送電ロスはなぜ起きる?環境・エネルギー問題と太陽光発電の関係性

送電ロスはなぜ起きる?環境・エネルギー問題と太陽光発電の関係性

環境対策へ向けて、企業も早急に動く必要があるものの、本当に環境負荷を低減できる施策はどれなのかわかりにくいところではないでしょうか。そこで注目すべき内容の1つが、送電ロスとエネルギー問題、太陽光発電の関係性です。

そこで今回は、送電ロスの原因や対策について詳しくご紹介します。太陽光発電で環境負荷を低減できるか知りたい方や、太陽光発電の導入を検討している方などは参考にしてみてください。

送電ロスとは?

送電ロスは、送電の際に電力が損失する現象です。

発電所で発電された電気は、超高圧変電所から一次変電所、中間変電所、配電用変電所、柱上変圧器を通って住宅や工場、ビルなどへ送電される仕組みです。また、電力は送配電線や変圧器の電気抵抗、変電所の消費電力といったさまざまな影響を受けるため、数%程度減少してしまいます。

送電ロス率は年々下がっているため効率化が進んでいる

日本の送電ロス率は低下傾向なので、効率のいい送電環境といえます。

経済産業省の「約款上の送電ロスの取扱いについて」によると、日本の送電ロスは低圧電力で6.9~9%程度、高圧電力で2.5~5.6%、特別高圧電力で1~2.9%といった割合で推移しています。

出典:経済産業省

なお海外の送電ロスは、インド19%、ハイチなどで50%超えなど、損失の大きな状況です。エネルギー問題を解決するには、このような送電ロスの改善方法に関する技術開発も進めなければいけません。

送電ロス「ゼロ」へ向けた素材が開発中

送電ロス問題を改善するために、JR系の研究機関などでは超電導送電という新技術の実用化へ向けて研究開発を進めています。

超電導とは、超低温の状態で送電を行うと電気抵抗をゼロにできる技術のことです。具体的には、臨界温度(Tc)という超電導状態の温度まで下げると、電流の抵抗値を抑えられます。送電ロスの原因は熱なので、超電導状態なら熱による損失を防げる仕組みです。

超電導送電技術は上記の技術を応用した送電技術で、昭和電線ケーブルシステムや鉄道総合研究所などで実証実験が進められています。

実用化された場合は送電ロスをほぼゼロに抑えられるため、発電量の不安定な再生可能エネルギーの電力を効率よく活用できます。さらに再生可能エネルギーの普及につながる可能性があります。

なぜ送電ロスが環境や社会に影響を与えるのか?

続いては、送電ロスと環境や社会への影響についてわかりやすく解説していきます。

エネルギーの損失を招いている

冒頭でも解説したように、送電ロスは電力というエネルギーの損失を招いている現象です。気候変動問題をはじめとした社会・環境問題には、エネルギーの大量消費や枯渇といった問題も含まれています。

たとえば火力発電は、一定の電力を長時間発電可能な電源です。しかし、化石燃料を使用しなければいけないため、効率よく発送電できなければその分温は室効果ガスの排出量増加につながります。

また、再生可能エネルギーは代替エネルギーとして注目されているものの、一定の電力を発電できません。送電ロスが増えれば増えるほど効率よく送電できませんし、主力電源として活用することも難しいといえます。

このように、エネルギー問題を解決するには送電ロスについても向き合う必要があります。

電力会社の経済的デメリットにつながっている

送電ロス問題は、電力会社や電力業界全体の経済的損失につながっています。

送電ロスがゼロの場合なら、発電した電力を全て売電できますし、電力の発電・送電コストを抑えられます。大手電力会社にとっては、送電ロス低減に向けた対策費用や負担を軽減できます。また、発電所や送電設備、送電線の数や規模を抑えながら電力供給できるため、維持管理にかかる費用も抑えることが可能です。

太陽光発電の売電は環境負荷低減につながっている?

