今回は、京セラが2020年1月より販売開始した世界初の『クレイ型』リチウムイオン蓄電池と呼ばれる「Enerezza(エネレッツァ)」についてご紹介したいと思います。
京セラが販売する「Enerezza(エネレッツァ)」については、現状は少量限定の試験的な販売となっています。本格的な量産体制を本年秋ごろより開始すると発表していますが、今のうちにいち早く導入したい方は『早い者勝ち』状態ですので、この記事でご紹介する蓄電池のメリットをよく吟味して弊社までお問い合わせください。
どちらにせよ、10月頃になると家庭に導入する蓄電システムの有力な候補となると思いますので、新型蓄電池であるエネレッツァのことは今のうちに調べておくのが得策だと思いますよ。
『クレイ型』ってなんだ?
それではまず、京セラが新しく開発した『クレイ型』リチウムイオン蓄電池と呼ばれる「Enerezza(エネレッツァ)」について、そもそも『クレイ型』とは何を指しているのか?ということを簡単にご紹介しておきましょう。
引用:京セラ公式サイトより
『クレイ型』リチウムイオン蓄電池と呼ばれる「Enerezza(エネレッツァ)」最大の特徴は、蓄電池に使う電極が”粘土状”であるということです。この蓄電池は、リン酸鉄リチウムなどの粒子材料と電解液をあらかじめ混ぜ合わせ粘土状にして使うようにできているのです。そのため、京セラではこの蓄電池を『クレイ型』蓄電池と呼ぶのです。
クレイ型にすることで、通常の蓄電池よりも電極層が厚くなり、セル内で正極と負極が完全に分かれた構造となるため、変形したとしてもショートする心配がなく、非常に安全性の高い蓄電池となると言われています。さらに、従来の液体型蓄電池と比較すると、材料が少なくなり、製造にかかる工程も少なくなることから安価で製造できるという点もメリットと言われています。ちなみに、クレイ型蓄電池は、従来の蓄電池に比べ材料コストを約3割削減できたと言われています。
京セラ「Enerezza」の特徴は?
それでは、京セラが2020年1月より販売開始した『クレイ型』リチウムイオン蓄電池と呼ばれる「Enerezza(エネレッツァ)」の特徴についてご紹介していきましょう。上述したように、エネレッツァ最大の特徴は蓄電池に使用されている電極が粘土状になっていることで、これにより従来の蓄電池よりも『長寿命・高安全性・低コスト』という圧倒的な優位性を実現していると言われています。
以下でそれぞれの特徴についてもう少し詳しくご紹介しておきましょう。
「Enerezza」は長寿命
京セラが販売するクレイ型住宅用蓄電池「Enerezza(エネレッツァ)」は、従来の蓄電池よりも長寿命という特徴を持っています。これは、電極材料に練り込む電解液を、住宅用蓄電池に用いるものとして最適化するために設計・制御しているからだと言われています。
蓄電池の動作環境についても「-20~+40℃(結露なきこと)」までの非常に広範囲での動作が保証されていますので、幅広いご家庭で使用することが可能です。また、蓄電池のメーカー本体保証は10年程度が一般的なところ、エネレッツァについては業界最長クラスの15年保証となっている点も嬉しいポイントです。
「Enerezza」は安全性が高い
家庭用蓄電池を導入する場合には、安全性の高さが気になる…という方が多いと思います。京セラの「Enerezza(エネレッツァ)」は安全性についても非常に高いという特徴を持っています。
この蓄電池は、ユニットセルと呼ばれる構造になっており、正極と負極をセパレータによって完全に分離しています。この構造は、内部でショートをおこさない設計になっているということで、実際にメーカーによる圧壊試験でも、発煙や発火などは認められなかったという実績を持っています。
また、粘土状の電極に安全性の高いリン酸鉄リチウムという材料が採用されていることも、高い安全性の理由と言えるでしょう。
「Enerezza」は低コスト
京セラの「Enerezza(エネレッツァ)」は、製造プロセスの大幅な簡素化と低コスト化を実現していると言われています。従来の蓄電池と比較すると、集電箔が約1/3、セパレーターが約1/5となり、さらに液体の電解液を使用するときには必須となるバインダーも不要となります。こういった材料の削減で、なんと材料コストの約30%をカットすることに成功したのです。
さらに、クレイ型にすることで、電極などの構造が簡素化されますので、製造コスト自体も大幅にカットすることが可能となり、低コストな家庭用蓄電池の製造が可能になったと言われています。
京セラ「Enerezza」製品詳細について
品名 | 太陽光発電連係型 リチウムイオン蓄電システム |
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ブランド名 | Enerezza(エネレッツァ) |
形式 | ①EGS-LM0500、②EGS-LM1000、③EGS-LM1500 |
定格容量(初期実効容量) | ①5.0kWh(4.2kWh)、②10.0kWh(8.5kWh)、③15.0kWh(12.7kWh) |
使用温度環境 | -20~+40℃(結露なきこと) |
定格出力周波数 | 50/60Hz |
外形寸法(mm) |
蓄電池ユニット:W485×H562×D280 パワーコンディショナ:W495×H554×D197 |
質量 | 蓄電池ユニット:64kg、パワーコンディショナ:30kg |
設置場所 | 蓄電池ユニット:屋内外共用、パワーコンディショナ:屋外壁掛 |
価格 | オープン価格 |
京セラのクレイ型蓄電池「Enerezza(エネレッツァ)」は、定格容量5kwh、10kwh、15kwhと3種類がラインナップされていますので、ご家庭ごとの使用方法に合わせて必要な蓄電容量を選ぶことが可能です。設置場所に関しては屋内、屋外どちらでも設置可能で、どこにおいても景観を壊さないよう継ぎ目をなくして、丸みを帯びたデザインとなるなど、見た目のデザインにもこだわっています。デザイン性の良さから、公益財団法人日本デザイン振興会が主催する「2019年度 グッドデザイン賞」も受賞していることも嬉しいポイントです。
まとめ
今回は、京セラが2020年1月より販売開始した世界初の『クレイ型』リチウムイオン蓄電池と呼ばれる「Enerezza(エネレッツァ)」の特徴についてご紹介してきました。エネレッツァの特徴は、クレイ型と呼ばれるように、電極が粘土状になっていることです。この特徴を持つエネレッツァは、非常に高い安全性を持つうえ、安価で長い寿命があるなど、消費者が欲しいと思うメリット全てを兼ね備えた理想的な家庭用蓄電池と言えるのです。
なお、冒頭でご紹介したように、現状は少量限定の試験的な販売となっていますので、エネレッツァの導入を検討したい…と考えている方は急いだ方が良いと思います。京セラからは2020年の秋ごろから本格的な量産を開始すると発表されていますが、「今すぐ!」となると早い者勝ち状態となっています。