卒FITを迎えたご家庭なら『エコキュートの昼間運転』がお得?

卒FITを迎えたご家庭なら『エコキュートの昼間運転』がお得?

近年では、卒FITを迎えたご家庭で、エコキュートを昼間に運転させる方がお得になるという情報が注目されています。エコキュートは、貯湯タンクが一体となった給湯器で、一日に必要となるお湯を安い深夜帯の電気でまとめて沸かして貯め置きすることができるため、従来の給湯システムよりも給湯コストを削減できると人気なのです。つまり、エコキュートの高い給湯コスト削減効果は、電力会社が提供する『深夜帯の電気料金が格安になるプラン』を上手に利用するということが一役買っているのです。

それでは『エコキュートの昼間運転がお得になる?』という情報は本当のことなのでしょうか?前述のように、エコキュートは電力会社の昼間と夜間の電気料金格差を利用することができるため、他の給湯器よりも効率よくお湯を作ることができるシステムとして有名です。そうなると、「昼間運転がお得!」と言われても俄かには信じられないという方が多いことでしょう。しかし、太陽光発電設備を導入しているご家庭で、固定価格買取制度(FIT)が期間満了で終了してしまうお宅の場合、今まで売電していた余剰電力をエコキュートに利用することができるようになるため、昼間にエコキュートでお湯を作った方がさまざまな面でお得になるのです。

この記事では、「安い深夜帯の電気を使って光熱費削減ができる!」と人気のエコキュートについて、卒FIT後の賢い運用方法をご紹介したいと思います。

そもそも『卒FIT』とは何だ?

それではまず、「そもそも卒FITとは?」ということについて簡単にご紹介しておきましょう。太陽光発電設備を導入している方であれば、『固定価格買取制度(FIT)』がどういったものかはある程度理解していると思います。これは、再生可能エネルギーの普及推進を目指して作られた制度で、各家庭に設置された太陽光発電設備で作られた電気を、電力会社が高額な買取価格で買取りすることを政府が保証したものです。しかし、その高額な買取価格については、永遠にその価格で買い取ってくれるわけではなく、太陽光発電の設置から10年間と決まっているのです。つまり、太陽光発電設備の設置から10年を経過してしまうと、今までのような高額な売電収入を得られなくなるのです。
そして、このFITが期間満了で終了したご家庭が『卒FIT』などと呼ばれており、卒FITを迎えたご家庭では余剰電力の買取価格が急落してしまうのです。例えば、固定価格買取制度がスタートした当初に太陽光発電を導入していたご家庭は、2019年がちょうど10年となるため、昨年の秋ごろより続々と卒FITを迎えています。このような制度初期に太陽光発電を導入しているご家庭は、「42円/kWh」という非常に高額な買取価格を保証されていたのですが、卒FIT後には大手電力会社の平均で「8円/kWh」程度の買取価格まで下落してしまうのです。この買取価格は、電力会社から電力を購入する買電価格よりもかなり安くなってしまうため、今までのように余剰電力を売電するのではなく、発電した電気は全て家庭内で消費するようにした方がお得になると言われているのです。

このような余剰電力の買取価格急落という背景があり、従来のような使い方ではなく、太陽光発電の余剰電力を利用して昼間運転させた方がお得になるという訳です。それでは、太陽光発電とエコキュートを賢く連携させることで得られるメリットをもう少し詳しくみていきましょう。

☑ 太陽光発電とは?

太陽光発電については、今さら説明が要らないほど有名な住宅用自家発電システムとなっています。しかし、実際の普及率で考えてみると、経済産業省の調査結果で「10kW未満の住宅用太陽光発電の導入件数は2017年度で237万件、2018年度で322万件(見込み)」となっています。つまり、2018年度でもその普及率は約6%程度と、日本全国津々浦々まで導入されているとは言えないのが現状です。ただし、2009年のFIT制度開始時点では、約56万件(普及率2%未満)だったことを考えると、急速に普及が広がっているのは事実だと言えるでしょう。
住宅に導入される太陽光発電は、屋根の上に太陽光パネルを設置して、太陽光エネルギーを電力に変換するというものです。この自家発電システムを導入しているご家庭では、昼間の生活になる電気を自家発電することができるようになるため、日々の生活にかかる電気代を大幅に削減することができます。さらに、消費しきれなかった電気に関しては、上述したFIT制度により、電力会社に高額な売電価格で売電することができ、売電収入まで得ることができるのが大きなメリットになります。他にも、大規模災害が発生した際には、電力会社からの電力供給がストップしたとしても、太陽光発電で生活に必要な電気を創ることができ、家族の安全な生活を守ることができる点も、近年注目されています。
なお現在では、エコキュートや家庭用蓄電池など、太陽光発電との相性が非常に良い住宅設備の開発が進んでいることもあり、今後さらに太陽光発電の普及が広がっていくと考えられています。富士経済の調査では、2030年度までに太陽光発電の普及率が約10%程度(約520万件)にまで拡大すると予測されており、一般住宅の10軒に1軒は太陽光発電が設置されている…という時代がすぐそこまで来ているのです。

エコキュートの昼間運転がオススメな理由は?

