建物や土地にかかる固定資産税は、太陽光発電にも適用される場合があります。しかし太陽光発電事業を始めた方の中には、固定資産税の仕組みなどについてよくわからず悩んでいる方もいるのではないでしょうか。固定資産税の滞納は延滞金の発生、対象設備の差し押さえなどさまざまなペナルティにつながるため、早めに内容を理解しておくことをおすすめします。
そこで今回は、太陽光発電と固定資産税の関係性や計算方法、注意点について詳しくご紹介します。自社の太陽光発電に固定資産税がかかるのか確認したい方や太陽光発電で固定資産税が発生する場合の対処方法を知りたい方などは、参考にしてみてください。
固定資産税についておさらい!
固定資産税とは、土地や建物、償却資産といった固定資産に対してかかる税金のことです。(償却資産:事業に用いられる設備)
徴収した税金は、道路や学校などの公共設備をはじめ施設の維持管理や整備、介護福祉関連サービスなどに使われます。
固定資産税は市町村税なので、管轄の自治体で管理されます。固定資産を所有している場合は、納税通知を受け取ったのち一括もしくは4期にわけて納付します。
太陽光発電は固定資産税の対象?
固定資産税の概要を把握したあとは、太陽光発電が課税対象かどうかについて確認していきましょう。太陽光発電を所有している方やこれから太陽光発電を設置する場合は、把握しておくことをおすすめします。
住宅用太陽光発電
住宅用太陽光発電は原則として非課税です。
住宅用太陽光発電とは、出力10kW未満の太陽光発電を指しています。出力は、太陽光パネルの瞬間的な発電能力を示しています。複数枚のパネルを組み合わせるほど、出力も増えていきます。
住宅用設備として住宅用太陽光発電を設置している場合は、固定資産税としてみなされません。
なぜなら、事業用ではないためです。しかし、店舗の屋根など自宅兼店舗に設置している場合や住宅用設備として認められない場合は、住宅用太陽光発電でも固定資産税の対象となる可能性があります。
自宅の屋根と一体型の住宅用太陽光発電は住宅の一部とみなされるため、固定資産税の対象になります。
産業用太陽光発電
産業用太陽光発電は償却資産であり、原則課税の対象設備です。産業用太陽光発電は出力10kW以上の太陽光発電を指します。一般的には、野立て太陽光発電や企業の自社ビル・工場・倉庫の屋根などに設置された設備がこれに相当します。
住宅の屋根面積によっては、出力10kW以上の太陽光発電を設置できる場合もあります。また、自宅の屋根に産業用太陽光発電を設置した場合は、固定資産税の課税対象としてみなされます。
評価額によっても対象設備かどうか変わる
固定資産税の対象資産としてみなされた場合でも、償却資産の評価額が150万円以下なら課税対象から外されます。産業用太陽光発電の法定耐用年数は17年なので、ここを境に毎年減価償却していきます。
減価償却ということは、毎年少しずつ償却資産の価値も下がっていくことになります。そして評価額が150万円で資産価値が下がった段階で、固定資産税の対象外になる仕組みです。
特に低圧太陽光発電を導入している場合では、評価額が150万円以下に下がる可能性もあります。
太陽光発電にかかる固定資産税の計算方法
固定資産税を計算する際は、以下の流れで行います。
- 取得額×(1-0.127)=課税評価額
- 課税評価額×1.4%=課税額
取得額は、太陽光発電の購入費用を指しています。0.127とは減価率のことで、償却資産ごとに定められています。また償却資産を購入した初年度は、2分の1にあたる0.064で課税評価額を計算します。
課税評価額を計算したあとは、1.4%をかけるだけです。1.4%は固定資産税の税率で、自治体ごとに決められています。一部の自治体では違う税率を採用しているので、事前に管轄の自治体HPや窓口で確認しておきましょう。
太陽光発電を含む固定資産税の申告方法
固定資産税の課税対象としてみなされた場合は、毎年4~6月頃に納税通知書が届き、その金額を支払います。納付の回数は一括または4回のいずれかを選択できます。
一括払いの場合は、4月末日までに全額納付しなければいけません。
4回払いの場合は、6月30日・9月30日・12月27日・2月28日といった各期限に間に合うよう支払い方法を設定したり手続きを進めたりする必要があります。
支払い方法は、自治体窓口やコンビニなどでの現金払い、口座振替、クレジットや電子マネー決済、ペイジー、スマホ決済の6種類があります。
太陽光発電の固定資産税を抑えるには?
太陽光発電にかかる固定資産税を抑える方法は、現時点でないといえます。固定資産税や維持管理費用で悩んでいる場合は、後半で紹介するセカンダリー市場への売却を検討することをおすすめします。
固定資産税の支払いが遅れたらどうなる?
