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太陽光パネルを設置すると雨漏りトラブルが起きる?その原因と対策、予防法

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太陽光パネルを屋根に設置すると雨漏りトラブルが起きるという話を見聞きしたことはないでしょうか。省エネ性能や経済的なメリットのために太陽光発電を導入したのに、大切な自宅で雨漏りが起きてしまうというのは、不幸でしかありません。

実際のところは、どうなのでしょうか。本当に太陽光パネルを設置すると雨漏りが起きてしまうのでしょうか。その真偽と、雨漏りがどんなトラブルなのかについて解説します。

もちろんこのトラブルは予防できるものなので、雨漏りトラブルを回避する方法についても解説します。

太陽光パネルと雨漏りトラブルの関係

屋根に太陽光パネルを設置したことによって雨漏りするようになった、というのは現実に起きているトラブルです。もちろんすべての事例で雨漏りが起きているわけではありませんが、残念ながら一部の事例ではそれまで雨漏りすることがなかった住宅だったのに、太陽光パネルを設置してから雨漏りするようになったという報告があります。

つまり、太陽光パネルと雨漏りトラブルに因果関係があるというのは、事実です。

太陽光パネルと設置すると雨漏りが起きる主な原因6選

太陽光パネルを設置することによって雨漏りが起きる原因は、1つではありません。考えられる原因は主に6つあるので、1つずつ解説していきましょう。

施工業者の知識不足、技術不足

おそらく最も多いのが、施工業者の知識不足や技術不足です。近年では少なくなりましたが、以前は太陽光発電システムの施工業者の中に知識や技術が未熟で問題を起こす業者が少なからず存在していました。現在では淘汰が進んだので悪質な業者はほとんど見られなくなりましたが、それでも入社間もない社員による施工で技術的に未熟な部分があったり、あいまいな知識で判断をしてしまっていることが原因で雨漏りトラブルに発展している事例があります。

多くの施工事例で採用されている「直打ち工法」は屋根に穴を開ける工法ですが、この穴を開ける位置が間違っていたり、十分な防水対策をしていないと雨漏りの原因になります。

施工業者の手抜き工事

技術的な未熟も十分問題ではありますが、悪質なのは手抜き工事など企業のモラルによる原因です。利益を重視するあまりに必要なコストまで削減してしまうと適切な防水工事もできないでしょうし、施工全体の品質が低くなります。

例えば、スレート屋根での太陽光パネル設置工事では、穴を開けた屋根材にしっかりとコーキング(防水)の対策を施す必要があります。それをいい加減な施工で済ませていると、間違いなくその分から雨水が侵入し、雨漏りのトラブルに発展します。

屋根の経年劣化

築年数が経過している古い家には、さまざまなリスクが潜んでいます。特に屋根は風雪にさらされる部分なので劣化しやすく、屋根材の中に敷かれている防水シートも劣化します。

こうした防水機能を担う部分で劣化が進むと、太陽光パネルを設置していなくても雨漏りが発生しやすくなります。そんな状態の屋根に太陽光パネルを設置するとリスクが顕在化し、雨漏りへとつながります。

この場合は太陽光パネルが直接の原因ではなく、いつ雨漏りしてもおかしくない状態の屋根であったことが原因です。

設計ミス

知識や技術の未熟さが雨漏りトラブルの原因になると述べましたが、それ以前の問題で設計にミスがあることも雨漏りの原因になります。最初から太陽光パネルを設置することを想定していない屋根に重いパネルや架台を設置するのですから、より緻密な設計が必要になります。

設計の段階で知識や技術を不足していると、そのまま工事に反映されてしまうため、雨漏りを引き起こすことになります。

無理な後付け

既存の住宅に後から太陽光パネルを設置することを、後付けといいます。後付けはそもそも屋根に何か重いものを設置することを想定していない家に設置することもあるため、設計の段階から入念な精査が欠かせません。

特に日本家屋は屋根が重くなる構造になっているため、そこにさらい重い太陽光パネルを設置すると家の強度に影響を及ぼしてしまうこともあります。屋根に負担が掛かりつづけることによって劣化が早まり、それが雨漏りの原因になるというのは、想像に難くないと思います。

これも施工業者のモラルの問題ですが、売上を伸ばしたいばかりに本来は太陽光パネルを設置するべきではない住宅にまで設置していることがあります。雨漏りトラブルが起きている事例の中には、こうした不適格な住宅への後付けも含まれています。

メンテナンスの不備

太陽光発電はメンテナンスフリーだというイメージが強いですが、そんなことはありません。太陽光パネルが設置されている屋根も劣化は進みますし、定期的な点検やメンテナンスが欠かせません。

必要なメンテナンスを怠っていると劣化が進み、雨水の侵入を許すことになります。

雨漏りトラブルを防止するための対策5選

雨漏りは単に室内に雨水が入ってきてしまって不快というだけでなく、長期的に家全体に重大なダメージを与えてしまう問題です。そんな雨漏りを防止するために、取りうる対策は5つあります。

屋根一体型の太陽光パネルを導入する

後付け工事では瓦やスレートに穴を開けるため、それが雨漏りのリスクを高めます。最初から屋根と一体型になっている太陽光パネルであれば穴を開ける必要がなく、雨漏りのリスクはほとんどありません。

家の新築時に太陽光発電の導入を前提にするのであれば、迷わず屋根一体型を選びましょう。

屋根に穴を開けない工法を選択する

後付け工事であっても、屋根に穴を開けずに太陽光パネルと設置することができます。「キャッチ工法」「シンプルレイ工法」「支持瓦工法」などの工法であれば屋根に穴を開けることがないため、雨漏りのトラブルを防ぐのに有効です。

