相続や贈与で土地を所有した方や土地の利用機会がない方は、どうすれば高く売れるのか悩んでいるのではないでしょうか。土地を高く売るには、境界線の確定や地盤調査などいくつかのポイントを押さえておく必要があります。
そこで今回は、土地を高く売る方法や注意点について詳しくご紹介します。土地の査定価格が安くて悩んでいる方や、土地を高く売る方法がわからない方などは、参考にしてみてください。
土地を高く売る方法とは?基本的な10のポイント
土地を高く売るには、いくつかの要点を押さえながら準備しましょう。特に売却しやすい状態にしておくことが、土地の価値を高める上で重要です。
それでは、土地を高く売るために覚えておくべき10個の基本的なポイントをわかりやすく解説していきます。
1.土地の境界線を定めておく
土地の境界線があいまいな場合は、境界を明確に定めておきます。
境界線のあいまいな土地は、面積も明確に定められていません。また隣接している土地の所有者とトラブルになるリスクもあるため、土地価格にも影響を与えます。
土地の境界線については、法務局から境界確定図などを取り寄せることで確認できます。また未確定の場合は、隣接している土地の所有者と協議しながら測量会社へ境界線の測量および書類・測量図の作成を依頼しましょう。
2.越境物がある場合は早めに処分する
隣接している土地との間に木々やブロック塀などがある場合、越境物の処分やトラブルリスクの回避へ向けた手続きを進めます。(越境物:隣接している土地を超えて設置されている物、木々など)
隣人トラブルリスクのある土地は、買い手にとって購入をためらう要素の1つです。また、土地の価格を下げなければ購入されない可能性もあるため、売却前に解決しておくのがおすすめです。
具体的には、越境物を撤去・処分もしくは越境の覚書を締結します。越境の覚書は、隣人と協議しながら越境物の取り扱いや所有者などを文章に残したものです。
3.土壌汚染の調査を実施
土地の価値を高めるには、安全性を明確にしておくのも大切です。
過去に工場やクリーニング店などが建てられていた土地は、土壌が汚染されている可能性があります。中でも、過去に特定有害物質を使用していた工場が稼働していた土地では、土壌汚染調査の義務が課されます。
また、たとえ土壌汚染調査義務のない土地であったとしても、買い手から土地の安全性について確認が求められる場合もあります。
土壌汚染を調べたい時は、土壌汚染調査会社へ過去の土地利用履歴や土壌のサンプリングを依頼してください。
4.地盤調査を行う
地盤の状態が明確な土地は、買い手からの信頼を得やすく、資産価値の向上につながります。
日本は地震大国でもあるため、地盤の強い土地の方が買い手を集めやすいと言えます。また信頼性という面でも、土地の価値を高める上で地盤調査は重要です。
地盤調査会社を探す際は、地質調査技士などの資格を取得した専任技術者の在籍している実績豊富な会社から比較検討しましょう。
5.古家のある場合は状況に応じて撤去のタイミングを検討する
売却予定の土地に古家が建てられている場合は、撤去を前提に売却計画を立てていくのが重要です。
一般的に土地を求めている買い手は、古家といった建物や越境物のない土地を検討します。そのため、古家付きの土地を所有している場合は、解体撤去した方が資産価値を高めながら売却できます。
ただし、古民家付きの土地を探している買い手に向けて売りたい時は、古家のリフォームやリノベーションなどの準備を進めましょう。
なお古家の解体撤去のタイミングについては、売買契約を交わした後に進めるという選択もあります。土地にかかる固定資産税は、更地より古家付きの方が安く設定されます。つまり、土地の売買契約を決めるまで古家を残しておけば、固定資産税の負担を抑えられる可能性があることになります。
6.地価が値上がりしているタイミングで売却する
土地を高く売るには、地価についても注目しましょう。地価は土地の単価を指す用語で、値上がりすればするほど土地が高く売れる状況に変化します。
各エリアの地価は、毎年公表されている地価公示価格から確認できます。主な変動要因は、景気や周辺地域の開発、交通機関の整備、災害など複数あります。
7.土地の外観を整えておく
土地の外観を整えておけば、資産価値や評価を上げられる可能性があります。たとえば、雑草を大量に放置している場合は、速やかに除草作業を進めましょう。また、ゴミなどが放棄されている場合も、同様に撤去および清掃しておきます。
個人で清掃・除草作業できない、土地が遠方にありすぐに赴けない時は、除草作業の代行業者や残置物などの撤去を専門とする業者へ相談するのもおすすめです。
8.土地の利用履歴から埋設物などを把握しておく
土地の利用履歴を調べておくことで、土地の評価を高めたりや売却後のリスクを抑えたりできます。
土地の利用履歴には、過去に建てられていた建物や地中埋設物についても記載されています。地中埋設物は、地中に埋まっている廃棄物などを指しています。
そのため、土地の利用履歴も含めて買い手に土地の情報を伝えれば、信頼性を高められますし、情報不足による値下げ交渉も避けられます。
9.形状の複雑な土地は買い増しを検討
複雑な形状の土地を売る場合は、隣接している土地を買い増すことで売却額をアップできることもあります。
不整形地(正方形や長方形以外の形状)は、建物を建てにくいことから買い手がつきにくい傾向です。そのため、場合によっては土地を値下げしなければいけないケースも出てきます。
そこで隣接している土地を買い増して整形地(正方形や長方形といった形状の土地)にできれば、値下げしなくとも買い手を集めることが可能です。
10.土地の面積に応じて分割しながら売却も視野に入れる
土地が広すぎて買い手を集められない時は、分割(分筆)して売却することも検討するといいでしょう。
分割した土地を登記すれば、土地の一部を売却することが可能です。また住宅地として売却する予定があれば、50坪前後の面積に分割した方が坪単価をアップできます。
ただし、分割した土地を同時もしくは連続で売却すると、宅地建物取引業法違反とみなされてしまいます。そのため、土地を分割して高く売りたい時も、実績豊富な不動産会社へ相談するのが大切です。
土地はどれくらいで売れる?
