この記事では、エコキュートの選び方について詳細に解説します。リッター数の違いやフルオートやフルオートでないタイプ、角型や薄型、メーカーごとの水道直圧式やエコナビなどの違いについても探求します。
エコキュートについてあまり詳しくない方ですと、メーカーのウェブサイトを見ても違いが理解しづらいかもしれません。この記事を読むことで、エコキュートの選び方を理解し、各メーカーを自身で比較するときの参考にしてみてください。
目次
エコキュートの選び方 ポイント1:給湯タイプの違い
エコキュートの選び方のポイントは、大きくわけて4つあります。給湯タイプの違い、エコキュートのリッター数の違い、設置地域による違い、設置スペースの違いです。
ポイントその1は、給湯タイプの違いです。エコキュートは大きくわけて3つの給湯タイプに分かれます。フルオートタイプ、オートタイプ、給湯専用タイプです。
フルオートタイプ
家庭の給湯と暖房をエコキュートが一括して担当します。フルオートは「湯はり」「足し湯」「保温」を自動でコントロールすることができます。リモコン操作一つで、常に快適な入浴ライフが楽しめます。フルオートは蛇口からではなく、浴槽の横からお湯が出てくるタイプです。
セミオートタイプ
セミオートタイプは「湯はり」のみが自動のタイプのことです。追いだき機能や自動たし湯、自動保温の機能はありません。
「たし湯」「保温」はご自身でリモコンから操作をする必要があり、湯温を上げたい場合は「高温さし湯」という機能があります。
ユーザーが給湯温度や暖房の切り替えを手動で行い、エコキュートはその設定に基づいて動作します。自身で細かい設定を調整したい場合や、使用状況に応じて柔軟に操作したい場合に適しています。
こちらもフルオートと同じく、浴槽の側面からお湯が出てくるタイプの給湯システムです。最近は魔法瓶浴槽など、保温性能も上がってきていますので、湯温が下がっても気にしないのであれば、イニシャルコストを抑えられるのでこちらをおすすめできます。
給湯専用タイプ
給湯専用タイプのエコキュートは、お湯はりも手動で、浴槽の上に蛇口がついているタイプです。ご自身で蛇口を閉める必要がありますが、お湯はりの状況などをリモコンから教えてくれる機能がある機種もあります。
保温、追い焚きの機能などオプションを省略しているため、価格が比較的リーズナブルです。給湯の需要が高い家庭や、予算を抑えたい場合に適した選択肢となります。
エコキュートの選び方 ポイント2:リッター数の違い
エコキュートは、空気を吸い込み、熱を作るヒートポンプシステムと、水とお湯を貯めておくタンク部の2つがあります。基本的にエコキュートは、沸かしておいたお湯を使うため、タンクの貯水量が多ければ多いほど湯切れがなく、大量のお湯をたくさん使うことができます。
小型(150リットル以下)
小型のエコキュートは、一般的に単身世帯や小規模な住宅向けに設計されています。150リットル以下のリッター数を持ち、比較的少ないお湯の使用量に対応します。
例えば、シャワーや洗面、台所などの基本的な用途に使用することができます。
中型(150リットル〜250リットル)
中型のエコキュートは、一般的な2人から4人程度の世帯に適しています。150リットルから250リットル程度のリッター数を持ち、一般的な家庭での給湯ニーズに対応します。
シャワーや洗面、台所などの基本的な用途に加えて、浴槽への給湯も可能です。
大型(250リットル以上)
大型のエコキュートは、大人数の世帯や使用量が多い家庭に適しています。250リットル以上のリッター数を持ち、大容量のお湯を供給することができます。
シャワーや洗面、台所、浴槽など、多くの用途において十分な給湯量が期待できます。
一般的に、家族の人数に合わせてリッター数を選ぶことになります。主に基準となる人数は、以下の通り。
- 約3~5人用:370L
- 約4~6人用:460L約
- 5~7人用:550L
ただし上記のリットル数は、使えるお湯の量ではありませんのでご注意ください。
「使用可能湯量」というものがあり、大体370Lですと700L前後、460Lモデルですと850L前後が目安となります。人数についても開きがありますが、ここにも注意が必要です。
エコキュートは気温に左右され、熱い地域よりも寒い地域の方が効率が悪くなる傾向があります。そのため、例えば4人家族の場合は370Lと460Lが当てはまりますが、暖かい地域(沖縄など)の方は370L、寒い地域(北海道など)の方は460Lを選ぶことが推奨されているのです。
湯切れをできるだけさせないためには、ご家庭やお住まいの地域に合わせたサイズ選びが重要、つまりサイズ選びを間違えなければ、湯切れの可能性を抑えることができるわけですね。
ご家族が、一日に一回以上シャワーを使用される方はいらっしゃいませんか?例えば、ご夫婦で一人につき二回以上シャワーを浴びる場合など、シャワーの利用頻度を考慮して人数の設定を調整することで、湯切れの心配をせずに安心して利用できます。人数だけでなく、ライフスタイルの要素も考慮して選択されることをおすすめいたします。
また、多くの来客がある場合には、上記のタンク容量の選択をおすすめいたします。ただし、各メーカーには沸き増し機能が備わっており、たまにの来客や年末年始の集まりなどの頻度であれば、タンク容量の選択にはあまり気を配る必要はありません。
なお、沸き増し機能を使用する場合、深夜電力以外の時間帯での給湯となるため、光熱費が増加することや、時間がかかることも考慮してエコキュートの選択をしてください。
