電気自動車とV2H、蓄電池、太陽光発電を導入している方の中には、トライブリッド蓄電システムの導入を検討している方も多いのではないでしょうか。しかし、トライブリッド蓄電システムの価格は100万円以上するため、気軽に導入できません。そこで注目すべきポイントが、トライブリッド蓄電システム向けの補助金制度です。
そこで今回は、トライブリッド蓄電システムの補助金制度に関する実施状況や内容について詳しくご紹介します。V2Hと電気自動車の導入に合わせてトライブリッド蓄電システムを導入したい方やトライブリッド蓄電システムを安く導入できる方法を知りたい方などは、参考にしてみてください。
目次
2023年度にトライブリッド補助金は実施される?
2023年2月21日、経済産業省ではクリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)の予算を発表しました。2023年度も引き続き補助金を受けながら、トライブリッド蓄電システムを導入することが可能になるかもしれません。
予算額は総額900億円と大規模なもので、電気自動車やV2Hなどにも補助金を交付してくれます。詳細については例年3月以降に発表されるので、続報を待ちましょう。
2022年度のトライブリッド補助金
2023年度の補助金制度に関する詳細は、2022年2月時点では公開されていません。そこでここからは、2022年度に実施された補助金制度から、トライブリッド蓄電システムに関する補助金制度の概要を1つずつ確認していきましょう。
CEV補助金
CEV補助金(Clean Energy Vehicle)は、クリーンエネルギー車に関する導入費用を補助してもらえる国の補助金制度です。
補助対象の設備は、電気自動車とプラグインハイブリッド自動車、燃料電池自動車、クリーンディーゼル自動車といった車両の他、V2Hも含まれています。
たとえば、ニチコンのトライブリッド蓄電システムに含まれているESS-V1(V2H)は補助金の対象設備で、補助率2分の1の補助金を交付してもらえます。
他の設備についても補助率は2分の1程度です。なお、トライブリッド蓄電システムのパワーコンディショナや蓄電池は原則として対象外なので、システム全体の補助金を受けるのが難しい側面もあります。
ZEH支援事業
ZEH支援事業(net Zero Energy House)は、ZEH住宅に対する補助金を交付してもらえる補助金制度です。
ZEHは、年間の消費エネルギーと「省エネ+創エネを±0以下」にできる高性能な住宅を指しています。また、太陽光発電や蓄電池、V2Hなどを活用しながら消費エネルギーを削減するため、トライブリッド蓄電池もZEHに欠かせない設備といえます。
ZEH支援事業は、いくつかの種類に分かれていて、ZEHだけでなくZEH+、Nearly ZEH、ZEH orientedといった補助金制度も実施されています。住宅性能の違いによって適用される制度が異なります。
中でもZEH向けの場合は、ZEH仕様の住宅を購入した場合に55万円の補助金を交付してもらえます。
さらにZEH、Nearly ZEH、ZEH oriented向けは、蓄電システムの蓄電容量1kWhあたり2万円もしくは導入費用に対して3分の1のうち低い金額を交付してもらえます。(上限額20万円)
これからZEH住宅を購入する方には、メリットの多い補助金制度です。
既存住宅における断熱リフォーム支援事業
既存住宅における断熱リフォーム支援事業とは、戸建て住宅や集合住宅の断熱リフォームに対する補助金を交付してもらえる制度のことです。
主な補助対象は、壁や窓、玄関などに施される断熱リフォームです。ただし、家庭用蓄電システムや家庭用蓄熱設備、熱交換型換気設備・空調設備といった設備も補助金の対象なので、トライブリッド蓄電システムを導入したい方にとっても役立ちます。
補助金率は、補助対象設備の費用に対して3分の1程度で設定されています。また補助金額の上限は、戸建て住宅120万円、集合住宅1戸につき15万円です。
トライブリッドの補助金申請方法
続いては、トライブリッド蓄電システムに関する補助金制度の申請方法について紹介していきます。
