こんにちは、『エコキュートとオール電化専門店 とくとくショップ』です。今回は、電気でお湯を沸かすエコキュートと、太陽光エネルギーを電力に変換する設備である太陽光発電システムとの連携について解説します。
電気代やガス代など、光熱費の高騰が問題視される中、日々の給湯コストを削減できる住宅設備としてエコキュートの人気がさらに高まっています。ただ、ガス給湯器と比較すると給湯にかかる光熱費を削減できると言われるエコキュートについても、電力会社から購入した電気がエネルギー源となりますので、月々にかかる給湯コストは電気料金高騰の影響をかなり受けています。
こういった状況の中、エコキュートと太陽光発電を連携させることで、日々の生活にかかる給湯コストをさらに削減しようとする動きが強まっています。実は、電気でお湯を沸かすエコキュートと、日射で電気を発電できる太陽光発電システムは、非常に相性の良い住宅設備で、この二つを連携させることでさまざまなメリットを享受できるようになります。
そこで当コラムでは、家庭の光熱費高騰対策として注目されている、エコキュートと太陽光発電の連携について、そのメリットなどを解説します。
目次
エコキュートと太陽光発電は連携できるのか?
電気でお湯を沸かすエコキュートと、太陽光エネルギーを電力に変換する設備の太陽光発電システムは、非常に相性が良い設備だということは皆さんも認識していることでしょう。
しかし、現状はまだ多くの方がエコキュートと太陽光発電を連携できていないのが実情ですので、「エコキュートと太陽光発電を連携するには、何らかのハードルがあるのかな?」と感じてしまいます。結論からご紹介しますが、エコキュートと太陽光発電は、何の問題もなく連携させることが可能です。
現状、多くの方が連携させていないのは、今までは「太陽光発電で作った電気は、エコキュートの給湯に回すよりも売電した方がお得だったから」というのが理由です。実際に、給湯器はガス給湯器を利用しながら、太陽光発電だけは設置しているというご家庭も非常に多いです。
ただこれからの事を考えると、エコキュートと太陽光発電は、きちんと連携させて余剰電力を給湯に回す方がお得になるご家庭が多くなっていきます。
以下で、エコキュートと太陽光発電を連携させるときのメリットや、注意したいデメリットも合わせてご紹介します。
エコキュートと太陽光発電を連携させるメリット
それでは、エコキュートと太陽光発電を連携させることで得られる代表的なメリットをご紹介します。エコキュートと太陽光発電を連携させると、以下のようなメリットが得られます。
- ・卒FITを迎えた家庭は余剰電力を有効活用できる
- ・節電効率が高まる
- ・昼間にお湯を沸かせるようになる
- ・災害時もより安心できる
エコキュートと太陽光発電の連携は、上記のようなさまざまなメリットが考えられます。それぞれのメリットについて、以下でもう少し詳しくご紹介します。
メリット1 卒FITを迎えた家庭は余剰電力を有効活用できる
エコキュートと太陽光発電を連携させる一つ目のメリットは、太陽光発電を設置して10年が経過する、いわゆる卒FITを迎えるご家庭について、余剰電力を効率的に活用できるようになるという点です。
太陽光発電は、FIT制度(再生可能エネルギーの固定価格買取制度のこと)により、発電した電力について、10年の間は一定の高価格で電力会社に買い取ってもらうことができます。FIT制度開始当初は、この売電価格が1kW当たり48円とかなり高額に設定されていたため、太陽光発電が一気に普及しました。なお、現在の売電価格(2022年度)は、1kW当たり17円と、制度開始当初と比較すると、大幅に下落しています。ただ、FIT制度の売電価格は、太陽光発電の設置にかかるコストを回収できる範囲で設定されますので、これは「生産技術の向上などにより太陽光発電設備の設置コストが下落した」ことから、売電価格が下がっただけです。つまり、現在でも、10年間の固定価格買取期間で設置コストの回収は可能です。
注意が必要なのは、太陽光発電の設置から10年以上が経過して、卒FITを迎えた場合です。実は、卒FITを迎えると、1kW当たりの売電価格が8~9円程度にまで下落し、これは電力会社から買電する価格よりも大幅に安くなります。つまり、FIT期間中のように、余剰電力を売電するよりも、電力会社から買電量を減らすため、自家消費に回す方がかなりお得な状況になるわけです。
こういったことから、卒FITを迎えた場合、余剰電力でお湯を沸かすようにすることで、給湯にかかるコストを大幅に削減することができます。
メリット2 光熱費削減効果が高まる
太陽光発電とエコキュートを連携させた場合、光熱費削減効果をより高くすることができると言われています。
