こんにちは、『エコキュートとオール電化専門店 とくとくショップ』です。今回は、家庭で使用するガス給湯器やエコキュートなどが故障した時、その修理や交換工事に火災保険を適用することができるのか、またエコキュートの交換に火災保険を利用する際の条件について解説します。
近年、住宅リフォーム業界では、台風などの自然災害で住宅に被害が生じた場合、その修理に火災保険が適用できるといった情報が出回っています。実際に、屋根修理の飛び込み営業では、火災保険を利用すれば無料で屋根リフォームができるといった悪質な営業手法が問題視されるようになっています。
火災保険は、万一の住宅火災に備えるために加入する保険商品ですので、「なぜエコキュートの修理など、住宅リフォームが関係あるの?」と疑問に感じる方も多い事でしょう。
最初に言っておきますが、エコキュートの修理や交換工事に火災保険が利用できる可能性があるのは事実です。ただ、誰でも火災保険を利用して「エコキュートの交換ができるのか?」というとそうではないので、ここでは、エコキュートの修理などに、なぜ火災保険が利用できるのかをご紹介します。
目次
エコキュートの修理・交換に火災保険が適用できる理由
火災保険は、その名称から「住宅火災の被害を補償してくれる保険」というイメージが強いと思います。しかし、冒頭でご紹介したように、エコキュートの修理や交換の際に、火災保険を適用することは可能です。ただ注意しておかなければならないのは、火災保険に入っていればどのような状況でもエコキュートの修理・交換に火災保険を利用できるわけではないという点です。
まず皆さんにおさえておいてほしいのは、火災保険は、損害保険の一種で、火災だけでなく、台風や落雷などの自然災害によって建物や家財に何らかの損害が生じた時、それを補償してくれるという保険になっています。しかし、火災保険に加入する際には、補償対象を決めなければならず、「建物」「家財」「建物と家財」の3つの中から選ぶことになります。
火災保険は、火災に限らず、台風などの自然災害、突発的に事故によって生じた損害を、加入者が「対象としている部分」に関して、補償してくれるものです。そして、それぞれの補償内容については以下のように決められています。
- 建物・・・家、門や塀、物置、電気・ガス設備、エコキュートなど
- 家財・・・家電、家具、衣服など
エコキュートのなどの住宅設備は、簡単に取り外し、移動ができない状態で設置されていますので、建物の一部とみなされて、火災保険の対象となります。なお、火災保険の加入時に「家財」のみを対象としている場合は、エコキュートの修理・交換に火災保険を適用することはできません。
加入している火災保険の補償内容も重要!
エコキュートの修理や交換に限らず、住宅リフォームに火災保険を適用したいと考えた時には、あなたが加入している火災保険の補償内容を確認しなければいけません。加入している火災保険の補償内容は、保管している保険証券で確認することが可能です。最近では、WEBサイトのマイページなどで確認できるようなサービスも始まっていますので、まずは火災保険の補償内容を確認するようにしましょう。
火災保険の保険証書の中には、加入中の保険内容が詳しく記載されています。上述した、補償内容が「建物」か「家財」か「建物と家財」なのかをまず確認し、その他にもどのような特約が付帯されているのかを確認してください。
火災保険は、住宅火災の他、落雷やガスなどによる爆発、風災や雪災などによる被害の補償が一般的な補償内容になっていると思います。ただ、火災保険の風災補償については、一昔前まで、加入者が特約として付帯するのが一般的だったので、築年数が経過した住宅の場合、風災補償が火災保険に付帯されていない可能性があります。そして、風災補償のない火災保険の場合、台風の強風などによってエコキュートに被害が生じたとしても、その修理に火災保険を利用することができません。また、住宅ローンを組むために加入する火災保険の場合は、補償内容がかなり薄い場合があるので、現在加入中の火災保険について、補償内容はしっかりと把握しておきましょう。
なお、保険会社によって、エコキュートなどの住宅設備の扱いが異なる場合がありますので、保険証書などを確認しても「エコキュートが保証対象なのか分からない。」という場合は、電話などで直接保険会社に確認しておくのがオススメです。
エコキュートの修理・交換に火災保険が適用できるケースとは?
