こんにちは、『エコキュートとオール電化専門店 とくとくショップ』です。今回は、意外に勘違いしている方が多い、エコキュートと入浴剤の関係性について解説します。現在、ガス給湯器などからエコキュートへの交換に迷っている方の中には「エコキュートは入浴剤が使えないと聞くし…」「入浴剤を入れるとエコキュートが故障するらしい…」と言った話を聞いたことで、エコキュートの導入に少し後ろ向きになっているケースがあるようです。
エコキュートは、非常に省エネ性が高く、環境負荷低減が見込めるとはいえ、一日の中でバスタイムを楽しみにしている方であれば「入浴剤が使えない…」という情報が大きなマイナスポイントになってしまいます。
最初に言っておきますが、「エコキュートは入浴剤が使えない!」という情報は間違いですよ。確かに、入浴剤の種類によってはエコキュートの故障確率を高めてしまうものがあるのも事実ですが、全ての入浴剤が使えないわけではありません。
そこで当コラムでは、エコキュートへの入れ換えを検討している方に向け、入浴剤との関係性の真相をご紹介します。
目次
「エコキュートは入浴剤が使えない」という情報は本当?
ガス給湯器などからエコキュートへの入れ換えを考え、いろいろと調べてみると「エコキュートは入浴剤が使用できない…」と言った情報を見かけることがあると思います。そして、この情報を知った時には、「エコキュートはやめた方が良いかな…」と感じてしまう方もいることでしょう。
しかし、冒頭でご紹介したように、「エコキュートは入浴剤が使用できない」という情報は間違いです。正確には「エコキュートは使用できない種類の入浴剤がある!」となります。
実は、エコキュートは、導入するメーカーや機種によって、推奨される入浴剤が決まっていて、それ以外の入浴剤を使用した場合、故障リスクが高くなるのです。そのため、この情報が拡大解釈されて「入浴剤が利用できない!」となったのだと思います。
もちろん、エコキュートを導入する時には、使用できる入浴剤が限定されるのは確かですので、あなたが購入予定のエコキュートについて、どのタイプの入浴剤が対応しているのかは、事前に確認する必要があります。なお、エコキュートと入浴剤の関係性については、主に「『給湯タイプ』で利用可能な入浴剤の種類が変わる。」と考えてください。以下で、給湯タイプごとの使用可能入浴剤の種類を簡単にご紹介します。
エコキュートの給湯タイプと使用可能入浴剤について
エコキュートは、入浴剤が「使用できない」のではなく、「使用できる入浴剤が制限される」が正しい認識です。そして、使用可能な入浴剤の種類は、エコキュートの給湯タイプによって異なります。
まず、エコキュートの中でも、機能と価格のバランスが考えられた「セミオートタイプ」や「給湯専用タイプ」を選ぶ場合、使用可能な入浴剤の制限がほぼなく、一般的な入浴剤であれば自由に楽しめるはずです。「セミオートタイプ」や「給湯専用タイプ」のエコキュートは、機器内部にお湯を循環させることなく、一方的に排出する機能になっているからです。
注意が必要なのは、「フルオートタイプ」のエコキュートで、このタイプは浴槽内のお湯を循環させ、熱交換器を使って温め直すといった機能を持っています。したがって、使用する入浴剤の種類によっては、フィルターの目詰まりや、配管のサビ・腐食、センサ類の異常など、さまざまな問題を引き起こす可能性があります。つまり、フルオートタイプのエコキュートは、使用可能な入浴剤が制限されるという意味です。
フルオートタイプのエコキュートは、さまざまな便利機能が搭載されていることから、近年人気が高くなっていますが、このタイプを導入する場合には、メーカーが推奨している入浴剤以外は使用を控えてください。
フルオートタイプのエコキュートで使用制限される入浴剤の種類とは?
