こんにちは、『エコキュートとオール電化専門店 とくとくショップ』です。家庭で使用する給湯器をエコキュートにする場合、キッチンの調理器具もIHクッキングヒーターに交換した方が良いのかな…と考える方は多いと思います。電気でお湯を沸かすエコキュートを導入するということは、家庭内でガスを利用する部分がコンロだけになってしまうケースが多いため、ガスの基本料金などを無駄に感じてしまう方が多いからです。
それでは、エコキュートを導入する際、家庭で使用する設備を電気に統一するオール電化と、一部の設備はガスを利用する「都市ガスの併用」ならどちらの生活が良いのでしょうか?
実は、この問題は多くの方が悩んでいるようなのですが、一概に「エコキュートはガス併用がお得!」とか「オール電化がお得!」とは言えないのが実情です。そこで当コラムでは、現在、エコキュートの導入を検討中の方に向け、ガスの併用とオール電化への移行について、それぞれのメリットとデメリットなどをご紹介します。
目次
オール電化とガス併用!それぞれのメリット・デメリットとは
それではまず、家庭で使用するエネルギーを電気に統一するオール電化と、ガスを併用する場合について、それぞれのメリットとデメリットを簡単にご紹介します。
オール電化のメリットとデメリット
ここでは、給湯器をエコキュートに、コンロをIHクッキングヒーターにしてオール電化住宅にする場合の強みと弱点をご紹介します。
オール電化の強みは以下のような点です。
- ガスの基本料金がなくなるのでお得
家庭で使用するエネルギーを電気に統一するということは、都市ガスと契約する必要がなくなります。ガスを併用する場合、基本料金を必ず支払わなければならないのですが、基本料金は全国平均で1,000円程度かかります。つまり、年間で12,000円程度、さらにエコキュートの耐用年数と言われる10年で考えれば、120,000円の節約になります。 - 電気代の割引対象となる
ほとんどの電力会社は、オール電化やエコキュートを導入している住宅を対象とした特別な料金プランを用意しています。例えば、エコキュートを導入する場合、夜間の電気料金が格安になるプランに加入するのが一般的なのですが、逆に言うと、エコキュートなどを導入していないとこの料金プランは加入できません。つまり、ガス併用ではなく、オール電化にすると、特別な割引対象に入れるので光熱費削減が目指せるというメリットが得られます。 - 火災リスクなどの事故の発生確率を低減できる
ガスを使わないオール電化住宅は、住宅火災や不完全燃焼などによる一酸化炭素中毒の事故リスクを大幅に低減できます。最近の火災保険などは、オール電化にすることで割引してもられるようなプランも出ているなど、安全でお得な生活の実現に役立ちます。 - コンロ部分のお手入れが楽になる
ガスコンロが嫌われるポイントとして、五徳部分など、日々のお掃除が面倒に感じるという意見が多いです。オール電化の場合、IHクッキングヒーターを導入するのですが、天板がフラットになっているため、日々のお手入れが劇的に楽になります。 - 環境に優しい
エコキュートやIHクッキングヒーターを導入するオール電化は、CO2排出量を削減できるなど、環境に優しいという点も大きな利点です。火力発電で電気を発電する際にはCO2の排出があるのですが、それでも日々の給湯にガス給湯器を利用するよりも半分程度まで削減できると言われています。さらに、自宅に太陽光発電を導入すれば、より環境保全に貢献できます。
オール電化住宅は、上記のように、日々の生活がお得になるだけでなく、家族の安全性が高くなる、環境保全に貢献できるなどといった点が大きなメリットです。ただ、デメリットも存在しますので、以下のポイントはきちんと押さえておきましょう。
- リフォームの場合、初期コストが高い
特に、リフォームでオール電化を選ぶ場合なのですが、エコキュートやIHクッキングヒーターを導入するための初期費用が高い点がデメリットです。一昔前と比較すれば、かなり本体価格も下がってきましたが、それでもガス給湯器などと比較すると、初期コストが割高です。日々の生活で節電を意識すれば、光熱費の差額で十分回収できる範囲ですが、初期コストの高さはやはりデメリットです。 - 昼間の光熱費が高くなる
エコキュートは、夜間の電気料金が格安になるプランを活用することで、光熱費削減を目指します。ただ、この料金プランは、日中の電気料金が割高に設定されるという落とし穴があります。そのため、昼間も在宅していて、エアコンなどをよく使用するという家庭の場合、生活にかかる全体の光熱費が高くなってしまう恐れがあります。この点は大きなデメリットです。 - 調理の面に制限がある