環境経営を行っている方の中で送電ロス問題に注目している方は、太陽光発電の売電で環境負荷を低減できるのか悩んでいるのではないでしょうか。そこでここからは、太陽光発電の売電による影響について確認していきましょう。

二酸化炭素の排出量削減に貢献

太陽光発電所は、発電時に二酸化炭素を排出しません。そのため、発電時の環境負荷を低減できるのが、環境面における大きなメリットといえます。国内の主力電源は、火力発電と原子力発電です。どちらも電力需要に合わせて安定した電力供給を進められるため、電力品質を保つ上で欠かせません。

しかし、火力発電は化石燃料の燃焼時に二酸化炭素を発生させてしまいますし、原子力発電は事故発生時の放射能汚染リスクもあります。

一方、再生可能エネルギーの太陽光発電は、二酸化炭素や放射能汚染リスクのないクリーンなエネルギーです。

産業用蓄電システムと組み合わせれば、日中に発電した電気を夜間に消費もしくは送電できます。より効率的に発電や蓄電できれば、主力電源として活用できる可能性があります。

送電ロスが発生しているため電力会社にとって負担が発生している側面も

太陽光発電を活用した売電時には、送電ロスも発生しています。

太陽光発電にかぎらず、再生可能エネルギーやその他発電設備は、送電の際に電気抵抗によって数%程度電力を損失しています。そのため、電力会社の経済的デメリットやエネルギー損失による環境負荷という点では、課題の残されている設備といえます。

ただし、環境問題を解決するために太陽光発電を廃棄するという選択は、自社にとって経済的損失を招く可能性がありますし、廃棄による環境負荷も発生します。

脱炭素経営の一環として太陽光発電を手放す場合は、次に紹介する売却を検討してみるのが大切です。

送電ロスを含めた環境や経済的負担を最優先にするなら太陽光発電の売却という方法も

送電ロスによる環境負荷や経済的負担といった影響を重視している時は、セカンダリー市場へ太陽光発電を売却してみるのもおすすめです。ここからは、太陽光発電所を所有している方に向けて廃棄より売却すべき理由やメリットを紹介していきます。

他社が設備を有効活用してくれる

中古太陽光発電所の売却は、撤去・廃棄と異なり再利用という環境負荷低減につながります。

FIT型中古太陽光発電所のセカンダリー市場では、個人や企業によって取引が行われています。特にFIT型中古太陽光発電所は、運用しやすさや固定買取価格という点で需要の高い設備です。そのため、多くの買い手が日々物件の情報収集や購入検討を進めています。

太陽光発電所を撤去・廃棄してもらう場合、解体工事に伴うエネルギー消費や廃棄処分に伴う環境負荷などが懸念されます。

一方、設備の売却なら、解体工事や産業廃棄物の処分に伴う環境負荷を避けられますし、再利用というエコな方法を選択できます。

売却益を用いて別の環境事業へ投資可能

FIT型中古太陽光発電所の売却時は、まとまった売却益を得られます。環境事業や活動に資金が必要という場合は、設備の売却益を活用することで費用負担を抑えられます。

FIT型中古太陽光発電所の売却益の相場は、一般的に「年間の売電収入×10」前後です。たとえば、出力50kWの太陽光発電所の年間売電収入は100万円台なので、販売価格を1,000万円台に設定することが可能です。

低圧の太陽光発電物件でも1,000万円台の売却益を得られる可能性があるので、太陽光発電の売却を検討してみてはいかがでしょうか。

仲介サービスがあるので負担をかけずに手続きを進められる

中古太陽光発電物件に関する売買仲介サービスを利用すれば、手続きの手間や負担をかけずに売却できます。

太陽光発電所を売却するには、買い手探しから始まり、契約書類の作成や名義変更手続き、買い手との交渉やトラブル対策などをこなしていく必要があります。

売買仲介サービスへ相談すれば、HPへの物件掲載や査定、買い手との交渉や契約手続き、売却後のトラブル対策まで対応してもらえます。

15,000件を超える実績を持つとくとくファームでは、専任のアドバイザーが査定や現地調査、売却額アップへ向けた提案、買い手との交渉や各種手続き、売却後の税務処理まで一括サポートします。

