コラム

こんなにある「太陽光+蓄電池」のメリット、導入しないのはもったいない

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太陽光発電に蓄電池をセットにするモデルの普及が進んでいます。太陽光発電と蓄電池はそれぞれを補完する関係にあり、これがセットになるとメリットが最大化されるのが大きな理由ですが、実際にはどんなメリットが期待できるのでしょうか。

当記事では太陽光発電に蓄電池をセットにすることで得られるメリットと、その反面知っておくべきデメリットについて解説します。太陽光発電をこれから導入する方、すでに導入していて蓄電池の設置を検討している方はぜひご一読ください。

太陽光発電の真の実力は、蓄電池で完成する

太陽光という無尽蔵の自然エネルギーから発電ができる太陽光発電は、実質的に無限に利用できるエネルギーとして大いに注目を集めてきました。実際に普及も進み、今や使用電力の一部は太陽光発電でまかなわれている時代です。

発電時にCO2を一切排出しないことから脱炭素エネルギーとしての期待値も高いわけですが、そんな太陽光発電にも大きな弱点があります。それは、太陽光がなければ発電できないことです。雨の日や夜間など、太陽光発電が稼働できない条件は意外に多くあります。この弱点さえ克服できれば太陽光発電は、今よりもっと活躍できるはずです。

そのために開発されたモデルが、「太陽光発電+蓄電池」の組み合わせです。太陽光がある時間帯は電力が余ることが多いので、多くの家庭では売電が行われています。その一方で夜には自宅での発電ができないので、電力会社から電力を買うことになります。昼間に余った電力を売った分と夜間に買う電力の量が同じであれば、実質的に完全な自家発電が完成します。これを目指した住宅も開発されていますが、やはり夜は発電できないので完全自給にも「実質」の2文字がつきます。

ここに蓄電池を追加すると、「実質」ではなく完全なる電力の自給自足が可能になります。昼間に余った分を充電して、それを夜など太陽光がない時間帯に使えるようになるからです。

太陽光発電はそもそも電力の自給自足を目的とした発電システムです。これに蓄電池が加わることにより、本当の意味での自給自足が完成します。つまり、太陽光発電の真の実力は、蓄電池があってこそはじめて発揮されるのです。

太陽光発電+蓄電池のメリット3つ

太陽光発電+蓄電池のモデルでは、主に3つのメリットが得られます。すでにご存じのものや容易に想像ができるものなどを含めて、3つのメリットを1つずつ解説していきましょう。

何といっても電気代の削減ができる

「お財布に優しい」というのは、太陽光発電の本格的な普及が始まった当時によく見かけた宣伝文句です。自宅で消費する電力の多くを自家発電でまかない(しかも太陽光は無料)、さらに売電収入を得ることで実質的な電気代が大幅に削減されます。

この従来からのメリットに加えて、蓄電池があることで夜間や悪天候の日も自宅で発電した電力を利用できるため、電力会社からの買電量はもっと少なくなります。光熱費ゼロを目指すのであれば、蓄電池はそれに近づく大きな力になるでしょう。

電気代は年々上昇しています。円安やウクライナ戦争、さらには欧米各国のインフレなど、今後も原油価格を押し上げる要因が横たわり続ける限り、電気代の上昇は今後も続くでしょう。

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引用元:日本のエネルギー 2020年度版 「エネルギーの今を知る10の質問」(資源エネルギー庁)

電気代の上昇に備える最大の対策は、自家発電です。購入する電力が高いのであれば、買わなければ良いのです。この事実を踏まえると、蓄電池によって自宅の電力システムを完結させてしまうことは強力な防衛策になります。ちなみに、こうしたシステムのことを太陽光発電の自家消費モデルといいます。自家消費モデルはとてもメリットが大きいので、詳しくは後述します。

非常用電源としての実力がアップする

太陽光発電には自立運転モードといって、災害時などに発電した電力をそのまま自宅で使用できる機能があります。十分な日照量がある昼間であれば余るほどの発電ができるので、その電力をすぐに使えるわけです。