オール電化にする場合、コンロはIHクッキングヒーターを導入します。そして、IHクッキングヒーターは、鍋底が器具に接していないと加熱ができない仕様になっています。つまり、鍋振りなどができなくなり、不便に感じる方もいます。また、鍋やフライパンなどの調理器具については、IH対応のものに買い替えなければならない点もデメリットでしょう。 - オール電化からガスの併用はかなりのコストがかかる
オール電化の新築住宅が増えていますが、オール電化からガスの併用に移行したいと思った時には、ガス管の敷設を行わなければならないため、かなりの費用がかかります。したがって、本当にオール電化で良いのかは、慎重に検討して選ばなければいけません。
オール電化のデメリットは上記のような感じです。なお、オール電化は停電が発生すると「何もできなくなる…」という点をデメリットとして考える方も多いのですが、大規模停電が発生した場合にはガス併用でも不便な生活を強いられるのは一緒です。つまり、オール電化だけのデメリットではありません。それどころか、太陽光発電を導入していれば、停電が長期化しても普段の生活を守れますので、メリットにすらなり得ます。
オール電化の強みと弱点は、上で紹介したような感じです。基本的には、「共働きで子どもは保育園に預けている・学校に行っている」など、日中は家を空けていて電気使用量が少ないご家庭が、オール電化プランで光熱費削減が目指せるので、オール電化がオススメです。
ガス併用の場合のメリットとデメリット
続いて、エコキュートは導入するものの、キッチンのガスコンロは残すなど、ガスを併用する場合のメリットとデメリットです。ガス併用の強みは以下のようなポイントです。
- ガス器具が使える
エコキュートと都市ガスの併用を考えている方の多くは、ガスコンロの使い勝手の良さをメリットに感じているようです。IHクッキングヒーターは、ガスコンロに慣れている方が使いにくいと感じたり、調理器具の買い替えが必要などという点を懸念する方が多いです。エコキュートを導入する場合でも、都市ガスを残しておけば、ガスコンロやガスヒーターなど、ガス器具を利用することができます。ガスヒーターなどは、立ち上がりが早くすぐ温まるなど、エアコンにはないメリットがありますので、ガスの併用を検討する方は現在でも多いです。 - 電気料金が高い昼間のエネルギーをガスで賄える
上述したように、エコキュートの光熱費削減を助けてくれる「夜間の電気代が下がる」プランは、昼間の電気料金が割高になります。そのため、昼間も在宅していて多くの電気を使うご家庭は、全体的な電気代が高くなってしまう恐れがあります。ガス併用の場合、昼間はガスコンロやガスヒーターを利用することができますので、日中も家族がいるご家庭なら、全体的な光熱費削減を目指せます。
昼間も誰かが在宅していて、多くの電気を使用するご家庭であれば、ガスを併用することで、お得に生活することができる可能性があります。この辺りは、慎重にシミュレーションする必要がありますが、エコキュートが活用する電気料金プランを採用する場合、ガスの併用がお得になるケースも少なくないと思います。
ただ、こちらの選択肢もデメリットがありますので、以下の点は注意しましょう。
- 基本料金が二重にかかる
オール電化の場合は、ガスの契約が不要になるので、ガスの基本料金がなくなり、光熱費を大幅に削減できます。しかし、併用する場合は、当然両方の基本料金を支払わなければいけません。当たり前の事ですが、オール電化と比較した場合はデメリットとみなせるでしょう。 - 災害などでガスが停止すると復旧に時間がかかる
自然災害による影響では、停電の事を心配する方が多いのですが、ガスや水道など、その他のライフラインがストップしてしまうことは珍しくありません。そして、ガスがストップしてしまった時には、停電の復旧よりもかなり長い時間がかかるケースが多いです。ガスが復旧するまでは、ガス器具が使用できなくなるので、この点はデメリットと考えられるでしょう。 - 太陽光発電や蓄電池のメリットを最大限生かせない
太陽光発電や蓄電池を導入している場合は、ガスの併用ではなくオール電化がおすすめです。ガス併用の場合、調理の面では太陽光発電や蓄電池の恩恵を受けられなくなるからです。
エコキュートを導入する場合でも、オール電化ではなくガス併用を選びたいという方も多いです。実際に、調理の際にはガスコンロを利用したいという方が多く、そういった方はオール電化ではなくガスの併用がおすすめです。
エコキュートとガスを併用する場合のランニングコストの詳細
ここまでは、エコキュートを導入する時の二つの選択肢である『オール電化』と『都市ガスの併用』について、それぞれのメリット・デメリットをご紹介しました。
新築住宅にエコキュートを導入する場合、オール電化が選ばれるケースが増えていますが、リフォームの場合は、「給湯はエコキュート、調理はガスコンロ」と、都市ガスを併用するという選択をする方が多いように思えます。それでは、エコキュートと都市ガスを併用する場合、給湯と調理にかかるランニングコストはどうなるのでしょうか?
