太陽光発電の買取業者5選!卒FIT後の買取プランや産業用の買取サービスについても解説

太陽光発電の買取業者5選!卒FIT後の買取プランや産業用の買取サービスについても解説

大手電力会社や新電力では、FIT型太陽光発電を行っている方に向けて卒FIT用の電力買取プランを提供しています。FIT制度の終了後も売電を行いたい方にとっては、特にメリットの多いサービスと言えます。しかし、買取プランの種類は多いため、どこを選べばよいのかわかりにくいのではないでしょうか。

そこで今回は、太陽光発電の電力買取業者5社について詳しくご紹介します。産業用だけでなく住宅用太陽光発電も行っている方や、住宅用および産業用太陽光発電の卒FIT後について気になる方などは、参考にしてみてください。

卒FIT後の電力買取サービスとは

卒FIT後の電力買取サービスとは

まずは、卒FIT後やFIT認定を受けていない方が受けられる電力買取サービスについて、仕組みや特徴を確認していきましょう。

卒FIT後の太陽光発電で発電した電力を買い取ってもらえる

電力買取サービスは、固定買取期間終了済みの太陽光発電設備を所有している方に向けたサービスです。

太陽光発電で発電した電気を、契約先の企業に買い取ってもらえるのが特徴です。

FIT制度による電力買取との大きな違いは、太陽光発電のオーナー自身で電力買取サービスと契約を行わなければいけない点です。つまり卒FIT後も引き続き管轄の大手電力会社から電力を買い取ってもらえたり、別のサービスへ切り替えたりすることも可能ということです。

2022年時点では主に住宅用太陽光発電向けに提供

2022年時点で卒FIT者向けの電力買取サービスは、住宅用太陽光発電オーナー向けに提供されています。

出力固定買取期間
出力10kW未満の住宅用太陽光発電認定年から10年間固定価格で売電することが可能
出力10kW以上の産業用太陽光発電認定年から20年間固定価格で売電することが可能

たとえば、2009年にFIT認定を受けた住宅用太陽光発電オーナーは、2019年に固定買取期間が終了しています。このように、産業用より先にFIT制度が終了するため、小売電気事業者では住宅用太陽光発電向けの電力買取サービスを提供しています。

太陽光発電の電力買取サービス5選

太陽光発電の電力買取サービス5選

そこでここからは、住宅用太陽光発電の卒FIT者向けに提供されている電力買取サービスを5つ紹介していきます。

ENEOS太陽光買取サービス

ENEOSグループのENEOS太陽光買取サービスは、卒FIT者向けに提供されている電力買取サービスで、大手電力会社の買取サービスより高い価格で買い取ってもらえます。

以下に買取価格を紹介します。

対応エリア買取価格(1kWhあたり)
北海道11円(各管轄の大手電力会社より2円~3円高い)
東北
東京
中部10円(各管轄の大手電力会社より2円~3円高い)
北陸
関西
中国
四国
九州8円(管轄の大手電力会社より1円高い)

対応エリアは、北海道から九州までと幅広いのが特徴です。さらに買取価格は、大手電力会社と比較して1kWhあたり1~3円高く設定されています。

契約期間に関する縛りはありませんし、解約手数料はゼロ円です。自由に契約を切り替えられる点は、メリットの1つといえます。ただしプランが1種類のため、複数のプランから比較検討したい方には物足りない内容に感じる可能性もあります。

売電収入の受け取り方法は、登録口座先へ振り込んでもらうか、Tカードへチャージしてもらう2種類から選択できます。Tカードで食品や日用品を購入している方にとっては、特に使いやすいサービスと言えます。

スマートテックのスマートFIT

エネルギー関連事業を手掛けている株式会社スマートテックでは、スマートFITという電力買取サービスを提供しています。

特に東北・東京電力エリアに住宅用太陽光発電を設置している方は、高単価で電力を買い取ってもらえます。

対応エリア買取価格(1kWhあたり)
東北11.5円(各管轄の大手電力会社より2.5円~3.5円高い)
東京
中部10円(各管轄の大手電力会社より2円~3円高い)
関西
中国
四国8.5円(各管轄の大手電力会社より1.5円高い)

契約期間は2年間ですが、自動更新制なので継続的に利用でき、また更新手続きの手間を省略できます。契約手数料や解約手数料といった費用負担はありません。

売電収入を受け取るには、事前に受け取り用の口座情報を登録する必要があります。1ヵ月の売電収入が1万円(税込)を超えた場合は指定口座へ振り込んでもらえますが、それ未満の場合は翌月に繰り越されます。

毎月少額でも売電収入を受け取りたい方にはデメリットと言えます。ただし、無料の発電量監視サービス(異常検知など)が付帯されているので、サポートサービスをセットで受けたい方にとってはメリットです。

東急パワーサプライの太陽光余剰電力買取サービス

電気やガスに関するサービスを提供している東急パワーサプライでは、住宅用太陽光発電の卒FIT者や近々FIT制度の満期になる方へ向けた電力買取サービスを用意しています。

東京電力エリアのみ対応で、買取価格1kWhあたり10.9円という設定です。東京電力の買取価格は1kWh8.5円なので、2.4円程度高く買い取ってもらえます。

東京電力エリアに居住および住宅用太陽光発電を設置している方にとっては検討しやすく、なおかつメリットのあるサービスですが、それ以外の方は申し込むことができません。

伊藤忠エネクスの太陽光電力買取サービス

伊藤忠エネクスの太陽光電力買取サービスは、さまざまな電力買取サービスの中でも特に買取単価の高いサービスです。

以下に対応エリアと買取価格を紹介します。

対応エリア買取価格(1kWhあたり)
東北9円(管轄の大手電力会社と同じ価格)
東京16円(管轄の大手電力会社より7.5円高い)
中部13円(各管轄の大手電力会社より6円高い)
関西12円(各管轄の大手電力会社より6円高い)
中国8円(管轄の大手電力会社より0.85~1円高い)
四国
九州