太陽光発電は、日射を電力に変換するシステムですので、日中の生活にかかる電力を自家発電で賄うことができます。さらに、エコキュートも設置していれば、深夜帯の電力が格安になるプランを活用することができますので、「昼間は自家発電、夜は格安の電気料金」で生活するという、効率的に光熱費削減を目指せる状況を作れます。
これは、どちらか一方を導入していただけではできない方法です。例えば、深夜帯の電力が格安になるプランについて、関西電力の「はぴeタイムR」などは、エコキュートの設置が一つの条件になります。したがって、太陽光発電のみを設置している場合は、選べない選択肢になるわけです。その逆に、エコキュートだけ設置している場合、深夜帯の電気代が安くなる半面、昼間の電気代が割高に設定されます。そのため、日中も在宅することが多いご家庭の場合、家全体の光熱費削減効果が薄れる可能性があります。
「エコキュート+太陽光発電」という状況ができれば、昼間も夜間も効率的に光熱費削減効果が見込めるという点は大きなメリットになるでしょう。
メリット3 昼間にお湯を沸かすことができる
エコキュートは、電力会社が用意している深夜帯の電気が格安になるプランを活用して給湯コスト削減を目指すのが基本です。一日に使用するお湯を、電気代が安い深夜にまとめて沸かす仕組みになっていることから、ガス給湯器などと比較して、給湯コストを1/3~1/4にまで削減することができます。
ただ、エコキュートの深夜帯の稼働は、光熱費削減というメリットがある一方、騒音問題や昼間の電気代が割高になるなどと言った問題が生じます。エコキュートの稼働音は、そこまで大きな音が生じるわけではないのですが、周囲が静かな分、稼働音が目立ってしまう場合があります。実際に、エコキュートの稼働音が原因となる騒音トラブルは、裁判沙汰にまで発展した事例もあるようです。また、電力会社の、深夜帯が格安になる料金プランは、昼間の電気代が割高になるので、日中に多くの電気を使用するご家庭の場合、全体的な光熱費削減効果が薄れてしまいます。
これが卒FITを迎えたご家庭であれば、太陽光発電と連携させることで、昼間にお湯を沸かすことができるようになり、騒音問題や昼間の電気料金問題を解消することができます。さらに、エコキュートは、ヒートポンプの仕組みを利用してお湯を作る給湯器ですので、外気温が高い昼間の方が効率的にお湯を作ることができます。エコキュートと太陽光発電の連携は、こういったさまざまな面でのメリットをもたらせてくれます。
メリット4 災害時もより安心
エコキュートは、一日に使用するお湯をまとめて沸かして、貯湯タンクに貯め置きするという仕組みです。そのため、瞬間式の給湯システムと比較すると、自然災害時も非常用水を確保することができるという点がメリットとみなされています。
そして、太陽光発電と連携させることで、この災害対策の面がより強化されます。自然災害により、停電や断水が起きた時、エコキュートは非常用水を大量に確保できるという点は確かです。しかし、タンクのお湯は徐々に温度が下がりますので、長期間お湯を確保することはできません。
これが、エコキュートと太陽光発電を連携させておけば、万一の停電があった際も、自家発電した電力でお湯を沸かすことができるようになります。
エコキュートと太陽光発電の連携は、災害対策の面でも非常に有効だという点が大きなメリットになるでしょう。
エコキュートと太陽光発電を連携させる際のデメリット
エコキュートと太陽光発電の連携は、上述したようなさまざまなメリットがあるのですが、注意しておかなければならないデメリットも存在します。
ここでは、代表的なデメリットを2つご紹介します。
デメリット1 コストがかかる
エコキュートと太陽光発電を連携させるためには、当然、この二つの住宅設備を導入しなければいけません。そして、この二つの設備を導入するには、決して安くないコストがかかります。
エコキュートの導入にかかるコストは、購入する機種によって上下するものの、安い物でも30万円前後、高いものになると70万円前後となります。さらに太陽光発電システムについては、100万円以上のコストを覚悟しておかなければならないでしょう。
つまり、日々の光熱費削減効果を期待できるものの、導入のためにはそれなりに高額な初期費用がかかる点がデメリットと言えます。なお、この初期費用に関しては、中長期的な視点で考えると、光熱費削減効果などにより回収することが可能です。
デメリット2 導入したくても導入できない場合がある
エコキュートと太陽光発電は、どちらも非常に高い光熱費削減効果を持っていますので、可能であれば導入したいと考える方が多いと思います。
しかし、注意しておかなければならないのは、どちらも大型の住宅設備となりますので、いくつかの設置条件を満たしていない場合、導入することができないケースがあります。