ここでは、エコキュートと都市ガスの併用について、皆さんが最も気になるランニングコストについて解説します。
エコキュートは給湯にかかる光熱費を削減できる
ガス給湯器からエコキュートに交換する最大のメリットは、給湯にかかるランニングコストを大幅に削減できる点です。上でご紹介したように、エコキュートを導入する際のイニシャルコストは、ガス給湯器と比較すると割高になります。それなのに、エコキュートの販売台数は、右肩上がりで伸びています。これは、ガス給湯器からエコキュートに入れ替えすることで、日々の給湯にかかるランニングコストが削減でき、中長期的に見るとエコキュートの方がお得になると判断する方が多いからです。それでは、エコキュートとガス給湯器の年間にかかる給湯コストはどれほどの差が生じるのでしょうか?
ここでは、パナソニック社が公表しているデータをご紹介します。
エリア | エコキュートの年間コスト | ガス給湯器の年間コスト |
---|---|---|
北海道電力エリア | 約32,400円 | 約109,200円 |
東北電力エリア | 約21,600円 | 約104,400円 |
北陸電力エリア | 約20,400円 | 約118,800円 |
東京電力エナジーパートナーエリア | 約24,000円 | 約78,000円 |
中部電力エリア | 約24,000円 | 約87,600円 |
関西電力エリア | 約20,400円 | 約81,600円 |
中国電力エリア | 約22,800円 | 約112,800円 |
四国電力エリア | 約26,400円 | 約99,600円 |
九州電力エリア | 約18,000円 | 約108,000円 |
沖縄電力エリア | 約10,800円 | 約54,000円 |
参照:パナソニック公式サイト
上の表は、エコキュートとガス給湯器で、同じ量の湯を沸かした時の年間コストです。もちろん、実際にかかる給湯コストは、ご家族の人数やお湯の消費量、給湯器の設定などによって異なりますが、ガス給湯器からエコキュートに交換すれば、日々の生活にかかる給湯コストは約1/3にまで抑えられるとされています。
なお、経済産業省資源エネルギー庁が公表した、家庭のエネルギー消費量の平均割合は、給湯が約31%と、暖房の約25%よりも高い割合となっています。つまり、給湯器をエコキュートにするだけで、日々の生活にかかる光熱費を大幅に削減できる可能性が高いです。
ガスの併用は、調理部分のランニングコストを削減できる?
給湯器をガス給湯器からエコキュートに交換する場合でも、コンロはIHクッキングヒーターではなく、ガスコンロのままにしたいと考える方も少なくありません。そして実は、コンロをガスコンロのままにして、都市ガスを併用するという選択をした場合、調理部分のランニングコストをおさえることができる可能性があります。
ガスコンロは、都市ガスもしくはプロパンガスを燃やして、火を使って加熱するコンロです。一方、IHクッキングヒーターは、電磁誘導加熱の仕組みを利用した熱によって調理が可能になるコンロです。この二つの調理器具については、電気だけでガスと同じ熱量を生み出すには、「ガスの10倍」のエネルギーが必要になると言われています。そのため、一般的には、最新の高効率ガスコンロとIHクッキングヒーターを比較した場合、その年間コストはガスコンロの方が約8,000円も安くなると言われています。もちろん、実際のランニングコストは、家族構成や調理時間、調理の頻度などによっても異なります。そしてさらに、エコキュートを導入する場合には、電気の料金プランの関係で、IHクッキングヒーターのランニングコストが高くなるという問題があります。
例えば、関西電力エリアにお住まいの方がエコキュートを導入する場合、「はぴeタイムR」というオール電化プランに加入します。この料金プランは、時間帯によって以下のように電気料金が設定されています。
- デイタイム(昼間時間) 26.24円(夏季は28.87円)
- リビングタイム(生活時間) 22.80円
- ナイトタイム(夜間時間) 15.37円
これからも分かるように、オール電化プランは、夜間の電気代が格安に設定されていることから、この時間帯に電気を使用するようにすることで、光熱費削減を目指せるようになっています。しかし、それ以外の時間帯は、通常の電気料金プランよりも割高な価格設定になっています。つまり、一般的にコンロが使用されるような時間帯は電気代が高く設定されてしまうことから、エコキュートを導入する場合でも、調理部分はガスコンロのまましておいた方が、光熱費を抑えられる可能性があるわけです。
参照:はぴeタイムR
結局のところ、オール電化とガス併用ならどっちが良い?