特に東京電力エリアでは、大手電力会社より1kWhあたり7.5円も高く、他の電力買取サービスの中でも高水準といえます。また中部電力や関西電力エリアの買取価格も高めに設定されています。

東京・関西・中部エリアに居住している方は、卒FIT後もしばらく売電収入を伸ばすことが可能です。ただし、2023年4月より1kWhあたり8~9円の通常単価へ戻るため、大手電力会社より1円程度高い水準に留まります。

より高い単価で売電を行いたい場合は、早めに電力買取サービスを比較するのが大切です。

ヘーベル電気の太陽光発電買取サービス

ヘーベル電気の太陽光発電買取サービスは、蓄電池の設置および単価アップという独自プランを提供しているのが特徴です。

ヘーベル電気で電力買取契約を結ぶと、1kWhあたり10円の単価で太陽光発電の電力を買い取ってもらえます。大手電力会社の単価と比較した場合、1~3円程度高い水準で売電収入を得られます。

さらにヘーベル電気の蓄電池を購入および設置した際は、電力の買取価格を1kWhあたり12円にアップしてもらえるのがメリットです。卒FIT後に蓄電池を設置する予定の方は、ヘーベル電気のような蓄電池とのセットプランから検討した方がいい場合もあります。

産業用太陽光発電の卒FIT後はどうすればいい?

産業用太陽光発電の卒FIT後はどうすればいい?

卒FIT後の買取業者について調べている方の中には、「産業用太陽光発電の卒FIT後はどうすればいい?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

産業用太陽光発電を設置運用している場合は、さまざまな方法で運用の継続もしくは利益を得られます。

それでは、産業用太陽光発電の買取業者や買取以外の運用方法について1つずつ確認していきましょう。

将来的に産業向け電力買取サービスが出てくれば活用

産業用太陽光発電向けの電力買取サービスは、2022年時点で極めて少ない状況です。FIT制度の始まった年は2009年で、産業用太陽光発電の固定買取期間は20年間です。つまり、少なくとも2029年にならなければ卒FIT事業者が出てきません。

電力買取企業にとっては、より多くのユーザーが出てくる2029年以降に産業向け電力買取サービスを提供した方がいいでしょう。

そのため、産業用太陽光発電の電力買取サービスは2029年頃から登場する可能性があります。たとえば、再エネアグリゲーションサービスといった再エネ発電事業者向けのサポートサービスの中には、産業用太陽光発電の電力買取を含めて対応してくれるサービスもあります。

FIP制度なら長期間売電を継続できる

FIP制度の場合は、FIT制度と異なり制度の適用期間に関する制限がありません。売電収入を軸にした事業を展開していきたい企業にとっては、メリットの多い制度といえます。

しかし、2022年時点でFIP制度へ移行可能な太陽光発電設備は、出力250kW以上の設備のみです。250kW未満の産業用太陽光発電を設置している企業や個人は、設備規模の拡大もしくは別の方法を検討する必要があります。

自家消費型太陽光発電として稼働を継続

太陽光発電以外の事業を展開している事業者の場合は、自家消費型太陽光発電という選択を検討するのもいいかもしれません。自家消費型太陽光発電は、発電した電気を自社の設備に使用する運用方法です。

太陽光発電の発電量によっては、年間で数10%程度の電気料金削減効果を得られるのが強みです。オフィスや工場を所有している企業や個人事業主などは、特にメリットの多い選択肢といえます。

自家消費への転換が難しい時は売却がおすすめ

自家消費型太陽光発電への転換が難しい、維持管理費用がかさむなどの点で手放す可能性を検討している方は、セカンダリー市場で売却してみるのがおすすめです。(セカンダリー市場:中古太陽光発電市場)

FIT制度の固定買取価格は、年々下落しています。新規でFIT認定を受けると、2012年や2013年などに認定を受けた場合と比較して、1kWhあたり数円以上安い価格で売電せざるを得ません。

中古太陽光発電所は高い固定買取価格で電力を買い取ってもらえるため、投資家や企業に人気のある設備です。たとえば、2012年にFIT認定を受けた中古太陽光発電所を2022年に購入した場合、2012年当時の高い単価で売電できます。

さらに中古太陽光発電所は発電・売電実績という点で、新規設備より収支を予測しやすい仕様です。以上の要素から中古太陽光発電は売却しやすく、なおかつ査定額アップも期待できます。

太陽光発電の買取業者は主に住宅向けでサービスごとに異なる内容!

太陽光発電の買取業者は主に住宅向けでサービスごとに異なる内容!

太陽光発電の買取業者は、主に住宅用太陽光発電向けのサービスを提供しています。サービスによっては、大手電力会社より高い買取単価で電力を買い取ってもらえるのが特徴です。

なお、産業用太陽光発電の電力買取サービスの数は住宅向けより少ない状況で、設備の売却や自家消費型太陽光発電への転換を検討してみるのがおすすめです。

産業用太陽光発電の運用コストに悩んでいる方や産業用太陽光発電の規模拡大やその他理由から新たに設備を導入したい方などは、今回の記事を参考にしながら太陽光発電所の売却を検討してみてはいかがでしょうか。

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