自宅の給湯器としてフルオートタイプのエコキュートを導入しようと考えている方は、以下のような入浴剤に注意してください。フルオートタイプのエコキュートでは、浴槽のお湯を循環させ温め直すという機能があるため、使用する入浴剤の種類によっては故障を引き起こす可能性があります。
- ・濁り湯、とろみ成分がある入浴剤
お湯が白濁になる濁り湯やとろみ成分が含まれる入浴剤は、循環口フィルターの目詰まりを引き起こす可能性があるため、基本的に使用不可です。配管内に入浴剤の成分が蓄積すると、配管の詰りやお湯の排出不良などの不具合を引き起こす可能性があります。 - ・発泡成分が含まれる入浴剤
発泡成分が含まれる入浴剤を好む方も多いですが、このタイプの入浴剤は、エコキュートのセンサ異常を引き起こす可能性があり、正常な動作の妨げになります。また、故障原因にもなるので、基本的に使用不可です。 - ・硫黄・酸・アルカリ・塩分などが含まれた入浴剤
いわゆる温泉タイプの入浴剤で、お土産などでもらう機会が多いため、つい使用したくなる入浴剤です。しかし、このタイプの入浴剤は、配管の錆、腐食の原因となり、機器の寿命を縮めてしまいます。特に、硫黄が含まれている入浴剤は注意しましょう。 - ・固形物が含まれる入浴剤
刻んだ生薬などが含まれた入浴剤もあるのですが、このタイプはフィルターの目詰まりの原因となり、お湯が出にくくなるといった不具合を引き起こします。したがって、フルオートタイプのエコキュートなどでは、基本的に使用不可です。
上記のような入浴剤は、フルオートタイプのエコキュートでは、基本的に使用を認められていません。
エコキュートメーカーが推奨している入浴剤について
ここまでの情報で分かるように、エコキュートは入浴剤の使用ができないのではなく、一部の種類については「制限されている」というのが正しい表現です。
それでは、実際に自宅の給湯器をエコキュートに交換しようと考えた時、どの入浴剤なら使って良いのでしょうか?実は、「使用可能な入浴剤」については、エコキュートメーカー各社が、公式サイトや取扱説明書などに明記しています。
ここでは、主要エコキュートメーカーについて、使用可能な入浴剤の種類に関する情報をまとめておきますので、ぜひ参考にしてください。
パナソニック製エコキュートに使用できる入浴剤
まずは、三菱電機と並んで、エコキュートのトップシェアを競っているパナソニックについてです。
パナソニック製エコキュートの中でも、セミオート、給湯専用タイプは入浴剤の制限などがありません。ただ、フルオートタイプは、使用可能な入浴剤に制限があり、以下の製品が推奨されています。
- ・花王株式会社「バブ」・・・にごりタイプ・パウダー配合は除く
- ・株式会社バスクリン「バスクリン」「きき湯」・・・にごりタイプは除く
- ・アース製薬株式会社「バスロマン」・・・にごりタイプは除く
パナソニック製エコキュートは、上記の3商品が推奨品として紹介されています。なお、入浴剤を使用する時には、自動配管洗浄を必ず「入」にしてください。
メーカー推奨品以外の入浴剤を使用したい場合でも、以下の種類の入浴剤については、機器故障の原因となるので、使用を禁止されています。
- ・推奨品以外の発泡系、バスバブル、石鹸(浴そう内)など
- ・生薬(葉、茎など固形のもの)
- ・ミルク成分配合やとろみ系のもの
- ・硫黄、酸、アルカリ、塩分を含んだもの
参照:パナソニック公式サイト
三菱電機製エコキュートに使用できる入浴剤
次は、パナソニックと並んで、エコキュートのトップシェアを誇る三菱電機製エコキュートで使用可能な入浴剤の種類についてです。
三菱電機のエコキュートは、公式サイト内に使用可能な入浴剤の種類が詳しく紹介されています。
- ・花王株式会社「バブ」・・・にごりタイプ・パウダー配合は除く
※2010年発売以降の機種からが対象となります。 - ・アース製薬株式会社「バスロマン」・・・にごりタイプは除く
※2018年発売以降の機種からが対象となりますが、SRT-C20Dは使用できません。 - ・株式会社バスクリン「バスクリン」・・・にごりタイプは除く
※2018年発売以降の機種からが対象となりますが、SRT-C20Dは使用できません。 - ・あわ入浴剤・・・Pシリーズのみ「薬用あわ入浴剤ボトルタイプアンパンマン」「アロマルセットボディウォッシュ&バブルバス」
※2016年発売以降の機種からが対象となります。
三菱電機製エコキュートの注意点は、上記のように使用可能な入浴剤の指定があるのですが、発売された年式によって使用可能な入浴剤が変わる点です。なお、購入した年度ではなく、発売された年式ですので、入浴剤を使用する際は、きちんと確認しておきましょう。
また、以下に該当する入浴剤は、性能低下や故障(ふろ循環ポンプの不具合など)、本体や配管の金属材料などの腐食・劣化の原因となるので、使用を避けましょう。
