こんにちは、『エコキュートとオール電化専門店 とくとくショップ』です。今回は、さまざまあるエコキュートメーカーの中でも、多くの方が「聞き馴染みがない…」と感じるかもしれない長府製作所(chofu)が製造しているエコキュートの特徴を解説します。
エコキュートメーカーと言えば、パナソニックや三菱電機、日立などの大手家電メーカーやダイキンやコロナなどをイメージする方が多いと思います。実際に、エコキュートのメーカーシェア率では、パナソニックと三菱電機が長年トップシェアを争っており、少し離れた位置にダイキンとコロナが続くという感じになっています。長府製作所は、こういった大手エコキュートメーカーと比較すると、全国的な知名度が低く、「あまり知らないメーカーのエコキュートだし、性能が低いのでは…?」と言った少し失礼な印象を持たれています。
最初に言っておきますが、長府製作所のエコキュートは、全ての部品を国内で生産しており、エコキュートメーカー大手5社と比較しても、性能面で劣っているわけではなく、優れたエコキュートを開発・販売している企業です。そこでこの記事では、業界内では高い評価を受けている長府製作所のエコキュートについて、代表的な機能や価格相場について解説します。
目次
エコキュートメーカーの長府製作所とはどんな会社?
それではまず、長府製作所がどのような企業なのかを簡単に解説します。冒頭でご紹介したように、エコキュートメーカーとしては、大手家電メーカーのパナソニックや三菱電機、空調機器のパイオニアであるダイキンなどが有名で、長府製作所と言う会社名を耳にしても「あまり聞き馴染みがない…」と感じる方が多いと思います。ただ、給湯器としてエコキュートの人気が高くなっている現在では、長府製作所のTVCMを見かける機会も増えていますし、徐々にその知名度は高くなっていると思います。
長府製作所は、山口県下関市に本社を置く住宅機器メーカーで、石油・ガス・電気・太陽熱など、さまざまなエネルギーに対応した給湯器の開発・販売をしている企業です。全国的な知名度で言えば、他の大手エコキュートメーカーよりは低いですが、西日本エリアを中心に販売していることから、中国、四国、九州エリアに住んでいる方であれば、長府製作所の名前を聞く機会が多いと思います。
長府製作所は、エコキュートメーカーとしては後発組と考えられがちですが、日本で初めてエコキュートの販売が開始された翌年の2002年にエコキュートの販売を開始しています。つまり、その他の大手エコキュートメーカーに後れを取ることなく、エコキュートの登場初期から積極的に開発・販売合戦に加わっている、業界では老舗メーカーと言える立場です。
長府製作所が販売するエコキュートの特徴
長府製作所は、ボイラメーカーとしてのイメージが強いかもしれませんが、電気でお湯を作るエコキュートも大手メーカーに劣らない高性能さを誇っています。というのも、長府製作所のエコキュートは、すべてメイドインジャパンで製造している点で、高い品質を保っているとされています。
エコキュートは、内部の部品について、海外で製造したものを輸入しているメーカーがほとんどです。しかし長府製作所は、海外に拠点を持たず、メイドインジャパンを貫いていて、その点で品質に安心が持てるとされています。実は、長府製作所は、エコキュートの貯湯タンクなどについて、自社製品として販売するだけでなく、他社に販売するというビジネスも展開しています。つまり、長府製作所のタンクは、他の大手エコキュートメーカーからも、高品質であるという太鼓判を押されていると判断できます。
長府製作所のエコキュートについて、機能的な特徴の詳細は後述しますが、世界的な電機メーカーが参入しているエコキュート業界で、長年一定のシェア率を誇っているのは、「井戸水対応」や「減災対応」などの面で非常に優れた機能を持っているからでしょう。次項で、長府製作所が開発するエコキュートの機能的な特徴を詳しく解説します。
長府製作所が販売するエコキュートの特徴的機能について
それではここから、長府製作所が販売するエコキュートの特徴的な機能を解説したいと思います。長府製作所のエコキュートでは、「ecoとく」機能が有名ですが、その他にも嬉しい機能がたくさん搭載されています。
ここでは、エコキュートの機種選びを進める時、長府製作所のエコキュートを選ぶことで期待できるメリットと、そのメリットをもたらす機能について解説します。
高い省エネ性を誇っている
長府製作所のエコキュートは、パナソニックや三菱電機など、大手エコキュートメーカーにも見劣らない高い省エネ性能を誇っている点が特徴です。エコキュートの省エネ性は「省エネ基準」と呼ばれる指標で表されているのですが、長府製作所のハイエンドモデルは、省エネ基準「4.0」と三菱電機やコロナなどの大手メーカーに劣らない数値をクリアしています。
長府製作所のエコキュートは、「ecoとく」機能や「沸き増し停止」機能によって高い省エネ性を実現しています。
・「ecoとく」機能とは