固定資産税の支払いが遅れてしまうと、ペナルティなども課されます。そのため、支払いが遅延しないよう注意しましょう。それでは、固定資産税の支払い遅延で生じるペナルティについて紹介します。
延滞金が発生
固定資産税の納付期限を過ぎてしまうと、延滞金が発生します。
固定資産税の延滞金は、年度によって変更されることもあります。2022年度の場合は、納付期限の翌日から1ヵ月を経過する日まで2.4%、1ヵ月を経過すると8.7%へ引き上げられる仕組みです。
太陽光発電にかぎらず、固定資産税の対象資産を所有している時は、納付期限を過ぎないよう口座振替を設定するなどの対策を施しましょう。
状況によっては差し押さえの場合あり
固定資産税の状況によっては、市町村から財産を差し押さえられる可能性もあります。
市町村が催促状を発行してから10日を経過しても納付しない場合、財産を差し押さえられてしまいます。また、差し押さえられたあとも固定資産税を納付しなかった場合は、財産が競売にかけられます。
経済的な理由などやむを得ない事情がある場合は、市町村へ納付の猶予や免除に関する相談および申請手続きを行いましょう。
太陽光発電の負担に耐え切れない場合は売却を検討
太陽光発電の維持管理作業や費用、固定資産税の負担に耐え切れない時は、設備一式を売却するのがおすすめです。中古太陽光発電は需要の高い設備なので、数年以上使用していても高い確率で買い手を見つけられます。
それでは、太陽光発電の売却に関する特徴を紹介していきます。
売却益を得られる
売却益を得られるのは、太陽光発電ならではのメリットといえます。
太陽光発電を廃棄する場合、解体撤去にかかる費用を負担しなければいけません。一方、セカンダリー市場で太陽光発電を売却した場合、解体撤去の費用負担はありませんし、売却益を得られます。
また売却額については、売電収入に対して10倍前後の金額で取引されていることもあります。そのため、まとまった資金を調達したい場合にも役立つのが、売却の強みです。
中古太陽光発電の需要はある
中古太陽光発電は需要が高いため、数年以上使用した設備でも買い手がつきやすい状況です。
FIT制度の固定買取価格は年々下落していて、売電収入を伸ばしにくくなっています。また、廃棄費用の積立など維持管理費用の負担も増加していて、新規で売電型太陽光発電を運用することは難しい傾向にあります。
そこで多くの企業や投資家は、固定買取価格の高い年にFIT認定を受けた中古太陽光発電に注目しています。
2012年や2013年など過去にFIT認定を受けた中古太陽光発電を購入した場合、当時の固定買取価格で売電を始めることが可能です。そのため、セカンダリー市場は盛り上がっているのです。
固定資産税などの負担で早期に太陽光発電を手放したい時は、セカンダリー市場への売却を検討してみてはいかがでしょうか。
売買仲介サービスへ依頼することが可能
中古太陽光発電の売買仲介サービスを利用すれば、取引未経験者でも簡単に手続きを進められるのも強みです。
売買仲介サービスは、文字どおり買い手と売り手の間に入り、太陽光発電の洗浄やメンテナンスを行った上で売却物件として管理します。またサービスによっては、売却後のサポートまで対応してくれます。
そのため、売買契約手続きや売却へ向けた準備などといった手間を省略できますし、買い手との交渉といった手間を抑えられます。
とくとくファームの場合は、迅速に査定額をご提案し、売却へ向けたご判断をスムーズに進められるようサポートいたします。また、売却を希望の際は、専門スタッフによるメンテナンスや洗浄を実施し、少しでも査定額をアップするための作業を行います。
無料の税務処理などといったサポートも完備しているので、売却後の税負担について悩んでいる方もお気軽にご相談ください。
固定資産税は太陽光発電にもかかる場合あり!
固定資産税は太陽光発電にもかかる可能性があります。特に出力10kW以上の太陽光発電や屋根と一体型の住宅用太陽光発電を設置している場合は、課税対象としてみなされます。
太陽光発電の維持管理負担に悩んでいる方や固定資産税の負担などで収支のバランスを維持できない時は、今回の記事を参考にしながら太陽光発電の売却を検討してみてはいかがでしょうか。
とくとくファームでは、全国から中古太陽光発電所の売却に関するご相談を受け付けています。また、最短10日での買取や即日の無料査定など、スピーディな対応も心がけております。
物件のWeb掲載料や仲介手数料はすべて無料なので、売却にかかるコストを気にせずお気軽にご相談ください。
また、お急ぎの方はお電話もしくは30秒で査定完了のかんたん査定をご利用ください。じっくり査定額を確認したいという場合は、しっかり査定サービスや資産価値査定サービスをぜひご利用してみてください。