- ・炭酸ガスを含むもの(発泡させるもの)
- ・炭酸カルシウムを含むもの(にごり湯状にさせるもの)
- ・硫黄成分を含むもの
- ・塩化ナトリウムを含むもの
- ・薬草やゆずなどの固形成分が含まれるもの
- ・シリカ成分(無水ケイ素)を含むもの
参照:三菱電機公式サイト
コロナ製エコキュートに使用できる入浴剤
コロナ製エコキュートは、公式サイト内で、以下の3つの入浴剤が推奨されています。
- ・花王株式会社「バブ」・・・にごりタイプは除く
- ・株式会社バスクリン「バスクリン」・・・にごりタイプは除く
- ・アース製薬株式会社「バスロマン」・・・にごりタイプは除く
上記以外の入浴剤を使いたい場合でも、以下のタイプは機器の故障や金属部分の錆・腐食の可能性があるため、使用を禁止されています。
- ・炭酸ガスにより発泡させるもの
- ・硫黄、酸、アルカリ、塩分を含んだもの
参照:コロナ公式サイト
ダイキン製エコキュートに使用できる入浴剤
ダイキン製エコキュートは、公式サイト内で、「オートタイプ、給湯専用タイプ は、入浴剤の制限はありません。」と紹介されています。ただ、フルオートタイプは、使用可能な入浴剤が限られていますので、注意しましょう。ダイキン製エコキュートは、年式によって使用可能な入浴剤が変わりますので、その点も注意してください。
2013年(N型)以降 のフルオートタイプエコキュート
株式会社バスクリンの入浴剤で、バスソルトシリーズの「アーユルタイム」以外は全て使用可能です。それ以外の入浴剤については、『中性』で、以下の条件に該当しないものであれば、使用可能とされています。
- ・硫黄、酸成分、アルカリ、塩分を含んだもの
- ・生薬などの葉、茎などの固形物を含んだもの
- ・にごりタイプ、とろみ成分、ミルク成分のもの
- ・複数の入浴剤を混ぜたもの
2012年(MB型)以前のフルオート機
2012年以前のフルオートタイプのエコキュートは、株式会社バスクリンの入浴剤についても、試験確認などが行われていないそうです。したがって、入浴剤を使用する場合は、『中性』のもので、以下の条件に該当しないものを選びましょう。
- ・硫黄、酸成分、アルカリ、塩分を含んだもの
- ・生薬などの葉、茎などの固形物を含んだもの
- ・にごりタイプ、とろみ成分、ミルク成分のもの
- ・炭酸ガスなどの発泡系のもの
- ・複数の入浴剤を混ぜたもの
参照:ダイキン公式サイト
日立製エコキュートに使用できる入浴剤
次は日立製エコキュートに使用可能な入浴剤についてです。なお、日立では、推奨する入浴剤一覧を公表していますので、日立製エコキュートを利用中の方は、以下の資料をプリントアウトしておくと良いでしょう。
日立製エコキュートでは、以下の製品が推奨品として紹介されています。
- ・花王株式会社「バブ」(透明タイプ炭酸発泡あり)
- ・株式会社バスクリン「バスクリン」「きき湯」(透明タイプ炭酸発泡あり)
- ・アース製薬株式会社「バスロマン」(透明タイプ炭酸発泡あり)
日立製エコキュートは、他メーカーと同じく、濁り湯タイプの使用が禁止されていますが、透明タイプであれば炭酸発泡系の入浴剤を使用することができます。
なお、以下の条件に該当する入浴剤は使用を禁止されているので注意しましょう。
- ・乳白色系に、にごるタイプ
- ・生薬(葉・茎など固形のもの)など固形物が溶けないで残るタイプ
- ・推奨品以外の発泡するタイプ
- ・硫黄、酸、アルカリ、塩分を含んだもの
- ・複数の入浴剤を混ぜて使用
参照:日立公式サイト
東芝製エコキュートに使用できる入浴剤
東芝製エコキュートは、以下の入浴剤が推奨品として紹介されています。
- ・花王株式会社「バブ」「マイクロバブ」(にごりタイプは除く)
- ・株式会社バスクリン「バスクリン」「きき湯」(にごりタイプは除く)
- ・アース製薬株式会社「バスロマン」(にごりタイプは除く)
なお、上記の推奨品以外の入浴剤を使用したい場合でも、以下の条件に当てはまる入浴剤は、使用禁止です。
- ・硫黄、酸、アルカリ、塩分、ミルクやミルク成分を含んだもの
- ・浴槽に沈殿物(にごり成分)が残るもの
- ・生薬(固形のもの)
- ・発泡系のもの
参照:東芝キャリア公式サイト
エコキュートで入浴剤を使用する時の注意点について
お風呂に入る時には、必ず入浴剤を使用するという方も多いですが、給湯器としてエコキュートを導入している場合には、いくつか注意しておかなければならないポイントがあります。
これは、上で紹介した、メーカーが推奨している入浴剤を使用する時でも同じで、入浴剤が原因となりエコキュートが早期に故障するといった事態を防ぐためにおさえておきましょう。
メーカー推奨の入浴剤を使う