長府製作所が販売するエコキュートでは、なんといっても「ecoとく」機能が有名です。この機能は、今まで捨てられていた浴そうの残り湯の熱を貯湯タンクに回収し、新たなお湯を沸かすのに利用することができる機能となります。ecoとく機能は、残り湯の熱を最大40%回収し、お湯を沸かすのに利用することができるようになることから、大気中の熱でお湯を沸かすよりも、はるかに少ないエネルギーでお湯を作れるようになります。
さらに、この機能の嬉しいポイントは、リモコンで「ecoとくオート」に設定しておけば、自動的に残り湯の熱を再利用してくれ、手間をかけることなく省エネが実現します。
・「沸き増し停止」機能とは
「沸き増し停止」機能は、電気代がお得な夜間に運転し、電気代を節約するための機能となります。例えば、早い時間に入浴が終わった際、この機能をONにしておけば、電気代が割高な時間帯の沸き上げを停止してくれます。さらに、夜間時間帯になると、自動的にこの機能が解除され、翌日分のお湯を沸かす仕組みになっています。エコキュートは、電力会社が用意している深夜帯の電気代が安くなるプランを活用して電気代削減を目指します。この機能は、その料金プランを自動で最大限活用してくれる便利機能となっています。なお、類似機能として、沸き上げ停止期間を指定する機能もあります。旅行などで数日間家を空けるといった場合に、最大で30日間まで沸き上げを停止することができ、無駄な電気代を節約することができます。
このように、長府製作所のエコキュートは、給湯部分の省エネを実現してくれるさまざまな機能が搭載されています。なお、残り湯の熱をお湯を沸かすために再利用する機能は、三菱電機の「ホットりたーん」やパナソニックの「ぬくもりチャージ」も有名です。
参照:長府製作所公式サイトより
災害時も安心な給湯器を実現
長府製作所のエコキュートは、万一の災害時でも安心して利用できる減災対策が施されているのも特徴です。日本は、地震や台風などの自然災害が多く、災害によって長期停電などの問題が発生することも珍しくありません。
エコキュートは、タンクにお湯を貯めておく貯湯式の給湯器であるため、ガス給湯器などの瞬間式給湯器と比較すると、非常用水を確保できる点が大きなメリットと言われています。ただ、災害が発生した際に、エコキュートが転倒してしまうといった被害が生じてしまえば、なんの意味もありません。
長府製作所のエコキュートは、災害時でも安心して利用できるように以下のような減災対策が施されています。
・安心設計と減災対応
長府製作所のエコキュートには、減災対応モデルが用意されていて、このタイプは、床上浸水などが発生しても、その被害を軽減できる工夫がなされています。例えば、ヒートポンプを設置する際には、高さが1mほどある台の上に設置するようになっていたり、貯湯タンクの重要パーツが浸水の影響を受けにくい機器上部に集中しているといった対策が施されています。さらに、減災対応モデルのエコキュートは、耐震強度も高いのが特徴です。例えば、背の高い貯湯タンクは重心が低くなるように設計されているなど、震度7相当の地震にも耐えられる最高水準の耐震クラスSを実現しています。この他にも、錆びにくいステンレスや樹脂コーティングが随所に施されているなど、非常に高い耐久力が特徴です。
・停電・断水時もタンクのお湯が使える
長府製作所のエコキュートは、万一の停電時でも、タンクにお湯が残っていれば、蛇口やシャワーから設定温度に近いお湯を出せる点が大きな特徴です。もちろん、停電時は沸き上げや沸き増しはできませんが、保温性が高い貯湯タンクが採用されていることから、比較的長くお湯を利用することができます。もちろん、断水して蛇口やシャワーからお湯が出せなくなっても、タンクから直接お湯を取り出すことが可能です。長府製作所のエコキュートは、自然災害の多い日本で、万一の際も安心して利用できる災害対策がたくさん施されているのが特徴です。
エコキュートは、どのメーカーの機種であっても、貯湯タンクにお湯が残っていれば災害時でも非常用水として利用できます。ただ、お湯の取り出し方は、メーカーによって微妙に異なりますので、エコキュートの機種選びの際には、慎重に確認しましょう。
参照:長府製作所公式サイトより
ユーザーの要望に応える便利機能がたくさん搭載されている
エコキュートの機種選びは、ユーザーごとに求める機能性が異なります。例えば、「シャワーの水圧が強い機種が良い」「日々のお手入れが楽になる機種が良い」など、自分の希望に合わせて、対応する機能が搭載されている機種を探す必要があるのです。
長府製作所のエコキュートは、さまざまな便利機能が搭載されている機種がありますので、多種多様なお客様の希望にも応えることができます。
・高圧給湯でパワフルな水圧を実現
長府製作所のエコキュートは、2階や3階にお風呂が設置されている住宅でも利用できるように、「高圧パワー給湯」機能が搭載されたモデルがあります。このタイプのエコキュートであれば、力強く快適なシャワーを楽しむことができますし、2カ所同時でも問題なくお湯を利用することが可能です。