ここまでの説明で分かるように、オール電化とガスの併用は、どちらも一長一短と言える選択肢になります。
これからエコキュートの導入を検討している方の中には、IHクッキングヒーターも一緒に導入してオール電化にするか、ガスコンロを残すかで迷っている方も多いと思いますので、それぞれの選択肢がオススメ出来る条件をご紹介します。
ガスの併用がオススメ出来る人の条件
以下のような方は、エコキュートとガスを併用する選択がおすすめです。
- IHクッキングヒーターに魅力を感じない(ガスコンロが良い)人
- 太陽光発電システムや蓄電池を設置していない(今後も予定が無い)人
使い勝手の問題などで、IHクッキングヒーターに魅力を感じない人は、エコキュートを導入する場合でもガスを併用したほうが良いでしょう。
IHクッキングヒーターは、火災などの事故リスクが少ない、調理後のお手入れが楽と言った点がメリットなのですが、使い方によってはガスコンロよりもランニングコストが高くなる、専用の調理器具を用意しなければならないなど、デメリットもあります。
さらに、IHクッキングヒーターを導入するには、工事費を含めて20万円前後のイニシャルコストがかかるので、機器に魅力を感じていない方にとっては、かなりのコスト負担に感じてしまうことでしょう。
他にも、現在、将来にわたって、太陽光発電や家庭用蓄電池の導入をしないと決めているご家庭の場合は、ライフスタイルによってはオール電化にすることで、光熱費が高くなってしまう恐れもありますので、ガスとの併用の方が賢いかもしれません。太陽光発電や蓄電池を設置していない方は、慎重に光熱費のシミュレーションを行ってから、オール電化かガスの併用かを決めましょう。
オール電化がオススメ出来る人の条件
次のような方は、ガスの併用ではなく、オール電化を目指すのがおすすめです。
- ガスと電気、両方の基本料金がかかるのをもったいないと感じる人
- 太陽光発電や蓄電池を導入している(検討している)人
- 小さなお子様や高齢の方がいて、事故のリスクを減らしたい人
エコキュートとガスを併用する場合の最大のデメリットが、ガスの基本料金を支払わなければならない点です。都市ガスの基本料金は、上でもご紹介したように、全国平均で1,000円程度と言われていて、高い地域になると2,000円近くになることもあります。つまり、ガスを併用する場合、オール電化と比較すると、問答無用で年間12,000円~24,000円のコスト高になるわけです。
先ほど、IHクッキングヒーターを導入する場合、20万円前後のイニシャルコストがかかると紹介しましたが、ガス併用の場合は、IHコンロを耐用年数分、使用したことを考えると、ランニングコストでそれと同じぐらいの費用がかかってしまう訳です。このガスの基本料金がもったいないと感じる方は、オール電化を目指して、エネルギーの一本化するのがオススメです。
なお、太陽光発電や家庭用蓄電池を導入しているお宅であれば、ガスの併用ではなく、IHクッキングヒーターを導入し、オール電化にするのがおすすめです。IHクッキングヒーターは、ガスコンロよりもランニングコストが高くなる可能性が高いのですが、太陽光発電や蓄電池があれば、電力会社からの買電量を減らすことができますので、調理にかかるランニングコストを大幅に削減することが可能です。特に、太陽光発電のFIT期間が終了している場合、売電するよりも自家消費の方がお得になるため、オール電化を目指すのがおすすめです。
この他にも、高齢者や小さなお子様がいるご家庭の場合、直接火を使わないIHクッキングヒーターの方が事故の発生リスクは低くなるのでオススメです。
まとめ
今回は、エコキュートの導入を検討している方について、「オール電化とガス併用ならどっちが良いの?」という疑問にお答えしました。この記事でご紹介したように、各家庭の生活スタイルやエコキュート以外の設備の導入状況など、人によって条件が全く異なることから、一概に「オール電化がお得!」とも「ガス併用がおすすめ!」とも言えないのが実情です。記事内でご紹介しているように、どちらの選択肢にもメリットがある一方、デメリット面が存在します。
ただ、今後、光熱費削減や自然災害への備えとして太陽光発電設備や家庭用蓄電池の導入を検討しているという場合、ガスの併用ではなく、オール電化を目指すのが良いでしょう。コンロ部分にガス設備を残してしまうと、調理の面では太陽光発電や蓄電池のメリットが得られなくなってしまうからです。
エコキュートとオール電化専門店 とくとくショップでは、エコキュートはもちろん、太陽光発電や家庭用蓄電池の販売・設置工事も行っています。ご家庭ごとのエネルギー使用をきちんとシミュレーションさせていただき、最もお得な設備のご提案も行っていますので、「オール電化とガスの併用はどっちが良いの?」と迷っている方がいればお気軽にお問い合わせください。