それでは、エコキュートに何らかの不具合が生じた時、修理や交換に火災保険が適用できる具体的なケースをご紹介します。
ご加入の火災保険について、補償対象が「建物」もしくは「建物と家財」となっている場合、以下のようなケースであれば、火災保険が適用できる可能性があります。
火災によってエコキュートに被害が出た場合
もっとわかりやすいのが、「火災によってエコキュートが故障した!」というケースです。この場合は、何の問題もなくエコキュートの修理・交換に火災保険を適用することができるでしょう。
火災保険は、その名称からも分かるように、住宅火災による被害を補償してくれるのがメインの内容となっています。したがって、自宅で火災が発生し、建物やエコキュートなどの設備が被災した時には、火災保険を適用することが可能です。なお、「隣家で火災が発生して、自宅のエコキュートに被害が出た時はどうなの?」と言った質問を受ける機会があるのですが、このような場合も、火災保険の補償対象となります。
ちなみに、隣家の火災によって生じた被害については、お隣の住人に損害賠償請求をして自宅の修理をしたいと考えると思います。しかし、日本の法律では、それができないようになっています。これは、失火責任法という法律で定められていて、「故意や重大過失がある場合を除き、火災で損害を与えた場合でも、損害賠償責任を負わない」とされているからです。つまり、隣家の火災でエコキュートの修理が必要になった時でも、自分の火災保険を利用しなければいけません。
▶︎失火責任法とは
落雷の影響でエコキュートが故障した
二つ目の事例は、落雷の影響でエコキュートの基板などがショートし、故障した…というケースです。この場合も、火災保険を適用できる可能性が高いです。
エコキュートは、落雷によって故障する可能性があります。さらに、自宅に雷が落ちたという場合だけでなく、自宅から少し離れた場所に落雷があった場合でも、過電流などが発生し、内部基板がショートすることがあります。したがって、自宅周辺で落雷があった後、基板関連のエラーコードが表示されるようになり、エコキュートが正常に動作しなくなったという場合は、落雷が原因となる故障と考えましょう。
なお、落雷によるエコキュートの故障に、火災保険を適用する場合、落雷があった事実を証明する書類の提出が求められる場合があります。落雷の証明書は、近くの気象台で発行してもらうことができますので、問い合わせてみましょう。保険会社によっては、証明書などが不要の場合もあるので、落雷証明書が必要かは保険会社に問い合わせてみましょう。
台風などの強風でエコキュートが故障した
台風などの強風によってエコキュートが故障した場合、その修理や交換に火災保険を適用できる可能性があります。例えば、強風で何か硬いものが飛ばされてきて、エコキュートに衝突して故障したなどと言ったケースです。
エコキュートは、コンクリート基礎を作り、そこにしっかりと固定されています。そのため、台風などの強風で何か飛ばされてくるかもしれないという天候でも、安全な場所に移動させるなどと言った対処ができません。これが、エコキュートのような設備が、火災保険で「建物」とみなされる理由です。
注意が必要なのは、加入している火災保険に「風災補償」の特約が付いていない場合、先述のようなケースでも火災保険を適用することができません。台風の大型化が指摘されている現在では、加入時点で風災補償が付帯されるようになっているのですが、住宅ローンのために加入する火災保険や、かなり昔に加入した火災保険の場合、加入者が申請しなければ特約が付いていないケースがあります。
したがって、現在加入している火災保険については、風災補償の特約が付帯されているかきちんと確認しておきましょう。
洪水や高潮でエコキュートが水没した
集中豪雨などによる水害が増加している近年では、洪水でエコキュートが水没するといった被害が増加しています。火災保険は、洪水や高潮など、水に関する被害とは全く関係がなさそうに思えますが、実は水害を原因としたエコキュートの修理や交換にも火災保険が適用できる可能性があるのです。
ただ、水害による被害に火災保険を適用したい場合、いくつかの条件を満たしていなければいけません。第一条件として、火災保険に水災(水害)補償の特約が付帯されている、さらに以下の要件を満たしている必要があります。
- ・建物の保険価格の30%以上の損害が生じている場合
- ・床上浸水または地盤面から45cmを超えて浸水し、損害を受けた場合