・専用アプリで外出先からエコキュートの操作が可能
長府製作所のエコキュートは、「CHOFU IoTシステム」というアプリをスマートフォンにダウンロードすることで、外出先から遠隔操作をすることも可能です。この機能は、ご自宅のエコキュートを便利に使えるようになるだけでなく、離れて暮らしている親御さんの給湯器利用状況をリアルタイムで確認できる見守り機能として利用できるなど、快適と安全を両立することができるようになるのが特徴です。
・毎日のお風呂が楽しくなるマイクロバブル機能
専用リモコン、循環アダプターの取り付けが必要となりますが、長府製作所のエコキュートもマイクロバブル機能を搭載することができます。マイクロバブル入浴は、体を芯まで暖めることができるため、お風呂好きの方には非常におすすめできる機能です。
長府製作所のエコキュートは、上記以外にも自動配管洗浄や自動追い炊き機能など、さまざまな便利機能が用意されています。したがって、機種選びの際には、どのような機能が搭載されたエコキュートが良いのか、事前によく考えておくのがおすすめです。なお、水圧の面に関しては、ダイキンやパナソニックのエコキュートの方が強いものもあるので、その辺りは注意しましょう。
参照:長府製作所公式サイトより
ユーザーの状況に合わせて機種を選ぶことができる
長府製作所は、お客様が住んでいる地域特性に合わせて機種選びを進めることができる点も特徴の一つです。特に、井戸水や硬度の高い水道水に対応したモデルが用意されている点は非常に嬉しいポイントになるのではないでしょうか?
・地域特性に合わせて機種を選べる
長府製作所のエコキュートは、他メーカーと同じく、一般地仕様、耐塩害仕様、寒冷地仕様を選ぶことができます。例えば、海に近く潮風の影響が強い地域の場合、耐塩害仕様のエコキュートを選ばなければ、錆による早期故障の可能性があるのです。さらに長府製作所は、井戸水や硬度の高い水道水でもエコキュートが使用できる点が大きな特徴です。井戸水対応エコキュートは、全てのメーカーで販売しているわけではないため、生活水として井戸水や地下水を使用しているお宅にとっては非常にありがたい選択肢になると思います。
・太陽光発電との連携
太陽光発電設備を設置しているご家庭であれば、「ソーラーアシストモード」という機能により、より効率的にエコキュートを活用できるようになります。この機能は、太陽光発電の余剰電力をエコキュートの沸き上げに充ててくれるので、発電した電力の自家消費率を高め、電気代削減を手助けしてくれます。なお、HEMS対応機種の場合、さらに天候予測データを自動でチェックし、夜間と昼間の沸き上げ量を自動で調節までしてくれます。
長府製作所のエコキュートは、設置場所の環境や気候条件に合わせて機種を選べる点も特徴の一つです。特に、井戸水対応は、搭載メーカーが限定されていますので、非常にありがたい特徴になると思います。
参照:長府製作所公式サイトより
長府製作所製エコキュートの価格相場
長府製作所のエコキュートは、以下のようにいくつかのグレードに分類されています。
- ecoとくフルオート
- フルオート
- オート
- 給湯専用
機能的には、「ecoとくフルオート」タイプが最も高機能・高効率となっています。特に、プレミアムモデルは「業界トップクラスの高効率」を謳っており、年間給湯保温効率4.0を達成しています。長府製作所のエコキュートを購入する場合、どのタイプを選択するのかによって搭載される機能が異なりますので、慎重に機種選びを進めると良いでしょう。なお、機能面での分類だけでなく、貯湯タンク容量が「550L・460L・370L・310L」の4種類、貯湯タンクの形状が「角型・薄型・スリムタイプ」の3種類が用意されています。タンク容量とタンクの形状については、家族構成やエコキュートの設置環境などから選びましょう。
以下で、エコキュートの価格相場を、グレードごとにご紹介します。なお、長府製作所のエコキュートの販売価格相場は、工事費込みでメーカー希望小売価格の50%前後となっています。以下に、インターネット上に公表されている平均販売価格をご紹介します。
長府製作所エコキュート「ecoとくフルオート」の価格相場
「ecoとくフルオート」は、370L、460L、550Lの3パターンで展開されています。おおよその価格相場は以下のような感じです。
タンク容量 | 希望小売価格 | 販売価格相場 |
---|---|---|
370L(EHP-3704BZPS) | 1,045,000円 | 約55万円 |
460L(EHP-4604BZPS) | 1,085,000円 | 約58万円 |
550L(EHP-5504BZ) | 1,090,000円 | 約55万円 |
※価格は税抜きです
「ecoとくフルオート」の価格相場は、上記のようになっています。なお、550Lが安くなるのは、プレミアムモデルではないからです。