CEV補助金
CEV補助金を受けたい場合は、以下の流れで手続きを進めていきます。
- 1.補助対象設備の購入
- 2.補助金交付申請書類の用意と記述
- 3.必要書類を郵送か宅配便で送付
- 4.審査
- 5.補助金の交付が決められる
- 6.実際に補助金が振り込まれる
補助金交付申請書類は、一般社団法人 次世代自動車振興センターサイトからダウンロードできます。申請書類には、氏名や住所、電話番号といった基本情報の他、補助金振込先情報、補助対象設備に関する項目があります。
書類の提出先は一般社団法人 次世代自動車振興センターで、審査結果を同機関のサイトから確認することが可能です。
ZEH支援事業
ZEH支援事業を受けたい時は、戸建ZEH補助金申請ポータルサイトへアクセスし、事業種別という項目からZEH支援事業を選択します。あとは公募区分から作成フォームを選択し、必要事項を入力していく流れです。
なお、ZEHポータル・マニュアル <交付申請編>に掲載されている交付申請の入力手引には、入力方法などのマニュアルが掲載されています。オンラインで申請手続きを進められるのは、ZEH支援事業のメリットといえます。
既存住宅における断熱リフォーム支援事業
既存住宅における断熱リフォーム支援事業を受けるには、公益財団法人北海道環境財団サイトから申請書類をダウンロードします。
あとは、申請書類を印刷したのち必要事項を記入して、公益財団法人北海道環境財団へ提出という流れです。
申請書類は、戸建て住宅と集合住宅、住宅全体の断熱と居間のみの断熱リフォームで異なります。そのため、初めて申請する方にとってはややこしい内容といえます。
正しく申請できるか不安な時は、工務店へ申請書類の種類や代行を含めて相談するのもいいでしょう。
ニチコンのトライブリッド蓄電システムに関する特徴
代表的なトライブリッドといえば、ニチコンから販売されているトライブリッド蓄電システムです。ニチコンのトライブリッド蓄電システムは、補助金制度の補助対象設備として認定されているケースも多く、コスト面でも導入しやすい製品といえます。
続いては、ニチコンのトライブリッド蓄電システムに関する特徴を1つずつ確認していきましょう。
ライフスタイルに合わせた3種類の機能
ニチコンのトライブリッド蓄電システムは、ライフスタイルに合わせて3種類のモードに切り替えられます。
1つ目のグリーンモードは、太陽光発電で発電した電気のうち、余った電力を蓄電池と電気自動車に充電してくれます。貯めた電気は自家消費できるので、なるべく電力会社からの買電量を抑えたいという方におすすめです。
2つ目のEVモードは、日中に電気自動車を自宅へ駐車しているかどうかで充電先を変更してくれます。日中に電気自動車を使用しない場合は、太陽光発電から発電された電気を全て電気自動車の充電に充てられます。
一方、日中に電気自動車を使用している場合は、蓄電池に充電します。、買い物や仕事から帰宅し、電気自動車をトライブリッド蓄電システムに接続すると、再び電気自動車の充電を始めてくれる仕組みです。
電気自動車の利用頻度が高い時は、電気料金を削減しやすく、かつ充電不足といった問題を避けられます。
3つ目の売電モードは、太陽光発電で発電された電気を全て売電する機能です。売電収入を伸ばしたい場合に役立ちます。
卒FIT後に全量自家消費したい時は、グリーンモードかEVモードを選択するのがおすすめです。反対に固定買取期間中や卒FIT後も売電収入を得たい時は、売電モードにしておくことで自家消費分を抑えられます。
停電時でも全部屋へ電力供給可能
ライフスタイルに合わせて蓄電容量を変更したり設備を追加したりできるのは、特に強みといえます。
ニチコンのトライブリッド蓄電システムは、1台のパワーコンディショナで太陽光パネルと蓄電池、V2Hを全て制御できます。そのため、あとからV2Hや太陽光発電を追加する際、パワーコンディショナの追加が不要です。
さらに家族が増えた・消費電力が増えたといったさまざまな変化に合わせて、蓄電池や太陽光パネルを簡単に追加できます。