太陽光発電所の売却をご検討の方は、30秒で査定完了のかんたん査定や詳細な内容を把握できるしっかり査定、お電話による査定など、さまざまなプランからお気軽にご利用ください。

脱炭素経営を行いながら利益を伸ばしたい場合は中古太陽光発電の導入がおすすめ

送電ロスを理解した方の中で、環境経営や売上アップのために太陽光発電を導入したいという方は、FIT型中古太陽光発電所をおすすめします。

太陽光発電所には種類があるので、目的に合った運用方法を選ぶのが大切です。それでは、FIT型中古太陽光発電所の特徴についてわかりやすく解説していきます。

高い固定買取価格で売電可能なため収益を伸ばしやすい

高い固定買取価格で売電できるのは、FIT型中古太陽光発電所の導入メリットです。

これから新規でFIT認定を受けた場合は、認定年度の固定買取価格で売電を始める必要があります。たとえば、2023年度の固定買取価格は、1kWhにつき10円です。(出力10kW以上5kW未満)

固定買取価格は年々下落傾向で更新されているため、新規FIT認定の方が売電収入を伸ばしにくい傾向といえます。

一方、過去にFIT認定を受けた中古太陽光発電所を購入した場合は、過去の固定買取価格で売電を始めることが可能です。

2017年度にFIT認定を受けた中古太陽光発電所は、1kWhにつき17円の固定買取価格で売電を始められます。(出力10kW以上2,000kW未満)

スピーディに稼働を開始できる

FIT型中古太陽光発電所を導入した場合は、新規で設置するよりスピーディに運用を始めることが可能です。

FIT型中古太陽光発電物件は、既に系統連系(送配電網と接続された状態)されています。また土地と設備をセットで購入できるため、太陽光発電用地の選定や造成工事、設置工事、接続契約などの手間を省略できます。

さらに売買仲介サービスを利用すれば、融資に関するサポートから物件選定、契約手続きまで一括対応してもらえます。太陽光発電事業にかかる手間や負担を抑えたい方は、FIT型中古太陽光発電所を導入してみてはいかがでしょうか。

二酸化炭素の排出量を大幅に削減できる

FIT型中古太陽光発電所は、他の太陽光発電事業と同じく二酸化炭素の排出削減効果を得られます。送電ロスによる環境負荷は発生するものの、二酸化炭素の排出量削減で脱炭素化に貢献できますし、電力使用による環境負荷を低減することが可能です。

また、太陽光発電事業は二酸化炭素排出量を記録しやすく、なおかつ脱炭素経営をアピールする上で活用しやすい設備といえます。

太陽光発電を検討する際は送電ロスにも着目!

発電所で発電された電気を送電する場合は、送電ロスによって数%程度損失します。たとえば、送電時の電気抵抗などで100%の電力が95%まで減少してしまうイメージです。

太陽光発電の売電時にも送電ロスが発生するため、電力会社の経済的デメリットという点で負荷のある設備といえます。しかし、発電時に二酸化炭素を排出しないため、化石燃料の採掘や火力発電の温室効果ガス排出といった環境負荷低減に貢献できます。

環境負荷の低減を徹底するために太陽光発電を売却したい方や、脱炭素経営や売上アップへ向けて太陽光発電事業の準備を進めたい方は、この機会にとくとくファームを検討してみてはいかがでしょうか?

とくとくファームは、中古太陽光発電所の買取や売却、購入に関するサポートを行っています。太陽光発電所を手放したい時は、環境負荷のかかる廃棄よりもセカンダリー市場への売却を検討するのがおすすめです。弊社の場合は、最短3日で現金化を進めることが可能です。また、売却後の税務処理に無料で対応しています。

まずは、とくとくファームHPのかんたん査定やしっかり査定、お電話からお気軽にご相談ください。

これから太陽光発電を導入したい場合は、専任のアドバイザーが売りに出されている全国の物件からお客様のご要望に合った物件をご提案いたします。また、売買にかかる手続きを全てサポートいたしますので、初めての方でもスムーズに導入できます。

お電話やメールフォームだけでなく、無料の個別セミナーでは太陽光発電投資の基礎から丁寧にご説明いたしますので、ぜひご相談ください。

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