現在、地球温暖化対策のために国や自治体から再生可能エネルギーの設備導入には補助金が出ることもあり、太陽光発電・蓄電池を導入しやすくなっています。
介護施設の運営者の方は、電気代削減・災害時の停電対策・さらに地球温暖化対策の一つであるCO2の削減もおこなうことが可能な、自家消費型太陽光発電の設置を検討してみてはいかがでしょうか。
和上ホールディングスの自家消費型太陽光発電サービスは、太陽光発電所の企画・設計から施工、設置後の運用保守まで一括サポートいたします。
さらに初期費用0円のPPA型自家消費型太陽光発電プランや、遠隔地から送電・自家消費可能な自己託送型太陽光発電プランがあるので、予算や設置場所の環境に合わせた計画を立てられます。
介護施設の固定費削減やBCP対策をお考えの方は、ぜひこの機会にご相談ください。