土地を売却するまでの期間は、一般的に3~6ヵ月程度です。
具体的には、不動産会社への相談および査定依頼から、契約および売却額の設定までに3週間前後かかります。売り出しを始めてから売買契約を交わすまでには、最短1ヵ月程度、長いと3ヵ月程度かかる傾向です。
また、売買契約から土地の引き渡しまでにかかる期間は、1~2ヵ月前後です。
土地を売る際の注意点
続いては、土地を売る際の注意点について1つずつ確認していきましょう。
土地売却時にかかる費用を把握する
土地の売却時にかかる費用は、以下のとおりです。
項目 | 概要 |
---|---|
仲介手数料(売買契約成立時に不動産会社へ支払う費用) |
売却額200万円以下の場合は、売却額×5%(法定の上限) 売却額200万円を超えて400万円以下の場合は売却額×4%+2万円 売却額400万円を超える売却額×3%+6万円 |
所得税(購入時の費用より売却益が高い場合にかかる) |
土地の所有期間5年未満:税率30% 土地の所有期間5年超:15% |
登録免許税(登記の際にかかる費用) |
登記の費用は1回につき1,000円前後 登記を司法書士へ依頼した場合は、1万円以上の依頼費用がかかる |
印紙税(契約書へ印紙を貼る際にかかる税金) |
売却額100万円以下:500円 売却額500万円以下:1,000円 売却額1,000万円以下:5,000円 売却額5,000万円以下:10,000円 |
その他 | 測量や整地、測量や整地、古家の撤去を依頼した際の費用 |
特に仲介手数料や測量費用、整地、古家などの撤去費用は各業者によって異なるため、相見積もりを取り、サービス品質と価格を比較しながら依頼先を慎重に検討しましょう。
悪質な業者へ相談しないよう免許番号を確認
悪質な不動産会社へ相談しないためには、免許番号の確認が大切です。
免許番号とは、正式な手続きを行った上で事業を展開している不動産会社に割り当てられている登録番号のことです。自治体の認可を受けなければ免許番号は割り当てられないので、番号のない不動産会社に相談しないよう気を付けましょう。
また免許番号を確認できれば、国土交通省のHPから過去5年間の間に行政処分を受けた不動産会社かどうかも知ることができます。
土地を売るのがもったいないと感じる場合は?
土地を売るのがもったいないと感じてきた場合は、売却以外の選択肢を模索してみましょう。
具体的には、駐車場経営のために土地を整備したり、貸し農園として一般の方へ貸し出したりといった土地活用もあります。また、山間部や人の集まりにくい場所にある土地を所有している時は、太陽光発電投資向けに活用してみるのもおすすめです。
太陽光発電投資の場合、人通りや交通の利便性などに弱点のある土地であっても、日当たりがよければ売電によって収益を得られます。また太陽光発電投資の場合は、FIT制度などの支援制度や天候データなどで、年間の収支やいつまでに費用回収できるかなどを計算することも可能です。
土地の査定価格が安い時は太陽光発電専門業者へ土地売却の相談のもおすすめ
どうしても土地が高く売れない時は、太陽光発電専門業者へ売却の相談をしてみるのがおすすめです。それでは、太陽光発電用地として売却するメリットについて確認していきましょう。
太陽光発電用地としてなら高い査定価格を提示してもらえることも
太陽光発電用地なら、使い勝手の悪い土地でも、日当たりなどに問題がなければ一定の金額で査定してもらえます。
住宅向けの土地として高く売るには、住みやすさや周辺環境、公共交通機関の有無など、さまざまな要素を満たさなければいけません。
一方、太陽光発電用地に必要な要素は、主に日当たりや地盤などです。そのため、山間部や原野といった売り出しにくい状況でも、太陽光発電向けなら需要が高い土地だと言えます。
不動産会社と同じく査定から売買契約まで対応
太陽光発電の売買仲介業者へ太陽光発電用地としての土地売却を相談すれば、不動産会社と同じく査定から売買契約まで一括サポートしてもらえます。
土地売却にかかる手間をなるべくかけたくない、初めて土地を売却する方も相談しやすいのが、太陽光発電用地として売却するメリットの1つです。また太陽光発電の売買仲介業者によっては、売却後の税務処理にも対応してくれる場合があります。
土地を高く売るのが難しい場合は太陽光発電用地として売るのも要検討!
土地を高く売るには、境界線の設定や利用履歴の調査、越境物の処分など、さまざまなポイントを押さえる必要があります。また、査定価格が低い時や買い手を集められない時は、太陽光発電用地として売り出すのもおすすめです。
住宅向けの土地として売り出せない方や買い手を集められない状況で悩んでいる方は、今回の記事を参考にしながら太陽光発電用地としての売却を検討してみてはいかがでしょうか。
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