エコキュートで入浴剤を使用する場合、メーカーが推奨している入浴剤を選びましょう。注意が必要なのは、推奨品は、メーカーや使用する機種によって異なりますので、あなたが使用しているエコキュートの推奨品をきちんと調べなければいけません。例えば、日立製エコキュートは発泡タイプの入浴剤が使用できる機種が多いのですが、他メーカーでは使用を禁止している場合が多いです。
非推奨品を使用した場合、思わぬ故障を引き起こす可能性が高くなりますし、故障した時のメーカー保証を受けられない可能性も出てきます。したがって、入浴剤を使用したい場合は、メーカー推奨品を選ぶようにしましょう。
自動配管洗浄機能を「オン」にする
これは、エコキュートの取り扱い説明書にも記載されています。入浴剤を使用する時には、必ず自動配管洗浄機能を「オン」にしてください。
入浴剤を使用するということは、通常のお湯とは異なる成分が含まれた湯になるということで、必ず配管が汚れます。配管内の汚れを放置すると、給湯の不具合を引き起こす恐れがあるほか、浴槽のお湯が汚れるので健康被害の可能性もあります。
自動配管洗浄機能は、配管内に蓄積した汚れを洗い流してくれる機能ですので、入浴剤の成分による問題を防止することができます。
正しい入浴剤の使用方法を守る
エコキュートメーカーでは、使用可能な入浴剤を見極めるための試験を行っています。ただ、機能試験は、それぞれの入浴剤の正しい使用方法に則った状態で行われますので、それを守らない入浴剤の使用方法は、メーカーも想定していません。つまり、推奨品を使用したとしても、使用方法を間違うと、故障の原因となります。
例えば、多くのエコキュートメーカーは「複数の入浴剤を混ぜて使用してはいけない」と明確に記載しています。この他にも、規定量以上の入浴剤を入れるといった行為は、エコキュートの故障原因となりますので、正しい使用方法を守ってください。
定期的にエコキュートのメンテナンスを行う
これは入浴剤の使用有無にかかわらず行ってほしいのですが、エコキュートを長持ちさせたい場合、やはり定期的なメンテナンスを欠かせません。上述した自動洗浄機能を「オン」にしておけば、配管内の汚れなどはある程度落とすことが可能です。しかし、完全とは言えませんし、入浴剤の使用はフィルターの目詰まりなどの心配もありますので、定期的なメンテナンスが必須です。
一般的に、エコキュートのメンテナンスは、3ヶ月から半年に一度と言った頻度をメーカーが推奨しています。しかし、入浴剤を使用する頻度が高いお宅では、その分、配管やフィルターに汚れが貯まりやすいので、1カ月に1度程度のメンテナンスが推奨です。
冬場以外はエコキュートのお湯を抜く
エコキュートでの入浴剤の使用が問題になるのは、入浴剤が溶けたお湯が配管内を循環することで、配管やポンプ、フィルターなどにトラブルが起きることがあるからです。そのため、入浴を終えたら、エコキュートのお湯を抜いてしまうことで、お湯を循環させないという対策が有効に働く場合があります。
注意が必要なのは、この方法を冬場に採用すると、さらなる問題を引き起こす可能性がある点です。冬場になると、気温が極端に下がる地域などについては、配管の凍結を防止するために、入浴を終えても浴槽にお湯を残しておくという対策がとられます。これは、配管内をお湯が循環していない場合、配管が凍結して破裂してしまう恐れがあるからです。
つまり、お住いの地域によっては、入浴剤を使用したとしても、冬場にお湯を抜く行為が故障を誘引する可能性があるので、「お湯は抜かない」もしくは「入浴剤の使用を控える」どちらかの対策を取りましょう。
まとめ
今回は、勘違いしている方が多い、エコキュートと入浴剤の関係性について解説しました。この記事でご紹介したように、「エコキュートは入浴剤が使用できない…」という情報は間違いで、正確には「使用可能な入浴剤が制限されている」ですので、安心してバスタイムを楽しむことができるはずです。
ただ、頻繁に入浴剤を使用するお宅の場合、日々の清掃や定期メンテナンスを小まめに行ってあげる必要があるため、「どこからエコキュートを購入するのか?」が重要になると考えてください。というのも、エコキュートはさまざまな販売店が取り扱うようになっていますが、販売店によってアフターフォロー体制の充実度が全く異なります。中には、エコキュートの設置工事後は、何のアフターフォローもしないという業者もあり、こういった業者にエコキュートの設置を依頼した場合、メンテナンス不足に陥り早期の故障を招いてしまう恐れがあるのです。エコキュートの購入時には、イニシャルコストばかりに目が行きますが、10年以上使用する設備ですので、保証やアフターフォロー体制についてもしっかりと確認しなければいけません。
エコキュートとオール電化専門店 とくとくショップは、お客様が安心してエコキュートを利用できるようにするため、アフターフォローに力を入れています。故障時の無償修理対応を行うパーフェクト保証や、2年ごとの本体無償点検など、どこよりも充実したアフターフォローを行っていますので、入浴剤を使用したい方は、ぜひ弊社にお問い合わせください!