ただし、これらの工法は技術レベルが高いため、しっかりとした技術をもっている施工業者を選ぶ必要があります。

設置後も定期的な点検とメンテナンスをする

設置したら後は放置していてOKとは思わず、屋根の上にある太陽光パネルや屋根そのものに対する定期的な点検とメンテナンスを怠らないようにしましょう。適切に設置された太陽光パネルであってもメンテナンスが不十分だと雨漏りを引き起こすことがあるため、設置後についても施工業者に依頼して定期的なメンテナンスをするようにしましょう。

技術的に信頼できる施工業者に依頼する

知識や技術の未熟さやモラルの問題は、雨漏りトラブルの原因としては大半を占めています。この問題を防ぐには、信頼できる施工業者を選ぶことに尽きます。雨漏りだけでなくさまざまなトラブルを防止する意味でも信頼できる施工業者を選ぶことには大きな意味があります。

それでは、信頼できる施工業者はどう見極めるのがいいのでしょうか。次章では施工業者の選び方について解説します。

雨漏りトラブルの心配がない施工業者の選び方

雨漏りだけではなく、さまざまなトラブルを防ぐためにも知っておきたい優良な施工業者の選び方について解説します。見極めたいポイントは、6つあります。

実績数で比較検討する

知識や技術が未熟な施工業者は、これまでの実績数も少ないはずです。太陽光パネルの設置業務を長く続けている施工業者であれば実績数も多いはずなので、1つめは実績数をチェックしてみてください。

こちらから尋ねなくても、実績数や技術力に自信がある施工業者であれば、そのことをアピールしていると思います。

第三者認証をチェックする

太陽光パネルの施工業者には、施工IDや販売IDなど、メーカーから付与されたID番号があります。太陽光パネルメーカーから技術力や実績を評価されている証拠でもあるので、こうした第三者認証があるかどうかもチェック項目です。

リフォーム瑕疵保険に入っているかチェックする

優良な施工業者であっても、100%完璧であるということはありません。万が一雨漏りなどのトラブルが起きたときのために、保険に加入しているかどうかも判断材料になります。優良な施工業者であれば実際に保険が適用される件数は少ないわけで、保険料負担も大きくはないはずなので、保険に加入することに抵抗もないでしょう。

チェックしたいのはリフォーム瑕疵保険で、こうした保険にきちんと加入している施工業者は施工力に自信があると判断できますし、万が一トラブルが起きた場合であっても保険を使って責任ある対応をしてくれると考えられます。

相見積もりを取って比較検討する

相見積もりとは、複数の同業他社に見積もりを取ることです。太陽光パネルだけでなく、高額な買い物をする際には基本となる手法で、「相見積もりを取っている」という事実があることで施工業者に競争意識が生まれます。

価格面での競争ももちろんですが、施工品質など、それぞれの業者が強みとしている部分を前面に出してくるので、比較検討をしやすくなります。

もらった見積書の項目が少なく「一式」など雑な表記になっている業者は仕事の雑ではないかと判断できるなど、相見積もりを取ることで見えてくることもあります。

保証の有無を確認する

メーカーの保証ではなく、施工業者自身の保証があることも判断材料になります。実際にトラブルが起きた際に保証を受けられる安心感があることに加えて、こうした保証を提供している施工業者はそもそも施工力が高く、自信があることの裏返しでもあります。

現地調査を丁寧に行っているか精査する

太陽光パネルを設置する屋根に、ひとつとして同じものがありません。場所や条件、形状などすべてにおいてケースバイケースです。そのため、現地をしっかり理解するためには入念な現地調査が欠かせません。

現地調査に来たときにどれだけ丁寧に調査をしているかというのも、施工業者に対する信頼感に直結します。

万が一、雨漏りトラブルが発生した場合の対処法

どれだけ優良な施工業者を選んだとしても、残念ながら雨漏りなどのトラブルが起きることはあります。ここでは、万が一こうしたトラブルが現実になったときの対処法についても解説します。

施工業者に修理を依頼する

雨漏りが起きた原因のほとんどは施工業者にあるので、まずは施工業者にそのことを伝えて修理を依頼しましょう。上記で述べたように施工業者の責任ではない雨漏りもありますが、それも含めて原因を特定することは重要です。

雨漏りを放置していると家へのダメージがどんどん大きくなってしまうので、できるだけ早急に対応を依頼しましょう。

施工業者の保証を確認する

太陽光パネルメーカーの保証は、初期不良やパネル自体の性能に関するものです。雨漏りは屋根で起きているトラブルなのでメーカーの保証外であることが大半です。

そこで重要になるのが、施工業者の保証です。依頼時に確認していなかった場合は、その施工業者に保証があるかどうかを確認しましょう。保証がなく施工業者の責任ではない場合は、残念ながら修理代は利用者の負担になってしまいます。

住宅リフォーム紛争処理支援センターに相談する

太陽光パネルの設置などを含む住宅に関連するさまざまな工事のトラブルを解決するための第三者機関として、「住宅リフォーム紛争処理支援センター」があります。名称のとおりリフォーム工事など全般が対象で、その中には太陽光発電に関連するトラブルの解決支援も含まれています。

電話番号とホームページは、以下のとおりです。

電話番号:0570-016-100

ホームページ:https://www.chord.or.jp/

まとめ

せっかく太陽光発電を導入したのに家で雨漏りが起きてしまうというのは、何としても避けたい事態です。すでに起きてしまったものは早急に対応するしかありませんが、これから太陽光発電を設置するのであれば、十分避けることができるリスクです。

当記事ではそのための施工業者選びについても解説しているので、信頼できる施工業者に依頼して太陽光発電が本来もっているメリットをしっかり享受してください。

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