エコキュートは、エアコンなどにも採用されているヒートポンプ技術を使っており、大気中の熱を効率よく利用できることや電力会社が提供する格安な深夜料金プランを上手に利用することができることから、従来の給湯器と比較しても、大幅に給湯コストを下げられると人気になっています。
しかし、太陽光発電設備を導入しているご家庭で卒FITを迎えてしまい、余剰電力の買取価格が急落する場合には、エコキュートを昼間運転する方がお得になると言われているのです。以下でその理由をご紹介していきましょう。

理由① 余計な電気を買わなくて良い

近年では、非常に多くのご家庭で太陽光発電設備が導入されるようになっていますが、この設備のメリットは、家庭で使用する電気を自家発電することができるようになり、家計にかかる電気代を大幅に削減できると言う点です。しかし、太陽光発電を導入している多くのご家庭では、発電した電気全てを自分で消費するようなことはできません。そこで余剰電力に関しては、固定価格買取制度を利用して売電収入を得るというのが、最も一般的な使い方になっています。要は、太陽光発電設備は、家庭で使用する電気を自家発電することで電気代を削減できるうえ、さらに売電収入まで得られるということが最大のメリットになるのです。

しかし、上述したように、高額な価格での電気の買取りは10年間に限られてしまっており、卒FITを迎えてしまうと買取価格が急落してしまい、今までのような売電収入を得ることができなくなるのです。さらに、大手電力会社から電気を購入する場合の価格が「24~26円程度」なのに対し、売電価格は8円程度まで下落してしまうので、いくら余剰電力だとは言え、売電するよりも自家消費に回して買電量を減らすように考えた方が圧倒的にお得になるのです。

したがって、余剰電力を使ってエコキュートを昼間運転させることを考えた場合、売電収入が得られなくなるにしても、電力会社から購入した電気を使ってお湯を沸かすと考えたら、余剰電力でお湯を沸かした方がお得になるわけです。

理由② 売電価格が夜間電力よりも安い

エコキュートは、電力会社が提供している『深夜の電気代が格安になる料金プラン』を上手に利用することができるため、従来の給湯器よりも給湯コストを抑えることができるシステムです。例えば、関西電力がオール電化やエコキュート用に作っている『はぴeタイムR』などで考えた場合、昼間のピーク時の電気代が25.86円なのに対し、深夜帯の電気料金は14.93円にまで下落するのです。こういった格差を利用してお湯を沸かすことができるため、エコキュートが人気になっているのです。

しかし、卒FITを迎えたご家庭で考えてみると、余剰電力の買取り価格は8円程度まで下落してしまうことになります。つまり、格安に設定されていると言われる深夜帯の買電価格よりも圧倒的に安い価格にまで下落してしまうのです。ここまで説明すればわかると思いますが、このような状況になったご家庭であれば、売電価格よりも割高になる深夜電力を利用するのであれば、余剰電力を売電に回さずその電気でお湯を沸かした方がかなりお得になるわけです。さらに、エコキュート用などで用意されている料金プランは、昼間の電気代が割高になっていますので、深夜の電力を使わないのであれば、通常の料金プランに戻すこともでき、全体的に電気代を削減することも期待できるはずです。

理由③ 昼間運転の方がエネルギーロスが少ない

エコキュートは、ヒートポンプユニットを使い、大気中の熱を効率よく活用することでお湯を沸かす給湯器です。つまり、外気温が高い昼間の方が効率よくお湯を沸かすことができるのです。
また、エコキュートは、一日に使用するお湯をまとめて作り、貯湯タンクに貯め置きしておくという機構になっているのですが、「深夜にお湯を作る」のと「昼間にお湯を作る」のでは、実際にお湯を利用するまでの時間差があるため、昼間に作る方がエネルギーロスが少なくなるのです。エコキュートの貯湯タンクは、魔法瓶のような構造をイメージしてもらえばわかりやすいのですが、ある程度の保温効果はあるものの、徐々に放熱してしまい、お湯の温度低下を招いてしまいます。一般的な家庭であれば、夕方から夜にかけて最もお湯を使うことになりますので、使用時間に近いほどエネルギーロスが少なくなるのです。
実際に、エコキュートの昼間運転と夜間運転を比較した調査が行われたこともあり、この調査では昼間運転の方が平均で11%程度の省エネ効果があったとされています。

まとめ

今回は、卒FITを迎えたご家庭で「エコキュートの昼間運転がお得になる」という情報は真実なのかをご紹介してきました。
現在、太陽光発電設備を利用しているご家庭であれば、高額な売電価格による売電収入は非常にありがたいものだと思います。しかし、この売電収入に関しては期間が10年と決められており、FITが期間満了で終了してしまうと、今までのような売電収入を得ることができなくなってしまうのです。

そこで近年では、卒FIT後の余剰電力をどのようにして自家消費していくのかがキーワードになっています。例えば、家庭用蓄電池を導入して家庭で消費する電力を全て自家発電することを目指す方も多くなっていますし、この記事でご紹介したようにエコキュートの電力として利用する方も多いです。導入されている住宅設備に関しては、ご家庭ごとに異なりますので、FITの期間満了が近くなっている方は、一度将来の電力利用について真剣に考えてみると良いのではないでしょうか。

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