家庭用蓄電池の導入を検討している方や既に設置した方は、「劣化や故障で処分する時はどうすればいいのだろう」「どのような流れで廃棄するのかわからない」など、処分方法に関して悩んでいるのではないでしょうか。蓄電池は、適切な方法で処分する必要があります。間違っても粗大ごみとして捨ててはいけません。
そこで今回は、蓄電池の処分方法や費用、廃棄サービスについて詳しくご紹介します。蓄電池の処分費用が気になる方や蓄電池の処分方法を知った上で設置を検討したい方などは、参考にしてみてください。
目次
家庭用蓄電池の処分方法とは?
太陽光発電と連携可能な家庭用蓄電池を処分したい場合は、まず蓄電池の販売店もしくはメーカーに相談しましょう。
中でも販売店では、どの業者で家庭用蓄電池の回収を行ってもらえるのか、具体的な処分方法を説明してくれるはずです。
- 1.販売施工業者やメーカーに相談
- 2.説明を受けたのち、電気工事業者が電設工事を実施
- 3.電設工事費用の支払い
- 4.蓄電池の回収業者へ回収作業の相談と依頼
- 5.回収業者へ処分費用の支払い
- 6.回収業者(主にメーカー)による蓄電池の回収作業
- 7.専門業者による分解と廃棄
上記の電設工事とは、家庭用蓄電池と住宅設備、太陽光発電をつなぐ配線や回路を切り離す工事のことです。各配線を適切な手順で切り離さなければ、火災やショートといった事故につながることもあります。
家庭用蓄電池を処分する上で気を付けるポイントは、費用と電設工事、安全性の3点です。特に電設工事は重要な作業といえるでしょう。
また、家庭用蓄電池は製品ごとの特性もあるため、製造元のメーカーに相談および回収を相談してみるのもいいでしょう。
蓄電池の処分費用
家庭用蓄電池の処分費用は、メーカーや回収業者によって異なります。
一般的な費用は、安いケースで7万円程度、平均は10万円前後、高い場合は20万円ほどかかることもあります。明確な平均相場が見えにくく、処分費用に関しては比較的ばらつきが多い状況といえます。
今後蓄電池の処分件数が増えれば、相場が明確に定められる可能性があるかもしれません。これから家庭用蓄電池を設置する方は、販売施工業者に処分費用の状況についてあらかじめ確認しておくと安心でしょう。
蓄電池の処分で注意すべきポイント
蓄電池の処分を検討する前に覚えておくべき注意点について、わかりやすく紹介していきます。
電設工事が必要
蓄電池を処分するためには、まず販売施工業者や電気工事業者による電設工事をしなければいけません。
冒頭でも解説したように、電設工事は蓄電池の配線や回路を太陽光発電および住宅側の配線と切り離す作業です。専門の資格と技術を持った業者しか対応できないため、個人ではできません。
また、正しい手順で作業を行わなかった場合、ショートや感電、火災といったリスクにつながることもあります。
蓄電池の処分を行う時は、設置工事を行ってもらった販売施工業者もしくはメーカーに連絡するようにしてください。
特別管理廃棄物なので粗大ごみとして廃棄できない
蓄電池は特別管理廃棄物に区分されているため、粗大ごみとして処分できません。廃棄物処理法で定められている特別管理廃棄物とは、具体的には毒性や爆発性、感染性の他、健康や生活環境に有害な影響を与える製品のことです。
万が一法令に沿わない処分を行った場合、罰則の対象となるので注意が必要です。不法投棄は5年以下の懲役刑や1,000万円以下の罰金刑、もしくは両方の罰則が課されます。
蓄電池の導入および処分の際は、特別管理廃棄物だということを忘れずに取り扱うようにしてください。
メーカーでしか回収できないケースも
特定の家庭用蓄電池は、製造元のメーカーでしか回収できないケースもあります。メーカー回収の蓄電池を所有している場合、特に注意が必要なポイントです。
蓄電池メーカーとしても知られているニチコンでは、同社で製造した蓄電池と京セラ製の蓄電池のみ回収および処分の依頼を受け付けています。そのため、これ以外のメーカーの蓄電池の処分をニチコンへ依頼しても、対応してもらえません。
このように蓄電池の処分に関しては、メーカーによって状況が異なります。無駄な手続きを進めないためにも、事前に処分方法を確認しておくことをおすすめします。
産業用蓄電池の処分方法は?