エコキュートは、ガス給湯器とは異なり、かなり広い設置スペースが必要です。上述したように、一日に使用するお湯をまとめて沸かしてタンクに貯めておく仕組みですので、大きな貯湯タンクが設置できるだけのスペースが必要です。ヒートポンプユニットはエアコンの室外機程度の大きさですが、タンクも合わせるとかなりのスペースが求められます。
そして、太陽光発電は、屋根の形状や傾斜角度、向きなどによって発電効率が変わります。さらに、周囲に背の高い建物がたくさんあって、日射が届きにくいという立地の場合も、太陽光発電の設置に適さないでしょう。また、築年数が経過した建物の場合、太陽光発電を設置するために、屋根のリフォームを行わなければならないケースがあるなど、エコキュート以上に求められる設置条件が厳しくなります。
こういったことから、設置したくても設置できないケースがある点が、通常の住宅設備にはないデメリットと言えるでしょう。
エコキュートと太陽光発電の連携がおすすめできる人
それでは最後に、エコキュートと太陽光発電を連携させることをおすすめできる方の特徴についてご紹介します。
エコキュートと太陽光発電の連携については、基本的には誰でもおすすめできるのですが、以下の条件に当てはまる方は特におすすめです。
エコキュートもしくは太陽光発電、どちらかの設備を既に導入している方
エコキュートや太陽光発電は、それぞれが高い節電効果を持った設備ですので、どちらか一方のみを設置しているご家庭も多いです。そして、こういったご家庭は、もう一方の設備を導入し、両設備を連携させるのがおすすめです。
上述したように、エコキュートと太陽光発電は、非常に相性の良い設備ですので、連携させることで節電効率の向上、利便性の向上などと言ったメリットが得られます。なお、エコキュートについては、太陽光発電と連携機能がついている機種がありますので、そういった種類を選択するのがおすすめです。
卒FITを迎えた方
卒FITを迎えた方は、余剰電力をエコキュートの給湯に使うようにするのがおすすめです。
住宅向けの固定価格買取制度は、太陽光発電を設置してから10年間と決まっています。そして10年を経過した場合、売電価格が8円前後まで下落するので、自家消費に回して買電量を減らす方向にもっていくのがお得になります。
エコキュートを導入すれば、給湯にかかる電力も自家発電で賄えるようになりますので、余剰電力の有効活用が可能です。なお、家庭で消費されるエネルギーは、その約3割が給湯で使われているとされていますので、この部分を自家発電で賄うことができれば、大幅な光熱費削減が期待できます。
参照データ:資源エネルギー庁「部門別エネルギー消費の動向」より
自然災害対策を考えている方
太陽光発電は、太陽光エネルギーを電力に変換することができる設備ですので、自然災害の事を考えると、非常に心強い設備となります。日本は、地震や台風などの自然災害が非常に多い国として有名で、毎年のように停電を伴う被害が全国各地で発生しています。
太陽光発電が導入されている場合、自然災害による停電が発生した時も、自家発電することが出来ますので、安全で便利な生活を維持することが可能です。さらに、エコキュートと連携させておけば、停電が長期化したとしても、自家発電した電力でお湯を沸かすことができ、災害時でもお風呂に入ることが可能です。
太陽光発電とエコキュートの連携は、災害による停電が発生しても、普段の生活を維持することができるので、「万一のことを考えて災害対策を…」と考えている方には非常におすすめです。なお、太陽光発電は、夜間に発電することができませんので、災害対策の面を考えると家庭用蓄電池も連携させておくのがおすすめです。
まとめ
今回は、日々の生活にかかる光熱費を大幅に削減できる設備として人気の、エコキュートと太陽光発電について解説しました。エコキュートと太陽光発電は、それぞれが独立した人気住宅設備として販売されていますが、どちらも『家庭で消費する電力』に関わるものですので、実は連携させることで大きな相乗効果を得ることができます。
特に、太陽光発電のFIT期間が終了するお客様については、発電した電力の売電価格が大幅に下落することになるため、売電ではなく自家消費に回す方が良いとされています。そしてエコキュートは、「電気でお湯を沸かす」システムですので、自家発電した電力を使ってお湯を作ることができるわけです。今まで、電力会社から購入した電力でお湯を沸かしていたものが、自家発電した電力を利用するようになれば、日々の生活にかかる給湯コストを大幅に削減できます。
「エコキュートとオール電化専門店 とくとくショップ」は、エコキュートの販売だけでなく、太陽光発電設備の取扱いも行っています。太陽光発電との連携に適した機能を持つエコキュートをお探しのお客様は、お気軽に弊社までお問い合わせください。