この自立運転モードは東日本大震災などの大規模災害でも威力を発揮しており、太陽光発電を導入していた家では自立運転モードで家電が使えたという話があちこちで聞かれました。そんな家の中には、スマホやラジオなどの充電のために自立運転モードの電力を近隣の人たちに解放しているところもありました。このことがどれだけ感謝されたかは、言うまでもありません。

この自立運転モードは太陽光パネルで発電が行われている時しか使用できませんが、蓄電池があるとその時間帯がぐっと広がります。昼間に蓄電池への充電ができていれば、電力を夜間に使うこともできます。災害時にはむしろ夜間のほうが照明など電力を使いたい場面は多いと思うので、蓄電池は強力な非常用電源となります。

これほどの大規模災害ではなくても、豪雨などで一時的な停電が発生することは珍しくありません。サーバー機を運用している企業などで停電が発生すると重大な事態になってしまうため、非常用電源としてのバックアップ電源は古くから利用されています。太陽光発電と併用される蓄電池もこれと同じ構造なので、自宅で停電すると困るようなものがある場合(熱帯魚の水槽や医療機器など)は、蓄電池によるバックアップが重要になります。

卒FITにおける切り札になる

卒FITという言葉をご存じでしょうか。FITとはフィード・イン・タリフ(FIT=固定価格買取制度)のことで、太陽光発電を導入したら一定期間は固定価格での電力買取が保証される制度です。家庭向けの太陽光発電では10年、産業用の太陽光発電では20年間のFIT期間があります。

この制度が始まってからすでに10年が経過しており、順次FIT期間の満了を迎えるケースが増えています。FIT期間が終了すると固定価格では買い取られなくなり、買取価格が大幅に下がってしまいます。当初の約束通りの期間満了なので文句のつけようはないのですが、固定価格買取の終了を迎えるのにあたって有効な出口を見出す必要があります。これを、卒FITといいます。

蓄電池は、卒FITの切り札として注目されています。先ほどから蓄電池を導入すると自宅の発電システムが完成すると述べていますが、これが卒FITの切り札です。高く買い取ってもらえないのであれば自宅で消費したほうがオトク、そのためには蓄電池があると自家消費分を多くできるというわけです。これが、先ほど少し触れた自家消費モデルです。しかも電気代が年々上昇している状況である一方で売電分を高く買ってもらえないのですから、それなら電力を購入せず自宅で消費したほうが経済性は高くなります。

卒FITを迎えたタイミングで蓄電池の後付けをする人が多いのは、こうした自家消費モデルに魅力を感じる人が多いからです。

太陽光発電+蓄電池のデメリット3つ

次に太陽光発電と蓄電池を組み合わせることによって知っておくべきデメリットを3つ解説します。

新たな設置費用が必要

太陽光発電に蓄電池を追加する場合は追加するための費用が発生します。新規に太陽光発電+蓄電池のシステムを導入する場合であっても、太陽光発電のみのシステムと比べると蓄電池分の費用的な上乗せがあります。蓄電池の価格は蓄電池本体と施工費用の合計が少なくとも100万円以上になります。容量が大きくなるほど価格は高くなるため、本格的なシステムを導入しようと思うほど費用も大きくなります。

もっとも、蓄電池の追加分は自家消費などによる電気代の削減効果によっていつかは元が取れます。そのため新たな費用負担があるとはいっても一時的なもので、一種の投資のようなものだと考えると良いと思います。

太陽光パネルとの適合性を考慮する必要がある

新たに太陽光発電+蓄電池のシステムを導入する際には太陽光パネルと蓄電池は同じメーカーのものを揃えるのが理想的だといわれています。適合性といって、太陽光パネルと蓄電池の相性が悪いと発電性能が落ちたりするといった不具合の原因になるからです。もちろん異なるメーカーでシステムを構築しても全く機能しないわけではありませんし、以前と比べると適合性の問題は解消に向かいつつあります。しかし、やはり導入するのであれば能力を最大化してメリットも最大化したいと思うものです。そのためには適合性の問題をクリアしておくのが理想です。

