太陽光発電の買い替えとは?課税負担や注意点についても解説

太陽光発電の買い替えとは?課税負担や注意点についても解説

費用や劣化などの理由から太陽光発電所の買い替えを検討する場合は、税金の負担や税務処理についても把握しておく必要があります。

そこで今回は、太陽光発電の買い替えに伴う課税負担や消費税還付についてわかりやすくご紹介します。太陽光発電所の買い替えを検討している方や、太陽光発電の売却に伴う税務処理を確認しておきたい方などは参考にしてみてください。

太陽光発電の買い替えとは?

この記事で紹介する太陽光発電の買い替えとは、現在所有している太陽光発電所をセカンダリー市場へ売却したのち、中古太陽光発電所を購入して運用していく流れのことです。

免税事業者の場合は、買い替えと共に消費税課税事業者への切り替えと消費税還付、減価償却を活用することで、売却益をより多く残せる場合があります。太陽光発電の買い替えは、単に経年劣化に伴う設備交換だけでなく、売却益を増やす際に検討するメリットもあります。

ちなみに以下の記事では、免税事業者の特徴と太陽光発電の買い替えによるメリットや仕組みについて詳しく解説しています。気になる方は参考にしてみてください。

個人による太陽光発電の買い替えでどのような課税負担がかかる?

太陽光発電の買い替えは、売却益を伸ばす方法としてもメリットがあります。ただし、買い替えや売電の際には課税による負担がかかるため、事前にその種類や仕組みを把握しておかなければいけません。

続いては、個人で太陽光発電の買い替えを行った際にどのような税金がかかるのかについて、わかりやすく解説していきます。

売却益に対する所得税

太陽光発電所を売却する場合は、売却益に対して所得税がかかります。ちなみに、太陽光発電所に対する売却益の扱いは譲渡所得です。譲渡所得は、土地や建物の譲渡によって得た所得にかけられる税金のことです。

大きな特徴は、土地や建物の所有期間によって税金の計算方法に違いが出てくるという点です。

所有期間 課税対象
5年未満の所有期間 譲渡所得の全額
5年以上の所有期間 譲渡所得の50%

なるべく譲渡所得税の負担を抑えたい場合は、5年以上稼働させるのがポイントと言えます。この場合、所得のうち2分の1のみが課税対象となるので、課税額を抑えることができます。

所得税の計算は以下のとおりです。

  • 売上-(設備や土地の取得費用+売却時の費用)=譲渡益
  • 譲渡益-50万円の特別控除=譲渡所得
  • 譲渡所得×税率=納付しなければいけない税額

また、所有期間5年未満の短期譲渡所得に対する税率は30%ですが、5年以上の長期譲渡所得に対する税率は15%となっています。

税率という点でも、太陽光発電所を5年以上運用するのが課税負担の軽減につながりやすいと言えます。

出典:
国税庁ホームページ 1
国税庁ホームページ 2

買い替え後の売電収入に対して課税負担が発生

太陽光発電所の買い替えを行った場合、新たに購入した太陽光発電の売電収入に対しても税負担が発生します。

売電収入に対して課せられるのは所得税です。所得税とは、売上からさまざまな経費を差し引いた所得に対する税金のことです。

給与および退職所得以外の年間所得が20万円を超えた場合、確定申告を行う必要があります。具体的には、売電収入から経費を差し引いた年間所得が20万円を超えている、もしくは売電収入と他の所得を合わせて年間20万円を超えている場合に確定申告を行います。

所得税の基本的な仕組みについては、以下のとおりです。

  • 年間の売電収入-年間の経費=所得
  • 所得から基礎控除などを差し引き、課税所得額を計算
  • 課税所得額×所得税率=納付額

太陽光発電所の売電収入に対しては、「(年間の売電収入額-経費)-発電所簿価」という式で所得を求めます。発電所簿価とは、減価償却の際に残った金額のことです。(減価償却:事業用に購入した設備費用を指定された年数に分けて計上)