なお、蓄電容量を14.9kWhに増やすことが可能で、最大30時間家電製品や住宅設備を複数同時に稼働できます。
AIによる自動制御機能搭載
ニチコンのトライブリッド蓄電システムには、AIを活用した制御機能も搭載されています。
AI自動制御機能は、翌日の天気予報や普段の電力使用状況および発電量などから常に最適な蓄電量や機能を選定し、自動で制御してくれるのが特長です。
また自身の住んでいる地域を設定した場合、気象警報や早期注意情報の発令時に自動で蓄電優先のモードに切り替わります。停電に備えてすぐに充電を開始できるのは、AI制御ならではです。
トライブリッド蓄電システムがおすすめの人
続いては、どのような方にトライブリッド蓄電システムがおすすめなのかについて説明します。
電気自動車を所有している・購入予定
これから電気自動車を購入する方や既に所有している方は、トライブリッド蓄電システムを導入した方がいい場合もあります。電気自動車に貯められる電気は、家庭用蓄電池の数倍以上です。しかし電気自動車単体では交流電力へ変換できないため、家庭には供給できません。
トライブリッド蓄電システムがあれば、V2Hを通じて電気自動車の電気を自家消費できますし、太陽光発電で発電した電気を電気自動車へ供給できます。
太陽光発電の導入を検討している
太陽光発電の導入を検討している場合にも、トライブリッド蓄電システムはメリットの多い設備といえます。
トライブリッド蓄電システムは、太陽光発電から発電された電気を状況に合わせて売電したり蓄電したりしています。さらに蓄電の際は、家庭用蓄電池だけでなくV2H経由で電気自動車へ給電することも可能です。
また、1台のパワーコンディショナで太陽光発電と蓄電池、V2Hを制御できるため、電力損失を抑えられます。
災害対策として電気を確保しておきたい
災害対策として非常用電源を探している時は、トライブリッド蓄電システムを検討してみてはいかがでしょうか。ガソリンエンジン式などの非常用発電機は、燃料がなければ発電を継続できません。また家庭用蓄電池などとの連携機能も搭載されていないため、柔軟に活用することができません。
一方、トライブリッド蓄電システムであれば、太陽光発電やV2Hと連携できます。太陽光発電は日光さえあれば毎日発電できますし、蓄電池や電気自動車へ充電しておけば雨の日や夜間にも電気を使用することが可能です。
トライブリッド蓄電池システムの価格を抑えるには?
トライブリッド蓄電システムの導入費用を抑えるには、自社施工かつ補助金制度に詳しい実績豊富な施工販売業者に相談するのがおすすめです。
施工を外注している業者などに依頼すると、中間マージンコストの上乗せによって割高な費用を請求されることがあるかもしれません。また、十分な実績やノウハウがない業者は、補助金制度について知らなかったり施工技術が不足していたりといった問題を抱えていることもあるでしょう。
施工販売業者を選ぶ時は、以下のようなポイントに注目しましょう。
- 自社施工を徹底している
- 施工件数を公開
- 多数の蓄電システムを取り扱っている
- 担当者が丁寧に施工方法や製品について説明している
- 保証サービスを用意している
また、見積もり書を丁寧に作成しているかどうかという点は、サービス品質を比較する上で大切なポイントです。
トライブリッド蓄電システムは今後も補助金が交付される可能性あり!
トライブリッド蓄電システムの補助金は、2023年度も実施される予定です。詳細な内容は例年2023年3月以降に発表されるため、定期的に各種補助金事業の最新情報を確認するようにしましょう。
トライブリッド蓄電システムを検討している方や実績豊富な業者から蓄電ユニットを購入したい方は、今回の記事を参考にしながら蓄電池を検討してみてはいかがでしょうか。
弊社とくとくショップは、創業から29年、累計15,000件以上もの施工実績を持っています。ニチコンをはじめさまざまなメーカーの蓄電池を取り扱っていて、トライブリッド蓄電システムも販売しております。少しでも気になる方は、ぜひお電話やWebフォームからお気軽にご相談ください。専任の担当者が、蓄電池のあらゆる悩みに対応いたします。