もちろん、一般消費者の方がメーカー間の適合性についての知識を持っているわけではありません。むしろないのが当たり前なので、施工店や販売店のノウハウや提案力がモノをいいます。異なるメーカーであっても適合性の問題が生じない組み合わせであれば問題はないので、施工店や販売店にしっかり相談しながら導入する機器を選びましょう。施工店や販売店を選ぶ際には、こうした適合性についての十分な知識や経験があるかどうかも重要な判断材料になるでしょう。

蓄電池には寿命がある

蓄電池の内部にはリチウムイオン電池が入っています。リチウムイオン電池はスマホやノートパソコンなどのIT端末にも広く採用されている、バッテリーの主流です。リチウムイオン電池に限らず、電池にはすべて寿命があります。蓄電池なので充電と放電を繰り返すわけですが、蓄電池はこの充放電の回数によって寿命のスペックが表示されています。

たとえば、シャープの蓄電池である「シャープクラウド」の想定寿命は、12,000サイクルです。これは平たく言うと、12,000回の充放電を繰り返すと寿命になりますよ、という意味です。単純に1日に1回ずつ充電と放電をしたとすると、32.8年で寿命に到達します。スマホの寿命は2年程度といわれており、2年以上使っているとバッテリーのもちが分かるくなると感じる人は多いと思います。それと比べると圧倒的に長い寿命ですが、永久に使えるわけではない点を知っておく必要があります。

もちろん、寿命が来たからといってある日突然全く充電や放電をしなくなるわけではありません。それが起きた場合は故障であり、寿命が来た場合にはスマホのように少しずつバッテリーの容量が少なくなってくるので、寿命が来ていることを実感してからでも交換などの対策を講じる時間は十分あります。

これから意識しておくべき最大のメリット「自家消費」

筆者は太陽光発電と蓄電池を組み合わせることによって多くのメリットがあると感じており、これから太陽光発電を導入する方や卒FITの時期を迎えている方には特に強く蓄電池の導入をおすすめしています。

すでに述べたように、おすすめする最大の理由は自家消費モデルの構築が可能だからです。ご存じのように電気代は年々上昇しており、今後これが大幅に安くなることは考えにくい状況です。省エネなどで防衛するだけでは限界があるので、根本的に電力を買わずに済むようなモデルを構築するのが決め手となります。それが自家消費モデルというわけです。

近年では電力の持続可能な供給モデルとして、スマートグリッドの導入が進んでいます。従来は電力会社から供給される一方だった電力ですが、今では太陽光発電をはじめとする民間の発電施設が多くなっているため、双方向の供給が可能になっています。そこで必要に応じてある単位ごとに双方向に電力の供給をしあう仕組みを目指すのが、スマートグリッドです。自家消費モデルは自宅内で完結するスマートグリッドの一種といえるもので、これは電力の安定供給だけでなく環境問題、エネルギー問題を根本的に解決できる画期的な技術です。

災害時の安心だけでなく、電力会社からの電力を買わない(つまり化石燃料を使わない)ことによって地球環境に貢献し、持続可能な電力システムが手に入ります。太陽光発電と蓄電池の組み合わせで始められる自家消費システム、少しでも興味がおありの方はぜひご相談ください。

まとめ

当記事では太陽光発電と蓄電池を組み合わせることによって得られるメリットなどについて解説しました。メリットの裏側にはデメリットもあるのでデメリットについても解説しましたが、デメリットのほとんどは時間が解決するものであったり、すでにデメリットを克服する方法論が確立されているものばかりです。むしろメリットのほうが圧倒的に多いので、太陽光発電をこれから導入する方にはぜひ蓄電池もセットにしたシステムを検討していただきたいと思います。蓄電池を使用する期間が長くなればなるほどメリットが大きくなり、トータルの節電メリットは数百万円規模に及びます。本文中では家庭用の太陽光発電を想定して解説しましたが、電気代の削減を本気で検討している企業も大いに検討の余地があります。

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