太陽光発電と連携可能な蓄電池は、家庭用と産業用に分けられます。その基準は、一般的に蓄電容量と用途です。住宅に設置されることを前提とした蓄電容量5kWh、7kWh、9kWhといった蓄電池は、家庭用として区分されています。
一方、オフィスや工場、倉庫、スーパーなど事業用の建物に設置されている蓄電池や、10kWhや15kWh以上の蓄電池は産業用として区分されています。
ここからは、産業用蓄電池の処分方法や注意点について解説していきます。
マニフェストの発行と管理を利用者自ら行う
産業用蓄電池の処分をメーカーに依頼しない場合は、所有管理者自らマニフェストの発行と管理、蓄電池処理の専門業者を選定する必要があります。
廃棄物処理に関するマニフェストは、廃棄処理の委託を行った際に、法令や契約内容に沿って処理されているかを管理するための伝票です。
廃棄物を排出する(蓄電池を所有、使用している者)企業は、マニフェスト管理表を用意し、自社控えのA表にマニフェスト交付日や廃棄物の情報などを記録します。またB~E表については、収集運搬業者や中間処理業者で発行管理されます。作成後は、廃棄物の排出者にも各伝票の控えが届く仕組みです。
広域処理制度の活用
もう1つの方法は、広域処理制度の活用です。
産業廃棄物を処分するには、前段で解説したようにマニフェストの発行や管理などが求められます。しかし、それでは蓄電池を所有している企業にとって負担が大きく、スムーズな処分や回収を妨げてしまいます。
広域処理制度を利用して、廃棄物処理法の特例を受けたメーカーに依頼すれば、マニフェストの発行や管理、処理業者の選定まで一括対応してもらえます。
そのため産業用蓄電池を処分する際は、広域処理制度に対応しているメーカーかどうかを調べておくと安心です。
蓄電池の処分にかかる手間を考えると持たないべきか?
ここまでの内容を確認して、「蓄電池の処分が面倒だから購入をやめようかな…」と考えてしまう方も多いのではないでしょうか。
また現在蓄電池を所有している方によっては、「処分後にまた蓄電池を導入しようか悩んでいる」というケースもあるかと思います。
しかし蓄電池は、経済的メリットだけでなくインフラとしても重要な設備です。
最後は、蓄電池の処分にかかる手間を差し引いても、所有および買い替えのメリットを解説していきます。
電気料金が高騰している時期は特に役立つ
蓄電池は、電気料金削減効果という点でメリットの多い設備です。2022年はロシアによるウクライナ侵攻や、3月に日本で起こった地震による火力発電所の故障などで、電気料金の値上げが止まらない1年でした。
特にウクライナ侵攻による燃料価格の高騰は、エネルギー輸入国の日本にとって大きな影響を受けています。さらに2023年春頃に規制料金の値上げが行われるため、家計負担の増加はしばらく続きます。
このような状況の中、家庭でできる対策は省エネ家電の導入や節電です。しかし、これらの方法には限界があります。
太陽光発電と蓄電池を導入すれば、日中に発電した電気を自家消費したり貯めておいたりできます。夜間や電気使用量の多い時間帯に蓄電した電気を使用することで、電気料金を削減できます。
また太陽光発電と併用すれば、月4,000円以上の電気料金を削減できる可能性もあります。無理な節電よりも効率的で、普段どおりの生活が送れるのがメリットです。
蓄電池単体の場合は、電力会社との契約を時間帯別プランに切り替えれば、状況によっては月3,000円程度の電気料金削減も不可能ではないでしょう。
非常用電源として活用可能
蓄電池は経済的メリットだけでなく、防災対策としての強みも持ち合わせています。日本は、地震や台風、豪雨、噴火、津波といったさまざまな災害に見舞われやすい環境です。
特に東日本大震災のような大規模災害が発生した場合、数日から1ヵ月、被害状況によってはそれ以上停電が続くこともあり得ます。
長期停電は、在宅で避難生活を送る方にとって厳しい状況ですし、夜間に住宅の照明を使用できないことに不安も覚えることでしょう。
そこで太陽光発電と蓄電池を設置すれば、停電時でも電気を使用できますし、蓄電池の機能によって、電気の供給方法も柔軟に選択できます。
たとえば特定負荷型の蓄電池では、事前に指定した場所のみに電気が供給されます。また全負荷型は、全部屋・全設備およびコンセントに電気が供給されます。
リビングや寝室の照明やIHクッキングヒーターなど、一部機器を稼働できれば問題ないという方は、特定負荷型の蓄電池で問題ないでしょう。
全部屋で電気を使用したい場合は、全負荷型の大容量蓄電池が向いています。
蓄電池の処分方法を間違えないようメーカーや販売店への相談は必須!
家庭用や産業用の蓄電池を導入する際は、事前に処分方法を把握しておきましょう。特に家庭用蓄電池の場合は、処分の際は販売施工業者やメーカーに相談する必要があります。
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