豪雨による洪水などがあれば、屋外に設置されているエコキュートはかなりの確率で故障することでしょう。しかし、上記の条件を満たしていない場合は、水災による被害を補償してもらうことができません。
なお、水害が増加している近年では、水災の程度に関わらず、エコキュートの被害などを保証してくれる「特定設備水災補償特約」を販売する保険会社が登場しています。したがって、海や川に面した住宅、水災の危険性が高い立地の場合は、こういった特約に加入することを検討してみてはいかがでしょう。
不測かつ突発的な事故でエコキュートが故障した
「不測かつ突発的な事故」とは、子供がエコキュートの近くで遊んでいて、機器にボールなどをぶつけて故障させたといった事故の事です。こういったケースでは、火災保険の補償内容に、破損・汚損が含まれていれば補償してもらうことができます。
エコキュートは、屋外に設置される設備ですので、道路などで近所の子どもが遊んでいて、何かをぶつけられる可能性があります。こういった事例は、不測かつ突発的な事故とみなされますので、修理や交換に火災保険が適用可能です。
火災保険は、冒頭でもご紹介したように、「突発的な事故」によるエコキュートの故障を補償してくれます。逆に言えば、経年劣化など、予測可能な故障に対しては火災保険を適用することができません。なお、エコキュートが古くなったからと、故意に物をぶつけて故障させ、火災保険の申請を行うなどと言った行為は絶対にしてはいけません。こういった行為が、後から発覚した場合には、詐欺罪に問われることになります。
エコキュートの盗難被害
最後は、エコキュートを何者かに盗難されるという被害です。エコキュートを盗まれたという被害があった場合、火災保険に盗難補償の特約が付いていれば、再設置にかかる費用を保証してもらうことが可能です。
エコキュートは、大型の住宅設備で、非常に重量がありますので「盗難被害なんてありえないでしょ!」と考える方が多いと思います。しかし、エコキュートは、半導体など貴重な部品が多く利用されていることもあり、旅行などで長期間留守にしていたという場合に、盗難被害に遭うケースが考えられます。実際に、コロナ禍で、全国的に給湯器不足に陥った昨年までは、エコキュートが本体ごと盗まれるといった事件が結構な頻度で報告されていました。
なお、盗難被害に火災保険を適用する場合、警察に盗難届を提出しなければいけません。保険申請の際に、盗難届の受理番号が必要になります。申請手続きについては、加入している火災保険の保険会社に問合せすれば、必要な書類などを教えてくれますので、確認してみると良いでしょう。
エコキュートの修理・交換に火災保険が適用できないケース
上記とは逆に、エコキュートが故障して、修理や交換が必要になった際、火災保険を利用したくてもできないケースをご紹介します。
火災保険は、火災の他、自然災害や突発的な事故でエコキュートが故障した場合、その修理や交換に適用できますが、以下のような事が原因の場合は利用することができません。
故障原因が経年劣化と判断された場合
エコキュートの修理・交換に、火災保険が適用できない代表的な事例は、エコキュートの故障原因が経年劣化の場合です。
火災保険は、住宅火災や風災、落雷など、突発的な事故に備えるために作られた保険ですので、経年劣化や日常使用が原因の故障は、「予測しうる故障」と判断され補償対象外とされています。
なお、エコキュートが故障した時に「経年劣化か判断できない…」という場合には、保険会社に問い合わせてみると良いでしょう。
地震が原因となる故障
二つ目は、地震が原因となるエコキュートの故障です。地震は、自然災害ですので突発的な事故に分類されるのですが、火災保険単体では補償を受けることができません。
というのも、地震による被害は、規模が非常に大きくなる可能性があるので、その補償を全て火災保険で賄おうとした場合、民間の保険会社の許容量を軽く超えてしまう恐れがあります。そのため、地震による被害については、火災保険に付帯する形で『地震保険』に別途加入しなければならない制度になっています。つまり、火災保険にだけ加入しているという場合、地震の揺れでエコキュートが転倒したといった場合でも、その修理は補償対象外になるわけです。
なお、地震保険は、火災保険のように、実際の損害額が支払われるといった制度ではありません。地震保険は、地震の揺れによって生じた「建物の被害の程度」によって、以下のように保険金額が決まります。
- 全損【損害額が家財全体の時価の80%以上】:家財の地震保険の保険金額の100%(時価額が限度)
- 大半損【損害額が家財全体の時価の60%以上80%未満】:家財の地震保険の保険金額の60%(時価額の60%が限度)