エコキュートの選び方 ポイント3:設置地域による違い
エコキュートのメーカーホームページを見てみると「耐塩害地域仕様」と「寒冷地仕様」というものに気づくかと思います。
海が近ければ耐塩害、寒い地域なら寒冷地というわけではなく、基準があるのです。 さっそく解説していきます。
耐塩害地域仕様を選ぶ基準
エコキュートの塩害仕様は、各メーカーが「日本冷凍空調工業会の標準規格JRA9002」に基づいて表示しています。塩害に対して錆びないように防錆処理が施されたエコキュートを、耐塩害地域仕様と呼称しています。
ご自宅が耐塩害仕様を選ぶべきかどうかを判断する際には、設置予定箇所のエコキュートが「潮風が直接当たるかどうか」がポイントとなります。
直接的な潮風が当たらない場合、内海から300m未満であれば耐塩害仕様が適しており、300m以上であれば標準仕様となります。外海から300m未満の場合は耐塩害仕様では対応しておりませんが、500m〜1kmの立地であれば耐塩害仕様のエコキュートをご利用いただけます。
沖縄や離島の場合は、500m以上離れている場合のみ耐塩害仕様のエコキュートをご利用いただくことができます。
直接的な潮風が当たる場合、内海から300m未満では耐塩害仕様のエコキュートでは対応できません。300m以上500m未満であれば耐塩害仕様となり、500m以上の場合は標準仕様のエコキュートをご利用いただけます。外海から500m以上1km未満の場合は耐塩害仕様のエコキュートをご利用いただけますが、500m未満では耐塩害仕様のエコキュートではご利用いただけません。
つまり、沖縄や離島の立地では、直接的な潮風が当たる場所では耐塩害仕様のエコキュートをご利用いただくことはできません。
なお、耐塩害仕様のエコキュートであっても、サビの発生に完全に対策できるわけではありません。耐塩害地域仕様のエコキュートを選ぶ場合でも、定期的なメンテナンスや適切な保護対策が必要です。塩害地域では通常のエコキュートよりも塩分による腐食のリスクが高いため、メーカーの保証やメンテナンスサービスが充実しているかどうかを確認しましょう。
寒冷地仕様を選ぶ基準
エコキュートの寒冷地仕様については、各メーカーは一般的に-25℃程度の寒さに対応していますが、-20℃以下の気温になる場合はタンク部を室内に設置する必要があります。積雪への対策として、ヒートポンプユニットを高い位置に設置するなどの配慮が必要となり、これにより工事費用も増加する場合があります。
エコキュートは本来、外気の熱を圧縮して高温にすることで熱湯を生成する仕組みです。そのため、外気温が低い地域では熱効率が低下する傾向にありますが、寒冷地仕様のエコキュートを選ぶことで、寒冷地の過酷な環境下でも効果的に給湯を提供することができます。
製品の仕様や機能、メンテナンスサービスについて、詳細な情報を確認し、寒冷地に適した性能を持ったエコキュートを選択しましょう。
エコキュートの選び方 ポイント4:設置スペースの違い
エコキュートを各メーカーで見ていると、通常の形状とは異なる薄型タイプやコンパクトタイプなどのエコキュートが存在しています。
設置スペースを十分に確保できる場合は通常の角型エコキュートで問題ありません。しかし、設置スペースが狭小地であり、角型の設置が困難な場合は、薄型のエコキュートを選択することをおすすめします。
また、マンションなどの給湯スペースに設置する場合は、コンパクトタイプの小型エコキュートが適しています。エコキュートの設置には、屋外設置型(露出型)と屋内設置型(内部型)の2つの選択肢があります。
屋外設置型のエコキュート
屋外設置型のエコキュートは、建物の外部に設置されます。一般的には壁面や庭などに設置され、エコキュート専用のユニットやカバーに収められます。
屋外設置型の利点は、屋内スペースを占有せず、排気や通気による室内への影響を最小限に抑えられることです。ただし、屋外設置となるため、風雨や気候の影響を受ける可能性があります。そのため、風防や防水対策が必要な場合もあります。
屋内設置型のエコキュート
一方、屋内設置型のエコキュートは、建物の内部に設置されます。一般的にはバスルームや洗面所、キッチンなどに近い場所に設置され、床置き型や壁掛け型などが提供されています。
屋内設置型の利点は、屋外に比べて気候の影響を受けにくく、設置場所の選択肢が広がることです。ただし、室内スペースが必要となり、配管工事や排気対策が必要となる場合があります。
設置スペースの違いによって、エコキュートの形状やサイズが異なることがあります。また、設置場所によっては、周囲の通気や配管の取り回しに注意が必要です。
設置場所やスペースの制約に応じて、屋外設置型か屋内設置型かを選択することが重要です。必要に応じて、専門家に相談することをおすすめします。
まとめ
エコキュートの選び方はご理解いただけましたでしょうか?エコキュートを導入することで、光熱費の削減や災害への備えなどさまざまなメリットが得られることがおわかりいただけたかと思います。
また、エコキュートを選ぶときには、家族の人数やお湯の使い方などに合わせて、適切な容量や機能が搭載されたものを選ぶことも大切です。エコキュートに太陽光発電もセットで活用すれば、さらに電気代を安く抑えられます。
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