課税所得を抑えるには、必要経費として認められるメンテナンス費用などの項目を帳簿付けの際に記録しておくのが大切です。

出典:
国税庁ホームページ 1
国税庁ホームページ 2

所得税の確定申告後に住民税の通知が送付される

太陽光発電所の売却や売電収入に関する確定申告を行ったあとは、住民税の納付も求められます。

住民税は、「課税所得×(10%の所得割額+均等割額)」という計算式で求められます。均等割額という項目は自治体によって異なるので、事前に自治体HPや窓口、通知書で確認しておきましょう。

会社員として働いている場合は、所得税の確定申告の際に申告書類で住民税の徴収方法を選択できます。特別徴収では、給与とその他の所得が合算されます。また、給与天引きの際に太陽光発電に対する住民税も徴収される仕組みです。

ただし、住民税の金額から会社に副業を知られてしまうことがあるので覚えておきましょう。

普通徴収の場合は、給与所得以外の所得に対する住民税を自身で納付していく方法です。そのため、会社に副業を行っていることを知られにくいというメリットがあります。ただし、必ずバレないというわけではないため、事前に就業規則や職場で副業について確認しておくといいかもしれません。

固定資産税

屋根材一体型の住宅用太陽光発電、もしくは出力10kW以上の太陽光発電を導入した場合は、固定資産税がかかります。

固定資産税とは、土地や建物などに対して課せられる税金のことです。毎年4~6月頃に納付通知が届き、口座振替やクレジット決済などで支払います。

計算式は「固定資産税評価額×税率1.4%」と、いたってシンプルです。固定資産税評価額は、一般的に公示価格(地価)の70%程度で算定されています。

法人による太陽光発電の買い替えでどのような課税負担がかかる?

続いては、法人の太陽光発電の買い替えでどのような課税負担がかかるのかわかりやすく解説していきます。

売却益に対する法人税

法人が太陽光発電所を売却する際は、売却益に対して法人税と法人事業税、法人住民税がかかります。

法人税とは、自社の事業活動で得た所得にかかる税金のことです。所得は、益金から損金を差し引いて算出します。(益金:税務上収益としてみなされるもの 損金:税務上費用としてみなされるもの)

法人事業税や法人住民税は、自社の事業活動に対して管轄自治体から課せられる税金です。法人事業税については黒字の場合にかかり、また法人住民税は、法人税と法人税割、均等割によって変動します。

法人税割の税率は7%で、均等割の金額は資本金や従業員数などによって変わるのが特徴です。

買い替え後の売電収入に対する税金

太陽光発電所の買い替え後に売電を行う場合、売電収入や他の事業で得た利益から必要経費を差し引いた事業所得に対して課税されます。

また事業所得にかかる税金は、前段でも紹介した法人税です。年間の利益から必要経費を差し引いた事業所得が、課税対象の所得としてみなされます。

ちなみに太陽光発電所の保守点検費用や固定資産税などは、必要経費として計上することが可能です。

固定資産税

事業用太陽光発電を買い替えて運用継続する場合は、固定資産税の対象設備としてみなされます。

計算方法は前半の個人に対する固定資産税の項目と同じく、「固定資産税評価額×税率1.4%」です。また固定資産税の通知書は、毎年4~6月頃に送付されます。

太陽光発電に買い替えメリットはある?

太陽光発電の買い替えに伴う課税負担について把握したあとは、買い替えのメリットについて確認していきましょう。冒頭でも軽く触れたように、太陽光発電の買い替えは、利益を伸ばす手段としても役立つことがあります。

長期運用による劣化リスクを回避できる

太陽光発電所の買い替えは、経年劣化によるさまざまなリスクの回避につながります。

太陽光発電設備は、一般的に設置から30年以上運用できるとされているものの、徐々に経年劣化していきます。またメンテナンスフリーではないので、定期的に保守点検や部品交換などを行わなければ、故障する確率が高まります。