- 小半損【損害額が家財全体の時価の30%以上60%未満】:家財の地震保険の保険金額の30%(時価額の30%が限度)
- 一部損【損害額が家財全体の時価の10%以上30%未満】:家財の地震保険の保険金額の5%(時価額の5%が限度)
地震保険の保険金額は、あくまでも「建物の被害の程度」によって決まるので注意してください。例えば、地震の揺れによってエコキュートが転倒した場合でも、建物に何の被害も出ていない場合、保険を利用することができない可能性が高いです。
被害総額が免責金額以下だった場合
火災保険は、被害総額が免責金額以下の場合、保険金を受け取ることができません。免責金額とは、何らかの事故が発生して保険を適用する際に、被保険者が自己負担する金額のことを指しています。
火災保険の保険金は、「損害額-免責金額=損害保険金」で計算されますので、免責金額の大きさにかなり左右されます。例えば、免責金額が15万円に設定していた場合、被害総額が15万円を超えないと保険金を受け取ることができません。
火災保険の免責金額については、保険会社によって取り扱いが異なる場合があるものの、基本的には「免責金額を高く設定する」と、支払う保険料がおさえられるというメリットが得られます。そのため、保険加入時に、高めの免責金額を設定しているケースが考えられ、エコキュートの修理などについては、被害額がそれに達しないので、損害保険金が支払われなくなるというケースが考えられます。
火災保険を申請する場合の流れについて
それでは最後に、突発的な事故でエコキュートが故障した時、その修理や交換に火災保険を利用する場合の基本的な流れをご紹介します。火災保険の申請は、加入者本人が行わなければならないので、以下の流れをきちんと押さえておきましょう。
- STEP1 火災保険を契約している保険会社へ連絡
- STEP2 エコキュート修理業者へ連絡し修理or交換の見積もりを依頼
- STEP3 見積もりをもとに火災保険の申請書類を作成
- STEP4 保険会社へ書類を送付
- STEP5 火災保険申請の承認結果を受け取る
- STEP6 エコキュートを修理
火災保険の申請は、そこまで複雑な物ではありません。基本的に、加入している火災保険の保険会社に連絡すれば、必要な書類や申請の流れを説明してくれますので、その通りに行えば良いでしょう。なお、保険申請に必要な書類は、保険会社によって異なりますが、基本的に以下のような物を指定されます。
- ・保険金請求書
- ・事故状況報告書
- ・修理見積書、領収書
- ・損害明細書
- ・損害箇所の写真
上記以外に、盗難被害の場合は、盗難届の受理番号、落雷の場合はその証明書などが必要になるケースがあります。
エコキュートとオール電化専門店 とくとくショップでは、火災保険を利用したエコキュートの修理・交換にも対応しています。保険申請に関するアドバイスなども、弊社スタッフが行っていますので、お気軽にお問い合わせください。
※エコキュートは、メーカーや販売店による保証が必ずついています。保証期間内の修理であれば、メーカーや販売店の保証を利用する方が良い場合もありますので、保証期間が残っているお客様は、メーカーなどに無償修理対応が可能かどうかも確認しておくのがオススメです。
まとめ
今回は、エコキュートの修理や交換が必要になった際、その工事に火災保険を適用するための条件などをご紹介しました。
火災保険は、その名称から「住宅火災の備え」として加入する物というイメージが強く、火災以外の理由でエコキュートが故障した時には、火災保険が適用できる可能性があることに思い至らない方が多いです。しかし、この記事でご紹介したような、不測かつ突発的な事故が原因で、エコキュートが故障した時には、その修理や交換にかかる費用を補償してもらうことができます。
なお、現在販売されている火災保険については、風災や雪災、落雷などによる被害の補償はスタンダードな状態で付帯されていると思います。しかし、住宅ローンに加入するための火災保険などは、現在でも特約がほとんどついていないケースがあるので、その点は注意しましょう。
火災保険は、住宅の総合保険と呼ばれるほど、補償範囲が広いのが特徴ですが、あくまでも突発的な事故が原因となる故障のみが対象と考えてください。
エコキュートとオール電化専門店 とくとくショップは、お客様が安心してエコキュートを利用するため、10年間のパーフェクト保証を行っています。エコキュートの導入をお考えの方は、お気軽にお問い合わせください!