長府製作所エコキュート「フルオート」の価格相場
長府製作所のフルオートタイプのエコキュートは、370Lと460Lの2パターンが展開されています。それぞれの価格相場は以下のような感じです。
タンク容量 | 希望小売価格 | 販売価格相場 |
---|---|---|
370L(EHP-3704BX-M) | 897,000円 | 約46万円 |
460L(EHP-4604BX) | 953,000円 | 約50万円 |
※価格は税抜きです
フルオートタイプは、減災対応モデルや井戸水対応モデルを選ぶことができます。タンク形状も角型以外に薄型やスリムタイプが用意されています。
長府製作所エコキュート「オート」の価格相場
長府製作所のオートタイプのエコキュートは、370Lと460Lの2パターンが展開されています。それぞれの価格相場は以下のような感じです。
タンク容量 | 希望小売価格 | 販売価格相場 |
---|---|---|
370L(EHP-3704BA) | 776,000円 | 約40万円 |
460L(EHP-4604BA) | 875,000円 | 約44万円 |
※価格は税抜きです
オートタイプは、角型の貯湯タンクとなります。
長府製作所エコキュート「給湯専用」の価格相場
給湯専用タイプも、370Lと460Lの2パターンが展開されています。なお、370Lの容量のエコキュートは、タンクがスリムタイプとなります。
タンク容量 | 希望小売価格 | 販売価格相場 |
---|---|---|
370L(EHP-3704A) | 748,000円 | 約38万円 |
460L(EHP-4604B) | 836,000円 | 約42万円 |
※価格は税抜きです
給湯専用タイプは、便利機能はほとんど搭載されていない分、低コストで導入することが可能です。機能性を無視しても、「とにかく安くエコキュートを設置したい」という方にはオススメかもしれません。
長府製作所のエコキュートについては、給湯専用など、低スペックなものは他メーカーと比較しても安価と言える価格帯かもしれません。しかし、ハイエンドモデルとなる「ecoとくフルオート」については、大手メーカーの同レベルの機種と比較しても、割高な価格設定になっている場合が多いのでその点は注意しましょう。
エコキュートの導入に際して「とにかく長府製作所の機種が良い!」という方でなければ、その他の大手メーカーのエコキュートもしっかりとチェックし、自分たち家族に最適な機種を選ぶのがおすすめです。
長府製作所製エコキュートのメーカー保証について
長府製作所のエコキュートは、1年間のメーカー保証が付与されています。ただし、貯湯タンクは5年間、冷媒回路は3年間が標準保証期間とされています。
エコキュートは、一般的に10~15年が寿命と言われている機器ですので、メーカー保証が1年間と聞くと、少し心もとない…と考えてしまう方も多いです。そのような場合、有料にはなりますが、延長保証制度も用意されています。長府製作所では、5年、8年、10年の延長保証が用意されていて、延長保証サービスに加入するためには、以下の料金を支払う必要があります。
5年・・・10,945円(税込)
8年・・・25,135円(税込)
10年・・・30,635円(税込)
※メーカー保証の1年を含む
延長保証サービスへの加入は、エコキュート設置日から翌々月中までとなっています。井戸水対応エコキュートの場合は、延長保証加入時にメーカーが定める水質基準を満たしているか確認するための水質検査が必要です。また、水質検査に通過して延長保証に加入できても、故障が水質に起因すると判断された場合は、保証対象外とされるので注意しましょう。
参照:長府製作所公式サイトより
まとめ
今回は、さまざまあるエコキュートメーカーの中でも、西日本を中心にその知名度が高い長府製作所のエコキュートの特徴を解説しました。
エコキュートメーカーとしては、パナソニックや三菱電機、ダイキンなどが有名ですが、長府製作所もエコキュートの販売初期から業界に参入している老舗メーカーです。一般ユーザーからの知名度は、他の大手メーカーよりは低いですが、エコキュートの性能そのものは決して引けを取らない高性能な機種が開発されています。特に、井戸水対応や減災対応については、エコキュート業界でも一歩前に出ているのではないかと思えるほどです。
これからエコキュートの交換や導入を検討している方は、どうしてもパナソニックや三菱電機など、大手メーカーに目が行ってしまうと思いますが、一般にはあまり知られていない長府製作所のエコキュートも十分に高性能ですので、機種選びの候補に入れてみるのも良いのではないでしょうか?
エコキュートとオール電化専門店 とくとくショップでは、現地調査の段階から経験豊富なスタッフがお伺いします。エコキュートの機種選びについて、何に注目すれば良いのかよくわからない…というお客様でも、弊社スタッフが機種選びからアドバイスしますので、安心してご相談ください。