買い替え前より稼働年数が短い、もしくは設備状態のいい中古太陽光発電所に替えることで、経年劣化による発電効率低下および売電収入低下を回避することが可能です。

消費税還付で固定買取価格の下落対策が可能

免税事業者として太陽光発電の売電を始められる場合は、消費税還付で売却益をより多く残すことが可能です。

FIT制度の固定買取価格は毎年改定されています。また下落傾向で推移しているため、売電収入を伸ばしにくい状況でもあります。

そこで、太陽光発電所の買い替えと消費税の課税事業者・免税事業者への切り替えを組み合わせれば、売却益および消費税の還付によって利益を多く残しながら売電事業を継続することができます。

太陽光発電事業において売電収入をベースに考えている場合は、発電効率の改善だけでなく、買い替えも検討してみるのがいいでしょう。

減価償却による節税効果が期待できる場合も

太陽光発電所の法定耐用年数は17年なので、17年間減価償却を受けられます。減価償却とは、事業用資産の価値を法律で指定された年数に分け、費用計上していく経理上の手続きを指します。

法定耐用年数17年の太陽光発電を購入した場合は、「購入費用÷17年」という定額法、もしくは「購入費用÷償却率」という定率法で年間の経費を設定することが可能です。なお、太陽光発電の償却率は11.8%です。

太陽光発電を買い替えれば都度減価償却ができるので、「経費計上=課税所得の抑制」につながる場合があります。

太陽光発電の買い替えタイミングは?

太陽光発電を買い替えるタイミングは、目的によって変わります。

たとえば、長期的に太陽光発電所を運用していきたい場合は、費用回収後や経年劣化の進んだタイミングで買い替えるのがおすすめです。一方、免税事業者でなおかつ消費税の還付などを活用したい場合は、4年スパンで太陽光発電所を買い替える必要があります。

太陽光発電の買い替えならまず売買仲介業者へ相談!

さまざまな理由から太陽光発電の買い替えを検討している時は、まず太陽光発電専門の売買仲介業者へ相談してみましょう。

最後は、太陽光発電の売買仲介業者の強みや相談するメリットについてわかりやすく紹介していきます。

太陽光発電所の査定から買い手探しを含めてサポート

太陽光発電の売買仲介業者は、太陽光発電所や太陽光発電用地の査定をはじめ、売却額アップへ向けたメンテナンスや洗浄、物件情報の作成と掲載、買い手との交渉や契約手続きまで総合的にサポートしてくれます。

さらに、売却後の税務処理まで代行してくれるサービスもあるので、売却後の課税負担の軽減が期待できます。

中古太陽光発電所の購入についてもサポートしてもらえる

太陽光発電の買い替えでは、中古太陽光発電所を購入した方がいい場合もあります。中古太陽光発電所は新規設置より高い単価で売電を始められるため、売電収入を伸ばしやすいのが理由の1つです。

また売買仲介業者は、買い手に対しても物件情報の紹介や購入手続きの代行など、導入までの負担や手間の軽減に向けたサポートを行っています。

そのため、スムーズに中古太陽光発電所を導入しやすく、なおかつ物件情報から過去の発電実績や収支を確認することも可能です。

太陽光発電の買い替えは売買仲介業者に相談するのがおすすめ!

太陽光発電の買い替えは、経年劣化や故障だけでなく利益を伸ばす際にもメリットのある選択だと言えます。また、中古太陽光発電の方が高い固定買取価格で売電しやすいため、売買仲介業者に売却から購入まで相談するのもおすすめです。

太陽光発電の利益を伸ばしたい方や太陽光発電の買い替えに伴うメリットが気になる方は、今回の記事を参考にしながら太陽光発電の売却を検討してみてはいかがでしょうか。

弊社とくとくファームでは、中古太陽光発電所の査定からメンテナンス、物件情報の掲載や買い手との交渉と契約手続きを総合的にサポートしています。また、スピード買取にも対応しているので、早く買い換えたいという方にも利用しやすいサービスと言えます。

まずは、お電話や30秒で完了のかんたん査定、詳細な内容を確認いただけるしっかり査定などから、お気軽にご相談ください。

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